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【劇場漫才師の流儀】(211) マイNGK飯トップ3

なんばグランド花月、通称NGK周辺には芸人御用達の飲食店が何軒かあります。そんな御用達店で最も有名なのが『千とせ』です。名物は、肉吸い。肉吸い発祥の店でもあります。昔、吉本新喜劇の看板役者だった花紀京さんが、二日酔いで軽く食事をしたかったらしく、「肉うどんのうどんを抜いてくれ」と言ったのが肉吸いの始まりだとか。なので、本当そのまんまのイメージです。ほぼ肉しか入っていないので、僕は卵と豆腐を追加して、それを白ご飯と食べていました。熱が上手く伝わって、卵が温泉卵みたいになるんですよ。最近は千とせに全然行けてません。昔は出前を持ってきてくれたんですけど、今はもうやっていないみたいなので。昔、その岡持ちの木の蓋があんまり綺麗でなくてね…(笑)。まぁ、年季が入っているといえばそうなんですが。昔、『人生幸朗・生恵幸子』というめっちゃ怖い夫婦漫才のコンビがいてはったんですが、奥さんが「汚いなぁ」って言ったら、大将が「そんなら食うな!」って怒ってね。横で「えらいこっちゃ~」って見ていました。実は大将、当時の吉本の社長と同級生でして。「芸人がなんぼのもんじゃい!」くらいの感じやったんですよ。千とせは今、NGKの1階にも別館が入っています。ただ、本店とはちょっと味が違うみたいですね。昔ながらの味を食べたかったら、そこから徒歩3分ぐらいの所にある本店がおすすめです。

ただ、今やすっかり観光名所にもなってしまいましたから、結構並んでいますわ。なので、並びたくないという方の為に、僕のお気に入りのメニュー、“マイNGK飯”をお教えしましょう。ランチで僕が一番よく行くのは『マドラス』というカレー屋さんです。僕はいつも野菜とかコロッケとか、色んなものをトッピングします。甘辛くて、何か危ないうま味成分が入っているんじゃないかと勘繰りたくなるくらい、一度食べると病みつきになります。1週間出番が続く時は、2~3回くらい食べているんちゃうかな。次によく行くのは、劇場の楽屋口横の『中央軒』ですね。長崎ちゃんぽんの名店です。今、芸人のランチ率が一番高いのはこの店やないかな。出前派が多いですが、僕は店で食べる派です。ちゃんぽんも美味しいのですが、僕のお気に入りは断然、皿うどん。パリッパリの麺の上にあんかけがのっかっているやつです。美味いですよー。量も多いですし。因みに、阪神君の一押しは、NGKのはす向かいにある『洋食屋カトリーナ』。ここはオムライスが有名なのですが、阪神君はハンバーグとフライのA定食をよう食べていますね。僕のマイNGK飯の第3位は…と盛り上げといてなんやけど、牛丼かな。楽屋で食べていると、若手に「巨人師匠も牛丼食べるんですね」って言われます。そら食うよ(笑)。しかも、めちゃめちゃよう食うてます。美味いもん。あれは全国共通、日本人のソウルフードやろ。あ~あ、腹へってきた!


オール巨人(おーる・きょじん) 漫才コンビ『オール阪神・巨人』のボケ担当。1951年、大阪府生まれ。大阪商業高校卒業後、1974年7月に『吉本新喜劇』の岡八朗に弟子入り。翌1975年4月に素人演芸番組の常連だったオール阪神とコンビを結成。正統派漫才師として不動の地位を保つ。著書に『師弟 吉本新喜劇・岡八朗師匠と歩んだ31年』・『さいなら!C型肝炎 漫才師として舞台に立ちながら、治療に挑んだ500日の記録』(共にワニブックス)。


キャプチャ  2022年3月7日号掲載

テーマ : お笑い芸人
ジャンル : お笑い

【令和時代の日本生存戦略】(27) 初対面で“しるし”を読み取る理由



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ステレオタイプというのは、ヒトの集団を幾つかのカテゴリーに分けて理解しようとすることだ。何故こんなことをするかというと、脳には認知的な限界があり、複雑なものを複雑なまま取り扱うことができないからだ。物理学的には、世界は様々な波長の電磁波に満ちているが、人間の目が光として感知できるのはそのごく一部で、可視域は下限が360~400nm、上限が760~830nmだ。それより短い波長には紫外線(※UV)、X線、ガンマ線が、長い波長には赤外線、マイクロ波、ラジオ波があるが、どれも見ることができない。可視域の電磁波も、赤・青・白・黒等の色のカテゴリーで認識される。網膜や視神経の生物学的な限界により、脳は世界をステレオタイプ化して構成しているのだ。この単純な例からわかるように、私たちはステレオタイプから自由になることはできない。それは脳の基本的な機能であり、ヒトの本性でもある。アメリカ人は、初対面の相手を無意識に、性別・年齢・人種の3つのカテゴリーで即座に判断する。性別と年齢が何故重要かは、進化論的に明快に説明できる。相手が子供や老人なら、危害を加えられる恐れはないから無視すればいい。男にとって若い女は性愛の対象で、若く屈強な男は生存への脅威となるから、特別な注意・関心を引く。女にとっては、見知らぬ若い男は性愛の対象であると同時に、暴力を受ける可能性もあるから、より複雑で高度な判断が必要になるだろう。それに対して、人種のカテゴリー化は説明が難しい。人類が進化の歴史の大半を過ごした旧石器時代には、アメリカのような多民族社会は存在せず、周囲には自分と同じ外見の者しかいなかった筈だ。脳が人種に注目するようプログラミングされている理由はない。

