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【火曜特集】(387) 製薬マネーが流れ込む日本乳癌学会…規制以上の報酬を受け取る幹部たち

20211130 09
医学会の診療ガイドラインは不正の温床だ。例えば、『日本乳癌学会』はガイドライン委員会の委員長や副委員長が、製薬企業1社から受け取ることができる金額を年間100万円までに制限している。ところが現在、副委員長を務め、3年前に委員長だった岩田広治氏(※『愛知県がんセンター』乳腺科部長)は、2018年度に総額約505万円の製薬マネーを受け取り、最も多い『アストラゼネカ』から約112万円が支払われていた。一見するとルール違反だが、岩田氏は“講演料”の名目で60万円余りを、残りを“コンサルティング料”として受け取っている。講演料の年間上限が100万円の為、ルールに抵触しないという事実上の抜け道になっているのだ。一方、委員長を務める佐治重衡氏(※『福島県立医科大学』教授)は、2018年度に『ファイザー』から講演料名目で103万円を受け取っており、明確なルール違反だ。ところが、「乳癌学会で誰も咎める人はいない」(学会メンバー)というから呆れる他ない。規制は公然と破られ、製薬会社と癒着した悪徳医師によってガイドラインが作られる。


キャプチャ  2021年11月号掲載

テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(386) 出産一時金を悪用する産婦人科医…中絶を遅らせての不正受給が横行

20211130 08
出産育児一時金が、一部の産婦人科で中絶手術に悪用されている。この一時金は、公的医療保険に加入している被保険者や被扶養者が出産した際、1人につき42万円が支給される。妊娠85日以上であれば、死産や流産でも支給される。公明党は今回の衆院選の政策集に、出産育児一時金を現行の42万円から50万円に増額すると書き込んでいる。ただ、医療関係者によると、一部の産婦人科医はこの制度を悪用している。中絶を希望する妊婦に対し、出産育児一時金が支給される12週までお腹の中で赤ちゃんを育てさせてから、中絶手術を実施しているというのだ。「妊婦は自己負担なしに手術代を賄うことができ、産婦人科側も代金を取りっぱぐれることがない為、双方にメリットがある。ただ、母胎への影響が懸念される上、人道上も問題」(前出の医療関係者)。公明党は票目当てのバラマキを掲げる前に、不正の解明に当たるべきだろう。


キャプチャ  2021年11月号掲載

テーマ : 医療ニュース
ジャンル : ニュース

【火曜特集】(385) 巨人軍監督続投の裏で暗闘…松井秀喜就任を阻んだ“原一派”の蠢き

20211130 07
プロ野球『読売ジャイアンツ』の人気が陰る中、原辰徳監督の続投が決まったが、スーパースターの松井秀喜氏を待望する声は多かった。予て監督就任を固辞していた松井氏については、「最近、近しい幹部にやる気を伝えている。ただ、巨人のフロントに反対する人がいる」(スポーツ紙デスク)との情報が出回っていた。その人物とは、スカウト兼国際部に所属する大森剛氏だという。慶應義塾大学野球部からドラフト1位で巨人入り。引退後はスカウトとして、坂本勇人選手を発掘したとされる。その大森氏が原監督の意向を忖度し、松井監督阻止に動いていたようだ。松井氏が巨人に復帰すれば、原氏の影響力は一気に減じる。今季終盤、阿部慎之助2軍監督が1軍作戦コーチとしてベンチ入りした。その狙いは、「原氏辞任の場合、“後任は阿部”と印象付ける為」(元巨人担当記者)との見方が有力だ。松井氏が監督になれなかったことで、人気凋落に歯止めがかからないだろう。


