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【WEEKEND PLUS】(564) レモンの島“再生”へ奔走…JR西日本社員の内藤真也さん、住民や事業者と対話を重ね



20241129 03
瀬戸内海に“レモンの島”と呼ばれる小さな島が浮かんでいる。生口島(※広島県尾道市)だ。レモンの生産量日本一で、人口は約9000人。瀬戸内海といえば、島々を橋で結ぶ自動車道路『瀬戸内しまなみ海道』が有名だ。1999年の開通後、その美しい景観が人気を呼び、ドライブやサイクリングを楽しむ観光客が増加した。

一方で、生口島はそんな賑わいから取り残された感があった。というのは、しまなみ海道が走るのは南部で、島の中心部は北部の瀬戸田港周辺だったからだ。嘗て瀬戸田近辺は船の発着により人の流れがあり、土産店や飲食店等が並ぶ商店街が栄えていた。だが、次第に活気を失っていった。

そんな折、ある“仕掛け人”が島に降り立った。2016年の夏。「夏休みのよく晴れた日だったが、瀬戸田地区の商店街に人影は少なかった」と振り返る。『JR西日本』の社員、内藤真也さん(44、左上画像)だ。広島市の『瀬戸内ブランドコーポレーション(SBC)』という企業に出向していた。

福岡県生まれの内藤さんは2004年、JR西日本に運転士として採用された、いわゆる鉄道マンだ。JR西日本を選んだのは「旅や人が好きだったから」。また、高校時代からバンドにハマり、ドラマーとして活躍。その趣味とも両立できそうだったのも大きかった。入社後は山口県で車掌等を務めた。

仕事も趣味も充実し、日々の生活に大きな不満はなかった。だが、30歳を迎えた頃から「このままでいいのだろうか」と悩み、退職が頭を過るようになった。具体的な将来像は描けていなかったものの、これまでと異なるフィールドで仕事がしたくなった。上司に相談すると「何をするにしても、お金の動きがわかったほうがいい」と助言され、経理・企画部門で5年半勤務した。そして命じられたのが、SBCへの出向だった。「新たな経験を積める機会だ」と前向きに捉えた。

SBCは、瀬戸内海地域を世界に通用する観光地としてブランド化を進めるのが目的で、観光に携わる企業等を支援する。2016年、瀬戸内海に面した地域の金融機関やJR西日本が設立した。総額98億円に及ぶ『せとうち観光活性化ファンド』を活用し、必要な資金を融資する。

SBCに出向した内藤さんは、融資先となる観光資源を探すファンドマネージャーという立場になった。だが、元々は鉄道マンであり、経理担当の会社員。ノウハウも人脈もない。おまけに“ファンド”と聞いても、小説やドラマで話題になった“ハゲタカファンド”のネガティブなイメージしかなかった。

内藤さんが始めたのは自らの足で現場を歩くことだった。3~4ヵ月かけて自治体や観光事業者等を訪ねた。空き家の増加、少子化による廃校――。地域の課題を聞いて回った。農家には「人手が足りないから耕作地を縮小する」と打ち明けられ、クルーズ会社では「船を買いたいが元手がない」という愚痴の聞き役になった。次第に「この地域の役に立ちたい」という思いが強まっていった。

訪れた場所の一つが、生口島の瀬戸田港だった。JR尾道駅前の船着き場から約40分。島を案内してくれたのは、尾道市との合併前に旧瀬戸田町長を20年間務めた和気成祥さん(※2023年に死去)。ある古い建物の利用について相談を受けた。

それは、嘗て豪商の住まいだったという堀内邸。港の傍に位置し、製塩や海運を手掛けた堀内家の邸宅で、長年空き家となっていた。築年数は140年。元町長は、「こんなに素晴らしい建物なのに誰も使っていない。事業を営んでくれる人をずっと探している」と熱っぽく語った。内藤さんもどうにかできないか、考えを巡らせた。

そんな時、上司に「瀬戸内海で宿泊施設の建設を検討している事業者がいる」と聞かされた。その会社はホテル運営を手掛ける『ナルデベロップメンツ』(※京都府京都市)。内藤さんはリゾート地として相応しいスポットをリストアップし、生口島の堀内邸が担当者の目に留まった。

