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【誰の味方でもありません】(29) 教科書の悪文と“霞ヶ関文学”

珍しく新聞を読んでいたら、中高生の読解力がピンチという記事が目に留まった。『国立情報学研究所』の調査によって、基本的な日本語読み取り能力の無い子供が多くいることがわかったのだという。調査の名前は『リーディングスキルテスト』。教科書や新聞記事から抜粋した文章を読んでもらい、選択肢から正解を選ばせるという、所謂文章題だ。例えば、問題はこんな具合。「メジャーリーグの選手の内、28%はアメリカ合衆国以外の出身の選手であるが、その出身国を見るとドミニカ共和国が最も多く、凡そ35%である」(※出典は『帝国書院』の教科書『中学生の地理』)。この文章を読んで、メジャーリーグ選手の出身国内訳を示す正しい円グラフを選ぶという形式だ。正答率は中学生で12%、高校生でも28%だったという。多くの子供が、選手の72%がアメリカ出身ということを読み取れなかったらしい。このような結果を受けて「子供の読解力がピンチだ」と煽るのだが、上の文章、一読しただけで意味がわかりましたか? はっきり言って悪文だと思う。一文の中に“選手”という言葉が2回も出てきて、文章が全く整理されていない。更に、“28%”と“35%”が何に対する割合なのかもわかり難い。同じことを伝えたい場合、僕だったら次のように書くと思う。

「メジャーリーグ選手の内、アメリカ合衆国出身は72%だが、外国出身者も28%に達する。その内訳はドミニカ共和国が最も多く、35%だ。つまり、全選手の内、9.8%がドミニカ出身ということになる」。完全に自画自賛なのだが、こちらのほうがわかり易いと思う。そんなことを新聞記事へのリンクと共に『ツイッター』に書いたら、「それではテストにならない」というコメントが何人かから寄せられた。確かに、敢えて難文を読ませ、読解力を問うテストがあってもいいと思う。しかし、先程のメジャーリーグに関する文章は、中学生向けの地理の教科書からの引用なのだ。態と難解な文章を書く必要性は全くない媒体である。その意味で、リーディングスキルテストの正答率が低いことで責められるべきなのは、中高生の読解力ではなく、大人たちの文章力だと思う。主語と述語の関係が明確で、論理的な文章であれば、誤解の余地など生まれようがない。特に教科書・行政文書・マニュアル等は、そのような平易な文章で書かれるべきだ(※僕のツイッターへの的外れな批判も、僕の書き方が悪かったと思うことにする)。尤も、世の中には意図的に難解に書かれた“霞ヶ関文学”や、こっそり世論を誘導しようとする新聞記事も多く存在する。それを読み解く訓練は、子供にも必須かもしれない。『週刊新潮』読者にお勧めなのは、三浦瑠麗さんの連載を読むこと。独特の文学的表現に紛れて、時折どぎつい主張がなされている。文体や語り口に惑わされない訓練になると思う。


古市憲寿(ふるいち・のりとし) 社会学者。1985年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。著書に『希望難民ご一行様 ピースボートと“承認の共同体”幻想』(光文社新書)・『絶望の国の幸福な若者たち』『誰も戦争を教えてくれなかった』(共に講談社)等。近著に『大田舎・東京 都バスから見つけた日本』(文藝春秋)。


キャプチャ  2017年11月30日号掲載

テーマ : 教育問題
ジャンル : 政治・経済

一切信用できない好感度No.1芸人…加藤浩次の全然スッキリじゃない正体

その破天荒な芸風から“狂犬”と呼ばれ、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)等のバラエティー番組で地位を確立してきたお笑いコンビ『極楽とんぼ』の加藤浩次。だが、最近ではワイドショー番組のMCも熟すようになり、“陰キャラ”と化している。 (取材・文/フリーライター 小松巌)

