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なかなか日本代表監督が決まらない。 | | |　

■　ビクトル・フェルナンデス氏か？

何人もの監督候補の名前が挙がっている中、元FCポルトの監督でビクトル・フェルナンデス氏が次期日本監督の有力候補といわれているが、なかなか正式契約には至らず。日本代表監督が決まらないままである。9月4日にはパラグアイ戦が控えているが、「新監督のお披露目の試合」とはならなくて、代理監督が指揮をとることになりそうだ。

少し出遅れる形となったが、何も考えずに「監督になってくれそうな人」を後任監督に据えるよりは、よほどマシである。ジェフ千葉の監督だったイビチャ・オシム氏を強奪した形になった2006年のケースを除くと、これまでの日本代表監督を選ぶ最優先事項は、「(難しい交渉なしで)監督になってくれそうな人」ではなかったか？

早く監督が決まるに越したことはないが、（例えば、）安易に、ピエール・リトバルスキー氏のような人に決めてしまうと、取り返しがつかなくなる可能性がある。とかく批判を受けがちな日本サッカー協会であるが、交渉は難航しているとはいえ、1つの進歩しているといえる。

■　どんな監督がベストなのか？①

ビクトル・フェルナンデス氏の他にも、ビエルサ氏、マンサーノ氏、ペケルマン氏、バルべルデ氏、ファン・バステン氏といった名前が挙がっていたが、「結局、どんな監督がベストなのか？」というと、なかなか答えるのは難しい。

一昔前の例えばオフト時代は、「オフトの言うことは絶対」的な雰囲気があって、「代表監督から全て学びましょう。」というムードもあったが、時代は変わってきて、日本はすでに4回のワールドカップを経験して、日本的なスタイルも確立されてきている。

「日本代表には日本スタイルというものが無い。」と考える人もいるが、J1でも、J2でも、JFLでも、高校サッカーでも、ユースでも、どちらかというと「金太郎飴状態」で、どのカテゴリーでも似たような「日本スタイル」のサッカーは見られる。

おそらく、よほど極端な監督を選ばない限り、どんな監督になっても日本代表のサッカーの根本は変わらないだろう。

■　どんな監督がベストなのか？②

ただ、同じ「日本スタイル」であっても、アレンジの加え方によってチームの仕上がりは変わってくる。どんな監督になっても8割程度は同じだと思うが、残りの2割はその監督の好みが現れる。そこで違いは生まれてくる。

例えば、中盤にクレバーでテクニックのある選手をそろえた清水エスパルスのサッカーも「日本スタイル」の1つであるし、パスワークで攻めるガンバ大阪のサッカーも1つの「日本スタイル」である。そして、最終ラインにボールの持てる選手を配置し、パスワークで相手を崩していくサンフレッチェ広島のサッカーからも、「日本サッカー」の香りを感じる。

■　岡田スタイルを継承できる人がベターか？

オフト→ファルカン→加茂→岡田→トルシエ→ジーコ→オシム→岡田と続く監督経験者を見ると、一貫性は見られない。これは、しばしば批判対象になるが、率直に言うと、4年間という長期スパンの代表チームで、似たコンセプトを持つ後任監督(しかも優秀な監督)を探してくるのは不可能に近い部分もある。よって、これは大目に見る必要もあると思う。

（もし、今回の岡田監督のスタイルを踏襲するとしたら、モンテディオ山形の小林伸二監督が最適のように思われるが、小林監督はフリーの状態ではなく、その可能性はゼロである。）

もちろん、将来、ずっと同じスタイルの監督を選んでいくことが出来たらチームは安定はするだろうが、枠にはめてしまってスケール感が出にくくなる、というマイナス面も考えられる。そして、「その監督=○○サッカー」といった短いキャッチフレーズで簡単に表現出来てしまうような監督は、危うい感じもする。

例えば、イビチャ・オシム氏ほどの実績と経験のある監督であれば、「ユーゴスラビア代表でみせるサッカー」と、「グラーツで見せるサッカー」と、「ジェフ市原で見せるサッカー」と、「日本代表で見せるサッカー」は違ってくるだろう。それぞれの選手やチームの実情にあったチームを作ってくるはずで、優秀な監督であればある程、柔軟な監督であればある程、そのスタイルを一言で表すことは出来なくなる。（「考えて走るサッカー」というのがジェフ時代の代名詞のようになっているが、例えば、オシム氏がアフリカのチームを指揮したとしたら、アメリカのチームを指揮したら、ノルウェーのチームを指揮したら・・・。ジェフとは全く別の長所を持ったチームを作るだろうと想像出来る。）

ビクトル・フェルナンデス氏を始めとして、今、現在、原氏がリストアップしていると思われる監督であれば、経験も豊富で引き出しも沢山あるはず。誰が監督になったとしても、バージョンアップした新しい日本代表を見せてくれるのではないだろうか？ただ、唯一、ファン・バステン氏には不安を感じるが・・・。

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