■ 第7節J1の第7節。アルビレックス新潟がジュビロ磐田と対戦。新潟は開幕戦でアビスパ福岡に3対0で勝利し、柏レイソルと並んで首位に立っている。対する磐田も開幕戦はヴァンフォーレ甲府に1対0で勝利。U-22日本代表のMF山本康が後半36分に決勝のミドルシュートを決めている。
ホームの新潟は<4-2-2-2>。GK東口。DF藤田、千葉、石川、酒井。MF小林慶、本間、三門、曹永哲。FWミシェウ、ブルーノ・ロペス。MF菊地、FW川又らがベンチスタート。FWミシェウ、FWブルーノ・ロペス、DF藤田が開幕戦でゴールを決めている。
対するアウェーの磐田も<4-2-2-2>。GK川口。DF駒野、加賀、藤田、パク・チュホ。MF那須、小林、山本康、山田。FW山崎、前田。MFジウシーニョはベンチスタート。MF小林、MF山田は大卒ルーキー。MF山田は背番号「10」を背負っている。
■ 1対1のドロー試合の序盤は新潟ペース。前半6分にはFWミシェウの好パスから裏のスペースに抜け出たMF曹永哲がDF藤田に倒されてPKを獲得。MF曹永哲が自ら決めて新潟が先制する。MF曹永哲は今シーズン初ゴール。前半20分あたりまでは押されっぱなしの磐田だったが、時間が経つにつれて10番のMF山田がボールに絡み始める。MF山田は左サイドから細かいドリブルで仕掛けてチャンスを作る。
前半は1対0の新潟リードで折り返すが、後半は完全に磐田ペースとなる。新潟は運動量が落ちてきて、苦しい展開となる。後半22分に磐田はMF山田に代えてMFジウシーニョを投入。すると、その2分後にMF山本康が右サイドから高精度をのクロスを上げると、投入されたばかりのMFジウシーニョがヘディングで決めて同点に追いつく。MFジウシーニョは今シーズン初ゴール。
試合終了間際に新潟は、DF菊地のクロスから途中出場のFW川又が決定機を迎えるが、GK川口がファンセーブで防いで初ゴールならず。結局、試合は1対1のドロー。両チームともに1勝1分けとなった。新潟は第8節はアウェーでセレッソ大阪、磐田はホームでサンフレッチェ広島と対戦する。
■ MFジウシーニョが同点ゴールキャンプの頃からコンディションが良くないようで、スタメンから外されているMFジウシーニョが途中出場で同点のヘディングシュートを決めた。新潟は後半17分に札幌から移籍してきたDF藤田を下げて、DF菊地を投入。守備を固めて「逃げ切り体制」に入ったが、その5分後に投入されたMFジウシーニョがマッチアップしたDF菊地のマークを振り払ってゴールを決めた。
世代交代の時期に入っている磐田は、大卒ルーキーのMF山田をスタメンに抜擢しており、さらにU-22日本代表のFW山崎もスタメンに名を連ねている。しかしながら、MF西が長期離脱中であり、攻撃の枚数が不足気味である。フォワードも、攻撃的MFでもプレー可能なMFジウシーニョのコンディションが上がってこないと困る状況なので、いいきっかけにしてもらいたいところである。
■ 新10番・MF山田大記開幕戦は途中出場だった磐田のMF山田はリーグ戦は初先発。大学時代の怪我の影響でやや出遅れていたが、スタメンを勝ち取るだけのポテンシャルを持った選手であることを、プレーで示したといえる。序盤はボールに触れられずに消えていたが、次第にチャンスに絡むようになった。派手なプレーはあまりないが、狭いスペースをすり抜けていくドリブルは見どころがあった。
磐田の10番というと、長い間、MF藤田俊哉が付けており、非常に重みのある番号で、いきなり新人に10番を与えるというのは、プレッシャーもかかるのでフロントも悩んだと思うが、それだけ期待しているのだろう。サッカーの場合、「10番」だけは特別な番号なので、MF山田もその責任を感じて、自分らしいプレーをして、新しい歴史を作ってもらいたいところである。
■ MF山本康は同点アシスト磐田には、DF本田、MF山本康、FW山崎の3人のU-22代表がいるが、MF山本康は右サイドハーフ、FW山崎は2トップの一角でスタメン出場。FW山崎もコンディションがよさそうで、早い時期のJ1初ゴールが望まれるが、MF山本康も充実したプレーを見せており、同点ゴールもMF山本康のアシストだった。
MF山本康がトップチームにデビューしたのは2007年で高校3年生の頃だった。当時のアジウソン監督からも高く評価されており、トップチームに昇格してからは、背番号「23」を与えられて大きな期待を背負ってきた。磐田の背番号「23」というと、元日本代表で2度のワールドカップ出場経験がある福西崇史氏が背負っていた番号で、期待も大きかったが、なかなか殻を破れずにいた。
ただ、昨シーズンから右サイドバックあるいは右サイドハーフでプレーするようになって、攻守ともに落ち着いてきて、幅の広いプレーができるようになった印象がある。本職はボランチで、いずれはボランチで定着することがn望まれるが、今の段階では、サイドでプレーした方がスムーズにプレーができている。
■ 新潟は守りきれず一方、新潟はリードを守りきれずにドロー。後半は攻め込まれていたので、勝ち点「1」を取れただけでも「良し」とすべきかもしれない。いい時間に先制ゴールを奪ったが、チームの心臓であるMF本間にパスのミスが続いてリズムを失うと、取り戻せないままでMFジウシーニョに同点ゴールを許した。守備を固めるために投入したDF菊地のところで失点を喫したというのも誤算で、守りに入る時間も早すぎたのかもしれない。
昨シーズンも、前半に先制しながら、後半に動きが落ちて追いつかれるという試合が何度かあったが、逃げ切りに失敗するケースが何度か見受けられるのは気になるところであり、上位進出するためには、何とか改善したいところである。
■ MF三門が機能せず新潟は右サイドハーフに入っているMF三門が機能しなかった。左サイドにはMF曹永哲がいて、そこにマークが集中するため、MF三門は自由にプレーできて、ゴール前のシーンに絡んでくることが期待されるが、開幕戦に続いて、あまり目立たず、持ち味を発揮しきれなかった。MF三門も本職はボランチで、昨シーズン、いろいろなポジションで経験したことで新境地を開いたが、やや物足りない試合が続いてしまった。
このポジションは、昨シーズンまでは、MFマルシオ・リシャルデスの定位置だったが、彼が浦和レッズに移籍したことで空席になったが、MF三門以外には、MF木暮、MF田中亜、MF藤田がいるが、飛び抜けた選手はいない。このポジション争いは熾烈である。
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