【火曜特集】(387) 製薬マネーが流れ込む日本乳癌学会…規制以上の報酬を受け取る幹部たち
医学会の診療ガイドラインは不正の温床だ。例えば、『日本乳癌学会』はガイドライン委員会の委員長や副委員長が、製薬企業1社から受け取ることができる金額を年間100万円までに制限している。ところが現在、副委員長を務め、3年前に委員長だった岩田広治氏(※『愛知県がんセンター』乳腺科部長)は、2018年度に総額約505万円の製薬マネーを受け取り、最も多い『アストラゼネカ』から約112万円が支払われていた。一見するとルール違反だが、岩田氏は“講演料”の名目で60万円余りを、残りを“コンサルティング料”として受け取っている。講演料の年間上限が100万円の為、ルールに抵触しないという事実上の抜け道になっているのだ。一方、委員長を務める佐治重衡氏(※『福島県立医科大学』教授)は、2018年度に『ファイザー』から講演料名目で103万円を受け取っており、明確なルール違反だ。ところが、「乳癌学会で誰も咎める人はいない」(学会メンバー)というから呆れる他ない。規制は公然と破られ、製薬会社と癒着した悪徳医師によってガイドラインが作られる。
2021年11月号掲載