キャプチャ  2021年11月号掲載

テーマ : スポーツニュース
ジャンル : ニュース

【僕が親ならこうするね】(99) 日本の学校では競争を勝ち抜く子供は育たない

https://nikkan-spa.jp/1793738


キャプチャ  2021年11月23・30日号掲載

テーマ : 教育問題について考える
ジャンル : 学校・教育

【i☆Risの「おしゃべりな部屋」】(21) 何から食べるか迷うよね! お肉も豆腐も捨て難い…

20211130 06
――めっきり寒くなったということで、具材がたっぷりの鍋料理を準備する久保田未夢。「何から食べようかな…」と迷う彼女は抑々、どんな鍋が好きなのか?
「i☆Risのツアーで色々なところに行く中で、お鍋というと福岡のイメージが強いですね。もつ鍋も捨て難いけど、一番好きなのは水炊き。“とり田”ってお店が凄く美味しかったな。家でも割とよく食べます。具材を入れて温めればいいから、楽じゃないですか(笑)」
――今回の撮影では包丁を持ち、皿によそって渡す姿も見られたが、プライベートでも鍋奉行をこなしがち?
「家族でも友人でも、自分の食べたいものは自分で取ろうねという精神です。買い出しから一緒に行って、具材も味も、皆でその場で決めて。トマトとかレモン塩みたいな変わり種より、味噌、醤油、塩、キムチ、白湯を選ぶことが多いです」
――鍋の後は、デザートのアイスクリームを食べようとするが、「こたつから出たくない…」と取りに行く人を決める戦争が勃発。
「こたつ、大好きなんです。実家では毎年冬になるとこたつから生えている状態で、一度入ると動けなくなりますよね。一人暮らしを始めた最初の何年かはこたつを使っていたんですけど、『ベッドに行きなさい』って言ってくれる母親がいないから、こたつで寝て体が痛くなったり、風邪をひきそうになったりしたので、最近は出さないようにしています」
――若し彼女から「取ってきて」と頼まれたら、じゃんけんをせずにアイスクリームを取りに行く人が続出しそうだ。 (聞き手・構成/フリーライター・編集者 森ユースケ)


i☆Ris 『エイベックスピクチャーズ』所属の女性5人組アイドルグループ。メンバーは山北早紀・芹澤優・茜屋日海夏・若井友希・久保田未夢。ユニット名の由来は、ギリシア語で“虹”を意味するイリスと、花のアイリスからである。また、その花言葉の“愛を届ける”という意味も込められている。


キャプチャ  2021年11月23・30日号掲載

テーマ : 声優
ジャンル : アニメ・コミック

【戦後76年・戦災孤児たちの今】(01) 恩返し、いつの日か

76年前に終わった戦争は、多くの人から様々な形で家族や友人を奪った。中でも、空襲や戦闘、病気等で親を失った戦災孤児たちは苦難の人生を過ごした。そんな子供たちも最晩年を迎える時代に、私たちはいる。平和の祭典に思いを託そうとしたり、誰かに語ることで次世代に願いを繋いだり――。終わらぬ戦後を、自分なりに安らかに決着させたいと生きる人たちの軌跡を追った。

20211130 04
風に揺れる旗が、東京オリンピックの競技会場と知らせている。先月25日、横浜市港北区。サッカー男子の試合を数時間後に控えているのに、『日産スタジアム』前は静けさに包まれていた。猿田勝久さん(77、同市鶴見区、右画像)はこの日、観客案内のボランティアをする筈だった。「恩返しのボランティアをしたかったのに。残念」。そう話し、スタジアムを見つめた。猿田さんは76年前の終戦を中国大陸で迎え、36年前に永住帰国した。旧満州(※現在の中国東北部)で母が亡くなった後に育ててくれた養父と、五十音すらわからなかった自分に日本語を教えてくれた人たちを思い、「スポーツで国同士を繋ぐ五輪に貢献したい」と、横浜市の都市ボランティアに応募した。1年の延期を経て、自宅にユニホームが届いた時は胸が躍った。だが、新型コロナウイルス感染拡大で先月上旬に無観客開催が決定。市から活動中止を伝えられた。川崎市生まれ。空襲で焼け出され、1歳だった1945年6月に家族は中国大陸に向かった。満蒙開拓団に合流しようとしたが、混乱の中で荷物を奪われた。目的地に着けず、黒竜江省のチチハル市郊外に落ち着き、そこで暮らした。終戦の翌年に伝染病で祖母が死亡。続いて父が亡くなった。猿田さんと妹の幼い2人を抱えた母は、中国人の男性と再婚した。その母も、弟を産んだ後に結核を患った。母は闘病の苦しさから逃げようと、自ら灯油を飲んだ。養父は馬を売って薬代に充てたが、衰弱は止まらなかった。亡くなる直前、母は8歳の猿田さんに言った。「大きくなったら日本の親戚を捜しなさい」。こうして、猿田さんは中国残留孤児になった。1964年に前回の東京五輪が開かれた時、21歳になっていた猿田さんは、実の子以上の教育を受けさせてくれた養父のおかげで獣医師として働いていた。暮らしは楽ではなかったが、見合い結婚した2つ年下で中国人の妻は臨月で、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていた。戦後復興を遂げたらしい。どこからかそう伝え聞いた日本は、遥か遠い存在だった。未だ国交が回復する前。「日本には戻りたいけど、その道がわからない」。台湾との“2つの中国”を認めない中華人民共和国は五輪に参加せず、大会中に初めての核実験をした。しかし、1972年の国交正常化で祖国への道が見えてきた。隣村の残留婦人を頼り、日本に手紙を出した。母の弟と妹が見つかり、1981年に一時帰国を果たした。

