毒を毒で制してきた『日本ボクシング連盟』山根明元会長排除でアマチュアボクシングの未来は潰える!
まさに“ザ・老害”。スポーツ界において不祥事が相次ぐ中、極めつけの人物が登場した。『日本ボクシング連盟』の山根明元会長である。何故、山根氏がボクシング界のドンとして君臨していたのか? その理由は、アマチュアボクシング界の歪な構造にあった。 (取材・文/フリーライター 西本頑司)
何とも強烈な御仁であった。勿論、“男・山根”のことである。2018年7月31日、日本ボクシング連盟に関わるアマチュアボクシング関係者333人が、連盟の終身会長であった山根を告発した。“アスリート助成金の不正流用の教唆及び隠蔽”・“試合用グローブ等の不透明な独占販売”・“公式試合における組織的な審判不正”・“山根会長の暴行疑惑”等、13項目に亘る山根による連盟の私物化の実態が暴露されたのだ。そこでメディアに登場したのが、ヤクザ顔負けの言動を繰り返す“男・山根”。ワイドショーの生出演中に突如、「ヤクザに脅された」だの「ボクシング歴は無い」等と何故かファイティングポーズをとり、会長辞任会見では4人目の妻に口を押さえられて退場する等、この胡散臭さ満載の御仁が、あろうことかアマボク界のドンであったという事実に、世間は驚愕した。実際、“男・山根”のエピソードは事欠かず、アマ大会では自身専用の特大革張りチェア、大会役員が山根用の“おもてなしリスト”を基に必死に接待。会長が奈良県連盟出身というだけで奈良出身の選手を贔屓する“奈良判定”等々、如何にもヤクザチックな話ばかりが出てくる始末。それだけに、2012年のロンドン五輪で48年ぶりの金メダルを齎したボクシング界の英雄である村田諒太もすぐさま参戦し、山根体制の連盟を「リング外の敵だった」と痛烈に批判した。「先ず、五輪強化指定選手の助成金の流用だけで公費の私的流用にあたるわけで、辞任案件ですよ。連盟指定の用品を高値で売りつけていた件でも、その振込先が孫の口座だったのは、『指定暴力団の構成員の為に自分の預金口座が作れなかったのでは?』と言われており、暴力団関係者説の疑惑は増すばかりです」(ボクシング専門誌編集長)。
ともあれ、世間から大バッシングを浴びた結果、騒動発覚から10日足らずで終身会長という絶対的な地位をあっさりと引きずり下ろされ、ボクシング界の“膿”は排除された。多くの人が、「今後、アマチュアボクシング界は正常化する」と考えていることだろう。ところが、である。アマボク界では、「山根の退陣で日本のアマチュアボクシングは崩壊する」と心配する声のほうが大きいのだ。先の専門誌編集長もいう。「山根は、腐り果てたアマボク界にとって必要悪というか、山根という毒でアマボクという毒を制していた。山根という強力な毒を失った日本アマボク界は、これから腐り果てていきますよ」。山根の存在がアマボク界を“正常化”させていたというのだ。山根が連盟の表舞台に登場するのは1983年。それ以前の経歴は韓国の『聯合ニュース』が詳しい。1994年に広島で開催された『アジア大会』関連のニュースで、「日本ボクシング界の重鎮が在日同胞」と、その経歴を含めて大々的に報じたからである。「これらの情報から、戦前、日本に出稼ぎにきた韓国人家庭で大阪に生まれ、6歳の時に日本が敗戦して釜山に帰国。10歳だった1950年に朝鮮戦争で密入国、1980年に日本に帰化したことがわかっており、本人もそれを告白しています」(山根を取材する週刊誌記者)。学歴も無い韓国出身者だけに、ボクシング歴が無いというのも当然であろう。そこで信憑性が高まるのが“暴力団関係者説”である。山根は8月3日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演した際、元暴力団の森田組長から脅されたことを告白。『森田組』は三代目山口組系の大阪の二次団体であり、興行関係を得意としてきただけに、先の週刊誌記者も「17歳から森田組の構成員だったといわれている」と話す。「これまで、ヤクザとボクシング界の関係は、有望なアマ出身選手を自分たちに近いジムに入れるよう脅したり、カネを出したりといった国内の話でした。ところが冷戦崩壊後、ロシアを筆頭に旧東側諸国のアマボクが急速にマフィア化していったんですよ。世界大会やオリンピック等のボクシング会場では、世界各国のマフィアが勢揃いするような状況でして、今やAIBA(国際ボクシング協会)は国際的な犯罪組織の社交場と言っていいほどです」(前出の専門誌編集長)。これは大袈裟な話ではなく、2018年1月にアメリカ財務省は、AIBA会長代行に就任したウズベキスタンのガフール・ラヒモフ氏を「ゆすりや自動車窃盗、ヘロイン売買にも関わる重大な犯罪者だ」と認定したほど。AIBA幹部の多くが、其々のマフィア組織の代理人と目されているらしい。
