① ヴェルディ川崎 (1993年) → FWカズ、FW武田、MFラモス、MF北沢、MF柱谷、DF都並とずらりと日本代表選手が揃ったJリーグ史上有数のタレント軍団で、シーズン途中には、最強の助っ人と言われたMFビスマルクが加入。2ndステージを制し、そのまま初代年間チャンピオンに輝いた。FWカズは36試合で20ゴールの大活躍を見せて、シーズンMVPに輝いた。
DFペレイラとDFロッサムを中心としたDFラインも強固で攻守ともに隙がなく、人気も抜群だった。まさしくJリーグバブルを象徴するスーパーチームだった。このチームを率いたのが、松木安太郎氏だったことも思い出深い。
GK:菊地、
DF:石川、ペレイラ、ロッサム、中村忠(都並)、
MF:柱谷、ラモス、北沢、ビスマルク、
FW:カズ、武田、
② サンフレッチェ広島 (1994年) → バクスター監督の下、FW高木琢也、FWハシェック、MF盧廷潤、MF風間八宏、MF森保一ら成熟した優秀なタレントを揃えた広島が誰も予想のしなかった快進撃を見せて、1stステージを制覇した。日本代表のFW高木は14ゴール、チェコ代表でも活躍したFWハシェックが19ゴール、現役の韓国代表だったMF盧廷潤は10ゴールをマークした。
うまく個の力と組織力がミックスされた好チームで、特に中盤のMF風間とMF森保の活躍は際立っていた。DF柳本啓成、DF上村健一ら若手も次々と台頭してきた。
GK:前川、
DF:森山、柳本、佐藤、片野坂、
MF:風間、森保、盧廷潤、チェルニー、
FW:高木、ハシェック、
③ ベルマーレ平塚 (1994年) → 1994年にジュビロ磐田とともにJリーグ昇格を果たすと、2ndステージでは2位に入る予想外の好成績を残した。右サイドバックのDF名良橋と左サイドバックのDF岩本輝が果敢にオーバーラップを繰り返し、超攻撃的なスタイルが人気を集めた。
大黒柱のMFベッチーニョが24ゴール、エースストライカーのFW野口幸司が19ゴール。新人王を獲得したMF田坂、ファルカンジャパンでレギュラーポジションを獲得したDF名塚、フランスW杯のメンバーだったGK小島ら、印象深い選手が多く、「湘南の暴れん坊」とたたえられた。ちなみに、MF中田英寿が加入するのは、翌年である。
GK:小島、
DF:名良橋、名塚、渡辺、岩本輝、
MF:田坂、エジソン、ベッチーニョ、反町(西山)、
FW:野口、アウミール、
④ 名古屋グランパスエイト (1995年) → 名将ヴェンゲルの下、大躍進を果たした名古屋。中断前の16節までは6勝10敗。得点25得点39失点と散々なスタートだったが、残り試合を9勝1敗で乗り切って1stステージは4位でフィニッシュ。2ndステージは、川崎には及ばなかったが2位に食い込んだ。
ヴェンゲルとピクシーを中心とする華麗なモダンフットボールはリーグ全体に衝撃を与え、日本サッカー協会は今でもヴェンゲルの姿を追い求めている。FWストイコビッチが15ゴール、FW小倉隆史とFW森山泰行が14ゴール、MF岡山哲也が10ゴール、MFディリックスが10ゴール、MF平野孝が9ゴールと、ピクシーを中心に若手アタッカー達が躍動し、DFトーレスとDF大岩を中心としたDFラインも鉄壁だった。
GK:伊藤、
DF:飯島、トーレス、大岩、小川、
MF:ディリックス、浅野、岡山、平野、
FW:ストイコビッチ、小倉(森山)、
⑤ 浦和レッズ (1995年) → 93年1st、93年2nd、94年1stと3期連続で最下位とどん底の浦和レッズだったが、オジェック監督の下、このシーズンに年間4位に躍進を果たした。その中心となったのは、DFブッフバルト、MFウーベ・バイン、FW福田正博のトリオだった。
