ジダンをはじめて見たのは、1996年のトヨタカップのユベントス×リバープレート戦だった。このときのユベントスは、近代サッカー史上、最高に美しいサッカーをするチームだった。ディリービオ、ユーゴビッチ、ジダン、デシャンの中盤は、テクニック、運動量、連動性ともパーフェクトで、献身的にエースのデルピエロをサポートした。(ボクの理想のチームはこのときのユベントス。サッカーの嗜好はいつまでも変わらない。)
正直なところ、はじめてみたジダンは、1/11の選手であり、大柄のわりにはうまいけど、能力を生かしきれていないなという印象を受けた。若くて(当時24歳くらい)フランス代表なのに、それほどネームバリューもなかった。そんな選手が、ここまでの大選手になるとは思ってもみなかった。
転機となったのは、フランスワールドカップだった。地元で開催されるワールドカップで、チームの主役として出場できる、そんな選手は、それだけで何かを特別なものをもっている選手だといえる。(チャールトン、ケンペス、ジダン、中田、ホンミョンボ・・・。)ジダンは、退場処分もあり、決して順風満帆というわけではなかったが、決勝戦の2ゴールで、一躍世界のトップ選手となった。
スペインのレアル・マドリードへ移籍したのは、2001/2002シーズン前だった。銀河系軍団といわれた、レアル・マドリードがもっとも輝いたのは、2002/2003シーズンだった。ラウール、フィーゴ、ロナウド、ジダンのカルテットは、圧巻だった。その中でも、最もキーになるのがジダンで、コレだけのメンバーが揃っているにもかかわらず、ジダン抜きではサッカーの質が変わった。
決してゴール数の多い選手ではなかったが、彼のゴールは印象的で、劇的で、記憶に残るものが多かった。フランス大会決勝、ユーロ2004のイングランド戦、CL決勝のレバークーゼン戦・・・。ドイツワールドカップで、ジダンはどんなフィナーレを迎えるのだろうか?
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