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バラエティー番組に限らず、ワイドショーにも引っ張りだこのお笑い芸人。今や“カリスマ”松本人志までが進出しているほどだが、この風潮の先駆者と言えるのが極楽とんぼの加藤浩次だろう。加藤が朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)のメインMCに抜擢されたのは2006年のこと。以降、番組は10年以上も続いており、徐々にお茶の間からの支持を得た番組は、2012年に同時間帯で年間視聴率トップを獲得する等、今や加藤のMCはすっかり日テレの朝の顔として定着している。「あのダミ声にガサツなキャラクターということもあって、当初は加藤の起用に首を傾げる向きも多かったんです。ところが、始まってみると、よく見ればそこそこのイケメンだし、芸人にありがちなガキ臭さやチャラさも無かった為、意外にも主婦層にウケたようです。知識が無いなりに勉強もしていますし、平凡で当たり障りの無いコメントしかしないことも、番組としては使い易かったのでしょう」(ワイドショー関係者)。このスッキリの成功によって、タレントとしての格を上げた加藤は、バラエティー番組のMCだけではなく、俳優業やテレビCM等でも安定した活躍を続けている。「帯番組の看板司会者ということで、年収も軽く2億円は超えている筈。2015年には東京都内の一等地に5億円といわれる豪邸を建て、元女優の妻と3人の子供と幸せな家庭を築いています。シブチンで有名な吉本でこれだけの収入を稼いでいるのは、限られたタレントしかいません。大御所を除く現役の中では、年齢的にもダウンタウンに次ぐポジションにいると言えるでしょう」(放送作家)。

粗製濫造された芸人が溢れ、激しい椅子取りゲームを繰り広げている芸能界で、ここまでの成功を収めるのは並大抵のことではない。まさに順風満帆に見える加藤のタレント人生だが、それにしても不思議なのは、「加藤が何故ここまでの人気を得ることができたのか?」という根本的な疑問である。「贔屓目に見ても、お笑い芸人としての才能は並かそれ以下だし、トークの才能がある訳でもない。バラエティーでは喧嘩コントやキレ芸で“暴れん坊の狂犬”として存在感を見せましたが、1人では何も面白いことはできないタイプ。誰かを攻撃することで場を荒らすことしかできなかった加藤が、まさかワイドショーのMCになるとは誰も想像していなかった。それでもここまで生き残ってこれたのは、加藤のキャラクターに加えて、多分にラッキーもあったからでしょうね」(吉本興業関係者)。改めて加藤の経歴を振り返っておくと、北海道の高校を卒業後、一般企業に就職するも1年も経たずに辞めて上京。佐藤B作の『劇田東京ヴォードヴィルショー』の養成所に入り、そこで出会った山本圭壱と極楽とんぼを結成し、オーディションで吉本興業入りしている。出世のきっかけは、深夜番組『新しい波』(フジテレビ)からめちゃイケに至る一連の番組。この起用でお茶の間の市民権を獲得し、その後はドラマ出演やサッカー番組のキャスター等で芸域を広げてきた。「若手時代はとんねるずの劣化コピーのような勢いだけのコンビでしたが、売れたのは芸人仲間からも“天才”と一目置かれていた相方の山本のおかげですよ。世代的にも幸運なところがあって、丁度吉本がナインティナインを中心に東京進出に力を入れていた時期で、バーター的にテレビに起用してもらえたんです。当然、吉本興業という大手事務所のプッシュがあったことも大きかった」(制作会社ディレクター)。突出した才能が無くても、出会いやタイミングに恵まれ、芸能界で成功を手にすること自体は珍しい話ではない。だが、このところの加藤を見る限り、その強運も尽きかけているようだ。象徴的な例が、加藤のタレント活動のベースとなっているスッキリ界隈から噴出し始めた数々のトラブルだ。ここ数年のスッキリでは、キナ臭いトラブルが続出している。つい先日も、レギュラーコメンテーターとして出演していた評論家の宇野常寛が、2017年9月一杯で番組を降板することになったのだが、宇野は自身のウェブ動画を通じて番組側とのトラブルを暴露。「僕は事実上のクビだと解釈しています」「彼ら(※番組上層部)に軽蔑しか感じません」と、強烈に番組側を批判し始めたのだ。

