【水曜スペシャル】（824） 裁判官がインサイダー取引の衝撃…証取委は異例のスピード摘発
金融庁に出向中の裁判官がインサイダー取引疑惑で証券取引等監視委員会の強制調査を受けた衝撃が収まらない。当該の裁判官は司法修習71期の30代男性。「妻も裁判官で、幼い子供がいる」（社会部記者）という。
この裁判官は今年4月、人事交流で金融庁の企画市場局企業開示課に出向。企業が公表する情報のチェック等に従事し、そこで株式公開買付（※TOB）の情報を見て、当該銘柄の株取引を行なっていた。通常、インサイダー取引は、情報受領者ではなく、別の人間が行なうケースが多い。しかも、この裁判官はTOB案件があれば「ほぼ毎回取引していたようだ」（別の社会部記者）。
あまりに杜撰な為、金融庁幹部が唖然としたというが、同庁では証取委の早い着手にも驚きの声が広がる。通常、情報入手から着手までは1年以上かかるのが普通。しかし今回は、今年の春以降の取引について早くも着手した。その為、証取委が当初から相当な物的証拠を持っていたことは確実。金融庁関係者は「誰がそれを持ち込んだのか」と興味津々だ。あまりに能天気な取引も含めて、異例の事件になっている。
2024年11月号掲載
