■ 3年ぶりに復活したU-16インターナショナルドリームカップ 仙台で行われるU-16インターナショナルドリームカップ2022が開幕した。この大会は2015年からスタートしたが2020年と2021年はともにコロナの影響で中止になった。2019年以来なので3年ぶりの開催になるが2006年生まれの選手が中心となるU-16日本代表が参加した。チームを率いるのは森山佳郎監督になる。前回大会はFW勝島(当時:京都U-18)が活躍して2勝1PK勝ちの日本が優勝カップを手にした。
日本は「4-2-2-2」。GK後藤亘(FC東京U-18)。DF柴田翔(川崎U-18)、永野(FC東京U-18)、山田佳(前橋育英高)、小杉(湘南U-18)。MF矢田龍之介(清水ユース)、中島洋(広島ユース)、杉浦駿(名古屋U-18)、山本将(磐田U-18)。FW磯崎(大宮U18)、徳田(鹿島ユース)。FW磯崎が189センチ、FW徳田が185センチ。大型2トップとなった。MF中島洋は元Jリーガーの中島浩司氏の息子になる。仙台でも活躍した。
ベンチスタートになったのはGK上林大(山形ユース)、DF本多康(湘南U-18)、DF松本遥(鹿島ユース)、DF西川宙(C大阪U-18)、MF山本丈(東京Vユース)、MF佐藤龍(FC東京U-18)、MF森田皇(神戸U-18)、FW道脇(熊本ユース)、FW名和田(神村学園高)の9名。熊本ユースのFW道脇も186センチとサイズに恵まれている。3月末に行われたJ2の5節の長崎戦(A)では(当時は)中学3年生だったがベンチ入りを果たした。
■ 宿敵の韓国を相手に3対0の完勝! U-16日本代表は初戦は韓国、2戦目はウルグアイ、3戦目はメキシコと対戦する。いきなり宿敵との対戦となったが日本ペースで進んでいく。前半7分にCKの流れからキッカーを務めたCBのDF山田佳が左足でクロスを入れるとFW徳田はコントロールしきれなかったが流れてきたボールをボランチのMF矢田龍之介が決めて日本が先制に成功する。前橋育英高の1年生のDF山田佳は177センチ。左足のキックに定評がある。
さらに前半40分には右SBのDF柴田翔を起点に華麗なパスワークを見せて右サイドを崩すとフリーで抜け出した名古屋U-18のMF杉浦駿が絶妙なクロスを入れる。ファーサイドでフリーになっていた189センチのFW磯崎が頭で合わせて大きな追加点のゴールを奪った。ガーナ人の父と日本人の母を持つ大宮U18のFW磯崎はサイズと身体能力に恵まれた期待の大型ストライカーになる。前半は2対0で折り返した。
後半になるとこのままでは終われない韓国もチャンスを作るようになった。日本のビルドアップのミスから何度か決定機を作った。ただ、FC東京U-18のGK後藤亘が好セーブを見せた。後半6分に右SHのMF杉浦駿が高い位置でプレッシャーをかけてボールを奪うとドリブルで持ち運んでから左足でシュートを決めて3点目を奪った。MF杉浦駿は1ゴール1アシストの活躍だった。3対0で大勝した日本は白星スタートを切った。
■ サイズのある大型フォワードが3人もいる。 宿敵の韓国と対戦だったが3対0で大勝した。スコアほどの差があったとは言えないが試合後のインタビューで森山佳郎監督が「出来過ぎです。」とコメントした通り、日本は内容面も良かった。「年代別代表の韓国戦」となると以前は韓国の大型フォワードに日本の小柄なCBが当たり負けをして韓国のパワーサッカーに屈するケースが多かったが時代は大きく変わった。体格的にも日本の選手は全く見劣りしない。
今回のチームの特徴は「サイズのある大型フォワードを3人も擁している点」になる。FW磯崎は189センチ、FW徳田は185センチ、ベンチスタートになったFW道脇は186センチ。これだけサイズのあるフォワードがたくさんいる年代別の日本代表は珍しい。ツインタワーを採用したがFW磯崎は持ち味である高さを生かして2点目をゲット。2点目は崩しもほぼ完ぺきだったので「エクセレントなゴールだった。」と言える。
FW磯崎はプレミアリーグEASTの強豪である大宮U18でもさっそく出場機会を得ているがこれだけのサイズがあって身体的な能力も高いので将来を嘱望されている。過去を振り返ると「両親のどちらか or 両方が外国にルーツを持つ大型フォワード」は期待されたほど成長できずに伸び悩むケースが多かったが特大級のポテンシャルを秘めた選手であることは間違いない。「ロス世代の顔」になる可能性がある。
■ 目立ったのは左右のサイドバック 先制ゴールを決めたのはボランチのMF矢田龍之介だったがこちらもプレミアリーグWESTの強豪の清水ユースで早くも出場機会をつかんでいる。U-16日本代表は高校1年生が主体となるので高校進学と同時に環境が大きく変わって出場機会を失う選手が少なくないが1年生の早い段階から出番を得ることが出来ると同年代の選手に大きな差をつけることが出来る。MF矢田龍之介は技術の高いボランチになる。
目立ったのは左右のSBだった。右はDF柴田翔(川崎U-18)、左はDF小杉(湘南U-18)が起用されたがともに攻守両面で絶大な存在感を発揮した。DF柴田翔は167センチ、DF小杉は168センチなのでサイズに恵まれた選手ではないが基本的な技術が高くて1対1の守備も問題なし。SBの2人が組み立ての場面で起点になるシーンは多かった。DF小杉は左利き。途中出場したDF本多康も湘南U-18所属の選手になる。
キーパーはFC東京U-18のGK後藤亘が起用されたが何度か好セーブを見せてクリーンシートを達成した。こちらも190センチとサイズに恵まれている。ハイボールの処理を少し誤って危ないシュートを打たれる場面もあったがハイボールの処理も基本的には安定していた。190センチのキーパーは依然として日本には少ないことを考えると順調に成長していくことが期待される。FC東京はキーパーの宝庫である。
→ 2022/04/27 【EAST:大宮U18×青森山田高】 期待の1年生ストライカーは191センチのFW磯崎麻玖(いそざき・まーく) ▼ 動画の投稿日 (2022年5月14日) VIDEO ★ 現在の投票数 → 86票
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