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テーマ : 芸能ニュース
ジャンル : ニュース

【ヘンな食べ物】(64) アンデスのオーガニック・巨大ネズミ串焼き

先日、ペルーのアンデスの中心地であるクスコの中央市場へ行ったら、毛が毟られて裸状態の巨大ネズミの死体がバケツや洗面器に山積みにされているのを見て、一瞬、ゲッと思った。「これがクイか…」。ネズミを食べる地域は世界でもそこかしこにあるが、“家畜”として飼っているのは、ペルーからボリビアにかけてのアンデス山脈だけだろう。ネズミと言っても、普通のイエネズミではなく、テンジクネズミ。日本では嘗て、よく実験に使われ、今では専ら愛玩用として飼われているモルモットだ。ペルーでは“クイ”と呼ばれる。アンデスでは決してゲテモノではない。それどころか、この世界最小の家畜があまりにポピュラーなことに驚かされる。クスコ市内でタクシーの運転手にクイについて訊いたら、「あぁ、うちでも10匹くらい飼っているよ。母の日とか、親戚が集まった時とかに潰して食べるんだ」と事もなげに答えた。町の人間でも、ベランダ園芸並みの気楽さで食用ネズミを飼育しているのだ。クイ飼育の上級者になると、今度は“コンテスト”に熱を入れる人が出てくる。アンデス各地で開かれる農産物の見本市等で、クイ農家が自慢のクイを持ち寄り、優劣を競うという。私は、そういうクイ農家(※旅行者用のバンガローも経営している)を紹介してもらい、1泊しながらクイの飼育・屠畜・料理まで取材させてもらうことにした。クスコから車でざっと1時間ほどの農村だ。途中、ピサックという集落を通りかかると、数人の女性が道の両脇から現れて、両手で旗のようなものをぶんぶん振っている。よく見れば、木の棒に刺さり、こんがり焼けたクイ。この集落は“クイアルパロ”(※クイの串焼き)で有名だという。

つまり、名物料理をそのまま振り回して客引きをしていたのだ。その素朴さというか、単刀直入さに笑ってしまった。クイは体長50㎝ほど、意外にでかい。私が子供の頃に飼っていたものより、ずっと大きい気がする。2~3人分になるのではないか? 野菜の付け合わせを含めて、1匹35ソル(※約1155円)とのこと。だが、私はもっと美味いクイを食べる為、そこは素通り。目的のクイファームに到着した。飼育小屋にはクイが4種類、全部で100匹いた。飼育者のファビオさんという男性によれば、クイにはタイプ①から④まである。元々は①しかなかったし、今でもこれが「長生きで子供を沢山産み、経済的」という理由で専ら市場に出回っている。一方、改良型には色々特徴がある。②は肉の味は①と同じだが、毛が渦を巻いたようになっている。③はまるで犬のマルチーズみたいに長毛。でも肉が少ない為、完全に観賞用。④は肉が一番美味い。コンテストでは、肉の味・サイズ・美しさ等がタイプ毎に競われる。何故見た目が競われるのか謎だが、ペルーでは牛でも羊でもそうらしい。クイは生後3ヵ月で体重2.5㎏ぐらいがベストとか。小屋の壁にはメダルや賞状が無数に飾られていた。餌は小屋の横にある畑から刈り取ったアルファルファ草。これはクイの糞を肥料にしているというから、見事に循環している有機農法だ。「ここのクイは完全なオーガニックですよ」とファビオさんは胸を張る(※但し市販のフードも少し与えている模様)。小屋ではラジオからポップな音楽が流れている。ファビオさん曰く、「クイは人間のストレスに影響されるから、人間が楽しく仕事することが大事なんだ」。楽しそうな飼育者が新鮮な餌を与えることが、良いクイを育てる秘訣らしい。


高野秀行(たかの・ひでゆき) ノンフィクション作家。1966年、東京都生まれ。早稲田大学第1文学部仏文科卒。『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)・『アジア未知動物紀行』(講談社文庫)・『世界のシワに夢を見ろ!』(小学館文庫)等著書多数。


キャプチャ  2017年11月30日号掲載

テーマ : 海外旅行
ジャンル : 旅行

【寝言は寝て言え!】(29) 韓国にプロレスは無いの?

ここ数年、プロレスにハマっています。2000年代は総合格闘技ブームによって、プロレスは冬の時代でしたが、近年は再び盛り返して、『新日本プロレス』等は黄金期かという勢いです。プロレスは、鍛え上げられた肉体から繰り出される美しい技も素晴らしいのですが、試合以外でのストーリー性も魅力です。ユニット同士の抗争、今後どういう展開でベルト戦線が繰り広げられるのか等、展開を考えるのがまた楽しい訳です。そして、お決まりのムーブも魅力です。例えば、タッグマッチにおける“誤爆”。敵の毒霧攻撃を受けて視界不良になり、「大丈夫か?」と助けに来たタッグパートナーに攻撃してしまうというパターンがあります。国同士でもお決まりのムーブがあるのではないかと思います。例えば、韓国であれば“反日”です。北朝鮮の核・ミサイル問題に対処する為、好き嫌いは別にして、今はアメリカを交えた日韓の連携が必要不可欠です。ところが、先日のドナルド・トランプ大統領の韓国訪問における反日姿勢には、呆れを通り越して笑ってしまうほどです。トランプ大統領との晩餐会には何故か元慰安婦を招待し、不法占拠する島根県竹島の韓国名である独島を冠した“独島エビ”を振る舞うという有り様でした。2015年末の、慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決する為の日韓合意は、一体何だったのか? また問題化する気満々です。更に領土問題まで持ってくるとは…。