20211130 05
五輪の年に生まれ、17歳だった長女の杉本玲子さん(56、山梨県大月市)は、当時の様子を今も覚えている。半年間の一時帰国に旅立つ父を、母は複雑な表情で見送った。「もう家族の元に帰らないかもしれない」。母の心配は杞憂に終わったが、中国に戻った父は家族を集めて「日本に永住帰国したい」と切り出した。母は猛反対した。3年程かけて父が説得し、6人家族全員で日本に行くことが決まった。一家は1985年の夏、海を渡った。父は直ぐに親戚が経営する大月市の鉄工所で働き始めた。慣れない仕事の上に油のアレルギー体質とわかり、薬を塗っても皮膚が荒れた。“王鳳玲”から“猿田玲子”に名前が変わった玲子さんは、来日した翌月、病院で看護師補助の仕事を始めた。配属先の内科は忙しかった。日本語を中々覚えられず、電話が鳴ると逃げたくなった。気持ちを上手く伝えられないもどかしさに気候の違いもあり、精神面の不調で眠れなくなった。「中国に帰りたい」と家族に訴えたこともあった。数年後、職場の先輩に憧れ、看護師を志すようになり、明確な目標ができた。病院で働きながら、高校と看護学校に通った。両親も苦労しながら、言葉の壁を乗り越えようと努力していた。父は重さ1㎏以上ある辞書をいつも持ち歩き、わからない言葉があれば調べた。職を転々とした父が、仕事で必要となった店名を読めず、困っているのを見かね、友人に頼んで日本語をテープに吹き込んでもらったこともある。2005年の年明け、母が自宅で倒れた。一旦意識が回復した時、傍にいた玲子さんに日本語で言った。「お父さんは、優しい」。最期の言葉だった。日本での生活の中で、父の決断に母も納得したのだと確信した。玲子さんにとって“第一の古里”は中国だ。それでも、3人の息子にも恵まれ、「自分の居場所はここにある」と感じている。父は2014年から、生まれ故郷の近くに住みたいと横浜に移り、玲子さんらと離れて暮らしている。先月31日。横浜市内での猿田さんの体験を伝える講演会に、玲子さんの次男である竜盛さん(22、左画像の右)の姿があった。幼少期からの猿田さんの写真が、本人のナレーションと共に映し出された。中国残留孤児だったとは知っていたものの、初めて家族の歴史に深く触れた孫に、猿田さんは声をかけた。「大きくなったね」。傍目には、ありふれた祖父と孫の姿だった。約半世紀ぶりに東京で開かれた五輪は、コロナ禍の逆風の中、賛否両論が巻き起こった。ただ、2つの国の狭間で生きた猿田さんは、「色々な国が参加する辞めには世界が平和になることが条件だから」と、その理念に希望をかける。子や孫が生きる未来に希望の種を蒔き続けてくれることを祈って。 (椋田佳代、写真も)