その後の研究によって、カテゴリー化の対象は人種ではなく、社会であることがわかった。社会とは、“俺たち(=内集団)”と“ヤツら(=外集団)”の帰属のことだ。このことは、次のようなシンプルな実験で確認できる。黒人と白人の男性が私服で集まった写真を見せると、アメリカ人の被験者は人種でグループ分けをする。だが、彼らにバスケットボールのユニフォームを着せると、今度はごく自然にチームによってカテゴリー化するようになるのだ。このことから、人種差別は人間の本性ではないことがわかる。本性は内集団と外集団に分割すること、即ち“社会(=帰属)による差別”なのだ。差別は何故あるのか? これにつ いては、現代の進化論が説得力のある説明をしている。環境から得られる資源が一定で、そこで暮らす集団が大きくなると、集団は分裂して複数の社会(=共同体)が生まれる。そうなると、同じ社会の構成員とは協働し、異なる社会との競争に勝ち残ることが進化の最適戦略になる。これは人類だけでなく、巨大な社会をつくる生き物はどれも同じ行動をとる。代表的な社会性昆虫である蟻の一種は超巨大なコロニーをつくり、何百㎞も離れたところに連れて行っても、そこの社会に溶け込み、自分の仕事を始める。ところが、異なるコロニー同士が接触すると、蟻たちは互いに殺し合って、死骸が山となった“国境”ができる。蟻には、互いのアイデンティティーを表わす特有の“しるし”がある。それが匂いだ。蟻たちは、自分と同じ匂いがする相手とは協働し、異なる匂いがする相手を殺戮するようプログラムされている。ヒトに遺伝的に最も近いのはチンパンジーやボノボだが、群れの数はどんなに多くても100頭前後で、どの個体もメンバー全員を知っている(※相手がわからなくなるくらい群れが大きくなると分裂する)。それに対して人類は、旧石器時代ですら数千人規模の社会を構成していた。これは脳の認知の限界を超えるので、相手が誰なのかわからなくても(※匿名でも)社会を成り立たせる仕組みが必要になった。この時に使われたのが、味方なのか敵なのかを瞬時に判断できる“しるし”で、言葉(※方言)や文化(※刺青や服装、装飾品)、音楽等だ。これによって、同じ“しるし”を持つ者たちが協力して、異なる“しるし”を持つ者たちを皆殺しにすることが可能になった。ヒトと社会性昆虫が似ているのは偶然ではない。大規模な匿名社会をつくるには、これ以外に方法はない。同じ環境の淘汰圧がかかれば、種が違っていても、同じような性質が進化するのだ。初対面の相手に対して、私たちは即座に“しるし”を読み取ろうとする。これは強力な生存本能なので、意識で抑制するのは極めて困難だ。こうした“しるし”は、アメリカ の人種問題では“白人/黒人”に、ヨーロッパの移民問題では“市民社会/イスラーム”になる。日本のネトウヨなら“日本人/反日”という国籍が“しるし”で、自分たちと異なる主張をする者を在日認定する奇妙な行動が生まれた。

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テーマ : 生き方
ジャンル : ライフ

【山根明のノックアウト人生相談】(146) 他人様は見ていないようで見ています!

Q. コロナ禍で散髪に行くのを控えて早2年。会う人に「何で伸ばしているの?」「いつまで伸ばす?」等と質問される度に、「コロナ禍収束の願掛けをしている」と答えてきました。とはいえ、髪の長さは肩下あたりまでに伸びてきました。そろそろ切ってもいいかなと思う反面、皆に“コロナ禍願掛け”と発表した手前、未だ感染が収まっていない今、切るのも如何なものかと。どうしましょう? (東京都・53歳・ライター)

