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【J1】 セットプレーの得意なチームと苦手なチームはどこか? (攻撃編) →
【J1】 セットプレーの得意なチームと苦手なチームはどこか? (守備編)■ セットプレーからの失点 今度は「守備編」です。「セットプレーの定義」等については、「
攻撃編」で確認してください。結果は表6のようになりました。このとおりで、「CKとFKからの失点」の合計がもっとも少なかったのはリーグ王者の広島でわずか3失点だけ。2番目に少なかったのが4失点の名古屋で、3番目に少なかったのは仙台とFC東京と横浜FMと甲府の計4チームで7失点となっています。
一方、ワースト1位は大分の16失点で、ワースト2位タイは磐田と鳥栖の14失点で、13失点の浦和がワースト4位となっています。直接FKでの失点が多かったのは、湘南と大分の2チームでともに4失点。3失点の柏がワースト3位でした。2012年は5失点でJ1でワーストだったC大阪は今シーズンはゼロだったので、相手の直接FKに対する対応力というのは、上がっているのかもしれません。
表6. セットプレーでの失点数 (J1の18クラブ)
| 失点(CKとFK) | 失点(CKとFK) | PK | その他 |
CK | FK | 直接FK |
ベガルタ仙台 | 7 | 6 | | 1 | 3 | |
鹿島アントラーズ | 10 | 7 | 3 | | 1 | |
浦和レッズ | 13 | 6 | 6 | 1 | 3 | |
大宮アルディージャ | 8 | 5 | 2 | 1 | 2 | |
柏レイソル | 10 | 6 | 1 | 3 | 3 | |
FC東京 | 7 | 3 | 2 | 2 | 3 | 1 |
川崎フロンターレ | 9 | 8 | | 1 | 2 | |
横浜Fマリノス | 7 | 6 | 1 | | 2 | 1 |
湘南ベルマーレ | 11 | 6 | 1 | 4 | 6 | |
ヴァンフォーレ甲府 | 7 | 1 | 4 | 2 | 5 | |
アルビレックス新潟 | 11 | 6 | 4 | 1 | 3 | 1 |
清水エスパルス | 8 | 6 | 2 | | 6 | |
ジュビロ磐田 | 14 | 10 | 4 | | 4 | |
名古屋グランパス | 4 | 4 | | | 2 | |
セレッソ大阪 | 9 | 6 | 3 | | 1 | |
サンフレッチェ広島 | 3 | 2 | 1 | | 1 | |
サガン鳥栖 | 14 | 9 | 5 | | 3 | 1 |
大分トリニータ | 16 | 8 | 4 | 4 | 3 | |
■ CKからの失点数が少なかったのは・・・ 次は「CKでの得点数と失点数」に着目して、失点数の少ないチームから順番に並べると表7のようになります。このとおりで、「J1残留」に成功した甲府がリーグ最少で1失点だけ。「CKを含めたセットプレーでの守備の堅さ」がJ1に残留することができた要因の1つと言えるでしょう。2番目に少なかったのは王者の広島で2失点だけ。3番目が3失点のFC東京で、4番目が4失点の名古屋となっています。
逆にワースト1位は10失点の磐田で、ワースト2位が9失点の鳥栖で、ワースト3位タイが8失点の川崎Fと大分でした。磐田はシーズンの序盤は試行錯誤して、マンマークにしたり、ゾーンにしたり、セットプレーの守り方で悩んでいましたが、「セットプレーでの失点の多さ」が降格の原因の1つになったのは間違いないところです。鳥栖はシーズン前半はセットプレーからあっさりと失点するシーンが目に付きました。
表7. CKでの得点数と失点数 (2013年)
| 得点 | 失点 |
ヴァンフォーレ甲府 | 4 | 1 |
サンフレッチェ広島 | 5 | 2 |
FC東京 | 5 | 3 |
名古屋グランパス | 3 | 4 |
大宮アルディージャ | 4 | 5 |
ベガルタ仙台 | 5 | 6 |
浦和レッズ | 10 | 6 |
柏レイソル | 6 | 6 |
横浜Fマリノス | 8 | 6 |
湘南ベルマーレ | 6 | 6 |
アルビレックス新潟 | 7 | 6 |
清水エスパルス | 8 | 6 |
セレッソ大阪 | 3 | 6 |
鹿島アントラーズ | 8 | 7 |
川崎フロンターレ | 8 | 8 |
大分トリニータ | 3 | 8 |
サガン鳥栖 | 5 | 9 |
ジュビロ磐田 | 7 | 10 |
■ イメージどおりのマリノス 表8は「CKやFKからの得点数」と「CKやFKからの失点数」の差を計算して、プラスの数字の大きかったチームから順番に並べたものです。このとおりで、2位でACLの出場権を獲得した横浜FMが「+7」で1位となりました。2位が「+6」の広島で、3位タイが「+5」の鹿島とFC東京でしたが、横浜FMについては、「セットプレーの得意なチーム」というイメージどおりの数字になっていると言えます。
表8. CK+FKでの得点数と失点数の差のランキング (2013年)