ドイツ代表でも中心として活躍したDFブッフバルトは94年の後半戦からチームに加入。圧倒的な高さと強さを見せて、ワールドクラスの実力をまざまざと見せつけた。FW福田は50試合で32ゴールをマークし、日本人初の得点王に輝く。MFウーベ・バインとのホットラインは強烈で、俊足のFW岡野を含めたトライアングルは、カウンターのシーンで驚異的な力を発揮した。
GK:土田、
DF:トニーニョ、ブッフバルト、田口、
MF:広瀬、土橋、山田、杉山、バイン、
FW:岡野、福田、
⑥ 横浜フリューゲルス (1996年) → 95年にFWエバイール、MFジーニョ、MFサンパイオという「パルメイラストリオ」が加入。躍進が期待されたが、期待にこたえられずに13位(16チーム中)という不本意な成績に終わり、巻き返しを図ったシーズンで、ようやく真価を発揮した。
94年のアメリカW杯の優勝メンバーであるMFジーニョと、98年のフランスW杯で3ゴールを挙げたMFサンパイオというセレソンコンビを中心に、日本代表のMF前園真聖、MF山口素弘ら日本人選手が融合され、年間順位で3位に急上昇した。GK楢崎、MF三浦淳といった次世代のスター選手も頭角を現した。
時に、現役のブラジル代表だったMFレオナルドとMFジョルジーニョのいた鹿島アントラーズ戦は大きな注目を集め、実にフィールド上の4人/22人がブラジル代表でレギュラーポジションを獲得した経験を持つ選手というドリームマッチで、1996年5月18日に国立で行われた横浜Fと鹿島の対戦(15節)は、Jリーグ史上最高の試合に挙げられることが多い。
GK:楢崎、
DF:薩川、大嶽、前田、
MF:山口、サンパイオ、森山、三浦淳、前園、ジーニョ、
FW:エバイール、
⑦ ジュビロ磐田 (1998年) → 97年に初めて年間チャンピオンに輝いたジュビロ磐田。迎えたワールドカップイヤーの98年は、FW中山雅史が大爆発した。第6節~第9節にかけて、世界記録となる4試合連続ハットトリックを記録。27試合で36ゴールをマークし、初めての得点王とMVPを獲得した。
チーム全体で見ても、34試合で107ゴールを記録。得失点差は「68」。MF藤田が17ゴール、FW奥が12ゴール、MF名波が6ゴール、MFドゥンガが5ゴールと、どこからでもゴールを奪うことができた。ルーキーイヤーだったFW高原は20試合で5ゴールをマーク。京都サンガとの開幕戦でいきなりゴールをマークした。
GK:大神、
DF:古賀、田中、アジウソン、服部、
MF:ドゥンガ、福西、藤田、名波、
FW:奥、中山、
⑧ 清水エスパルス (1999年) → MVPに輝いたMFアレックスと日本代表MF安藤正裕を中心に強烈なサイドアタックを敢行。見事にチーム初のステージ制覇を成し遂げた。入団3年目のMFアレックスは左サイドからスピード溢れるドリブル突破を見せてリーグにセンセーショナルを巻き起こし、MF沢登正朗、MF伊藤輝悦、MFサントスの中盤も魅力的だった。
静岡勢同士の対決となったチャンピオンシップでは、PK戦の末、涙をのんだが、ホームの日本平で迎えた第2戦は、1点取られた直後にMFアレックスが報復行為で退場し10人となるが、MF沢登が値千金の直接FKを決めて追いついた。
GK:真田、
DF:安藤、森岡、戸田、市川、
MF:伊東、サントス、沢登、アレックス、
FW:安永、久保山、
⑨ ジュビロ磐田 (2002年) → 中盤のキーマンだったMF奥大介が横浜FMに移籍したが、ボカ・ジュニアーズからFW高原直泰が復帰。ゴン・タカの2トップが猛威を振るい、FW中山は29試合で16ゴール、FW高原は27試合で26ゴールをマーク。FW高原は得点王とMVPをダブル受賞。ブンデスリーガへと旅立って行った。