A. 長髪は似合う人と似合わない人がおるからね。まぁ、女性の髪の毛が長いのは可愛さがあっていいんですけど。男性もね、決して髪の毛を長くしてはいけない、いうことではないんですよ。他人様に迷惑かけているんじゃないんやさかいね。ただ、この男性の顔を見ないとわからないですね。 顔とスタイル、背丈ね。決して、やっちゃいけないわけじゃないけど、似合う、似合わないはありますから。女性の場合は、どういう人が長い髪の毛にしても、似合うんですね。だけど、男性の場合は似合う人と似合わない人の差がね…。不潔に見えたり、とんでもない場合もありますからね。多分、女性の場合は、長い髪にしとったかてね、手入れもキチッとしているんでしょう。この人がどうかはわかりませんけど、男性の場合は、女性ほど髪の毛を手入れしたりしていないと思うんですね。この人の場合、髪の長さに神経を使っているんやったらね、コロナ禍であろうが何であろうが、もう思い切って、サッパリしたほうがいいんじゃないかと。本人自身が気にかかっていることですから。もう、切るしかないね! 53歳やったら、もう切ったほうがいい! 未だ20代とか30代やったら、流行りで伸ばしたりもしているけど。もう53歳ですからね。別に、いけないとは言わないけど。まぁ、これは本人任せやなぁ。僕自身は、長髪にはしたことないんですけど。偶々2ヵ月半ぐらい、理髪店に行かなかったことがあるんですよ。用事が色々あった上に、僕が行きたい日は予約で満員やと言われて。タイミングが合わなくて、暫く髪の毛が伸びとったんです。そうしたら、ファンに会った時に言われました。「会長、ハット被ってんのはいいんですけどね、耳の辺が、非常に髪の毛が伸びているんですけど。態と伸ばしているんですか?」。事情は説明したけど、そう言われた明くる日に、理髪店に行きましたよ。もう何とかしてくれとね。その翌日、いつも通っている喫茶店『ロックヴィラ』に行ったら、そこのお嬢ちゃんがね、「会長、散髪行ってきたんですか?」って言うんです。「うん。ハットを被ってんのに、何でわかるの?」「いや会長、前から耳元の髪の毛が物凄い伸びているなって思っていました。今日はスッキリしているんで、それで聞きましたよ」。髪の毛いうのは、他人様は見ていないようで、非常に見ています。まぁ、仕事柄色々あると思うけど、肩の辺までっちゅうのはどうかなと思うんやね。本人が気になってんやったら、キチッと散髪行って、切ったほうがいいと思いますよ。


山根明(やまね・あきら) 『日本ボクシング連盟』前会長・在日コリアン2世。1939年、大阪府生まれ。大阪商業大学ボクシング部ヘッドコーチ、大阪経済大学ボクシング部監督、シドニー五輪日本選手団ボクシング競技監督を歴任。2011年2月に日本ボクシング連盟会長に就任、2012年10月に理事会全員一致で終身会長となったが、助成金の不正流用等を理由に2018年8月8日を以て同会長・理事を辞任。著書に『男・山根 “無冠の帝王”半生記』(双葉社)。


キャプチャ  2022年3月7日号掲載

テーマ : 人生を豊かに生きる
ジャンル : 心と身体

【Test drive impression】(239) 予約殺到の限定車に世界最速試乗! トヨタGRMNヤリスの実力

https://wpb.shueisha.co.jp/news/car/2022/03/02/115614/


キャプチャ  2022年3月7日号掲載

テーマ : 新車・ニューモデル
ジャンル : 車・バイク

【中小企業のリアル】(44) カイハラ(広島県福山市)――備後絣の生産技術をデニムに



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社屋に大きく書かれていた“桃李不言下自成蹊”という言葉が何より印象的であった。中国前漢時代の歴史家、司馬遷の『史記』の一節にあり、「桃李ものいわざれども、下、自ずから蹊を成す」と読み、「桃や李は何も言わないが、実が美味しいので人が沢山訪れ、自然に道(※蹊)ができる」――。徳の高い人には、たとえ弁舌は爽やかでなくとも、その徳を慕って人々が集まってくるという意味だ。その後、貝原良治会長から企業の歴史、現在の品質への取り組み、研究開発への姿勢を伺い、ひたすら努力を続ける『カイハラ株式会社』の歴史を最もよく表すのが、この言葉であることがわかった。カイハラの創業は1893(明治26)年。良治会長の祖父にあたる貝原助治郎氏が現在の広島県福山市新市町で、手織正藍染め備後絣の製造を開始したことにはじまる。130年近い歴史を持ち、伝統の技能を重んじつつ、現在は紡績、染色、織布、整理加工とデニム素材を一貫生産・販売している。その国内シェアは約55%。『東京ドーム』凡そ17個分の工場で、年間ジーンズ約2100万本分のデニム生地を生産する。世界約30ヵ国に輸出しており、『リーバイス』や『EDWIN』等の有名デニムメーカーを筆頭に、ハイブランドから『ユニクロ』・『GAP』等ファストファッションのブランドまで幅広く生地を供給している。戦前、危機に見舞われた時期もあったが、藍染めの技術を維持し、戦後、助次郎の子息である二代目の覚社長(※1920年就任)が、乏しい材料や資金を最大限活かして再開にこぎ着けた。あらゆるものが不足していた時代に、衣食住の第一である衣服の需要は強烈だった。