| 得点 | 失点 | ± |
横浜Fマリノス | 14 | 7 | +7 |
サンフレッチェ広島 | 9 | 3 | +6 |
鹿島アントラーズ | 15 | 10 | +5 |
FC東京 | 12 | 7 | +5 |
清水エスパルス | 11 | 8 | +3 |
名古屋グランパス | 7 | 4 | +3 |
大宮アルディージャ | 10 | 8 | +2 |
ベガルタ仙台 | 8 | 7 | +1 |
浦和レッズ | 14 | 13 | +1 |
川崎フロンターレ | 10 | 9 | +1 |
ヴァンフォーレ甲府 | 6 | 7 | -1 |
セレッソ大阪 | 7 | 9 | -2 |
柏レイソル | 7 | 10 | -3 |
湘南ベルマーレ | 8 | 11 | -3 |
アルビレックス新潟 | 8 | 11 | -3 |
サガン鳥栖 | 9 | 14 | -5 |
ジュビロ磐田 | 8 | 14 | -6 |
大分トリニータ | 5 | 16 | -11 |
■ 3年連続で二桁失点の浦和 表9は過去3年間の「CKやFKから失点数の合計」の少ないチームから順番に並べたものです。もっとも少なかったのは名古屋の14失点で、2番目が仙台、3番目が広島、4番目が横浜FMとなっており、このあたりも「イメージどおり」と言えます。注目したいのは広島で、2011年は10失点でしたが、2012年は5失点で、2013年は3失点だけ。2011年と2012年を境にセットプレーでの失点が激減しています。
逆にもっとも多かったのは、34失点の浦和でした。3年連続で二桁失点なので、「セットプレーの守備」というのは、大きな改善ポイントと言えます。上の表8を見ると分かるとおり、セットプレーで点は取れるようになりましたが、失点数は減っていません。「相手のマークを外すのは上手だが、守備のときは、相手に簡単にマークを外されてしまう。」というタイプは、浦和に限らず、結構います。
表9. CKとFKから失点数の合計 (過去3年間)
| 2011年 | 2012年 | 2013年 | 合計 |
名古屋グランパス | 2 | 8 | 4 | 14 |
ベガルタ仙台 | 2 | 8 | 7 | 17 |
サンフレッチェ広島 | 10 | 5 | 3 | 18 |
横浜Fマリノス | 5 | 7 | 7 | 19 |
大宮アルディージャ | 11 | 4 | 8 | 23 |
川崎フロンターレ | 10 | 4 | 9 | 23 |
セレッソ大阪 | 7 | 9 | 9 | 25 |
鹿島アントラーズ | 6 | 9 | 10 | 25 |
清水エスパルス | 8 | 10 | 8 | 26 |
アルビレックス新潟 | 9 | 7 | 11 | 27 |
柏レイソル | 8 | 11 | 10 | 29 |
ジュビロ磐田 | 7 | 9 | 14 | 30 |
浦和レッズ | 11 | 10 | 13 | 34 |
■ 苦手としている新潟とC大阪 最後は、過去3年間の「得点と失点の差」を抜き出したものです。これをみると、「+5」→「+6」→「+7」という横浜FMの安定感が際立っています。今シーズンはイマイチでしたが、仙台も安定していると言えます。一方、鹿島と名古屋に関しては、2011年は物凄い数字になっていますが、ここ2年間は、数字が落ち込んでいます。良くなっているのは、リーグ王者の広島です。
逆に「セットプレーは不得意」と言えるのが新潟です。3年連続でJ1に所属している13チームの中で、唯一、3年連続でマイナスとなっています。C大阪も2011年は±ゼロで、2012年と2013年はマイナスなので「セットプレーが得意」とは言えません。192センチのGKキム・ジンヒョンがいるので失点はそれほど多くありませんが、攻撃は物足りないので、監督が代わってどうなるのか、注目したいところです。
表10. 過去3年間のトータルの成績 (得点と失点の差)
| 2011年 | 2012年 | 2013年 | トータル |
名古屋グランパス | 16 | 1 | 3 | 20 |
横浜Fマリノス | 5 | 6 | 7 | 18 |
ベガルタ仙台 | 7 | 9 | 1 | 17 |
鹿島アントラーズ | 12 | -5 | 5 | 12 |
川崎フロンターレ | -1 | 7 | 1 | 7 |
サンフレッチェ広島 | -3 | 4 | 6 | 7 |
柏レイソル | 5 | 2 | -3 | 4 |
清水エスパルス | 3 | -4 | 3 | 2 |
ジュビロ磐田 | 3 | 1 | -6 | -2 |
大宮アルディージャ | -6 | ±0 | 2 | -4 |
セレッソ大阪 | ±0 | -4 | -2 | -6 |
浦和レッズ | -7 | -1 | 1 | -7 |
アルビレックス新潟 | -5 | -1 | -3 | -9 |
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