■ 4カ国対抗戦4カ国対抗戦の初戦。北朝鮮と対戦したU22日本代表は、<4-4-2>。DFラインは、一柳・河本・千葉・安田の4バック。谷口・上田・枝村・梅崎の中盤で、森島と岡崎の2トップ。
立ち上がりから日本はボールを支配されるが、前半21分、梅崎の左CKから、二アに走りこんだFW森島が頭ですらして、中央のDF河本が押しこんで先制する。さらに、前半28分、ペナルティーエリア内でボールを受けたMF谷口のトリッキーなヒールパスから、MF梅崎が裏に抜け出してフリーでシュートを放つと、これが、決まって2対0となった。
日本は、立ち上がりから中盤を制することが出来ず苦しんだが、効果的な時間帯に先制点と追加点を奪えたことで、試合を優勢に進めた。後半は、北朝鮮も人数をかけて攻め込むが、返した得点はPKによる一点のみ。結局、日本が2対1で勝利して、初戦を飾った。
■ 世代間の融合この試合は、U20代表のメンバーだった、FW森島、MF梅崎、DF安田がスタメン出場し、それぞれに持ち味を発揮した。
FW森島は、平山以外にオプションのなかったCFのポジションで活躍が期待できる選手で、平山ほどの高さはないが、柔軟性と運動量では優っている。平山と比べると、ダイレクトでのパスがうまいので、中盤の選手をうまく活用することが出来る。
この試合では、平山との交代でピッチを去ったが、もちろん、平山と森島が2トップを組むことも考えられる。同じCFだが、タイプは異なるため、プレーエリアは重ならないだろう。
MF梅崎は、U20での活動がなければ、すでに五輪代表で活躍していてもおかしくない選手である。したがって、満を持しての代表合流であるが、持ち味のゴール前への飛び出しから、見事なゴールを奪った。ドリブルが得意で、なおかつ運動量もある選手は、これまでのU22代表にはいなかったタイプである。今後も、相当の活躍が期待される。
DF安田も、これまでのチームにいなかった選手である。DFの脆さもあるが、アタッキングエリアに入って、ドルブルで勝負の出来るサイドバックは貴重であり、4バックがメインであるならば、今後も、重要なオプションになるだろう。
ただ、4バックを選択すると、すでにJリーグでポジションを確保している右の内田(鹿島)と左の安田以外の人材が、あまり見つからない。3バックが主体になるのであろうか。
■ アピールを見せたのは?この試合のスタメンの中で、完全にこのチームでポジションを確保しているのは、GK西川くらいで、他の選手はポジション争いの最中であるが、反町監督にアピール出来たのは、U20代表組を除くと、MF上田とMF谷口のふたりだろう。
ともに、ボランチで試合に出場し、90分を通してハードワークを見せて、中盤を引き締めた。上田は、プレースキックの精度の高さも見せた。展開力という意味ではやや物足りない部分もあったが、十分な出来だった。
また、昨シーズンのJリーグベスト11でありながら、ACLとの兼ね合いもあって、なかなか五輪代表での活動の機会がなかった谷口だが、見事なアシストと人に強い守備で、持ち味を発揮した。谷口とポジションを争うのは、法政大学のMF本田であるが、本田と比べると、展開力では劣る部分があるので、高さや守備力でチームに貢献したい。
■ 枝村と岡崎のコンビ攻撃陣では、枝村と岡崎のエスパルスのコンビは、及第点の出来。試合開始当初は、なかなかボールに絡めなかったが、徐々に、試合に入っていくことが出来た。
枝村は、トップ下気味のプレーとなったが、比較的、自由を与えられていたので、枝村が下がってきて、ボールを受けることが出来ると、その後、チャンスにつながることが多かった。
また、岡崎も、反転の速さを生かしたドリブルと、正確なダイレクトプレーは、光るものを感じた。しかしながら、パスミスも少なくなく、悪いプレーではなかったが、十分なアピールは出来なかった。
■ つなぎのミスが目立つ。この試合の日本は、アタッキングエリアまでボールを運べたときは、多彩な攻撃を見せたが、なかなか、アタッキングエリアまでボールを運べず、チャンスの数自体は少なかった。
気になったのは、CBのところでうまくボールを奪えたときに、最初のパスの精度が低く、うまく展開できなかったこと。CBの千葉と河本は守備面では悪くなかったが、ビルドアップのミスが目立った。
■ 個々のアピール今大会では、オールスターに出場する予定の選手やJ1の試合がある選手、大学生が招集されておらず、ベストメンバーとは程遠い。したがって、チームとしてみると、不十分な面も多いが、ほとんどぶっつけ本番のスタメンなので、それは仕方ない。
したがって、今大会では、ひとりでも多く、最終予選のメンバーに入ってこられるように、個々の選手がアピールして欲しい。
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