■ 上位対決前節のG大阪戦で1対5と大敗した鹿島アントラーズが、ホームのカシマスタジアムで川崎フロンターレと対戦。
鹿島は、<4-4-2>。鹿島は、MF青木が久々に先発出場した以外は、いつものメンバー。対する川崎Fは、現時点でのベストといえるスタメン。
試合は、前半30分に、鹿島のMF野沢が、ゴール正面の位置から、直接FKを決めて先制すると、さらに、後半37分にも、MF小笠原が、相手クリアボールを拾ってから、左足でミドルシュートを突き刺して、2対0とリードする。
後半13分に、川崎Fは、MFマギヌンのパスを受けたFWジュニーニョが、ドリブルからミドルシュートを決めて、1点差に迫り、さらに、猛攻をかけるが、後半39分に、FWマルキーニョスが、MF本山とのワンツーパスで抜け出して、3対1と突き放すゴールを決める。さらに、その直後にも、途中出場のFW興梠が決めて、4対1とし、そのまま逃げ切った。
■ 貴重な追加点を生み出した積極性 鹿島は、前節のG大阪戦での大敗の影響を感じさせない試合運びで、価値ある勝利を手に入れた。立ち上がりは、川崎Fのカウンターに戸惑うシーンもあったが、前半30分に先制し、その後の時間帯で引いてしまうことなく、追加点を狙いにいった姿勢が、貴重な追加点を生み出し、その後の試合を優位に進めることが出来た。
ただ、最終スコアほどの実力の差はなく、紙一重の試合ではあった。鹿島は、G大阪に大敗し、川崎Fには大勝。一方の川崎Fは、鹿島には大敗し、G大阪には大勝した。3つ巴の面白い関係になっている。
夏場に入って、J1では、大味なスコアの試合が増えているが、いずれの試合も、当該チーム間で、それほどのチーム力の差は無く、ほんの些細なことから、大量失点を食らうケースが増えている。
■ 小笠原満男の加入の効果鹿島は、メッシーナから戻ったMF小笠原が、ボランチの位置に入って、試合をコントロールした。イメージ的には、晩年の中田英のプレースタイルにダブるが、中盤の底から、精度の高いミドルパスで、ダイナミックな展開を可能にしている。
1点目のMF野沢のFKにつながったパスも、小笠原の精度の高いくさびのパスから得たフリーキックであり、ミドルシュートでのゴールを含めて、決定的な2点に絡んだ。
守備力を考えると、青木と中後がダブルボランチを組むのがベストかもしれないが、小笠原をボランチで起用することで生じるメリットを考えると、面白いアイディアである。
ただ、小笠原の加入によって、それまで中心的な存在だったMF野沢の影が薄くなってしまっている印象もある。本山と野沢と小笠原が、中盤で、どれだけのコンビネーションが確立できるかは、今後のポイントの1つになるだろう。
■ 悪くはなかった川崎F川崎Fは、特に出来自体は悪くなかったが、前半20分に、FWジュニーニョが絶好機を外して、先制出来なかったことが響いた。後半に1点差に迫った後は、FW黒津やFW我那覇らを投入し、あわやというシーンも作ったが、最後の最後を崩せず同点ゴールは奪えず、逆にカウンターから2失点を喫した。
ただ、最後の2ゴールは、追いつこうとした末の結果であり、仕方ない部分もあるので、切り替えていくしかないだろう。
鹿島アントラーズ:採点
GK:曽ヶ端 6.5
→ 今のJ1では、一番、安定しているGK。
DF:内田 6.5
→ 鹿島のサイドバックっぽくなってきた。
DF:岩政 6.0
→ チョン・テセに仕事をさせなかった。
DF:ファボン 6.0
→ 怪我で長期離脱。
DF:新井場 6.5
→ ダイナミック。3点目のゴールの基点。
MF:青木 7.0
→ ジュニーニョのマークで苦労するも、最低限に抑える。
MF:小笠原 6.5
→ 守備は不安な面もあるが、ミドルは見事。
MF:本山 6.5
→ 見事なアシスト。オールラウンドな選手になった。
MF:野沢 5.5
→ FKは素晴らしかったが、それ以外はいまひとつ。
FW:柳沢 5.5
→ なかなかシュートチャンスを作れなかった。
FW:マルキーニョス 6.5
→ 1ゴール、1アシストの活躍。
サブ:大岩 6.0
→ このレベルの選手が控えているのは大きい。
サブ:中後 5.5
→ 試合を落ち着けようとしたが、大きくは機能しなかった。
サブ:興梠 6.5
→ 思い切りがいい。柳沢の代わりにスタメンで起用してもいいのでは?
川崎フロンターレ:採点
GK:川島 5.5
→ 4失点も、難しいシュートばかりだった。
DF:箕輪 5.5
→ 柳沢には仕事をさせなかった。
DF:伊藤 5.5
→ 可もなく不可もなく。
DF:寺田 5.0
→ やや苦戦した。
MF:谷口 5.5
→ あたりの強さは見せた。上昇ムード。
MF:中村 6.0
→ 局面を変えるパスは健在。悪くない。
MF:森 5.0
→ 攻守とも、新井場に苦戦した。
MF:村上 5.5
→ ここ最近は、開幕当初の勢いが戻ってきていたが、この試合はイマイチ。
MF:マギヌン 5.5
→ 存在感は示したが、決めきれなかった。
FW:ジュニーニョ 6.0
→ キレは抜群。ただ、この試合は、精度を欠いた。
FW:チョン・テセ 5.0
→ 鹿島DFにやられた。
サブ:黒津 5.0
→ やるべき仕事が明確でなかった。
サブ:井川 採点なし。
→ 採点なし。
サブ:我那覇 採点なし。
→ 出場機会が激減しているのが気になるが・・・。
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