当時は、もんぺを始め衣類は主婦がミシンを使って縫うのが当たり前で、生地の需要は大きく、業績も順調に拡大。1951年には株式会社に改組し、『貝原織布』となった。当時、「絣をアメリカ向けに輸出したらどうか」と勧める人がいた。しかし、備後絣は伝統的に布幅が狭い。輸出するには、洋服の裁断に適するように、生地の幅を倍加しなければならない。絣の糸の括り方も変えなければならないし、経糸の本数や緯糸の引き方も異なってくる。試行錯誤の連続だったが、当時の技術陣が難しい条件を克服し、機械も自社製作し、1956年に36インチ(≒90㎝)広幅絣の生産に成功し、特許も取得した。1960年代に入ると、中近東輸出向けに更に幅広の48インチ(≒122㎝)幅の絣入りサロンを生産することになった。中近東の人たちが纏う腰巻状のものだが、絣地の布はちょっとおしゃれで、和風の独特の味わいが喜ばれた。また、羊毛を使ったウール絣を開発し、これもヒットした。一方で、藍染めの技術の研究開発を怠らず、伝統的な技法をベースに化学的な染色方法を取り入れた自動藍染め機を開発し、売上は大きく伸びた。ところが、男女ともに和服を着ない傾向が著しくなり、国内需要が減退し始めた。同時期、中近東の経済・社会情勢の変化でサロン布の輪出までも減退し、1967年末頃にはゼロ近くまで落ち込んだ。どのように道を切り開くか、悩みに悩んで色々な可能性を模索した。その中で、「海外ではブルージーンズというものが流行っているそうだ。お前の会社は藍染めが得意だ。ブルージーンズの生地に転換してみたらどうか」という友人の言葉にピンと来た。時恰も学生運動華やかなりし頃。デモの時も、ジーンズならどこに座ろうが引っ張られようが破れないし、汚れても洗えばいい。機動隊に追われても、ジーンズとスニーカーなら逃げ易い。映画『ウェストサイドストーリー』の踊りもジーンズの格好よさを強烈に印象付けた。「これからはジーンズの時代だ」と、デニムへの転換を決意した。先ず取りかかったのは、糸をロープのように束ねて染色する、ロープ染色機の開発だった。カイハラのそれまでの染め方では、デニム特有の色落ちが生まれない。約7ヵ月間かけ、以前特許を取った半自動式の機械を改良して連続的に染色できるシステムにした。この方式だと芯まで染まらない。ジーンズは芯が白いほうが、意図的に風合いを出すダメージ加工で映えるのだ。この機械は従来の100倍の能率を発揮した。こうして1970年にカイハラデニムを初めて市場に出荷したが、翌年、早くも黒字に転換。その後も最新式のスイス製スルザー織機を導入し、様々な改良を積み重ねて、デニム市場で大きなシェアを占めることになった。こうなると欲が出てくる。良いデニムを生産する為には良い糸が必要だ。綿花には多くの産地があり、性質も少しずつ違う。良い糸を作るには、紡糸の段階でそれらを適正にブレンドしなければならない。ところが、発展途上国の紡糸会社は品質が中々安定しない。そこは社長以下全員が凝り性で拘る会社だ。職人気質が高じ、とうとう原綿の輸入から紡糸まで手がけることにした。その拘りがカイハラの神髄だ。

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【Global Economy】(264) コロナ下で広がる経済格差…分配は正義か、アメリカの模索

アメリカで、政府や地方都市が相次いで分配政策を打ち出している。コロナ禍で経済格差が一段と拡大しており、低所得層や中間層の生活改善を目指す。経済全体の活性化に繋がるとの見方がある反面、効果を疑う意見も根強い。 (ワシントン支局 山内竜介)



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シカゴ市議会は昨年10月、ベーシックインカムの試験導入を承認した。低所得の市民5000人に、月500ドル(※約5万8000円)を1年間支給する計画だ。事業規模は約3500万ドル(※約40億円)に上り、同種の施策としてはアメリカで最大規模という。「当面の間、安定して臨時収入を得られることは、経済的に破綻しかけているワーキングプアにとって大きな助けとなる」。推進したローリ・ライトフット市長は、こう強調する。地元メディアによると、対象者は年間所得が3万5000ドルを下回る人から無作為に選ばれる。支給は今年夏頃に始まる見込みだ。アメリカでは近年、与党の民主党が地盤とする地域を中心に、ベーシックインカムを実験的に始める地方都市が増えている。先駆けとなったのは、カリフォルニア州ストックトン市だ。人口は約30万人で、2019年2月からの2年間、125人の市民に月500ドルを支給した。主導した前市長のマイケル・タブス氏は、2020年6月に『所得保障の為の市長会』を創設。コロナ禍で貧困層が生活に困窮したことを受け、各地の市長が続々と参加に名乗りを上げた。カリフォルニア州ロサンゼルス市、コロラド州デンバー市、バージニア州リッチモンド市等、その数は60を超えた。こうした動きの背景には、格差の拡大がある。『連邦準備制度理事会(FRB)』が纏めた家計資産に関する統計によると、上位1%の人による保有分は2021年7~9月期に約44兆ドルに上り、コロナ禍前から10兆ドル超も増えた(※①)。経済を下支えする為の“緩和マネー”が株式や不動産の市場に流れ込み、価格が上昇した為だ。

