■ 第7節プレミアリーグの第7節。2勝1敗3分けのニューカッスルと4勝2敗のマンチェスターUが対戦した。マンチェスターUは火曜日の夜にCLのCFR1907クルイを戦ったので、中4日の試合となる。CFR1907クルイ戦はFWファン・ペルシーが2ゴールを挙げて2対1で勝利している。
ホームのニューカッスルは「4-2-2-2」。GKハーパー。DFサントン、ウィリアムソン、パーチ、ファーガソン。MFキャバイェ、ティオテ、ベン・アルファ、グティエレス。FWシッセ、デンバ・バ。昨シーズン、34試合で16ゴールを挙げたFWデンバ・バと、14試合で13ゴールを挙げたFWシッセの2トップとなった。
対するアウェーのマンチェスターUは「4-4-2」。GKデ・ヘア。DFラファエル、ファーディナンド、エヴァンス、エヴラ。MFキャリック、香川真司、クレバリー、ルーニー。FWウェルベック、ファン・ペルシー。中盤はダイヤモンド型で、MF香川は右サイドで先発となった。
■ マンチェスターUが3対0で勝利試合は、前半8分にアウェーのマンチェスターUが右CKを獲得すると、FWファン・ペルシーのボールをDFエヴァンスがヘディングで決めて先制する。さらに、前半16分にも、MFルーニーのCKからDFエブラがヘディングシュートを決めて幸先よく2点をリードする。
しかし、その後は、ホームのニューカッスルが押し込んで、マンチェスターUは、ほとんどチャンスを作れなくなる。右サイドで起用されたMF香川も、守備に追われる展開となって、攻撃で良さを発揮できず。ニューカッスルはセットプレーを中心にチャンスを作ったが、ゴールは生まれず。前半は2対0でマンチェスターUがリードして折り返す。
後半も同様でニューカッスルのペースとなる。後半10分には、MF香川に代えてMFバレンシアを投入。「4-2-3-1」に戻すと流れを取り戻して、後半26分に、またしてもCKの流れから、MFクレバリーが鮮やかなミドルシュートを決めて3対0として試合を決めてしまう。結局、3ゴールとも、CKから奪ったマンチェスターUが3対0で勝利して、今シーズン5勝目を挙げた。
■ CKから3ゴールスコアは3対0だったが、ニューカッスルが試合を支配していた時間帯がほとんどで、試合展開を表さないスコアとなった。前半8分と前半16分にCKから先制したので、もっと楽な展開になるかと思われたが、2対0となってからは、ニューカッスルが一方的に攻める展開となった。
ニューカッスルのセットプレーの守備もルーズだったので、CKから3つのゴールが生まれたが、マンチェスターUの守備もあまり良くなかった。特に、GKデ・ヘアのハイボールの処理は不安いっぱいで、飛び出して行っても、ボールに触れないケースが多かった。
今シーズンは、GKリンデゴーとGKデ・ヘアを併用する形になっており、リズムをつかめない状態なのかもしれないが、せっかく与えられたチャンスでこういうプレーをしているようだと、試合に出続けることは難しいだろう。中央にも高さのあるCBがいるので、不思議な感じもするが、クロスボールはマンチェスターUには有効である。
■ 右サイドで出場CLは欠場となったMF香川はスタメンに復帰したが、全く見せ場は無かった。早々に2対0とリードして、その後は、ハーフコートゲームのような感じになったので、守備に追われる時間帯が続いた。前半にはイエローカードを受けており、MFバレンシアも控えていたので、後半10分という早い段階で交代となったが、納得の交代である。
ポジションは「4-4-2」の右サイドだったが、このポジションで起用されるとは、予想外だった。試合途中のポジションチェンジであったり、スクランブル状態のときを除くと、2列目にコンバートされた後は、C大阪では、「3-4-2-1」か、「4-2-2-2」か、「4-2-3-1」の左の攻撃的MFでしか起用されていないと思うし、ドルトムントでは、ほとんどすべてが「4-2-3-1」のトップ下だったので、珍しいことである。
記憶は定かではないが、ドルトムントの1年目のときに、MFゲッツェが真ん中に入って、MF香川が右サイドだった試合が、1度か2度、あったように思うが、右サイドというのは、ほとんど無いと思うので、かなり戸惑ったと想像できるか、機能したとは言い難い。テスト的な意味合いが強かったと思うが、右サイドになると、切れ込んでいってシュートを打つのも難しくなるので、持ち味を発揮するのは難しい。
■ 左サイドがベターか?また、いつものように、「4-2-3-1」であったり、「4-2-2-2」のシステムであれば、ボランチの選手との距離が近くなるので、右サイドハーフでも、守備のときも、大きな問題が生じない可能性もあるが、この日は、中盤はダイヤモンド型で、右サイドにMF香川、左サイドにMFクレバリー、トップ下にMFルーニー、アンカーの位置にMFキャリックという布陣だったので、守備の負担は大きくなる。
MFクレバリーのポジションを前目にして、彼の運動量に期待したのかもしれないが、不慣れなやり方であり、MF香川以外の選手も持ち味を発揮できなかった。MF香川にとっても、いろいろなポジションを経験することは悪くは無いが、いきなり、ダイヤモンド型の中盤の右サイドというのは、難しい要求のように感じられる。
ファーガソン監督は、先日のCLのCFR1907クルイ戦も、ぶっつけ本番で「4-3-2-1」のような布陣を試している。このときは、MFアンデルソン、MFクレヴァリー、MFフレッチャーのトリプルボランチで、MFルーニーとMFファン・ペルシーが2列目で、FWエルナンデスの1トップのような並びだったが、ここ最近は、メンバーだけでなく、システムもいろいろと弄っており、実験をするのを楽しんでいる感じもする。
いずれにしても、トップ下だけでは、出場のチャンスは限られてくるので、いろいろなポジションで貢献できることを示す必要があるが、右サイドでの起用は、あまり効果的ではないと思う。前述のとおり、「4-2-3-1」の右サイドハーフであれば、もう少し違ったプレーができるとは思うが、現状では、慣れ親しんだ左サイドがベターだと思う。
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