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【木曜ニュースX】(105) 生保各社で膨らむ新型コロナウイルス関連保険金…便乗商法で“自業自得”の声

20210930 09
新型コロナウイルスの新規感染者が急拡大する中、生命保険各社の新型コロナウイルス関連保険金の支払いが膨らんで、収益を圧迫している。大手4社が今年4~6月期に支払った保険金は、最大手の『日本生命保険』の74億円を筆頭に、『第一生命』38億円、『住友生命』34億円、『明治安田生命』28億円。『生命保険協会』加盟42社合計では351億円に達し、僅か3ヵ月間で昨年度中に支払われた総額の7割を突破した。デルタ株の蔓延で新規感染は急増しており、支払額は一層増大している模様だ。支払い増の背景の一つには、生保各社が自宅療養者や宿泊療養者にも疾病入院給付金を支給する“みなし入院”という特別措置を打ち出していることがある。新型コロナウイルス感染で入院すると給付金を2倍にする生保も登場。外資系生保の一部には、新型コロナウイルス感染と診断されただけで見舞金を出すところまである。「コロナ禍に便乗した商法」(メガバンク筋)に他ならず、支払い膨張を嘆いても自業自得といったところだ。「コロナ禍を甘く見て大盤振る舞いに走ったツケでは」と、銀行界では冷笑する声が専らだ。


キャプチャ  2021年9月号掲載

テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

【木曜ニュースX】(104) ノジマ保有のスルガ銀行株の買い取り先、イオンが有力候補に急浮上

20210930 08
家電量販店の『ノジマ』が『スルガ銀行』と資本提携解消に向けた協議を進めている。ノジマが筆頭株主として持つ18.52%のスルガ銀行株の行方が焦点となっている。スルガ銀行は自社株買いによる買い取りも視野に入れるが、ノジマは「第三者への譲渡の道を探っている」(ノジマ関係者)とされる。譲渡先として取りざたされるのが、金融事業に力を入れている『ソニーグループ』・『岡三証券』・『新生銀行』等。だが、ここにきて有力候補に急浮上したのが「総合スーパーマーケットのイオン」(証券会社幹部)だという。『イオン銀行』を抱えるが、金融業界では所詮まだまだ新参者。スルガ銀行の持つ店舗や行員という資産は、喉から手が出るほど欲しい。ただ、立ちはだかるのが金融庁。“業界の異端児”といわれるノジマの株取得を認めたものの、2年も持たずに決裂したため、「異業種による株取得は慎重に判断せざるを得ない」(金融庁関係者)。M&Aムラで「お行儀が悪い」(前出の証券会社幹部)とされるイオンに、果たして勝算はあるか。


キャプチャ  2021年9月号掲載

テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

【人生で必要な英語は全て病院で学んだ】(126) “mindful”

日本のコンビニの話を先週と先々週で書きました。では、ニューヨークのコンビニはどうでしょうか。元々、アメリカのコンビニはガソリンスタンドに併設されたものとドラッグストアを兼ねているものがあり、ドラッグストアの場合は薬局が店舗内にあります。ドラッグストアを兼ねた店は日本のコンビニよりだいぶ大きくて、生鮮食料品を扱わない小さなスーパーマーケットのような感じです。化粧品や生活雑貨は日本より充実していると思いますが、食べ物は基本的にはありません。一方、ガソリンスタンドに併設されているものには食べ物を沢山置いている店も多く、日本のコンビニとコンセプトは近いのですが、食べ物のレベルは大きく劣ります。扨て、今週の表現は“mindful”。これは“状況を理解して心がける”・“意識して忘れずにいる”という意味の形容詞で、“mindful of~”という形で使います。名詞の“mindfulness”は“意識して心がけること”の意味ですが、最近では“mindfulness practice”の意味にもなります。これは自分の今の状態をありのままに理解して受け入れることから心の安定を導く方法で、心理療法としても使われています。“mindful”の使い方の例は、“We should be more mindful of environmental effects of plastic products.(我々はもっとプラスチック製品の環境への影響に留意するべきだ)”や、“Being mindful of racial diversity is extremely important in any business.(人種の多様性を意識することは、どのビジネスにおいても非常に重要だ)”等です。


