【テレビの裏側】(49) ダウンタウンからのりPまで出演…インターネット配信番組が活況な理由
2009年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた酒井法子(47)が、『DMM.com』が配信を予定しているドラマ『蛇の道は蛇(仮)』で、約10年ぶりに連ドラ復帰することになった。「最近は動画配信会社がオリジナルドラマ制作に力を入れています。インターネット系はスポンサーを気にしなくていいので、スキャンダルを起こしたタレントの再起の場にもなっている。のりPが出てくれるとあれば、配信会社は大歓迎でしょう」(キー局制作スタッフ)。『AbemaTV』の躍進ぶりを受け、『Amazon.com』や『NETFLIX』等の動画配信会社が、『ダウンタウン』や元『SMAP』の稲垣吾郎(44)等大物タレントの起用に踏み切っている。「Amazonは、目玉企画には制作費や宣伝費を惜しみなく使う。浜田雅功ら人気芸人十数人を起用した車バトル番組の戦闘車シリーズなんて、現在の民放の資金力では不可能でしょうね」(制作会社ディレクター)。インターネット配信番組の隆盛は、芸能プロダクションにとっても追い風だ。『吉本興業』は複数の動画配信会社に出資して、番組を制作している。「嘗て吉本は、スカパーにお笑い専門チャンネルを開局。約8年で大赤字を抱えて撤退した苦い経験がある。だから出資という形をとっているのですが、元々やりたかった分野なので積極的ですね。特に力を入れているのが、NTTぷららと共同で運営している動画配信サイトの大阪チャンネル。NTTがバックについているので、予算も潤沢。若手芸人は、『地上波の倍ぐらいギャラが貰えた』と喜んでいますよ」(放送作家)。
『TikTok』等の動画配信SNSも美味しい仕事だ。「SNSでの発言が即、購買に繋がるようなカリスマ的人気があるタレントともなると、1回の投稿につき数百万円というギャラが発生するケースがあります」(レコード会社スタッフ)。動画配信ブームに乗り遅れまいと、レンタル大手の『TSUTAYA』も『TSUTAYATV』に力を入れ始めたが、前出のディレクターによれば「業界では負け組のレッテルを貼られている」という。「サービス開始当初は、TSUTAYA側が番組制作に口を出し過ぎて大コケ。他社の真似をして大手芸能事務所と組むことにしたのですが…。11月16日からTSUTAYAプレミアムで配信が始まったのは、中尾明慶メインの親子お料理バラエティーでした。どの視聴者層にも“引き”がないでしょ、これ(笑)」。インターネット配信番組の最大の特徴はシビアさだろう。視聴者数が細かく把握できる為、不採算番組は直ぐ打ち切りになる。「民放のように1クール(=3ヵ月)単位で番組を作っていないから、見切りが早い。数字が悪いと制作費やギャラはシビアにカットされます。同業他社が増えているので、競争も激化していますね」(キー局プロデューサー)。本当に面白い番組だけが残るから、視聴者はインターネット配信番組を支持するのだ。
2018年12月7日号掲載
『TikTok』等の動画配信SNSも美味しい仕事だ。「SNSでの発言が即、購買に繋がるようなカリスマ的人気があるタレントともなると、1回の投稿につき数百万円というギャラが発生するケースがあります」(レコード会社スタッフ)。動画配信ブームに乗り遅れまいと、レンタル大手の『TSUTAYA』も『TSUTAYATV』に力を入れ始めたが、前出のディレクターによれば「業界では負け組のレッテルを貼られている」という。「サービス開始当初は、TSUTAYA側が番組制作に口を出し過ぎて大コケ。他社の真似をして大手芸能事務所と組むことにしたのですが…。11月16日からTSUTAYAプレミアムで配信が始まったのは、中尾明慶メインの親子お料理バラエティーでした。どの視聴者層にも“引き”がないでしょ、これ(笑)」。インターネット配信番組の最大の特徴はシビアさだろう。視聴者数が細かく把握できる為、不採算番組は直ぐ打ち切りになる。「民放のように1クール(=3ヵ月)単位で番組を作っていないから、見切りが早い。数字が悪いと制作費やギャラはシビアにカットされます。同業他社が増えているので、競争も激化していますね」(キー局プロデューサー)。本当に面白い番組だけが残るから、視聴者はインターネット配信番組を支持するのだ。

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