■ ホームゲーム前節、川崎フロンターレに敗れて降格が決定したジェフ千葉。残り3試合で来シーズンにつながる何かを見つけたい。対するFC東京はACLを目指しての戦いとなる。
ホームの千葉は<4-2-2-2>。GK岡本。DF坂本、福元、斎藤、アレックス。MF工藤、中後、谷澤、米倉。FW新居、巻。FWネット・バイアーノはベンチスタート。
アウェーのFC東京は<4-2-2-2>。GK権田。DF椋原、ブルーノ・クアドロス、今野、徳永。MF米本、羽生、中村北、鈴木達。FW平山、赤嶺。MF梶山は警告累積のため出場停止。MF石川、DF長友は怪我のため欠場。
■ 4ヵ月半ぶりの勝利雨の中での試合は、前半25分に千葉が先制。左サイドでボールを持ったDFアレックスのクロスをFW新居が頭で決めて先制。FW新居は今シーズン2点目。しかし、FC東京は前半30分にショートパスをつないで、最後はFW赤嶺が決めて同点に追い付く。前半は1対1で終了。
後半開始早々、千葉は右サイドからスローイン。DF坂本が左足で蹴ったボールがドンピシャでFWネット・バイアーノの頭に合って2対1と勝ち越しに成功。
FC東京は後半18分にFW平山が2枚目のイエローカードで退場。FC東京は10人になってしまう。その後は、反撃を試みるも不発。結局、2対1で千葉が勝利。7月4日の大分戦以来という久々の勝利を飾った。江尻監督はリーグ戦初勝利となった。
■ ネット・バイアーノの存在感 前節でJ2が決定。さらに天皇杯でも岐阜に0対1で敗れるなど、どん底だった千葉だった。この試合は、立ち上がりからFC東京がハイペース出来たため、それに対応して千葉もハイペースとなったが、これが功を奏した感じで、久々に千葉らしいスピード感のあるサッカーが見せられた。
皮肉にもFW巻が前半22分にFW巻が負傷で退場し、FWネット・バイアーノが入るとよくパスが回るようになって、FWネット・バイアーノを起点にMF米倉らの前に飛び出すプレーが効果的となった。
江尻監督はエースFW巻と心中することを以前から公言している。エースに頼ることは悪くないが、その分、FWネット・バイアーノの存在をないがしろにし過ぎた感はある。ポスト役としての能力や周りを活かす能力はFW巻よりも上であり、シーズン途中にFWネット・バイアーノを攻撃の中心に据えていれば、事態は変わっていた可能性もある。
ただ、21節の柏戦でのFWネット・バイアーノの退場劇が彼の使い方を難しくした部分は間違いなくあるだろうし、あの試合でFWネット・バイアーノが退場することなく、好プレーを見せていれば、使い方も変わっていたはず。あの試合が今シーズンの千葉のターニングポイントの1つだったといえるかもしれない。
■ 果たして江尻監督で大丈夫? これで、FC東京戦は昨シーズンから3連勝。相性のいい相手にホームで勝利し、今シーズンのホーム2勝目となった。17位も18位も大きな違いはないとはいえ、この試合で引き分け以下だと最下位に転落したところであり、ひとまず最下位は回避となった。
報道によると、リーグ戦初勝利を挙げた江尻監督は来シーズンも指揮を執ること可能性が高くなっているが、1シーズンでJ1に復帰するのは簡単ではないだろう。J1の中位以下のチームと、J2の上位クラブの間に大きな差はなく、同じような力のチームが幾つかあるが、J1で残留を目指して戦うのと、J2で昇格を目指して戦うのは、全く違うものである。具体的には、J1で残留するためには勝ち点を1つずつ稼いでいかなければならないが、J2で昇格するには、全試合で勝ち点「3」を目指した戦いをしなければならない。
ここ数年、J1でなかなか勝てていない千葉がこのままの状態でJ2に挑んだとしても、勝ち切れずにドローで勝ち点を取りこぼすような試合が増えていくことが容易に予想される。J2で首位に立つベガルタ仙台は49試合で31勝。引き分けあるい敗戦に終わった18試合だけである。過密日程の中で勝ち続けていくことはJ1時代とは違った意味で大きなプレッシャーがかかるものである。
江尻監督が続投するのであれば、幸いにも来シーズン前に時間がある。まず、点の取れる選手を確保しなければならないし、シーズン中は勝ち続けながら、2011年にJ1で闘えるだけの力を蓄えていかなければならない。これは経験の少ない江尻監督にとっては至難の業であると思われる。もちろん、千葉の資金力はJ2の中では上の上であるが、難しいシーズンになるだろう。
■ 厳しくなったACL一方のFC東京は痛い敗戦となった。ACLに出場する可能性を残すためには、最低でもリーグ戦で4位以内に入る必要があるが、この敗戦で少し厳しくなった。MF石川、MF梶山、DF長友と3人の主力が不在の影響は隠しきれず、選手層の薄さを痛感させられる試合となった。
シーズン途中に退団したFWWカボレも含めて、これだけ主力が抜けてしまうと難しい試合になってしまうのは仕方がないとはいえ、ここ4試合で1勝3敗。他のチームも勝ちきれていない状態とはいえ、悔やまれるシーズン終盤になってしまった。
MF梶山に代わってMF羽生がボランチで、MF中村北斗がサイドハーフに入ったが、MF梶山のタメが無くなったことで、ボール回しにも落ち着きが無かった。
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