アジアカップの準決勝のポイントのおさらいです。
① 序盤は耐える。 → 韓国は序盤は積極的に来ることが予想される。中2日での試合であり、中3日の日本と比べると、不利であるからであり、早い時間に先制ゴールを奪って楽な展開にしたいところである。日本としては、後半になると必ず韓国のスタミナが落ちるので、そこまで耐えて先制点を奪われないようにしたい。「0対0の状況」で時計が進んでいるうちは「日本が優位」な状況である。
② キ・ソンヨン(16番)をつぶしたい。 → 韓国のゲームメーカーはMFキ・ソンヨン。セルティックでプレーする選手でパスの精度が高く、キープ力がある。しかしながら、キープ力があるからこそ、不用意に中盤の底でボールをキープして、相手に奪われてピンチを招くシーンが少なくない。この選手とマッチアップするのはMF本田圭。フィジカルの強さではMF本田圭が上である。できれば、前半の早い時間帯で、連動したプレスからMFキ・ソンヨンからボールを奪ってカウンターにつなげて日本のカウンターの恐怖を植え付けたい。そうなると、韓国もリスクを避けてロングボール一辺倒になるはずである。早い時間にMFキ・ソンヨン(16番)か、MFイ・ヨンレ(6番)がイエローカードを受けてプレーが制限される展開が理想である。
③ 内田篤人のビルドアップ → 立ち上がりから強烈なプレッシャーをかけてくることが予想される韓国代表。プレスのターゲットとなるのはMF遠藤保仁である。日本の攻撃はMF遠藤からスタートすることが多いので、MF遠藤はカタール戦と同様に徹底的にマークされるだろう。そうなると、重要になるのが右サイドに入ることが予想されるDF内田の働き。プレッシャーの少ない位置で、如何にしていいボール前線に供給できるか。DF長友、DF岩政はそれほどフィード力がないので、DF内田にかかる期待は大きくなる。DF内田がフィードミスを繰り返すようだと、左サイドのMF香川が下がってきて組み立てに参加する必要が出てくるので、日本にとってはいい流れとはいえない。
④ チャ・ドゥリ (22番)のオーバーラップ封じ → パワフルなチャ・ドゥリの右サイドから攻撃参加は厄介である。しかしながら、もともと、ウイングの選手なので「守備力」には疑問符が付く。圧倒的な身体能力でカバーしてしまうことも多いが、凡ミスでピンチを招く可能性も高い選手である。マッチアップするのはMF香川真司。DFチャ・ドゥリの攻撃参加を無視することはできないが、DFチャ・ドゥリの攻撃参加を警戒しすぎてMF香川のポジションが下がると価値がなくなる。立ち上がりからMF香川はサイドから仕掛けてDFチャ・ドゥリがオーバーラップできないような展開にしたい。
⑤ セットプレーに気を付ける。 → 韓国の攻撃で怖いのはセットプレー。日本で高さのあるのは、DF岩政、MF本田圭、FW前田の3人くらいで、ほとんどのところでミスマッチとなる。まずは、セットプレーを与えないことが重要であるが、サイドから積極的に仕掛けてくる韓国なので、試合の序盤からコーナーキックを与える回数は多くなるだろう。これはどうしようもないので、GK川島あるいはGK西川を中心に守るしかない。セットプレーのシーンはとにかく祈るしかないだろう。
⑥ 前田遼一のキープ → 日本は1トップに入ることが予想されるFW前田がどれだけ前線でキープできるかもポイントとなる。気を付けたいのは韓国の波状攻撃で、日本のクリアボールをどれだけマイボール(=日本ボール)につなげられるかがカギを握る。イーブン以上の確率でマイボールにするのは難しいが、きちんと競ることで、簡単にCBに跳ね返されないようにしたい。もちろん、ボールをおさめて、MF本田圭やMF香川につなげられればベストであるが、「ファールをゲットする」、「マイボールのスローインにつなげる」というプレーでもOKである。一方で、韓国のセンターバックが跳ね返したボールをボランチのMFキ・ソンヨン(16番)が拾うようだとピンチになる。
⑦ 岩政がFWチ・ドンウォン (10番)をつぶせるか? → グループリーグのオーストラリア戦では中盤でパスをつないできた韓国だったが、準々決勝のイラン戦ではロングボールが多かった。韓国が最終ラインからロングボールを蹴るときターゲットになるのはFWチ・ドンウォン。この選手をつぶせるかどうかで、日本ペースになるか、韓国ペースになるか、変わってくる。マッチアップすのはDF岩政。おそらく、空中戦では負けないだろうが、サイドに流れたときは不安が残るが・・・。あと、無駄なファールに気を付けたい。
⑧ イ・ヨンレ(6番)の攻撃参加 → ボランチから積極的に上がってくるMFイ・ヨンレの動きには注意したい。彼が攻撃に参加すると韓国の攻撃に厚みが加わる。マッチアップするのはMF長谷部であるが、MF長谷部も今大会は積極的に前に上がってチャンスに絡んだいる。MF長谷部とMFイ・ヨンレのどちらが攻撃に関与し、どちらが効果的な仕事が出来るかも、勝敗に直結するだろう。(ただ、MFイ・ヨンレの上がった裏のスペースは日本の狙い目になるので、MFイ・ヨンレに攻撃参加を自重されると日本にとっても想定外となる。)
⑨ あせってきたところでカウンター → チャンスを作りながらも決められないのが韓国の攻撃の特徴である。韓国が立ち上がりから押し込んできて、チャンスを作っていても、韓国はなかなかゴールを奪えないことが多い。韓国にチャンスを作られていても、ゴールを許していないうちは、過剰に「押しこまれている」と考える必要はない。チャンスを作っていてもゴールが奪えないと焦ってくるものである。そのときに日本のカウンターが発動すると、先制ゴールのビッグチャンスになる。
⑩ 誰が決めるか? → おそらくチャンスの数は、韓国が日本を上回るだろう。しかしながら、決定的なチャンスにゴールを決められる「決定力」をもった選手が日本には何人かいる。当たり前のことであるが、彼らがビッグチャンスを確実にものに出来るかで、勝敗は決まるだろう。カタール戦ではDF伊野波が決勝ゴールを決めてラッキーボーイとなったが、韓国戦で期待したいのは初スタメンのDF岩政大樹。空中戦では分の悪い日本であるが、DF岩政だけは別であり、フィールド上でもっとも空中戦に強いのがDF岩政であることに間違いはない。日本のセットプレーも大きなチャンスである。
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