反日は韓国の定番のムーブだとしても、「空気は読めよ」と言いたい。プロレスはエンターテインメントだから楽しめるのですが、こちらは安全保障が絡むだけに笑えない事態になっています。韓国の場合、毒霧を浴びている訳でもなく、完全な視界良好状態でタッグパートナーを露骨に叩きに行くからタチが悪い。更に、圧力で連携する国際社会を横目に、北朝鮮に対して独自の人道支援を発表する等、輪を乱しまくっています。トランプ大統領も呆れているでしょう。約束を守らず、輪を乱す…。本当なら突き放したいところですが、日本と韓国は切っても切れない縁があるのが辛いところです。位置的に近いというのが大きな理由ですが、北朝鮮問題を抱える現状は、日米間…失礼、日米韓の3ヵ国でしっかりとした連携を見せつける必要があるでしょう。正直、韓国という国は好きか嫌いかでいえば嫌いですが、北朝鮮問題や中国の膨張を見据えると、やはり好き嫌いではなく、“国を守る”という視点で連携が必要になります。しかし、韓国は立ち位置が定まらず、THAAD配備問題で中国から制裁を受け、「日米韓は軍事同盟にまでは発展させない」と宣言する等、中国に擦り寄る姿も見受けられます。今は日本と揉めている場合ではない。こういうことをやっているから、日本でも韓国に対する感情が悪くなっていくばかりです。こちらのチームの足並みが揃わず揉めている間に、相手チームはフィニッシュホールド(=核・ミサイル)を完成させてしまいそうです。韓国よ、大人になれ。


KAZUYA YouTuber。1988年、北海道生まれ。2012年、『YouTube』に『KAZUYA Channel』を開設。著書に『日本一わかりやすい保守の本』(青林堂)・『バカの国 国民がバカだと国家もバカになる』(アイバス出版)等。近著に『日本人が知っておくべき“日本国憲法”の話』(ベストセラーズ)。


キャプチャ  2017年11月30日号掲載

テーマ : 韓国について
ジャンル : 政治・経済

【祭典の課題・平昌から】(05) 融和へ、北の参加に期待

20171130 06
「平昌の扉は北朝鮮にも開かれている。北朝鮮が平昌に向けて踏み出す一歩は、数百発のミサイルを以てしても得られない平和への大きな進展となるだろう」――。韓国の文在寅大統領は先月31日、平昌が位置する江原道で開かれた南北統一関連行事でこう述べ、北朝鮮のオリンピック参加を改めて呼びかけた。南北融和を訴えて今年5月に発足した文政権は、これまでに赤十字や軍事当局間の会談を提案したが、北朝鮮にいずれも無視されてきた。平昌オリンピックは残された数少ない“カード”だけに、選手の派遣や開会式での合同行進を実現し、南北対話ムードへ繋げたい考えだ。「金正恩政権はスポーツを非常に重視している。オリンピックに参加する可能性は相当に高い」。北朝鮮のスポーツ政策に精通する韓国統一省の関連団体『南北体育交流協会』の金慶星理事長は、こう指摘する。実際、『国家体育指導委員会』の委員長は、政権ナンバー2である朝鮮労働党の崖竜海副委員長が務めており、2014年に仁川で開かれた『アジア大会』では、崖氏や軍総政治局の黄炳瑞局長らが揃って閉会式に駆けつけ、対話姿勢を示したこともある。金理事長は2006年からサッカーを通じた南北交流に力を入れており、北朝鮮が韓国側の非武装地帯(DMZ)を砲撃した直後の2015年8月にも、平壌でサッカー大会を開催する等、南北関係の悪化時にも草の根の接触を続けてきた。

