■ ウルグアイ戦8月14日(水)に宮城スタジアムで行われるウルグアイ戦の日本代表メンバー23名が発表されて、東アジアカップでフル代表デビューを飾った選手では、C大阪のFW柿谷、鳥栖のFW豊田、柏のMF工藤、広島のMF青山敏、C大阪のMF山口螢、FC東京のDF森重の6人が引き続いてメンバーに選ばれて、広島のGK西川、FC東京のGK権田、磐田のDF駒野、FC東京のMF高橋秀の4人もメンバーに選出された。
その他では、G大阪のMF遠藤とDF今野、磐田のDF伊野波が代表復帰を果たしたが、磐田のFW前田と川崎FのMF中村憲はメンバーから外れて、継続的に代表に選ばれていた国内組のDF栗原が落選となって、海外組ではフランクフルトのMF乾、ハノーファー96のDF酒井宏、ヘルタ・ベルリンのMF細貝の召集が見送られて、フィテッセのFWハーフナーも怪我のため落選となった。
先月、韓国で行われた東アジアカップは2勝1分けで初優勝を飾ったが、タイトルを獲得したこと以上に、新しい選手が頭角を表したことが収穫であり、実りの多い大会だったと言えるが、そのことを証明するかのように、非常にフレッシュな顔ぶれとなった。アジア最終予選のときは、スタメンだけでなく、控え選手もほとんど代わらなかったが、これから熾烈な競争がスタートすることを予感させる興味深い選考となった。
■ 注目のフォワード注目したいのは、何と言っても、フォワードのポジションである。FWハーフナーの召集が見送られることは、すでに報道されていたが、1トップでスタメン起用されることが多かったFW前田が落選して、FW豊田とFW柿谷がメンバー入りを果たした。今シーズンのFW前田は、所属する磐田でもなかなかゴールを挙げられずに苦しんでいるが、日本代表ではほとんどの試合でスタメン起用されているので、予想外の落選となった。
今回は、FW前田も、FWハーフナーも不在なので、FW柿谷か、FW豊田のどちらかが1トップで起用されると思うが、FW柿谷が1トップで起用されるとしたら、これまでのザックジャパンのサッカーとは、全く違ったものになるだろう。それがプラスに触れるのか、マイナスに触れるのか、予想するのは難しいが、FW柿谷にとっては、大きなチャンスであり、東アジアカップの活躍で自力で切符を勝ち取ったと言える。
一方のFW豊田は、フォワードとしての系統はFWハーフナーに近いので、彼が怪我で離脱している今回のウルグアイ戦は、代表に定着するための絶好の機会である。身長を比較すると、FWハーフナーの方が9センチも上回っているが、アジア最終予選やコンフェデでは、FWハーフナーの高さが生かされるシーンはほとんど無くて、途中出場でプラスの効果をもたらすことができなかったので、FW豊田にかかる期待は大きい。
■ チーム内の活性化2列目では、柏のMF工藤がメンバー入りを果たした。東アジアカップの中国戦で1ゴール1アシストと結果を残したが、今回は、フランクフルトのMF乾との争いを制したと言える。サイドハーフが本職の選手ではないが、非常に適応能力の高い選手なので、サイドハーフのポジションでも問題なくプレーしている。これまで、MF岡崎を脅かす選手がいなかったので、MF岡崎に刺激を与える存在としても期待を集める。
ボランチも同様で、常連だったMF細貝が外れて、MF山口螢とMF青山敏の2人が選出された。過去、ほとんどの試合で、MF遠藤とMF長谷部がスタメンで起用されているが、MF長谷部は29歳、MF遠藤は33歳になったので、ノビシロというのは、大きくない。「プレーヤーとしてのピークは過ぎている。」と言われることも多くなっており、残りの1年間で、ボランチのレギュラーを奪い取る選手が出てきても、おかしくは無い。
もっと言うと、そういう選手が出て来ないと、W杯でベスト16やベスト8を狙うのは、難しいだろう。MF遠藤とMF長谷部の2人が、日本人ボランチの中で、頭1つ以上リードしていた時期もあったと思うが、今の段階では、3番手以下の選手と比較して、とてつもなく大きな差があるようには思えない。MF高橋秀のバランス感覚と高さ、MF山口螢の運動量と飛び出し、MF青山敏の判断力とラストパスのセンスは、十分な武器となる。
最後に最終ラインは、横浜FMのDF栗原がメンバーから外れて、磐田のDF伊野波がメンバーに復帰して、FC東京のDF森重がメンバーに生き残るというサプライズが起きた。DF栗原については、東アジアカップでは最終ラインの軸として期待されたが、初戦の中国戦で失点に絡むなど、説得力のあるプレーは見せられなかった。したがって、「外されても仕方がない。」という見方もできる。
いずれにしろ、落選した常連組はもちろんのこと、これまでレギュラーで起用されてきたGK西川、DF内田、DF今野、DF吉田、MF長谷部、MF岡崎なども、東アジアカップ組を中心とした新戦力が台頭してきたことに対して、「ポジションを奪われるのではないか?」という危機感を持って代表に合流してくると思われる。コンフェデの前後は停滞感が漂っていたザックジャパンであるが、再び、良い流れになって来ている。
関連エントリー 2013/07/21
【東アジアカップ:日本×中国】 柿谷曜一朗 1ゴール1アシストもドロー・・・ 2013/07/22
【採点:日本代表】 中国戦 (受付中_16名) 2013/07/26
【東アジアカップ:日本×豪州】 レギュラー候補に名乗りを上げた高橋秀人 2013/07/26
【採点:日本代表】 オーストラリア戦 (受付中_9名) 2013/07/29
【東アジアカップ:韓国×日本】 柿谷曜一朗 生まれながらのスター選手 2013/07/28
【採点:東アジアカップ】 韓国 vs 日本 (受付中_21名) 2013/07/29
東アジアカップの大会MVPについて考える。 2013/07/30
試合でもマナーでも敗れた韓国サッカー 2013/08/02
「識者」のレベルが高くない日本サッカー界
- 関連記事
-