加藤友朗(かとう・ともあき) コロンビア大学医学部外科学教授。1963年、東京都生まれ。東京大学薬学部卒。兵庫県市立伊丹病院研修医やマイアミ大学医学部等を経て現職。著書に『赤ちゃんを救え!移植病棟24時』(集英社文庫)・『“NO”から始めない生き方 先端医療で働く外科医の発想』(ホーム社)等。


キャプチャ  2021年9月30日号掲載

テーマ : 英語
ジャンル : 学問・文化・芸術

【誰の味方でもありません】(217) “未来人の人権”は守らなくていいのか?

https://www.dailyshincho.jp/article/2021/09300555/?all=1


キャプチャ  2021年9月30日号掲載

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

【記録・米軍アフガニスタン撤収】(中) 「どうやって戦えというんだ」

20210930 07
タジキスタンとの国境に近いアフガニスタン北部のクンドゥズ州。6月初旬のある夜、アフガニスタン政府軍兵士のアブドルさん(24)は、他の兵士20人と共に、林の中で数百m先にある『タリバン』の拠点を急襲する機会を窺っていた。林に入って5日目。届けられると聞いていた食料や水は来ず、持参した食料も尽きていた。近くの水路の水を飲んで、空腹を凌ぐしかなかった。「明日にはもう戦えない」。そんなことを考えていた時だった。ドーン、シュー、ドーン――。突如、静寂を切り裂いてRPG(※携行型対戦車砲)の砲弾が炸裂した。その直後、目の前に数百人はいるとみられるタリバンの戦闘員が一斉に姿を現した。政府軍はタリバン側に急襲を察知され、返り討ちにされたのだ。上官からは「タリバンの人数は最大でも数十人程度」と聞いていた。部隊長が無線で司令官に援軍を要請したが、「直ぐには送れない」と断られた。「逃げ出すしかない」。心の中で決めていた。だが、政府軍の1人がタリバン側に発砲し、戦闘が始まった。戦力の差は圧倒的だった。瞬く間に政府軍の兵士5人が倒れた。「とてもじゃないが戦えない」。アブドルさんらは、これ以上抵抗する意思がないことを伝え、戦線を離脱した。「1万4000アフガニ(※約1万9000円)の月給はいつも遅配で、この数ヵ月は貰えなかった。食料も配給されず、援軍も来ない。どうやって戦えと言うんだ」。首都のカブールで取材に応じたアブドルさんが語気を強めた。

国を守りたいという思いはあるが、家族の反対もあり、アブドルさんは軍を辞めた。アフガニスタンの治安部隊は主に軍と警察から構成され、35万人の定員枠がある。アメリカも2002年以降、880億ドル(※約9兆7000億円)の資金援助をして治安部隊の強化を図っており、アメリカのジョー・バイデン大統領は「アフガニスタン政府軍には国を防衛する力がある」と繰り返し強調してきた。だが、実際は定員よりかなり少なく、「政府は援軍を送る余裕がない」(地元ジャーナリスト)との見方がある。アブドルさんによると、タリバンとの戦闘が激しくなる前から給料の遅配等で軍を辞める人も多く、熟練した兵士は決して多くないという。上官が部下の給料をくすねたり、金銭と引き換えに武装組織に武器を横流ししたりするケースも報告されている。へラート州の農村部で戦っていた治安部隊員のファリドゥーンさん(23)も、「援軍や弾薬が送られず、前線で孤立して逃げ出すしかなかった」と話した。政府側部隊員の士気が低下するのも頷ける。また、市民の多大な犠牲が予想される市街戦を避ける為、タリバンにほぼ抵抗することなく撤退したり、投降したりするケースも相次ぐ。取材に応じたあるタリバン幹部は、「我々もできれば流血の事態は避けたい。必ず事前に政府や軍閥側には投降を促している」と話す一方で、「投降しない場合は我々も徹底的に戦う。犠牲者が出るのは止むを得ない」と言い切った。「今後もタリバンの支配地域は拡大する。最終的に政府が守ることができるのは、カプールと幾つかの州都だけということも十分あり得る」。アブドルさんがそう予想してから11日後の13日、タリバンに制圧された州都は全34州のうち、18となった。