キャプチャ  2021年8月11日付掲載

テーマ : 中朝韓ニュース
ジャンル : ニュース

【ニッポンの減災力】第7部・九州豪雨1年(下) コロナ下で“分散避難”模索

20211130 03
新型コロナウイルスワクチンの接種が、九州豪雨の被災地でも進んでいる。先月下旬、熊本県球磨村の今村昭夫さん(65)は2回目の接種を終えた。「コロナ禍が収束しない今、豪雨災害が起きたらどうなるのだろうか」と不安を隠さない。九州豪雨の日、球磨川の支流沿いの今村さん宅は2階まで浸水した。持ち出せたのは携帯電話のみ。最初に身を寄せた避難所では、数百人の避難者が密集していた。「マスクを着けて逃げる余裕はない。感染対策を考えることもできなかった」と振り返る。豪雨直後、同県人吉市の避難所で活動した『公立甲賀病院』(滋賀県)の渡辺一良副院長は、「ここで感染が広がれば、疲弊した避難者の重症化は避けられない」と感じた。集落毎に身を寄せ合い、マスクを正しく着用している人は3割程度しかいなかった。専用病床がある『人吉医療センター』も被災した。『人吉市医師会』の山田和彦副会長は、「避難所でクラスターが発生していたら、医療体制は致命的な状況に陥っていた。ワクチン接種を急ぐことが、今できる災害対策だ」と語った。

コロナ下で初の大規模災害は、被災者支援にも影響が出た。九州豪雨では、全国から延べ約1300人の保健師が駆けつけ、避難所での健康チェック等を担った。だが、派遣元の自治体でクラスターが発生し、派遣期間の途中で帰還するケースもあった。保健所は今、新型コロナウイルス対応に忙殺されている。人吉保健所の服部希世子所長は、「多くの応援は望めない。感染者が多い地域からの派遣も不安がある」と危惧する。九州豪雨から1年を経ても、新型コロナウイルスの収束は見通せない。感染拡大を防ぐ為、各地で“分散避難”の取り組みが進んでいる。福岡県久留米市は、地域が独自の避難所を開設・運営する取り組みを進める。船越校区は自動車関連企業の施設を独自避難所にしている。昨年9月の台風10号では約20人が利用。校区まちづくり振興会の野上尚則会長(68)は、「行政任せにせず、地域が主体的に動くことが大切だ」と話す。山形県南陽市は九州豪雨を受け、避難所の混雑状況を知らせる独自のアプリを開発した。避難所の定員に近付くと、「他の避難所に」と誘導する。同じアプリは鹿児島県出水市も導入した。関西大学の高鳥毛敏雄教授(公衆衛生学)は、「感染を恐れて避難せず、危険な場所にとどまってはならない。命を守りながら密を避ける為、避難所以外にも安全な避難先を確保しておくべきだ」と指摘している。


※本文由李的博多居民提供。谢谢。
キャプチャ  西部本社版2021年7月3日付掲載

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【ニッポンの減災力】第7部・九州豪雨1年(中) 線状降水帯、増す脅威

20211130 02
先月29日未明、気象庁は沖縄本島地方に、災害級の豪雨を齎す線状降水帯の発生を伝え“顕著な大雨に関する情報”を初めて発表した。「命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まっています」。気象庁は、強い言葉で命を守る行動を促した。線状降水帯は、昨年7月の九州豪雨でも被害を拡大させた。熊本県芦北町の自営業、森田初見さん(63)は沖縄での線状降水帯の発生を聞き、1年前の記憶が甦った。「滝のように降る雨に恐怖を感じた。直ぐに逃げ場を失った」。芦北町を含む熊本県南部に線状降水帯が発生したのは昨年7月4日未明。森田さんは、激しい雨音に寝付けなかった。午前4時過ぎ、自宅2階から外を見ると、道路を挟んだ佐敷川の水が堤防を越えていた(※右画像、森田さんの夫が撮影)。1時間足らずで濁流は自宅を囲み、車は流された。何が起きているのかもわからず、「早く止んで」と祈るしかなかった。1時間雨量が120ミリを超えた同町では、川の氾濫や土砂崩れで12人が死亡・行方不明となった。町の担当者は「避難指示を出す暇もなかった」と振り返る。線状降水帯は、積乱雲が次々に発生して長時間、同じ場所に大雨を降らせる。現在の技術で予測することは難しい。予報を大きく上回る雨が襲った九州豪雨を受け、気象庁は発生情報の導入に大きく動き出した。