ナルデベロップメンツの経営者は、東南アジアを中心に高級リゾートホテルを展開する『アマングループ』で活躍した経験があった。同社の共同代表の岡雄大さん(38)は、こう語る。「アマンは光が当たらなかった場所や文化に注目し、現地の人々と一体でリゾートを創り上げる手法を取っていた。我々も同じ考え。瀬戸田には海や港、商店街がある。地域に溶け込んだ施設を始めるのにイメージ通りの場所」。

つまり、瀬戸田の歴史を生かした地域活性化を検討するというのだ。世界的な画伯である平山郁夫(※1930-2009)の生誕地で、その美術館もある等、文化の面でも申し分ない。内藤さんも共感し、連携を深めることとなった。2018年にはSBCが共同提案者となり、土地取得等の事業が動き出した。総事業費は数十億円規模に上った。

だが、予想外のことが起きた。建設計画は関係者だけで進められ、地元への説明会等を開いていなかった。環境を大きく損なうものではないと判断したからか。見慣れないスーツ姿の男達が闊歩するようになった。「地域の誇りのような建物なのに。好き放題にされてしまう」。住民の一部は、見知らぬ事業者の動きに不信感を抱くようになった。

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テーマ : 広島
ジャンル : 地域情報

【テレビの裏側】(309) 吉本興業のグローバル展開で進む地上波テレビの空洞化

https://friday.gold/article/293676


キャプチャ  2024年12月13・20日号掲載

テーマ : 芸能ニュース
ジャンル : ニュース

【佐藤祥子の「力士、燃ゆ」】(45) 「もう燃え尽きた」…相撲道を貫く元大関の引き際

「小学校3年生から相撲を始め、ずっと横綱になることだけを夢見てやってきました。横綱を目指す体力と気力がなくなったので、引退を決めました」。元大関の貴景勝がきっぱりと言う。その傍らで伏し目がちの師匠――元隆三杉の常盤山親方が愛弟子を思いやった。

「度胸があって精神力も強かった。膝、足首、胸、最後は首を怪我をして、大関になってからは特に満身創痍の体でした。月並みですが、『もうご苦労様』と」。

175㎝の小さな体で突き押し相撲に徹し、大関の地位まで上り詰め、幕内優勝は4回。カド番だった名古屋場所で負け越して大関の地位から陥落、関脇として10勝すれば復帰できる特例があるものの、秋場所では初日から連敗して休場し、大関復帰は叶わなかった。

元大関が平幕力士として土俵に上がり続ける例も珍しくない昨今、貴景勝は28歳の若さで潔く引退を決意したのだった。30代後半で今なお活躍する力士もいる中、その若さを惜しむ声には、「年齢で相撲を取っているわけではないですから。自分が目指すものに手をいっぱい伸ばしたんですけれど、届きませんでした。だから、ここが引き時だな、と」。唇を震わせながら言葉をふり絞る。

「後悔は全くないです。もう燃え尽きたので。素晴らしい相撲人生でした」。まるで自分に言い聞かせるように語気を強めた。早逝した元大関・北天佑の息女を妻に持ち、一粒種の男の子の父親でもある貴景勝だ。妻に引退の意志を告げた時、ただ一言「はい」とだけ返ってきた、とも明かす。

「家族の為に相撲を取っていたわけではなく、自分の為にやってきました。その自分の夢を、家族が応援してくれていただけですから。これからも武士道精神を持って、昭和の時代の先輩から教えていただいた根性や気合を持つ――今の時代では古いかもしれませんが、そういう力士を育てていきたいです」。

己の相撲道を貫いた清々しいまでの引き際を、ファインダー越しに見ていたベテランカメラマンが呟く。「近年稀に見る、恰好いい会見だったよ」。会見場を一歩出た貴景勝は、相撲を始めた9歳の頃――まるで少年時代のような笑みを浮かべてみせた。


佐藤祥子(さとう・しょうこ) 相撲ライター。日本相撲協会認定・相撲健康体操指導員。1967年生まれ。週刊誌記者を経て、1993年からフリーに。著書に『相撲部屋ちゃんこ百景』(河出書房新社)・『知られざる大鵬』(集英社)等。