キャプチャ  2021年8月15日付掲載

テーマ : 中東問題
ジャンル : ニュース

【記録・米軍アフガニスタン撤収】(上) 軍閥巻き込み悪夢に

20210930 06
アフガニスタンで旧支配勢力『タリバン』の攻勢が続く。国内第三の都市ヘラート、第二のカンダハルが立て続けに制圧されたとのニュースは、国際社会に衝撃を与えた。アメリカやイギリスは首都のカブールから大使館員らを安全に退避させる為、軍部隊の緊急増派を決めた。西部のヘラートにはカブールからの日帰り取材で出かけた。夕方、帰る為に約20㎞離れた国際空港に向かうと、警備の政府軍兵士に突然、「空港が閉鎖された」と告げられた。周辺で戦闘があったのだという。先月30日には国連事務所もタリバンの攻撃を受け、警備要員1人が死亡した。戦況を好転させようと、政府軍は連日空爆を実施。カタールの基地からアメリカ軍機も飛来した。足止めされ、3日間宿泊したホテルでは、夜になると戦闘機の轟音が何度も聞こえた。だが、空爆は市民を巻き込む可能性があり、実施できる範囲は限定的だ。暫くすると、再びタリバンが中心部に向け進攻するという状況が繰り返されていた。アフガニスタンには、元ムジャヒディンがトップで兵力や政治力を誇示する“軍閥”が各地に存在する。アメリカは2001年の対テロ戦争でこうした軍閥と協力し、多くは同年のタリバン政権崩壊後、議員等としてハーミド・カルザイ、アシュラフ・ガニと続く政権に加わった。現在、タリバンを相手に苦戦しているアフガニスタン政府は、軍閥にも共闘を呼びかける。更に、市民にも戦闘に参加するよう訴える。「アラーアクバル(※神は偉大なり)」。夜になると、街中から人々の叫び声が何度も上がった。前線から戻った戦闘員がバイクに乗ってこう叫び、市民が呼応しているのだ。

こうした連帯を示す動きはカプール等にも広がっている。ヘラートでタクシー運転手をしているモハマドさん(43)は、「この20年間は比較的平穏だったが、今は最大の危機を迎えている。自分の命を犠牲にしても、タリバンとの戦いに勝たなくてはいけない」と語った。だが、地元で力を持つイスマイル・ハーン氏の軍閥幹部は、こう話した。「女性を含む多くの市民が応じてくれたが、資金不足で武器や給料を渡せず、大半は参加できていない。政府の支援がないのが問題だ」。アメリカ軍の撤収開始前は“政府側対タリバン”の戦闘だったが、現在はこれに軍閥が加わる構図に変化した。政府側の和平活動にも参加してきた元タリバン幹部は、「アメリカ軍の早急な撤収は力の空白と混乱を招いた。政府とタリバン双方が妥協の意思を示さない中、軍閥を巻き込んで戦闘が激化するという悪夢が現実となっている」と指摘する。「武力で全上の支配を目指すというのが、現状での指導部の一致した見解だ」。今月初旬、取材に応じたタリバン幹部が明かした。タリバンはガニ大統領に辞任とタリバンへの権力移譲を求めているという。タリバンは、要求が受け入れられない限り攻撃の手を緩めることはないとみられる。タリバンとアフガニスタン政府の和平協議は昨年9月に始まったが、成果がないまま手詰まり状態に陥っている。両者とも歩み寄る気配はない。こうした中、タリバンは今年4月下旬以降に大攻勢をかけ、タジキスタンやイラン等との国境地帯も支配下に収めた。交易ルートを遮断し、政府に経済的な圧力をかけている。国境貿易や支配地域で税金も徴収し、資金は豊富だ。また、これまで否定することが多かった、政府の閣僚や政府高官を標的にしたテロや暗殺についても、タリバンは認めるようになった。幹部は、「政府側も我々の重要メンバーを暗殺し、大袈裟に宣伝している。我々も対抗しなければいけない」と話す。“人権抑圧”や“女性差別”といったイメージの強いタリバン。カブールや北部等の都市部では嫌悪感を抱く人も多い。だが、アフガニスタンの多数派でタリバンの中心であるパシュトゥン人の多い南部や東部の農村には、タリバンの支持者も少なくない。政府には汚職が横行し、適切な公共サービスを提供できていないことに加え、タリバン支配のほうが治安が安定するという現実がある。また、保守的な土地柄である為、タリバンの厳格なイスラム法導入に違和感を感じない人が多いことも一因だ。一方、国連によると、南部のラシュカルガーとカンダハル、西部のヘラートの3都市で先月、1000人超が死傷した。また、タリバンは批判的だったり、政府寄りだったりする人物を拘束し、処刑するケースもある。カタールのドーハにあるタリバンの政治事務所は「我々は人権を擁護している」と主張するが、現場で起きていることとは乖離がある。国際社会は、タリバンが仮にカブールを武力で制圧しても承認しない姿勢を示してきた。実際、タリバンが1996~2001年に政権を担った際は、パキスタン等3ヵ国からしか承認を得られず、国際的に孤立し、困窮した苦い経験がある。この為、「タリバンはカブールを武力制圧しない」と見る国連関係者もいる。加えて、タリバンが広範な支配地域を維持し続けながら、長期間戦闘を続けるのは困難との見方もある。だが、今回の取材でタリバン幹部は、こう断言した。「我々がきちんと国を統治できれば、国際社会も認めざるを得ないだろう。国際的な承認は後からついてくることもある」。


