V・ファーレン長崎→ 高木琢也監督が就任して4年目となる長崎が下位に低迷している。2015年シーズンは15勝12敗15分けの好成績で6位。クラブ史上2度目となるプレーオフ出場を果たした長崎は「初のJ1昇格」を視野に入れて開幕を迎えた。開幕の金沢戦(A)こそ2対1で勝利して白星発進となったがその後はなかなか勝利を手にすることができなかった。19節終了時点で3勝7敗8分け。現時点では残留争いに巻き込まれている。
まさかの低迷と言えるが「低迷の理由はこれだ!!!」と言い切るのは難しい。19節終了時点でホームでは0勝5敗4分け。アウェイでは3勝2敗4分けなので「ホームゲームで全く勝てていないこと」が乗り切れない一番の要因で、「点を取った直後に失点することが多い。」という点が目下の課題になっているが、どの試合も内容が極端に悪いわけではない。『このあたりが問題で結果が出ていない。』と断定するのは難しい。
フォワード陣はエースのFW永井龍が18試合で10ゴール。文句なしの活躍を見せており、中盤の要となるMF梶川のパフォーマンスも悪くない。守備的なポジションも守護神のGK大久保はどの試合でも好セーブを見せてチームを救っている。「散々の内容だった。」という試合はほとんど無い。どの試合も内容的には互角に近いが終わってみると(スコアの上で)結構な差を付けられている試合が今シーズンは目立っている。
一言で言うと今シーズンの長崎は「勝負弱さ」が目立っている。オフに選手がかなり入れ替わって若い選手が多くなったことも勝負弱さの理由の1つだと思う。「この時間帯にこういうミスをしたらダメだろう。」というシーンが多くて、「こういう流れのときにプレーをどのようにすべきか?」が統一されていない印象が強い。ピッチ上でリーダーシップを発揮できる選手が見当たらず、1つのチームになり切れていない。
チームとしては不本意なシーズンになっており、当面の間は「残留争い」を意識して戦う必要があるが、新エースのFW永井龍は絶好調。18試合で10ゴールを挙げている。16節のFC岐阜戦(A)では自身初のハットトリックを記録。続く17節のC大阪戦(H)は後半のアディショナルタイムに同点ゴールをマークした。C大阪の下部組織のときから将来を嘱望されていたが長崎で才能に見合った成績を残せるようになっている。
言うまでもなく、長崎は下位に低迷しているので夏の移籍市場での補強は必須である。ちょっと前まではFW永井龍にゴールが集中していたので「FW永井龍の負担を軽くすることができる得点力のある選手」が補強ポイントだったがここに来て「3-1-4-2」を採用しており、2トップの一角で起用されているFW佐藤洸がコンスタントに点を取っている。FW永井龍との相性も悪くないので大きな戦力になりつつある。