MF名波を中心とした中盤はMF西紀寛が台頭し、MF名波・MF西・MF藤田・MF福西・MF服部で黄金の中盤を形成した。1stステージは13勝1敗1分、2ndステージは13勝2敗と圧倒的な成績を残し、見事に初の完全優勝を成し遂げた。1stステージの第13節の磐田戦は2対2に終わったが、最後まで両チームとも攻め合った好ゲームで、王者相手に一歩も引かなかった。
GK:ヴァンズワム、
DF:鈴木、田中、大岩、
MF:福西、服部、名波、西、藤田、
FW:高原、中山、
⑩ 京都サンガ (2002年) → 96年にJリーグに昇格して以降、思うような成績が残せていなかった京都サンガだが、2002年シーズンに飛躍した。リーグ戦は5位、ナビスコカップは予選リーグで敗退したが、天皇杯でチーム史上初のタイトルを獲得した。
その中心は、FW黒部光昭、MF朴智茶、MF松井大輔の3人。3トップに近い超攻撃的なスタイルで、彼ら3人の攻撃的な良さを十二分に引き出した。シーズン終了後に、MF朴はアイントフォーヘンに旅立っていった。虐げられてきたサンガが、唯一、大きな輝きを放ったメモリアルシーズンだった。
GK:平井、
DF:角田、手島、鈴木和、
MF:石丸、斉藤、富田、鈴木慎、
FW:朴智星、黒部、松井、
⑪ ジェフ市原 (2003年) → 名将イビチャ・オシムを迎えた最初のシーズン。戦前は苦戦が予想されたが、周囲のすべての人の予想を裏切る大躍進を果たした。代名詞となった「走るサッカー」はリーグに旋風を巻き起こし、第13節を終えて首位に立つと、第14節にも初のステージ優勝が決まる状況となった。
結局、タイトルは逃したが、年間順位は3位。24試合で17ゴールをマークしたFW崔龍洙を軸に、攻守にアグレッシブなサッカーを見せ、リーグ全体に新スタイルを提示した。
GK:櫛野、
DF:斉藤、ミリノビッチ、茶野、
MF:佐藤、阿部、坂本、村井、羽生、
FW:サンドロ、崔龍洙、
⑫ ガンバ大阪 (2005年) → 33試合で33ゴールをマークしたFWアラウージョを中心に、圧倒的な破壊力を見せたシーズン。FWアラウージョ、FW大黒、MFフェルナンジーニョのトライアングルは強烈で、FW大黒は16ゴール、MFフェルナンジーニョは7ゴール、MF遠藤保仁も10ゴールをマークした。
失点数はリーグワースト4位の「58」と守備は万全ではなかったが、取られたら取り返すというスタイルが感動を生み、最終節でC大阪を逆転し、初タイトルを獲得した。
GK:藤ヶ谷、
DF:シジクレイ、宮本、山口、
MF:橋本、遠藤、渡辺、二川、フェルナンジーニョ、
FW:大黒、アラウージョ、
⑬ ジェフ千葉 (2005年) → 03年オフにFW崔龍洙、DF中西、04年オフにMF村井、DF茶野と主力の流出が相次いだが、それでもチームは失速することはなかった。05年にはFWマリオ・ハースとDFストヤノフが加入。2人の経験豊富なベテランを加えたチームは、成熟を見せていく。
キャプテンのMF阿部勇樹は33試合で12ゴール、同じく、FW巻誠一郎は33試合で12ゴール。MF山岸智、MF羽生直剛、MF水野晃樹、DF水本裕貴らの台頭も目覚ましく、ナビスコカップでは、G大阪との死闘を制して、初タイトルを獲得。オシム・スタイルの完成形の1つを示した。
GK:立石、
DF:結城、ストヤノフ、斉藤、
MF:佐藤、阿部、山岸、坂本、羽生、
FW:巻、ハース、
⑭ 川崎フロンターレ (2006年) → J1昇格2年目にして2位に躍進し、ACLの出場権を獲得したメモリアルシーズン。FWジュニーニョが20ゴール、FW我那覇が18ゴール、MF谷口が13ゴール、MF中村憲が10ゴールと4人が二桁ゴールを記録。攻撃的なスタイルが多くのサポーターを魅了した。
