■ 引き分け以上で決勝トーナメント進出引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる日本が、勝たないとグループリーグ敗退に終わる北朝鮮と対戦した。日本は、MF家長が今大会初のスタメン出場。
日本はいきなり開始4分に、FKで先制を許す。キックは防ぎようがなかったが、ファールを取られたDF辻尾の対応がまずかった。しかし、その直後に、右サイドのMF本田のタメから、MF増田が飛び出してボールを受けると、左サイドバックのDF一柳のヘディングで同点に追いついた。
■ パスミスの多い日本前半の日本は、パスミスが多く、リズムをつかめなかった。それも、最後の段階のパスがミスになるのではなく、攻撃のスタートの位置のパスをミスすることが多かった。
気になるのは、ボランチの青山(敏)。どうも、能力以上のプレーをしようとしていて、苦しいパスを出すことが多い。チャレンジのパスを前線に送るのは悪くないが、青山のパスはリスクは高いもののリターンが少なくて、ボールを奪われると一気にチームがピンチに陥る。
注目された、本田と家長の併用に対する答えだが、まずは、本田を右サイドハーフにおいて家長を左サイドハーフに置く形でスタートした。途中で、両者がポジションチェンジを見せるシーンもあったが、なかなか両サイドバックの辻尾と一柳がオーバーラップするシーンがなく、本田も家長もサイドで孤立気味だった。
■ 順当な北朝鮮の勝利後半に入ると、日本はDF水本に代えてMF本田拓を投入し、<3-6-1>の布陣に変更するが、後半15分に、その本田拓のハンドからフリーキックのチャンスを与えると、再び、北朝鮮に直接決められて勝ち越しを許す。その後、FW前田とFWカレンを投入して同点ゴールを狙いにいくものの不発で、決勝トーナメント進出はならなかった。
試合内容を考えると、北朝鮮の勝利は順当だった。日本はあまりにも、自軍でのパスミスが多く、そのパスミスから危険な位置でセットプレーのチャンスを与えてしまって、前半と後半に、同じような位置からFKを決められてしまった。北朝鮮の選手のキックも見事だったといえる。
■ 課題はビルドアップこれで大会を去ることになったが、中途半端に勝ち進むよりは、課題がはっきりと現れたのは良かったと思う。その課題とは、ビルドアップ。シリア戦では改善されていたが、パキスタン戦と北朝鮮戦の2試合は、ボール回しにリズムがなく、アタッキングエリアにボールがなかなか入らずにシュートシーンも作れなかった。
一番感じるのは、ビルドアップのときに難しいプレーをしようとし過ぎていて、その途中でボールを奪われてピンチになることが多いということ。単純にサイドの本田や家長にボールを預ければいいところで、無理をしてチームで崩そうとしているケースがあった。より高い理想を求めるのなら、そういう試みも悪くはないとは思うが・・・。
■ まだ始まったばかりただ、相手チームはフルメンバーに近い布陣だということ、日本はベストメンバーからほど遠いメンバーであること、グループ2位でもグループ敗退になるチームが出るという不可解なレギュレーションなど、考慮すべき余地はある。まあ、反町ジャパンは、まだ、はじまったばかりだ。
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