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下位50%の資産は3.4兆ドル。現金給付等で1兆ドル余り増えたとはいえ、中間層以下が細る構図が鮮明になっている。国際的に見ても、アメリカでの富の偏在は顕著だ。『経済協力開発機構(OECD)』の集計では、上位5%の保有分が全資産に占める割合は67.7%に上り、日本や欧州に比べて突出している(※②)。『サンフランシスコ連邦準備銀行』のメアリー・デイリー総裁らは昨年9月に発表した論文で、経済的な不平等で教育や就業の機会が失われたことにより、過去30年間でアメリカ経済は計22.9兆ドルの損失があったと指摘した。これはアメリカの1年分のGDPに匹敵する額で、「格差是正は大きな経済的利益を生み出す可能性がある」と主張した。ジョー・バイデン大統領は「(富が滴り落ちる)トリクルダウンは機能しなかった。今こそ底辺を引き上げ、中間層から経済を成長させる時だ」と力説し、分配政策を盛り込んだ積極的な財政政策を打ち出している。昨年3月に成立した1.9兆ドル規模の経済対策は、年収8万ドル未満の個人への最大1400ドルの現金給付や失業保険の給付額上乗せを柱とした。地方自治体への財政支援も含まれ、シカゴ市は割り当てられた20億ドルをベーシックインカムの財源としている。社会福祉充実の切り札として、バイデン大統領は大型歳出法案を掲げる。幼児教育無償化や子育て世帯向け税額控除が目玉だ。今年11月の中間選挙前までの実現を目指す。手厚い分配政策には異論が多い。『ピューリサーチセンター』が2020年8月に公表した調査では、ベーシックインカムに賛成するアメリカ人は45%で、反対は54%に上った。反対は人種別では白人、年齢別では高齢者で顕著だ(※③)。

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テーマ : 経済
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【最強の文章術を身に付けろ!】(14) 成毛眞が直伝! “バズる”投稿の極意

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話題を呼ぶバズるSNSの投稿を生み出すには、先ず多くの人に見てもらうようにすることだ。『フェイスブック』の場合、友達の数や“いいね”の数もあるが、その投稿が如何に多くの人にシェアされるかで発信力が決まる。シェア数が増えると、多くの人に読まれていると機械的に判断され、友達等ユーザーのタイムラインの上に表示されるようになる。そうした仕組みを知った上で投稿しないと、誰のタイムラインにも表示されないまま終わってしまう。多くの人のタイムラインに表示させるには、時事ネタ等タイムリーなネタを織り交ぜるのがひとつの手だ。私の場合、そうした話題をフックにして、本当に自分が書きたい話を投稿している。時事ネタと書きたいことを上手く関連付けることも技術のひとつだ。色々な話題に触れることも、見る人を増やすコツだ。偶に犬や猫の話をするが、それはそうした動物好きの人のタイムラインへの表示を狙っているから。そこに表示されて“いいね”を押してもらえれば、その後は自分の投稿が連続して表示されるようになる。食べ物では、チャーシューの話をすることがあるが、多くの人に関心を持ってもらえるテーマだから取り上げている。これがラム肉のようにあまり一般的ではないものだと、表示されなくなる。勿論、単にチャーシューを食べたという投稿だけではだめ。抑々、話が面白くないと読まれない。そうした文章は小学生の日記のような内容のことが多い。先ず、どうやったら気持ちをわかってもらえるかを考える。自分がイメージしている情景を、読んでいる人にも映し出してもらえることを意識し、目の前で起こっていることの特徴を一つひとつ挙げるつもりで書くといい。