何とも強烈な御仁であった。勿論、“男・山根”のことである。2018年7月31日、日本ボクシング連盟に関わるアマチュアボクシング関係者333人が、連盟の終身会長であった山根を告発した。“アスリート助成金の不正流用の教唆及び隠蔽”・“試合用グローブ等の不透明な独占販売”・“公式試合における組織的な審判不正”・“山根会長の暴行疑惑”等、13項目に亘る山根による連盟の私物化の実態が暴露されたのだ。そこでメディアに登場したのが、ヤクザ顔負けの言動を繰り返す“男・山根”。ワイドショーの生出演中に突如、「ヤクザに脅された」だの「ボクシング歴は無い」等と何故かファイティングポーズをとり、会長辞任会見では4人目の妻に口を押さえられて退場する等、この胡散臭さ満載の御仁が、あろうことかアマボク界のドンであったという事実に、世間は驚愕した。実際、“男・山根”のエピソードは事欠かず、アマ大会では自身専用の特大革張りチェア、大会役員が山根用の“おもてなしリスト”を基に必死に接待。会長が奈良県連盟出身というだけで奈良出身の選手を贔屓する“奈良判定”等々、如何にもヤクザチックな話ばかりが出てくる始末。それだけに、2012年のロンドン五輪で48年ぶりの金メダルを齎したボクシング界の英雄である村田諒太もすぐさま参戦し、山根体制の連盟を「リング外の敵だった」と痛烈に批判した。「先ず、五輪強化指定選手の助成金の流用だけで公費の私的流用にあたるわけで、辞任案件ですよ。連盟指定の用品を高値で売りつけていた件でも、その振込先が孫の口座だったのは、『指定暴力団の構成員の為に自分の預金口座が作れなかったのでは?』と言われており、暴力団関係者説の疑惑は増すばかりです」(ボクシング専門誌編集長)。
ともあれ、世間から大バッシングを浴びた結果、騒動発覚から10日足らずで終身会長という絶対的な地位をあっさりと引きずり下ろされ、ボクシング界の“膿”は排除された。多くの人が、「今後、アマチュアボクシング界は正常化する」と考えていることだろう。ところが、である。アマボク界では、「山根の退陣で日本のアマチュアボクシングは崩壊する」と心配する声のほうが大きいのだ。先の専門誌編集長もいう。「山根は、腐り果てたアマボク界にとって必要悪というか、山根という毒でアマボクという毒を制していた。山根という強力な毒を失った日本アマボク界は、これから腐り果てていきますよ」。山根の存在がアマボク界を“正常化”させていたというのだ。山根が連盟の表舞台に登場するのは1983年。それ以前の経歴は韓国の『聯合ニュース』が詳しい。1994年に広島で開催された『アジア大会』関連のニュースで、「日本ボクシング界の重鎮が在日同胞」と、その経歴を含めて大々的に報じたからである。「これらの情報から、戦前、日本に出稼ぎにきた韓国人家庭で大阪に生まれ、6歳の時に日本が敗戦して釜山に帰国。10歳だった1950年に朝鮮戦争で密入国、1980年に日本に帰化したことがわかっており、本人もそれを告白しています」(山根を取材する週刊誌記者)。学歴も無い韓国出身者だけに、ボクシング歴が無いというのも当然であろう。そこで信憑性が高まるのが“暴力団関係者説”である。山根は8月3日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に生出演した際、元暴力団の森田組長から脅されたことを告白。『森田組』は三代目山口組系の大阪の二次団体であり、興行関係を得意としてきただけに、先の週刊誌記者も「17歳から森田組の構成員だったといわれている」と話す。「これまで、ヤクザとボクシング界の関係は、有望なアマ出身選手を自分たちに近いジムに入れるよう脅したり、カネを出したりといった国内の話でした。ところが冷戦崩壊後、ロシアを筆頭に旧東側諸国のアマボクが急速にマフィア化していったんですよ。世界大会やオリンピック等のボクシング会場では、世界各国のマフィアが勢揃いするような状況でして、今やAIBA(国際ボクシング協会)は国際的な犯罪組織の社交場と言っていいほどです」(前出の専門誌編集長)。これは大袈裟な話ではなく、2018年1月にアメリカ財務省は、AIBA会長代行に就任したウズベキスタンのガフール・ラヒモフ氏を「ゆすりや自動車窃盗、ヘロイン売買にも関わる重大な犯罪者だ」と認定したほど。AIBA幹部の多くが、其々のマフィア組織の代理人と目されているらしい。