■ Jリーグ史上最高のゴールは???2005年5月8日にガンバ大阪のFW前田雅文がマークしたゴールが、Jリーグ通算10000ゴールであった。過去15年の間に、数多くのゴールが生まれているが、その中の限られたゴールのいくつかは、すべての人の脳裏に焼きつくスーパーゴールで、すでに伝説となっている。
その中でベストゴールを選出すると・・・。
① ラモス瑠偉 魂のループシュート (1994年12月2日 チャンピオンシップ vs広島)→ 1994年のチャンピオンシップの第2戦。引き分けでも2連覇決まるヴェルディ川崎であったが、大黒柱のMFラモスは左大たい部肉離れで試合出場も危ぶまれていた。しかしながら、親友のDF加藤久の現役ラストゲームで、「久ちゃんのために、何とかしたかった。そのためなら命を捨てても惜しくないと思った」と試合後に語ったというMFラモスは強行出場。
ハイライトシーンは、後半35分に訪れた。ゴール中央でMFビスマルクが相手DFと競ったこぼれ球が、ラモスの目の前に来た。相手GKのポジションを確認すると、浮き球をループシュートで巻いた。高さ、強さ、描いた放物線の角度……。どれをとっても寸分の狂いもない絶妙のシュートが、相手GKの頭上をフワリと越え、ゴールマウスに吸い込まれた。
1998年11月にラモスは現役を退いた。翌年、Jリーグ初の公認引退試合が国立競技場で開催され、最後の挨拶でサポーターに向けて、「生まれかわっても、日本に来てワールドカップへ出たい」と涙ながらに語った。
ラモスのゴールシーン等の動画(You Tube)② レオナルドのリフティングからのゴール (1995年11月1日 vs横浜F)→ 現役ブラジル代表のレギュラーだったMFレオナルドが1994年のアメリカW杯直後に鹿島アントラーズに入団。Jリーグでは49試合で30ゴールをマークしているが、もっとも印象に残っているゴールが、1995年の横浜フリューゲルス戦でのリフティングからのゴールである。
ペナルティーエリア内でボールを受けたMFレオナルドは、横浜FのDFを3人・4人とすべてリフティングでかわして、最後は得意の左足でネットに突き刺した。このゴールをJリーグ史上、もっとも美しいゴールに挙げる人も多い。
その翌年、パリ・サンジェルマンから移籍話が舞い込んだとき、サッカー選手として移籍したい気持ちがありながら、鹿島を離れ難い心境からジーコ氏に相談。ジーコはその気持ちを察し、レオナルドの将来を考え移籍を勧めた。7月、カシマサッカースタジアムでの退団セレモ二ーでは、自ら日本語で「感動をありがとう!」と涙ながらに言い残して、クラブに別れを告げた。
レオナルドのゴールシーンの動画(You Tube)③ パトリック・エムボマのリフティングからの強烈なボレーシュート (1997年4月12日 vs平塚)→ 超人的なパワーとスピードを兼ね備えて、「浪速の黒豹」と恐れられたカメルーン人ストライカーのパトリック・エムボマ。1997年に来日すると、28試合に出場して25得点の大活躍で、前年に12位だったチームを年間4位にまで押し上げた。
その彼のJデビュー戦となったベルマーレ平塚戦のゴールはすでに伝説になっている。後方からのボールを絶妙かつダイナミックなボールコントロールでシュートチャンスを作ると、次の瞬間、強烈な左足のボレーシュートがネットに突き刺さっていった。アフリカ人選手特有の驚異的な身体能力をまざまざと見せつけた。
カメルーン代表としても着々にキャリアを積んだFWエムボマは、2000年にはシドニーオリンピックにオーバーエイジで出場しチームを金メダルに導き、アフリカ年間最優秀選手賞も受賞。カメルーンの英雄として、日韓W杯でもゴールをマークした。
エムボマのゴールシーン等の動画(You Tube)④ エドゥーの40メートルフリーキック (1994年 vs磐田)→ Jリーグ史上、最高のプレイスキッカーといわれる元横浜フリューゲルスのMFエドゥー。特に印象的なのは、1994年の1stステージのジュビロ磐田戦で決めた40メートルフリーキックである。
この試合、MFエドゥーが蹴った左足のフリーキックは、信じられないような軌道を描いて、ゴールネットに吸い込まれていった。GKは全く対処できず、見送るしかなかった。誰もが目を疑ったスーパーフリーキックだった。黄金の左足を持つエドゥーに射程距離はなく、相手陣地でセットプレーを獲得すると、どんな位置からでもゴールを狙ってきた。
加茂周監督の下、MFエドゥー、DFモネール、GK森敦彦、MF前園真聖、FW前田治、MF山口素弘といった個性豊かなタレントを擁した横浜Fは1994年の1stステージで5位に躍進した。
エドゥーのゴールシーンの動画(You Tube)⑤ 永井雄一郎の70メートル突破のドリブルシュート (2004年8月21日 vs東京V)相手のCKをダイレクトでキャッチしたGKからフィードを受けたFW永井が70メートルをドリブルで駆け抜けて、迫ってきた相手DFを華麗なステップでかわして決めたスーパーゴール。永井はこのゴールでハットトリックを達成。
