■ プラカード問題男子サッカーの3位決定戦の日本と韓国の試合後に、韓国のパク・ジョンウという選手が「独島は我が領土」というプラカードを掲げたとして騒動になっている。結局、パク・ジョンウは、メダルセレモニーに参加できず、メダルを受け取ることはできなかったという。
大韓体育会は、「政治的な意図とは全く関係がないと考えている。」という立場で、パク・ジョンウを擁護しているが、韓国の李明博大統領の竹島上陸のパフォーマンスとリンクしているのは明らかで、「政治的な意図は無い。」という主張には無理がある。
FIFAは韓国サッカー協会に対して、「8月16日を期限に事情を説明するよう求めた。」と報道されているので、今、現在、適当な言い訳を探している最中だと思うが、説得力のある言い訳を見つけるのは、困難である。
■ 思慮に欠ける行動この件については、日本のサッカーファンは、過剰反応はすべきではないと思う。仮に、韓国の銅メダルがはく奪されるようなことがあると、日本が繰り上げになる可能性もあるので、裁定は気になるところであるが、とりあえずは、静観すべきである。
想像するのも難しいが、もし、日本が3位決定戦で韓国に勝利していて、試合後に、MF清武だったり、FW永井であったり、GK権田であったり、中心として活躍してきた選手が、「竹島は我が領土」というプラカードを持っている姿を見たら、これ以上ないほど、残念に思っただろう。
そう考えると、せっかくの晴れ舞台で、思慮に欠ける行動をとった自国の代表選手を見つめる韓国国民の感情はどうなものだったのか、どういう思いを抱いたのか、韓国国民には、同情せざる得ないが、一方で、日本の現状と韓国の現状は大きく異なるので、「同じではない。」ということは、認識しておく必要がある。
昨年の9月のACLのC大阪と全北の試合前と試合中と試合後にも大きな騒動が起こったが、「日本の常識は通用しない。」ということを頭に入れておかないと「ダメ」であり、文字通り、何でもありで、死ぬ気で戦ってくるチームを相手にするときは、いろいろなことを想定しておく必要がある。
■ どういう処分が下されるのか?サッカーに限らず、スポーツと政治は別物であり、きちんと分けて考えなければならないが、選手も、観客も、国際試合になると、エキサイトしてしまって、平常心ではいられなくなるのが、普通である。どの国が相手でも、何かしらの因縁はある。そして、そういった部分が、スポーツ観戦を面白くしている部分もあるが、一線を越えてしまうと、興ざめしてしまう。
Jリーグも、地域対抗の要素があって、ダービーマッチなどは、特にエキサイトする。そういった「熱さ」を全面的に否定するわけではないが、しっかりとルールを定めて、歯止めを利かさないと、エスカレートしてしまって、不幸な感情しか生み出さない。
過去のオリンピックで、ここまで、あからさまな「政治的活動」をする人はいなかったと思うので、プラカード問題は、前例のないことである。よって、正直なところ、どういった処分が妥当なのか、よく分からないところもあるが、「メダルはく奪」という処分が下されたとしたら、韓国国民も、この行動の是非について、真剣に考えるだろうし、長い目で見ると、うやむやに済ませるよりは、韓国という国全体にとって、プラスに働くのでは?と思う。
この件について、日本サッカー協会は、「FIFAやIOCに任せている。」というで、自らアクションを起こすことはないというが、とにかく、冷静に推移を見守りたいところである。
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