更に、読んで得するような話題にすることも、シェアや“いいね”を増やすポイントになる。配信は、毎日続けるよりも3日くらい空けるほうが読まれる可能性は高い。毎日何本も投稿すると、逆に1本当たりの価値が下がってしまうし、飽きられてしまう。“いいね”の数がいくら多くても、それは惰性で押しているだけで読まれていないことも多い。私もSNSに投稿するペースは2~3日に1回で、SNSを開かない日もあるくらいだ。最後まで読んでもらう為には、SNSならではの書き方の工夫が必要だ(※左上画像の上)。先ず、1行目が良し悪しを決める。最初の1行で関心を得られなければ読み飛ばされてしまう。1行目は、本や新聞でいえば小見出しの位置付けで、つかみのような役割を果たす。「これから貴方にこれを読んでもらいます」ということを伝える。その際、長いのはよくないし、タイトルのような書き方は説明的になるので避けたい。1行目で関心を持ってもらい、2行目に進んでくれさえすれば、後は最後まで読んでもらえる。読み易い文章にすることも、最後まで読んでもらうコツだ。そこで意識したいのが、漢字を多用せず、ひらがなに“開く”ことだ。漢字が多ければ難解で読み難い印象になるが、ひらがなを多くすれば平易で読み易い印象を与えることができる。小学生や中学生でも理解できるような平易な文章にするといいだろう。改行後に“1字下げ”をしないことも重要だ。段落の最初の1文字は空けると学校で習ってきたと思うが、それは原稿用紙で書く場合のルールだ。抑々。1行が短いスマホの画面では、1字下げただけでは段落が変わったかわかり難い。その代わり、段落を変える時に“1行空け”をするといい。適度な余白を作る為に、100~140字を目安に段落変えをすると読み易い文章になる。伝えたいことを過不足なく伝えることも意識したい。他人の投稿やニュース等をシェアする場合は、投稿のメインテーマから派生させた追加情報を入れて、貴方の投稿を読みたいと思わせるような“引き”を入れる。シェアする元記事の内容以上にサブ的な内容がものをいう(※左上画像の下)。一方、読者が増えていくと色々な受け取り方をする人が増えてくる。自分の真意とは異なった受け止め方をする人も少なくない。その誤解から誹謗中傷コメントを送られる可能性もある。誤解されない為には、曖昧な表現は避けたほうがいいだろう。例えば、“人気がある”なら、“80%の人に人気”というように、定量的な根拠を入れて誤解を避けるようにする。読まれる内容にしたり、誤解を生まない表現にしたりするには、投稿した後で修正することが大事だ。投稿前ではなく、投稿してから修正を加えていったほうがいい。推敲をしてから投稿しているのでは時間がかかり、タイミングを逸してしまう。私の場合、多い時には10回以上も更新している。修正は気が済むまで行なえばいいが、日を置いて行なうのはお勧めしない。書き上げた時の感触が消え去っていると、却って改悪になってしまうおそれがある。他人が書いた記事を推敲するのとは違う。修正を止めるタイミングは自分の感覚に任せるのがいいだろう。 (聞き手・構成/本誌副編集長 宇都宮徹)


キャプチャ  2021年8月7・14日号掲載

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【嗚呼、みずほが溶けていく】(09) 信用リスクを不安視する声…大口融資先に燻る火種



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中小には厳しいが大手には甘い――。企業向け融資を巡って、メガバンクを始めとする銀行は、常にそうした批判に晒されがちだ。程度の差こそあれ、融資のスタンスに銀行間で大きな違いはないように思えるが、こと『みずほ銀行』に関しては「社長のネームバリューを基にして貸し込んでいるんじゃないかというくらい、大手には審査も金利も甘々な印象」(ファンド関係者)という声が、業界内ではよく聞かれる。メガバンクともなれば、定量・定性両面で高度な信用リスク分析と与信管理をしている筈だが、それでもなお、みずほに対してそうした声が上がるのは、多くの人の頭に一部の大手企業との密接な取引関係が浮かんでいるからだろう。その代表格が、孫正義氏率いる『ソフトバンクグループ』だ。右画像の左表を見てもわかる通り、SBGの有利子負債とみずほの融資残高は、他の大手上場企業を圧倒する規模だ。グループ傘下の通信キャリア、ソフトバンク(※みずほを含む全体の銀行借入残高は1兆7725億円)の詳細は非公表だが、両社を合算したみずほの融資残高は、1兆円を優に超えるとみられている。「うちにとっての最大のリスクはSBG」「あの会社は審査も何も、完全に孫さんありき」「今後、孫さんが勇退したら、不良債権の山を抱えることになるのではないか」等と、みずほの幹部たちが取引の現状について漏らすことは、10年以上も前から続いており、今更驚くようなことではない。だが、長期間に亘って内部から危惧する声が上がっているにも拘わらず、これまでに正面を切って取引の見直しを求めるような意見が行内から出てきたという話は「聞いたことがない」(みずほOB)という。一体、何故なのか。