今年3月、気象情報に関する有識者検討会。気象庁の長谷川直之長官は「避難を迷っている人の後押しとなり、市町村の警戒感を一段階高める情報として使っていただきたい」と話し、防災面での意義を強調した。先月17日に導入された発生情報は、降雨量や雨域の広さ等4つの条件を満たすと発表される。避難指示の基準以上に、土砂災害等の危険が迫っていることも条件の一つだ。ところが、先月29日の沖縄県では、発生情報が避難に結び付かなかった。全域に避難指示を出した南風原町で、避難所に身を寄せたのは2人だけ。町は、避難を促す公式LINE等で線状降水帯には触れなかった。町の担当者は、「町民が意味を理解できているか疑問があった」と説明する。発生情報が、対象地域外の住民の“緩み”に繋がるのではないかとの懸念もある。『日本気象協会』の本間基寛専任主任技師は、「発生していなければ安心と考えるのは危険だ」と警鐘を鳴らす。川の上流域で発生すれば、下流域は氾濫の危険が高まる。局地的に線状降水帯と同程度の雨が降ることもある。2018年の西日本豪雨では、線状降水帯が発生していない岡山県倉敷市真備町で多くの犠牲者が出た。気象庁は5月、東シナ海に2隻の観測船を配備し、積乱雲の元となる水蒸気観測を始めた。来年度には、半日前に線状降水帯による大雨の可能性を情報提供する予定だ。2030年度には本格的な予報開始を目指す。国立研究開発法人『防災科学技術研究所』(茨城県つくば市)や福岡大学等も予測技術を開発中。来年度末までに県単位の半日前予測、2時間前には更に範囲を絞った予測を目標にする。福岡大学の白石浩一助教は、「予測ができれば更に命を守る行動に繋がる」と期待する。発生情報と同じ条件での線状降水帯は昨年、41回発生した。うち32回が7月に集中した。被害を最小にする為には、新たな発生情報を如何に活かすかがカギとなる。


※本文由李的博多居民提供。谢谢。
キャプチャ  西部本社版2021年7月2日付掲載

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【ニッポンの減災力】第7部・九州豪雨1年(上) 命を救った住民の存在

81人の死者・行方不明者を出した九州豪雨から、今月4日で1年となる。豪雨が突きつけた課題から、被害を最小限にとどめる“減災”の取り組みを追った。

20211130 01
熊本県球磨村で唯一の特別養護老人ホームだった『千寿園』は、昨年7月4日の九州豪雨で濁流に呑み込まれ、入所者14人が犠牲になった。豪雨後、閉鎖された建物の壁面には約3m浸水した跡が今も残る。千寿園は今年4月、隣の人吉市の仮設施設で入所者の受け入れを再開した。閉鎖した元の建物は今月中に解体工事が始まる。球磨川近くの山間に立地していた千寿園は、土砂災害警戒区域と洪水浸水想定区域内にあった。千寿園の対応を検証した国の有識者検討会は今年3月に公表した報告書で、「施設管理者らは土砂災害を警戒していたものの、浸水リスクがあるとの認識が薄かった」と指摘した。一方で、助かった入所者は56人いた。報告書では、施設に駆けつけた住民の存在が多くの命を救ったと言及している。球磨村の小川俊治さん(73)は、入所者を避難させる為、千寿園に駆けつけた住民の一人だ。園の避難支援協力者を務めていた。住民有志22人が災害時の誘導を担い、年2回の避難訓練にも参加していた。九州豪雨の日。小川さんは午前6時前に自宅を出て、150m離れた千寿園に向かった。すれ違う住民たちにも、「手助けをお願いします」と声をかけた。集まった住民は約20人。小川さんは「入所者も地域の一員。だから、多くの住民が危険を顧みずに駆けつけてくれた」と振り返る。園にいた職員は6人だけだった。「2階に逃げるしかない」。午前7時頃、職員の言葉で、入所者70人の垂直避難が始まった。入所者を乗せた車椅子の重さは数十㎏。エレベーターは無く、住民と職員が2~3人がかりで何度も階段を上った。