「朝鮮半島の緊張は今、嘗てなく高まっている。この緊張を解く為の脱出口がスポーツであり、平昌だ」と話す。しかし、北朝鮮側が呼びかけに応じるかどうかは不透明だ。現段階でフィギュアスケートペアで大会出場権を獲得しており、『国際オリンピック委員会(IOC)』の張雄委員(※北朝鮮)も9月、「政治とオリンピックは別物だ。大会に向けて大きな問題は無い」と述べているものの、正式な参加表明には至っていない。北朝鮮が参加を見送り、軍事挑発を続けて米朝対立が先鋭化した場合、大会の安全性への懸念が広がりかねない。北朝鮮が核実験を強行した9月には、フランスが、選手の安全が確保されない場合には参加を見送る考えを示したと報じられたこともある。約3割に留まるチケット販売への影響も出かねない。オリンピック・パラリンピックの大会期間(※2月9日~3月18日)が、北朝鮮が激しく反発する米韓合同軍事演習の例年の実施時期と重なるのも懸念材料だ。南北関係に詳しい『世宗研究所』統一戦略研究室の鄭成長室長は、「北朝鮮がオリンピック・パラリンピックに参加する条件として、演習の中止や延期を求めてくる可能性がある。そうなれば、米韓は難しい対応を迫られるだろう」と語った。スポーツを通じた南北融和の試みは、1964年の東京オリンピックに遡る。『聯合ニュース』によると、大会前年の1963年1月、南北の当局者が統一チームの結成を目指してスイスで協議したが、合意には至らなかった。転機が訪れたのは、1991年に千葉県の『幕張メッセ』で開かれた『世界卓球選手権』だ。南北が初の統一チーム“コリア”として出場。女子団体で王者の中国を破り、優勝を果たした。初の南北首脳会談直後に開かれた2000年のシドニー大会開会式では、南北の選手による合同入場行進が実現し、和解ムードを盛り上げた。 =おわり

               ◇

社会部 石坂麻子/ソウル支局 水野祥・岡部雄二郎が担当しました。


⦿読売新聞 2017年11月11日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(04) ハイテク機器でテロ警備

20171130 05
イスラム過激派による国際テロと、緊張が続く北朝鮮情勢。平昌冬季オリンピックは、脅威が高まる中で開催される。如何にオリンピックを守るのか? そのカギを握るのは、ICT(※情報通信技術)を活用したハイテク機器だ。「飛行機の到着が遅れたんだけど、旅行会社に連絡するのを手伝って」。日本語で話しかけると、正確な韓国語でほぼ同時通訳される『ハンコム』の自動通訳システム『ハンコムジニートーク』。平昌オリンピック会場には、このシステムを搭載したロボットが設置される。英語や日本語の他、ノルウェー等冬季スポーツ強国の言語まで、29ヵ国語の通訳が可能だ。韓国の警察庁は、ジニートークを改良し、外国人とのやり取りで使う約300の例文を収録。警察官のスマートフォンにインストールする。約520台配置されたスマートパトカーは、車両上部に専用カメラを装着。昼夜を問わず、走行中の車両を自動的にデータベースと照合し、手配車両を発見することが可能だ。競技場には、人目につかない場所や、悪天候・夜間でも不審者や不審物を感知する熱映像観測機を設置。上空には妨害電波を発信し、ドローンを無力化する遮断装置も置く。大会期間中は警察官延べ約15万人に加え、韓国軍からも約5000人を投入。来月開通予定の仁川国際空港と江陵を結ぶ高速鉄道『KTX』新路線の主要駅には、X線検査装置や金属探知機等を設置し、乗客の所持品検査も行う。