その最たる理由は、孫氏と『みずほフィナンシャルグループ』で現在会長を務める佐藤康博氏とが、呢懇の間柄であることだろう。休日のゴルフだけでなく、孫氏が若手の人材育成に向け設立した育英財団の理事を佐藤氏が務める等、公私を隔てることのない親交ぶりは、みずほの行員でなくともよく知られた話だ。金融庁のある幹部は、経営トップ同士の深い親交と融資に基づく「一蓮托生な関係は、以前からみずほの懸念材料としてみている」と話すが、過去には懸念を通り越して、黙って見ていられなかった出来事があった。それは今から5年前、SBGが投資家向けに巨額の社債を発行した時だ。その社債は、劣後特約付きの公募ハイブリッド債、所謂劣後債だった。劣後債とは、普通社債等と比較して経営破綻時に弁済順位が劣る債券のこと。投資家にとってはハイリスク&ハイリターンの商品だ。期間が実に5年以上と超長期に亘ることで当時話題になったものの、保険会社等機関投資家の反応は想像以上に低調だった。何故なら、「SBGは、トップの一声で財務の方針が180度変わってしまう会社。投資リスクとして、とてもではないが取り切れない」(大手保険会社)と考えていたからだ。そうした反応の悪さもあり、機関投資家向けは発行を2回に分け、発行総額は合計で710億円にとどまったのに対し、個人向けの発行総額は何と4000億円にも上ったのだ。折しもその年、日銀がマイナス金利を導入し、社債を始め債券の金利は一段と低下していた。その為、年3%という利率のSBGの劣後債に、個人が飛びついたわけだ。SBGが自らの資金調達の為に、機関投資家が取り切れないようなリスクを、個人に押し付けようとしているのではないか――。そうした懸念を強めた金融庁は、劣後債の引受会社となり、SBGを側面支援した『みずほ証券』を呼び出している。当時のみずほ証券の社長は、現在、みずほFGの社長を務める坂井辰史氏。金融庁は、個人に過大な投資リスクを負わせることについて、引き受けを担う証券会社としてどう考えているのか、佐藤氏を始めとするFG経営陣の言いなりになっているのではないかと問い質した。だが、みずほの関係者によると坂井氏は反論せず、頭を下げるばかりだったという。みずほと切っても切れない関係にある大口融資先として、業界内で危惧する声が出ているのは、何もSBGだけではない。「あんな稼ぎ方をしたら、もう一蓮托生ですね」。メガバンクのある幹部がそう語るのは、『昭和電工』を巡る取引だ。昭和電工は2020年、日立グループ御三家の一角とも言われた『日立化成』を買収。当時の日立化成の時価総額は昭和電工の2倍近くもあり、“小が大を呑み込む”M&Aとして話題を呼んだ。まさに社運を懸けた大勝負だったわけだが、この買収によって昭和電工の財務は悪化。早くも旧日立化成の事業の切り売りを迫られている。その裏側で暗躍しているのがみずほだ。買収時には、昭和電工本体に2950億円を融資した上で、買収の為の特別目的会社にも4000億円を融資。優先株による出資もしており、買収総額9640億円の大半を工面している。昭和電工側のフィナンシャルアドバイザー(FA)には、当然ながらみずほ証券が就いており、“Oneみずほ”としてまさにグループ一体で、がっぽりと収益を得てきたわけだ。みずほの“荒稼ぎ”は、こんな程度では終わらなかった。ラップフィルム事業とアルミニウム事業の売却手続きではみずほ証券がFAに就いた他、プリント配線板事業はみずほ系ファンドの『ポラリスキャピタルグループ』に売却。更に、鉛蓄電池事業についても『アドバンテッジパートナーズ(AP)』と『東京センチュリー』に売却している(※右上画像の右図)。つまり、譲渡が確定した全ての案件にみずほが絡んでおり、融資の金利やFAの手数料を得ていたのみならず、事業そのものも昭和電工に売らせるような格好になっているわけだ。中でも、鉛蓄電池事業の売却を巡っては、関係者が「ほぼ出来レースだった」と声を潜める。

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【上級国民と下級国民】(17) 新型労働問題の対処法⑥…リモートワークにおけるメンタルの問題について

Q. 同一労働同一賃金が定められてから、60歳以降の定年後再雇用での待遇が問題になる可能性があるという話を聞きました。60歳以降の定年後再雇用では、年収をどれくらいまでなら下げても問題ないでしょうか。また、その際、どのように業務内容を変更させれば問題にならないのでしょうか。例えば、残ってほしい社員にだけ再雇用後の年収を高くする等の対応は可能なのでしょうか。
向井蘭弁護士「特にどこまで年収を下げてよい等の目安はありません。仕事の内容や責任(※併せて以下、“職務”といいます)、職務や転勤等の範囲等から総合的に判断することになります。また、年収全体で適法違法を判断するのではなく、基本給や手当毎に適法違法を判断します(※パートタイム・有期雇用労働法8条)。定年前と定年後再雇用で職務、職務や転勤等の範囲が完全に一致しているような場合は、定年前と同じ賃金を支払わないと違法となる可能性があります(※同9条)。ただ、このパートタイム・有期雇用労働法9条は施行されて間もない為、裁判例がありませんので、本当に定年後再雇用に同9条が適用されるのかはまだわかりません。定年後再雇用で賃金を下げるのであれば、賃金を下げる理由を説明できるように業務内容や責任も変更する必要があります。なお、残ってほしい社員にだけ再雇用後の年収を高くすること自体は違法ではありませんが、残ってほしくない社員に対して極端に賃下げをして再雇用契約を締結できなくするような内容であれば、事実上の再雇用拒否となり、違法となる可能性が高くなります。