キャプチャ  2021年8月14日付掲載

テーマ : 中東問題
ジャンル : ニュース

【アメリカの行方】第1部・大きな政府(下) 脱炭素、冷たい反応

20210930 02
冬でも温暖な筈のテキサス州ヒューストンの住宅街。築84年の家で一人暮らしするウェンディー・カプラン・スタビノーハさん(75)は、2月17日の大寒波の夜をこう振り返った。「気候変動が初めて目の前に降りかかってきた。本当に恐ろしい」。氷点下の凍いてつく寒さに、毛布にくるまった。停電が起き、闇の中に取り残された。暖房は全て電気だから使えない。水道管が次々に破裂し、家財道具は水浸しになった。「この危機を生き抜いた私たちは、何か手段を講じないといけない。ジョー・バイデン大統領がやろうとすることは正しい」と力を込めた。バイデン大統領が“人類存亡の危機”と位置付ける気候変動問題は、2兆ドル(※約220兆円)規模のインフラ投資計画の大きな柱だ。電気自動車(EV)、最先端のクリーンエネルギー技術の振興に向けた大規模投資が盛り込まれている。“大きな政府”を実現する上で最大の試金石とも言える。2月26日、バイデン大統領はヒューストンの被災地を訪れると、演説で「傷付いているのは共和党員でも民主党員でもない。我が国の仲間だ」と訴えた。同州のグレッグ・アボット知事(共和党)に対しては、「共に取り組めることは沢山ある」と呼びかけた。実際には、連邦議会の野党・共和党と並び、バイデン大統領の野心的な気候変動対策の行く手を阻んでいるのが、共和党が主導権を握るテキサスのような州だ。全米50州のうち、共和党が知事に就く州は27州。エネルギー産業を重視し、規制緩和を進める知事が多く、気候変動対策には消極的だ。

20210930 05
テキサスでは、100人以上の犠牲者を出した大寒波の後になっても、惨事の原因を巡る議論が泥沼に陥った。知事らは「再生可能エネルギーへの過度の依存が惨事を招いた」と主張し、気候変動対策の強化を主張する民主党と真っ向から対立した。アボット知事はテレビ番組で「我が国にとってグリーンニューディールは致命的な政策となる」と述べ、タービンが凍結して停止した風力等再エネへの依存を槍玉に挙げた。グリーンニューディールは、民主党左派が脱炭素対策の投資で雇用を生み出す策として主張してきたものだ。一方で民主党は、天然ガス等の火力発電の防寒対策の不備を指摘し、「知事が寒波への備えを怠った為だ」と猛反発した。結局、州議会で成立した再発防止策は、電力会社に防寒対策を義務付ける2つの法案だけだった。民主党のジョン・ローゼンソール議員は、「共和党は気候変動に関する法案を審議しようとすらしなかった。彼らはあの冬の嵐を経験しても、気候変動の事実を認めようとしない」と唇を噛む。テキサス州は伝統的に共和党が強く、州政府は民間に極力関与せず、自由経済を尊重する文化がある。州独自の送電網があり、100超の電力会社が価格競争を繰り広げ、住民はその恩恵にも浴してきた。卸売りの市場価格によって価格が変動するプランを選ぶ住民も多かった。2月の大寒波では極端な需給切迫の為、高額請求を受けた利用者が相次いだ。ヒューストン郊外のリサ・カウリーさん(57)には、2月1~19日分で1万1586ドル(※約127万円)の請求書が届いた。「数日の電気代で人生が一変してしまう。他の皆に同じことが再び起こらないように」と3月、電力会社を相手取り、「利用者保護を怠った」として集団訴訟を起こした。バイデン政権が気候変動問題で大きな目標を掲げても、共和党が権力を握る州は強く反発する。バイデン大統領の挑戦の前に立ちはだかる壁は高い。