しかし、ガラスが割れる音と共に大量の濁水が1階を襲った。浸水は約3mに達した。入所者17人が1階に残っていた。60代の男性職員は、近くにいた入所者の腕を掴み、濁水を何度も飲みながら助けを待った。握力を失った手が離れ、入所者は沈んでいった。「もう限界でした。『ごめんなさい』と叫ぶしかできなかった」。水が引いた昼過ぎ、入所者14人の遺体が見つかった。男性職員は豪雨後、千寿園を離れた。亡くなった入所者を思い出し、1年近く閉鎖された建物に近付くことができなかった。「14人が亡くなった苦しみは消えない。でも、住民の助けがなかったら、犠牲者は何倍にもなっていた」。九州豪雨を受け、国が昨年11月に実施した全国調査では、浸水や土砂災害の警戒区域に立地する特養ホームは3239施設に上った。高齢者施設の命を守る取り組みは喫緊の課題だ。命を守る行動は早期避難が鉄則だが、『全国老人福祉施設協議会』前副会長の鴻江圭子氏(69)は「特養入所者は要介護3以上。“高齢者”と一括りで避難を考えるのは危険だ」と指摘する。大雨警報や洪水警報を目安に、自治体は高齢者等避難を発令する。避難時に体が濡れれば低体温症や肺炎の危険性がある。鴻江さんは「ハザードマップが想定する浸水深より高い建物なら垂直避難が望ましい」とした上で、「職員だけで車椅子や寝たきりの人を避難させるのは難しい。千寿園のように、地域の力が必要だ」と強調する。2016年の台風10号による川の氾濫で、高齢者施設の入所者9人が死亡した岩手県岩泉町では、災害リスクが高い場所に立地する全ての高齢者施設が自治会や企業と避難支援に関する協定を結んでいる。大雨警報が出た昨年7月、『グループホームいわいずみ』には住民約10人が駆けつけた。平屋で垂直避難ができない為、入所者を車に乗せたり、避難所に布団を運んだりした。施設の催しに住民を招く等、平時から“顔の見える関係”を作る。自治会長の似内義友さん(62)は、「避難に役立てる為、防災士になった住民もいる」と語る。国は4月の介護報酬改定の中で、住民参加の避難訓練等、災害に備えた地域との連携を施設に求めた。昨年6月の都市計画法改正で、災害リスクのある場所での高齢者施設の新設は原則禁止に。国は既存施設についても、補助制度を設けて移転を促している。水害を想定した避難確保計画の作成率は、全国で66%(※3月末時点)。千寿園を教訓に、九州豪雨後の9ヵ月で12ポイントも上昇した。球磨川流域自治体では全施設が作成を完了した。国の検討会で座長を務めた跡見学園女子大学の鍵屋一教授(福祉防災)は、「住民が高齢者施設の避難に協力することで、被害は大きく減らせる。その取り組みが障害者や保育施設にも広がれば、地域全体で命を守ることに繋がる」と指摘している。


※本文由李的博多居民提供。谢谢。
キャプチャ  西部本社版2021年7月1日付掲載

テーマ : 社会問題
ジャンル : ニュース

【言論StrongStyle】(142) 政権を獲る意思も力も無い野党第一党には飽き飽きだ! 消えてもらうしかない

https://megalodon.jp/2021-1129-2050-34/nikkan-spa.jp/1793705
https://megalodon.jp/2021-1129-2051-08/nikkan-spa.jp/1793705/2
https://megalodon.jp/2021-1129-2052-07/nikkan-spa.jp/1793705/3


キャプチャ  2021年11月23・30日号掲載

テーマ : 立憲民主党
ジャンル : 政治・経済

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