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Q. リモートワークでコミュニケーションが希薄になり、メンタルに問題を抱える社員が増えています。どのように対策すればいいですか。
向井蘭弁護士「定期的に上司や総務部等との面談を義務付けるのがよいと思います。また、どうしても上司に任せると個人差が激しくなるので、その場合は総務部主導で定期的に面談を設定することが必要です。一度や二度の面談では、社員が抱えている悩みやメンタルの状態がわからない場合もあります。定期的に面談をすることで日々の仕事のストレス等を話してくれることもあり、早期に異常に気付くことができます。
Q. コロナ禍の中で、労働組合から新たにリモートワーク手当の支給を要求されるようになりました。リモートワーク手当は支払うべきでしょうか。
向井蘭弁護士「法的には、リモートワーク手当を支払う義務はありません。一方で、従業員はリモートワークで業務に関する光熱費等を事実上負担しています。この負担を軽減する為に、一部の企業では、通勤交通費については定期代支給ではなく実費払いにすることで、浮いた交通費相当額を原資にしてリモートワーク手当を支給しています」


キャプチャ  2021年9月11日号掲載

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【行ってはいけない!世界ミステリーゾーン】(22) ダルヴァザガスクレーター ――歴代独裁者に翻弄された“地獄の門”は有毒ガスが燃え盛る侵入不可能の巨大な穴

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延々と燃え盛る巨大な穴。それがトルクメニスタンにあるダルヴァザガスクレーターだ。その異様な光景から別名“地獄の門”とも呼ばれ、今では観光地となっている。元々は1971年、ソビエト連邦(※現在のロシア連邦)による天然ガス調査で試掘していたところ、杜撰な管理で事故が起き、直径約90mに及ぶ穴を空けてしまう。その結果、その穴に向けて地下から有毒なガスが噴出。その処理には当然、穴を埋め、流出部分を塞ぐ必要があるのだが、官僚驚敗に塗れていた当時のソ連の担当者たちは「流出したガスに火をつけて燃やせば、ガスも溜まることなく簡単に処理できる」と、火をつけてしまったのだ。ダルヴァザは家庭のガスコンロと構造自体は一緒である。ソ連崩壊によってトルクメニスタンが独立、“鉄のカーテン”が開いたことで、その存在が世界的に知られ、観光地化したというわけだ。しかし、1991年に独立したトルクメニスタンと、その国民に平和が訪れることはなかった。何故なら、次の支配者は“北朝鮮に次ぐ第二位の強圧的独裁者”だったからである。徹底的な人権弾圧で悪名を残す初代大統領のサパルムラト・ニヤゾフは、ダルヴァザを見るや「薄汚い集落は観光客にとって不愉快だろう」と、300人程が暮らす近隣の村を破壊した。続いて大統領の座に就いた、やはり独裁権力者のグルバングル・ベルディムハメドフ大統領は、主力産業となった天然ガス輸出を増大させるのに躍起で、2010年、現地を視察してダルヴァザを見るや、「ガスがもったいない。穴を潰してしまえ」と命令するといった案配だ。ダルヴァザの命運と業火は既に尽きかけている。考えてみれば、トルクメニスタンの歴史もまた決して幸運なものではなかった。中央アジアの交通の要衝とあってか、ササン朝ペルシャ、イスラム帝国、モンゴル帝国、更に帝政ロシアと歴史に名だたる大帝国に占領され続けてきた。第一次世界大戦後、ロシア崩壊で独立しかけたが、今度はソ連に蹂躙され、とりわけスターリンの弾圧で多くの人間が血を流してきた。そしてソ連崩壊で独立を果たすも、今現在はロシアと中国の勢力争いの場となっており、プーチンにつくか、習近平につくか、選択を迫られている。そんなトルクメニスタンの大地に積み重なる不幸な歴史と流された血を、ダルヴァザはその炎を燃やし続けることで浄化している気がしてならない。この地に不幸が訪れないよう、寧ろその炎で“地獄”を閉じ込めているかのようだ。ならば、その浄化の火を消せば“地獄の門”が再び開き、ロシアか中国に蹂躙されることになる運命なのかもしれない。 (フリージャーナリスト 西本頑司)


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