「韓国が誇る技術で立体的な治安システムを構築し、大会期間中の安全を確保したい」。警備担当者は話す。韓国当局が警備に力を入れるのは、国際テロの影が韓国でも確認されている為だ。韓国の情報機関『国家情報院』は昨年6月、イスラム過激派組織『IS(イスラミックステート)』の通信で、在韓アメリカ軍の空軍施設2ヵ所がテロ対象に挙げられていたことを明らかにした。ISは、韓国を敵対国の1つとして名指ししている。韓国警察の関係者は、「ISの協力者は韓国にもいるだろう。テロは他人事ではない」と危機感を露わにする。一方、軍事境界線では、北朝鮮軍が地下のシェルター等に、韓国を標的にした数百基の多連装ロケット砲を備えているとされる。今月1日から始まった韓国での聖火リレーが非武装地帯(DMZ)近くを通過する際には、軍のへリコプターが護衛する。今月上旬、警備計画の策定が大詰めを迎えている韓国を、東京オリンピックの警備担当者らが訪れた。平昌のテロ対策は、3年後の東京大会にも直結する。「平昌の警備を検証し、東京オリンピックに活かしたい」。日本の警察当局も注視している。東京五輪でも、ハイテク警備の導入に向けた準備が進められている。警視庁は、昨年2月と今年2月の『東京マラソン』をオリンピック警備の試金石と位置付け、ハイテク警備を試験実施。防犯カメラ映像で不審物を検知し、アラームを鳴らす置き去り検知システムや、人の不意な動きを察知する群衆行動解析システム等を試験運用した。民間も、カメラに映った人の震え等からテロリストを炙り出す感情可視化システムや、画像を人工知能(AI)で分析してリスクを調べるシステムの開発が進む。会場の入場ゲートでは、テロリストのデータと照合する顔認証の導入が検討されている。


⦿読売新聞 2017年11月10日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(03) 韓流ブーム再燃狙う

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平昌オリンピックのスキー&アルペンが行われる『竜平リゾートスキー場』(※右画像)。その山頂にある『ピークレストラン』は10年前、多くの日本人観光客で一杯だった。日本で爆発的な人気を集めた韓流ドラマ『冬のソナタ』の名場面の撮影地だったからだ。「貴女が好きだから。僕が貴女を愛しているからです」。暴風で下山できなくなったミニョン(※ペ・ヨンジュン)とユジン(※チェ・ジウ)。暖炉の前で、ミニョンは愛の告白をした。オリンピック期間中、このレストランは選手や関係者に開放される予定だ。しかし、今では日本人の姿は殆ど無い。レストランが入る建物『ドラゴンピーク』の管理人である咸承国さん(58)は、「オリンピックをきっかけに、また日本人が来てくれればいいのだけれど…」と期待する。冬のソナタがNHKの地上波で放映されたのは2004年。主婦を中心に人気を集め、韓流ブームの先駆けとなった。韓国を訪れた日本人観光客の数は、2003年の180万人から、2004年には244万人に激増。冬ソナのロケ地を巡るツアーも次々と企画され、直ぐに満員になった。山頂のレストランまで2人が乗ったゴンドラリフトも、観光ルートの1つとなった。名場面の1つである『ドラゴンバレーホテル』のバーでは、シーンを再現するように、2人が座った席で、同じように柚子茶とココアを飲む日本人カップルもいたという。

リゾートスキー場の職員である金裕珍さん(42)は、「団体バスが1日に何台も来た。日本人ばかりで、こんな田舎に外国人が来ることにびっくりした」と振り返る。韓国を訪れる日本人観光客は、ピークの2012年には351万人に達したが、日韓関係の悪化や北朝鮮問題等の影響で次第に考ち込んだ。2016年は229万人で、韓流ブーム以前のレベルにまで減少。2013年には、訪韓する外国人観光客のトップが、日本人から中国人に代わった。観光業界は、平昌オリンピックを日本人観光客を呼び戻す起爆剤にすることを狙う。今月から羽田空港に平昌オリンピックのブースを設置。『SUPER JUNIOR』や『T-ARA』といった韓流スターも、日本での平昌オリンピックイベントに動員している。オリンピック・パラリンピック広報大使には、アイドルグループ『BIGBANG』のメンバー等、日本でも人気のアイドルが名を連ねる。また、外国人客が訪れるような飲食店に対しても、衛生状態や価格表示の抜き打ち調査を行い、“ぼったくり”の一掃を進めている。「芸能人・食べ物・ショッピング等、潜在的に韓国に魅力を感じている日本人は多い。オリンピックをきっかけに掘り起こしを図りたい」。『韓国観光公社』日本チーム長の李鶴柱氏(51)は、そう力を込めた。訪日外国人客は2012年以降、5年連続で増えており、2016年には過去最多の約2403万9000人に達した。政府は、東京オリンピックが開かれる2020年には4000万人、2030年には6000万人を目標に掲げている。外国人客が増えたのは、観光ビザの発給要件緩和の他、大型クルーズ船の寄港が増えたことや、航空路線の拡充等でアジアからの訪日客が伸びたことが挙げられる。高額商品を大量に買う中国人観光客らの“爆買い”は失速しているが、体験型の旅行が人気を集めており、政府は2020年の外国人客の消費額の目標を8兆円に設定している。