ドリブルからのゴールは少なくないが、華麗なステップで相手DFをかわして決めた鮮やかさという意味で、このゴールに優るものは無いだろう。
1997年に浦和レッズに入団した永井は、その年の開幕戦がプロデビュー戦となった。その試合(横浜M戦)で、当時の日本代表CBのDF井原正巳とDF小村徳男を鮮やかなドリブルで翻弄し、強烈なインパクトを残した。1999年にはU-20代表の一員として、ナイジェリアで行われたワールドユースに出場。現チームメイトのFW高原直泰と2トップを形成した。
ウルグアイ戦で決めたFW永井の決勝ゴールが、チームを史上初めて決勝戦に導く値千金のゴールとなった。ただ、当時の所属は浦和レッズではなく、ドイツ2部のカールスルーエだった。
永井雄一郎のゴールシーンの動画(You Tube)⑥ 岩本輝雄の弾丸フリーキック (2003年10月18日 vs市原)ファルカン監督時代の日本代表で背番号10番をつけてプレイした技巧派MF。左足のキックの精度と威力は歴代日本人選手の中でも屈指の存在に挙げられるが、中でもベガルタ仙台時代の2003年10月18日にジェフ市原戦で決めた直接フリーキックは、レオナルドのゴールと並んで、Jリーグ史上最も美しいゴールの1つとして紹介されることがある。
この試合の後半にFW山下に代わって出場したMF岩本は、55分にゴール正面35mの位置でボールをセットすると、左足から繰り出された弾丸シュートは、一直線に豪快にネットに突き刺さっていった。
明るく天真爛漫な性格からスター性があり、多くのファンを獲得したMF岩本だったが、仙台に在籍していた2003年シーズン途中、それまで監督だった清水秀彦が成績不振を理由に解任された。フロントからの緘口令をよそに、清水前監督を慕っていた岩本は取材に対してはっきりと不満のコメントを残した。新しく監督に就任したベルデニックからスタメンを外されるようになった彼は途中出場で得たフリーキックのチャンスで、蹴ろうとしていたMFシルビーニョを完全に差し置いて、無謀ともいえる位置から強引にゴールを狙い、見事に決めた。この素晴らしいゴールには、さまざまな怒りや抗議が込められていた。
岩本輝雄のゴールシーンの動画(You Tube)⑦ 久保竜彦のひょっとこシュート (2007年3月3日 vs浦和)真っ赤なスタンドを一瞬にして黙らせたスーパーゴール。オウンゴールで先制点を許し、迎えた前半44分。中盤の右サイドでボールを受けた久保が左足を豪快に振り抜く。ゴールまで約32メートル。ボールは強烈なカーブを描いて、ゴール右上へ突き刺さった。
埼玉スタジアムで6万大観衆を沈黙させた「ひょっとこゴール」。このゴールは、横浜FCが創設9年目にしてつかんだ初のJ1の舞台でのゴールだった。
2004年には、日本代表チームにおいて12試合で8得点。特に同年2月18日のドイツW杯アジア1次予選オマーン戦で、引き分け濃厚な後半ロスタイムに勝ち越しゴールを奪うなど勝利に貢献し、ジーコ監督の信頼を得た。
しかしながら、以後は、慢性的な腰痛・足首痛でコンディションが整わず、結局、W杯本大会の代表メンバーには選ばれなかった。久保が万全だったら・・・。
久保竜彦のゴールシーンの動画(ニコニコ動画)【番外編】・もっとも悲しいVゴール (1999年11月27日 vs広島)
浦和レッズがJ2降格争いを演じた1999年シーズンの最終節。対広島戦で、FW福田は後半から途中出場し、延長戦でVゴールを決めた。しかし、福田は憮然として表情ひとつ変えず厳しいままで、池田学がVゴールを喜んで抱きついてきたのも振り払った。福田を含む浦和の選手は、延長戦に入った時点で浦和のJ1残留の可能性が消滅したことを知り、その状況でプレイを続けていたのである。
その様子はテレビ中継でも伝えられた。今日でも、そのときのVゴールを「世界で一番悲しいVゴール」として振り返るサッカー・ファンは少なくない。福田自身もこのゴールを「涙のVゴール」と語り、現役引退時の記者会見でも一番印象に残ったシーンにこのゴールを挙げている。
ちなみに、新人だったDF池田には試合に集中させるため、延長戦突入時点でJ2降格が決定したことを伝えなかったという。
福田正博のVゴールシーンの動画(You Tube)
Q. あなたが考えるJリーグ史上最高のゴールはどのゴールですか?
① ラモス瑠偉(vs 広島 魂のループシュート)
② レオナルド(vs 横浜F リフティングからのゴール)
③ エムボマ(vs 平塚 リフティングからの強烈なボレーシュート)
④ エドゥー(vs 磐田 40メートルフリーキック)
⑤ 永井雄一郎(vs 東京V 70メートル突破のドリブルシュート)
⑥ 岩本輝雄(vs 市原 弾丸フリーキック)
⑦ 久保竜彦(vs 浦和 ひょっとこシュート)
⑧ 上記以外のゴール
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