■ 開幕戦2012年のJ2の開幕戦。2010年、2011年と2年連続でJ1昇格を逃したジェフ千葉は、ホームでモンテディオ山形と対戦した。今シーズンは、2008年、2009年、2010年と水戸を率いた木山監督を招聘し、悲願のJ1復帰を目指す。一方の山形は、2009年、2010年と、2年連続でJ1残留に成功したが、2011年はJ1で最下位に終わって、J2降格となった。4年間チームを率いた小林監督は退任し、奥野新監督が就任した。
ホームの千葉は「4-2-2-2」。GK岡本。DF坂本、竹内、山口、武田。MF佐藤勇、佐藤健、兵働、伊藤。FW藤田祥、深井。先週のちばぎんカップで負傷したMF米倉は、左すねの骨折で全治約2か月半と診断されている。いきなり、古巣との対決となったMF佐藤健がスタメンで起用されて、MF佐藤勇とダブルボランチを組む。FW荒田、MF田中佑らはベンチスタートとなった。
対するアウェーの山形は「4-1-2-3」。GK清水。DF小林、西河、前田、石川。MF宮阪、北村、船山。FW山崎、萬代、中島。FC東京の下部組織出身で明大卒のMF宮阪がボランチでスタメン出場。草津から加入のFW萬代、仙台から加入のFW中島もスタメン出場。MF秋葉、MF伊東らはベンチスタートとなった。
■ ジェフが2対0で快勝!!!試合はスピーディーな展開となる。千葉は、開始早々にDF坂本のクロスからゴール前のFW藤田祥がヘディングで狙うが、枠を外してしまう。絶好の先制機を逃した千葉だったが、その後も、新加入のFW藤田祥を起点にチャンスを作っていく。一方の山形は、ルーキーのMF宮阪が低い位置でボールに触って攻撃をリードしていく。しかし、前半はシュートまで持ち込めず、山形はシュートゼロ。スコアレスながら、千葉が優勢で前半を折り返す。
後半開始から、山形は「4-2-2-2」にシステムを変更してくるが、後半開始1分に千葉が先制に成功する。左サイドでボールを持ったFW深井がスピードでサイドを突破し、タッチラインを割りそうになったボールもスライディングでキープしてニアサイドにクロスを入れると、ゴール前に入って来たFW藤田祥がワンタッチで合わせて、千葉が先制する。さらに、後半24分にも、DF武田のクロスをFW藤田祥が左足のボレーで合わせて追加点を挙げる。横浜FCから移籍のFW藤田祥は、開幕戦から2ゴールと結果を残した。
山形は、終了間際にMF佐藤勇のバックパスを拾ったFW中島が裏に抜け出してシュートを放つが、枠外でゴールならず。結局、千葉が山形のシュートを5本だけに抑えて、2対0で快勝。2009年以来のJ1復帰に向けて好スタートを切った。一方の山形は、ほとんど決定機を作れず、黒星スタートとなった。
■ 新エース FW藤田祥史が2ゴール木山監督を迎えてJ1復帰が至上命題になっている千葉が、ホームでアグレッシブな試合を見せて、2対0で勝利を飾った。先週のちばぎんカップの柏戦は、0対1で敗れたが、内容ではJ1王者を上回っており、「期待できそう。」という雰囲気を醸し出していたが、J1昇格を争うライバルの一つである山形を下して、順調なスタートを切った。
ヒーローとなったのは、横浜FCから加入のFW藤田祥だった。千葉は、ちばぎんカップでも、たくさんのチャンスを作りながら決められず、無得点に終わったので、前半に攻めながらゴールが奪えなかったときは、嫌な雰囲気になったが、前半早々のFW藤田祥のゴールで、試合の流れを大きく引き寄せた。先制ゴールのシーンは、タッチラインを割りそうなボールをコントロールしてからクロスを入れたFW深井の頑張りも目立ったが、ニアサイドに入ってきてダイレクトで合わせたFW藤田祥のシュートテクニックも光った。
FW藤田祥は左利きなので、左サイドから入ってくるボールに強さを発揮するが、2点目のような左足のボレーシュートも得意としている。この試合では、2ゴールとも、左サイドからクロスをゴール前のFW藤田祥が合わせた形だったが、スタメンで起用されているDF武田、MF兵働、MF佐藤健、FW藤田祥の新加入選手4人は、いずれもレフティで、今年の千葉は、左サイドからの攻撃が軸となるだろう。
ゴールシーン以外にも、FW藤田祥はポストプレーもこなして、攻撃のリズムを作った。FW深井とのコンビも良好で、運動量も豊富で、守備でも献身的と、文句の付けようのない出来だった。横浜FCでは、31試合で3ゴールに終わったが、サポーティングキャストに恵まれている千葉でゴールを量産する可能性は高くて、千葉にとっては、待望久しい「エース誕生」の試合となった。
■ 初出場のDF武田英二郎がアシスト二点目のゴールをアシストしたのは、横浜FMから加入のDF武田だったが、縦にドリブルで突破してから、左足で精度の高いクロスを送って、FW藤田祥のゴールをお膳立てした。ちばぎんカップでは、バックパスのミスが唯一の失点につながって敗戦を喫するというツライ結果になったが、引き続き、開幕戦でもスタメン起用されて結果を残した。
経験が不足している選手なので、判断力や守備力には不安を感じるが、ウイークポイントを補って余りあるものがある。千葉は、近年、左利きのサイドバックがおらず、攻撃に幅が出ていなかったが、DF武田の加入でバランスが良くなった。右サイドのDF坂本も、近年にないくらいコンディションがよさそうで、積極的なプレーを見せているので、今シーズンは、サイド攻撃が活発である。
次節は、さっそく、優勝候補の一角と言われる京都サンガとアウェーで対戦する。昨シーズンは、京都に連敗しており、相性のいいチームではないが、開幕戦からFW藤田祥が結果を残すなど、ムードは非常にいい。戦力的には、他チームを上回っていると思われる両チームの激突は、どちらのチームがJ1昇格レースを引っ張っていくかを占うことのできる試合で、興味深い対戦である。
■ モンテディオは攻撃の形を作れず・・・一方の山形は、奥野監督が就任し、より攻撃を重視したサッカーでJ1復帰を目指しているが、攻撃的なポジションは新加入選手も多いこともあって、十分には機能しなかった。前線で起点となる仕事をするはずのFW萬代は、全く試合に入ることができず、90分間、消えていたが、攻撃の軸として期待される選手が全く存在感を発揮できない状況では、ゴールを奪うのは難しい。
システムも、前半は「4-1-2-3」で、後半は「4-2-2-2」のような形になったが、まだ、どちらがいいのか、奥野監督も迷っているようで、システムを変更した直後に先制ゴールを許すなど、システム変更も実らなかった。攻撃に関しては、スーパーなタレントはいないので、人数をかけて沢山のチャンスを作っていくしかないが、現状は、攻撃の形も見えてこず、苦しいと言わざる得ない。
光明といえるのは、大卒ルーキーのMF宮阪が、デビュー戦とは思えないほど、落ち着いたプレーを見せたことで、ずっとチームの中心でプレーしているかのようなふるまいで、チームを引っ張った。169センチなので、高さは無いが、フィジカルが強いので、ボールを失うこともなく、中盤を引き締めることができる選手である。チームは、中盤でリーダーになれる選手を必要としているが、うってつけの存在のように思える。
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