中国国内のCIA要員や協力者が、2010年から2年間で約30人摘発され、処刑されていたことが昨年判明したが、摘発の背景に中国の高度なハッキング能力があった模様だ。アメリカの情報機関内では、一斉摘発は「この数十年でCIAが犯した最大の失敗の1つ」と見做され、動揺が広がっている。当初、摘発の理由は、中国系の元CIA職員が中国の国家安全部に寝返り、協力者らの身元情報を提供した為とされていたが、CIAやFBIの合同調査で、この職員が把握していた人数は限定的で、30人もの摘発に繋がった理由は不明だった。その後の追跡調査から、中国の情報機関が暗号解読やハッキング技術を強化し、CIAの通信網を経て機密データにまで侵入していたことがわかったという。この極秘データから中国国内のCIAスパイ網が一網打尽となり、事実上の壊滅状態に陥ったとされる。アメリカの情報機関内では、中国の高度技術能力に衝撃を受け、対中国情報戦の根本的な見直しを迫られているという。
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習近平国家主席の首席経済顧問格である劉鶴副首相が、米中貿易戦争開始前、「アメリカと貿易戦争を展開したら中国は負ける。中国経済を崩壊させるかもしれない」との弱気な見通しの内部報告を、指導部に提出していたことがわかった。劉氏は、「中国の工業部門は未熟で、先進諸国との差は大きい。関税対象となる輸入品総額は、アメリカが中国の3倍以上だ」とし、アメリカ側の条件を受け入れ、本格的な貿易戦争を避けるよう提言したという。習主席は劉氏をアメリカに派遣したが、交渉は失敗した。持論を正当化する為、最初から熱心に交渉しなかった可能性があり、劉氏はその後、米中交渉から遠ざけられた。
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インドが台湾への潜水艦売り込みに前のめりになっている。台湾の“国産防衛的潜水艦”調達を巡って、日本も含めた各国が売り込み合戦を繰り広げているが、インドの積極性が群を抜く。台湾海軍の担当者をインドに招聘するだけでなく、将官級退役軍人をトップとするセールスチームを台湾に派遣。また、技師152人を送り込み、潜水艦設計ノウハウのない台湾の造船企業を全面バックアップする構えだ。インドが売り込もうとしているのは非大気依存推進型(AIP)で、日本が得意とする分野。日本も水面下では動いているが、中国に配慮して大っぴらにできない。現時点ではインドが一歩リードという情勢だ。
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先月、北朝鮮の金正恩委員長が国内医療機器工場を視察して、「馬小屋か!」と罵倒したニュースが発信された。“国の恥”ともいうべき内情を流したのは、医療援助という人道分野で国際的な制裁包囲網を突き崩そうという意図が見える。先月の『東南アジア諸国連合(ASEAN)』地域フォーラムでは、李容浩外務大臣が「北朝鮮の善意に応じるべきだ」と制裁解除を求めた。既に7月時点で、国連のアントニオ・グテレス事務総長が“北朝鮮人民を救う人道計画”に言及しており、北朝鮮としてはもう一押しで『世界保健機関(WHO)』等の支援を引き出せると踏んでいるようだ。
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