                    ◇

(ワシントン支局)横堀裕也・田島大志・蒔田一彦が担当しました。


キャプチャ  2021年6月11日付掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【アメリカの行方】第1部・大きな政府(中) 成長戦略、党派対立の壁

20210930 04
ケンタッキー州からハイウェーを北上し、オハイオ州境まで10㎞程に近付くと、急に道路が混み始めた。大型トラックに囲まれながらノロノロ運転を続けること十数分。目の前に古びた橋が見えてきた。1963年に開通したオハイオ川にかかる『ブレントスペンス橋』。対岸にオハイオ州の都市、シンシナティーの高層ビルが見える。アメリカを南北に縦断する幹線道路の一部で、アメリカのGDPの3%がこの橋を通るとの推計もある。1日の通行量は設計時の想定の約2倍に当たる16万台で、慢性的な渋滞や事故の頻発が問題になっている。渋滞を避けようと、車がケンタッキー州側の住宅街に流れ込むことも日常茶飯事だ。住民のブレント・クーパーさん(51)は、「事故等で橋の通行が規制される度に、街中の交通は酷いことになる」と眉を顰めた。地元自治体や経済界は約20年に亘り、新たな橋の建設を目指してきた。事業費は26億ドル(※約2800億円)で、連邦政府の財政支援を求めているが、未だに実現していない。この橋は、アメリカのインフラの現状を象徴している。民主党のバラク・オバマ大統領は2011年、橋を背景に演説し、“アメリカの再建”を訴えた。共和党のドナルド・トランプ大統領も橋の建設を約束した。しかし、議会の党派対立が障壁となり、計画は頓挫した。ジョー・バイデン政権は成長戦略の柱の一つとしてインフラ投資の拡大を掲げ、財源は連邦法人税の税率引き上げで賄う案を示すが、法人税減税はトランプ前政権の実績の一つ。共和党は真っ向から反対している。

20210930 03
共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は地元ケンタッキー州選出で、橋の建設を推進してきたが、バイデン政権のインフラ投資計画については「増税の為の“トロイの木馬”だ」と批判する。バイデン大統領は先月、超党派の賛同を呼び掛けた。「全米に構造上欠陥のある橋が4万5000以上あり、高速道路の5分の1が粗悪な状態だ。道路に共和党も民主党もない」。昨年の大統領選で「アメリカ社会の分断を修復する」と訴えてきた手前、バイデン氏はあくまでも超党派の合意を目指す姿勢を崩していない。共和党と妥協点を探ってきたが、ホワイトハウスは8日、これまで窓口となってきた共和党上院議員との交渉を打ち切ったと発表した。トランプ前政権の4年間で議会の党派対立は更に深まり、バイデン大統領が目指す超党派合意の成立は以前にも増して難しくなっている。民主党内では、インフラ投資計画の関連法案を共和党の賛成抜きで成立させるよう求める声が日増しに強まっている。民主党系と共和党が50議席で並ぶ上院で、野党の議事妨害(※フィリバスター)を阻止し、法案を採決する為には60票が必要という独自のルールがある。民主党は3月、このルールの適用を除外する例外的な措置を使い、共和党の反対を押し切って、1.9兆ドル(※約200兆円)規模の追加経済対策法を成立させた。ただ、この措置を使っても、民主党から1人でも造反があれば法案の可決はできない。共和党が強いウェストバージニア州選出のジョー・マンチン上院議員(民主党)は、単独採決に否定的な態度を示している。単独採決すれば、急進左派から保守派まで主義主張が異なる民主党内の路線対立を引き起こす可能性もある。バイデン大統領はジレンマに直面している。