キャプチャ  2024年11月号掲載

テーマ : 大相撲
ジャンル : スポーツ

【60歳になっためぐみちゃんへ】(下) 真保恵美子さん…「抱きしめたい。今度こそ」

https://www.sankei.com/article/20241005-GO6KILNHMRC3VAP4B7LIOZN3E4/


キャプチャ  2024年10月6日付掲載

テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

【60歳になっためぐみちゃんへ】(中) 曽我ひとみさん…「生きている。今も、絶対に」

https://www.sankei.com/article/20241004-U4OJONI7MNHZBI7MUB6UTJF4LM/


キャプチャ  2024年10月5日付掲載

テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

【60歳になっためぐみちゃんへ】(上) 横田拓也さん…「桜は老いた。姉さん、どうか元気で」

https://www.sankei.com/article/20241003-XSEX4QC23VGE3MCOWADSI3ZB2A/


キャプチャ  2024年10月4日付掲載

テーマ : 北朝鮮問題
ジャンル : 政治・経済

【薄縁時代】(下) 家族で葬送、最早限界

https://www.sankei.com/article/20241111-SQVZ6AO2BRPQVEZIBG43QL56LI/


キャプチャ  2024年11月13日付掲載

テーマ : 社会ニュース
ジャンル : ニュース

【WEEKEND PLUS】(563) インドネシアに“ロシア接近”の兆候! プラボウォ新政権を欧米が警戒

20241128 05
先月20日に発足したインドネシアのプラボウォ・スビアント新政権が、ロシアに接近するのではないかと欧米が警戒している。プラボウォ氏(※右画像)は故スハルト元大統領の娘婿。スハルト独裁時代、軍特殊部隊『ニンジャ』を率いて暗殺や拉致、拷問を繰り返していた人物だ。

インドネシアのスギオノ新外務大臣は同月22日、ロシアを訪問した。BRICS首脳会議の全体会合に新政権の特使として参加した為だが、就任後初の外遊先がロシアになった。プラボウォ氏も就任前の7月末に訪露している。しかも、ロシアとインドネシアの両海軍が今月、合同演習を行なうという報道も出ている。

インドネシアは歴史的に“非同盟”への拘りが強い国。プラボウォ氏もその方針は維持するようだが、ロシアへの傾倒が露骨な為、欧米が警戒している。


キャプチャ  2024年11月号掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【WEEKEND PLUS】(562) ドイツのショルツ政権内で異変…“イスラエル擁護”路線に反発の声

20241128 04
ナチスによるユダヤ人虐殺への罪の意識から、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権を擁護し続けるドイツに異変の兆しが出始めた。オラフ・ショルツ政権に対する批判が、与党内からも出始めている。

首相を支える与党『ドイツ社会民主党(SPD)』所属のアイダン・オーズス連邦議会副議長が先月、アメリカのとあるユダヤ人団体のサイトを紹介した。同サイトはネタニヤフ政権への批判を展開している。その為、在独のイスラエル人団体が副議長を猛批判する事態になり、最終的に副議長は謝罪に追い込まれた。ただ、副議長の行動はガザでのイスラエルの戦闘を疑問視する世論を見極める為のものだったとの見方が出ている。


キャプチャ  2024年11月号掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【木曜ニュースX】(564) スイスの対露制裁は“抜け穴”だらけ! 企業の動きをアメリカが注視

20241128 03
スイス政府は先月、EUが新たに導入した対ロシア制裁に基本的に従う方針を決めたが、実際には抜け穴だらけとアメリカは見ている。スイスの企業はEUの対露制裁に従わなければならない。しかし、外国にあるスイス企業の子会社については各企業に報告を求めることはない。この子会社を使って、ロシアのオリガルヒ(※新興財閥)との取引が継続されている可能性が高いのだ。

オリガルヒは莫大な資産をスイスに預けている。天然ガスやダイヤモンドといった資源輸出はロシアの外貨収入を支え、世界市場で捌き切るには仲介役も必要だ。アメリカ側からの批判に対し、スイス政府は声明を出し、「対ロシア制裁を回避しようとする企業を訴追する手段は既に存在し、精力的に訴追していく」と述べた。しかし、実際の監視体制は漫然としたもので、どこまで実効があるか不明。その為、アメリカの懸念は晴れない。


キャプチャ  2024年11月号掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

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George Clooney

Author:George Clooney

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