MF中村憲はこのシーズンの秋に初めて日本代表に招集され、以後、日本を代表するプレーメーカーに成長を遂げていった。MF森勇介、FW黒津勝といった脇役の活躍も目覚ましく、FWジュニーニョを起点としたカウンターアタックは驚異的な破壊力を誇った。
GK:相澤、
DF:箕輪、寺田、伊藤、
MF:谷口、中村憲、森、マルコン、マギヌン、
FW:我那覇、ジュニーニョ、
⑮ ガンバ大阪 (2006年) → オフにFWアラウージョとFW大黒が退団し戦力ダウンが心配されたが、FWマグノ・アウベス、FW播戸、DF加地ら新戦力がチームにフィットし、ドリブラーのMF家長が成長。総合力では前年度をしのぐ好チームとなった。
シーズン終盤にMF遠藤を病気で欠き、リーグ制覇を逃したが、そのMF遠藤を中心としたテクニカルな攻撃は、観るもの全てを魅了した。DF宮本、DFシジクレイ、DF山口の最終ラインからのフィードも正確で的確だった。
GK:藤ヶ谷、
DF:シジクレイ、宮本、山口、
MF:橋本、遠藤、加地、家長、二川、
FW:播戸、マグノ・アウベス、
⑯ ヴァンフォーレ甲府 (2006年) → 2005年の入替戦で柏レイソルに圧勝してJ1に初昇格。J2レベルで見ても中規模クラスのチームで、誰もが降格候補の筆頭に挙げる中、FWバレーを中心にエネルギッシュに戦って、シーズンを通して残留争いに巻き込まれることはなかった。FWバレーは持ち前のがむしゃらなスタイルを披露し、30試合で14ゴール。J1初勝利を呼び込んだ川崎F戦のロングシュートなど、印象的なゴールが多かった。
MF石原、MF藤田、MF倉貫、MF林を中心とした中盤はサッカーの魅力を伝えるに十分で、特にホームの小瀬競技場では、熱狂的なサポーターに囲まれて、数多くのドラマを作った。
GK:阿部、
DF:杉山、ビジュ、秋本、山本、
MF:林、石原、藤田、
FW:宇留野、茂原、バレー
⑰ 鹿島アントラーズ (2007年) → リーグ終盤に驚異的な9連勝を記録し、夢の10冠を達成。リーグ再開に合わせて、MF小笠原がメッシーナから復帰し、チームの軸におさまった。アントラーズの伝統のサッカーに、オリベイラ監督の持つサッカー哲学が見事に融合し、シーズン終盤は無敵の強さを見せた。
キーマンとなったMF本山は全試合に先発出場し、華麗なドリブルに加えてダーティーな仕事も引き受ける総合力の高いミッドフィールダーに成長を遂げていった。元日に行われた天皇杯も制して、11個目のタイトルを獲得した。
GK:曽ヶ端、
DF:内田、岩政、大岩、新井場、
MF:青木、小笠原、本山、野沢、
FW:マルキーニョス、田代、
Q. Jリーグ史上、最も魅力的なサッカーを披露したと思うチームはどこですか?
① ヴェルディ川崎 (1993年)
② サンフレッチェ広島 (1994年)
③ ベルマーレ平塚 (1994年)
④ 名古屋グランパスエイト (1995年)
⑤ 浦和レッズ (1995年)
⑥ 横浜フリューゲルス (1996年)
⑦ ジュビロ磐田 (1998年)
⑧ 清水エスパルス (1999年)
⑨ ジュビロ磐田 (2002年)
⑩ 京都サンガ (2002年)
⑪ ジェフ市原 (2003年)
⑫ ガンバ大阪 (2005年)
⑬ ジェフ千葉 (2005年)
⑭ 川崎フロンターレ (2006年)
⑮ ガンバ大阪 (2006年)
⑯ ヴァンフォーレ甲府 (2006年)
⑰ 鹿島アントラーズ (2007年)
上記以外のチーム
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