キャプチャ  2021年6月10日付掲載

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

【木曜ニュースX】(103) トヨタ自動車の全固体電池開発に疑念…危ぶまれる早期の実用化

20210930 01
『トヨタ自動車』の寺師茂樹副社長(※当時)が2020年の東京五輪に向けて全固体電池搭載車の開発に取り組んでいると表明したのは、2019年9月のこと。ところが、トヨタは五輪スポンサー企業としてイベントや展示を中止。全固体電池のお披露目も有耶無耶になった。電池研究者の間では、「全固体電池は技術的な課題が山積みで、電気自動車(EV)に搭載するような大型製品は実用化が難しい」と疑問の声があった。トヨタは懸念を拭い去る為、カネに糸目をつけずに開発に取り組んできた。試作品を公開できなかっただけに、「トヨタが目標とする2020年代の全固体電池EVの実用化は難しいと判断せざるを得ない」(専門紙の自動車担当記者)との声が出ている。「トヨタがオリンピックでのイベントや展示を中止した理由は、コロナ禍ではなく、全固体電池の開発遅れが理由ではないか」(同)との臆測まで飛んでいる。「EVは全固体電池が本命で、現在主流のリチウムイオン電池はつなぎに過ぎない」というのがトヨタの主張。“本命”が日の目を見るのはいつになるやら――。


キャプチャ  2021年9月号掲載

テーマ : 自動車バイクのニュース!
ジャンル : ニュース

【渡辺正行の「待たせたなぁ!」】(97) ネタと話術だけが重要じゃない! 一流芸人に必要な“ビジュアル”とは?



芸人がテレビに頻繁に出演するようになると、えてしてビジュアルが良くなってくる。「視聴者の人たちから、自分はどう見られているんだろう?」。自分でそんな風に気をつけることもあるだろうし、周囲からのアドバイスもあるだろう。前回はそうしたことを書いたが、俺もまた、自分が主催する『ラ・ママ新人コント大会』の出場者に対して、何か気がついたことがあればビジュアルについてアドバイスするようにしている。あれは30年くらい前だろうか。『爆笑問題』が、未だ新人コント大会に出場していた時のことだ。彼らは兎に角、ビジュアルに無頓着で、Tシャツと短パンという格好でやって来て、そのまま舞台に出たりしていた。その格好が2人で揃っていれば、未だ衣装と言えなくもなかったが、バラバラだった。おまけに、ちょっと汚かった(笑)。見るに見かねて、「舞台に立った時は、ビジュアルがしっかりとしているだけで、見る側の印象も変わってくるんだから、ちゃんとした格好をしたほうがいいよ」とアドバイスしたことを覚えている。その言葉が、どこまで響いたのかはわからない。ただ、今や爆笑問題の2人は、舞台は勿論、テレビのネタ番組で漫才を披露する時も、清潔感のあるスーツでビシッと決めて出演することが当たり前になっている。その姿を初めて見た時は、嬉しく感じたものだ。また、何年か前に、お笑いコンビ『ゾフィー』のサイトウナオキにもアドバイスしたことがある。ゾフィーは2014年に結成し、『キングオブコント』(TBSテレビ系)の決勝に二度進出したことがある実力派コント師。相方の上田航平がボケ兼ネタ作りを、サイトウはツッコミを担当している。

当時からネタの発想が秀逸で、面白いコントが多かったのだが、人気面では中々上向いていかない時期があった。そこで、その為のプラスアルファとして、ちょっとデップリとしていたサイトウに、こんな風に話したような気がする。「ビジュアル的に、もっと女の子に好感を持たれるような意識を持つといいんじゃないかな」。ゾフィーは当初、フリーで活動していたが、2017年に『サンドウィッチマン』や『カミナリ』等が所属するお笑い事務所『グレープカンパニー』に入所した。それ以降、サンドウィッチマンのライブ等、様々な場所で腕を磨き、最近はテレビでもよく見かける。面白いもので、テレビに出ていると、意識するようになるのだろう。画面に映るサイトウは、デップリとした印象が薄れ、全体的にシュッとしてきている。以前よりも、好感を持たれるビジュアルになっていることは間違いない。周囲からのアドバイスではなく、自分で気をつけた例ではあるが、シュッとしたということで思い出すのは、『アンジャッシュ』の児島一哉だ。相方の渡部建とコンビを組んだのが1993年だから、新人コント大会に出場していたのは1990年代後半あたりだろうか。俺が出会った頃の児島は、今よりももっと太っていた。ところが、ある時から体を絞り、どんどんシュッとしていった。「何で絞ったの?」と聞くと、「見た目が太っているとダメだと思って…」と答えてくれた。シュッとしたことで格好良くなった児嶋は、新人コント大会に足を運ぶ女の子たちから結構人気があった。やはりビジュアルを気にすることは、芸人にとって大切なことの一つというわけだ。まぁ、こんな風に書いてきたが、斯く言う俺 も、念願のテレビデビューを前にして、衣装について怒られたことがある。

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