⦿読売新聞 2017年11月8日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(02) チケット不振、頼みは日本

20171130 04
「日本から10万人以上は来ると見込んでいる」――。9月下旬、平昌オリンピックのPRイベントの為に東京を訪れた組織委の李熙範会長は、記者会見でそう強調した。102種目が行われる平昌オリンピックで販売されるチケットは計118万枚。この内、約1割を日本で売る計画だ。開催地の平昌と江陵がある江原道の崖文洵知事も、「平昌オリンピックの成功は日本にかかっている」と期待を寄せる。平昌オリンピックのチケット販売は不振が続いている。2月からの第1次販売で売れた約23万枚の内、韓国内で販売されたのは僅か5万2000枚。9月から第2次販売が始まったが、今月3日現在、売れたのは1次分も合わせて約33万枚で、目標の107万枚の3分の1にも達していない。危機感を募らせた組織委が、販売先として目を付けたのが日本だ。販売不振の背景には、韓国ではウィンタースポーツの人気が低いことがある。金姸兒選手の活躍で人気になったフィギュアスケートや、韓国のお家芸とも言われるショートトラックは完売が見込まれるが、バイアスロン、クロスカントリー、スキー複合は目標の15%程度しか売れていない。韓国人選手が少なく、日本と比べて人気が無いスキーを中心に、売れ行きが伸びない。

平昌郡の沈在国郡守は、「韓国ではルールさえ知られていない競技も多い。観戦してもわからないから、興味が無くなる」と話す。これに対し、具体的な枚数は公表されていないが、日本でのチケット販売は第1次・2次共に、全種目で既にほぼ完売状態だ。「フィギュアスケートといった人気種目では難しいが、他の種目で日本側から要求があれば追加販売する意向はある」。組織委でチケット販売担当を務める金禧順部長は、売れ行き次第で日本での販売分を更に増やす可能性を示唆した。一方で、一部の人気種目では高額転売が懸念される。浅田真央選手が出場した2010年のバンクーバー大会のフィギュアスケートでは、カナダドルで定価275ドル(※当時約2万4000円)のチケットが、2枚で2万ドル(※同約175万円)以上の高値で転売された。転売益を狙うダフ屋行為は後を絶たない。平昌組織委は不正転売を防ぐた為、今月から発行される紙のチケットに購入者の氏名を印字し、ホログラムやQRコードを付けて、コピーやダフ屋行為の防止を図る。ただ、都合が悪くなり、知り合いに譲らざるを得ないケースも想定し、チケットと名前が違っても入場は許可するという。抜け道は残る。「警察とも協力し、最大限の対策を取るしかない」。組織委幹部は、そう話している。東京オリンピックでは、招致段階の計画で、チケット約780万枚、平均価格は7700円とされている。大会組織委員会関係者は、「注目度も高く、売れ残ることはないだろう」と自信をのぞかせる。チケットの高額転売は、東京オリンピックでも課題の1つだ。マイナンバーカードを使った本人認証の強化や、価格高騰を抑える為にオフィシャルサイトでのチケット転売が検討されている。スマートフォンを活用したチケットレスサービスの導入も議論されているが、具体策は決まっていない。


⦿読売新聞 2017年11月6日付掲載⦿

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【祭典の課題・平昌から】(01) 宿不足、ラブホテル改装

来年2月9日に開幕する平昌冬季オリンピックまで、あと100日を切った。2020年東京オリンピックの前に開かれる最後の大会。宿泊施設・チケット・国際テロ対策――。東京オリンピックでも共通する課題を、現地で追った。

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韓国と北朝鮮の軍事境界線から約100㎞の韓国北東部の港町・江陵。来年2月9日に開幕する平昌冬季オリンピックのアイスホッケー会場『江陵ホッケーセンター』(※右画像)が、先月30日、報道陣に公開された。地上3階建て、観客席1万9席。1064億ウォン(※約108億円)をかけて建設された。客席の最前列からリンクまでは、僅か約2m。“氷上の格闘技”とも言われるアイスホッケーの激しいぶつかり合いを、臨場感たっぷりに見られるのが特徴だ。照明の光を反射したアイスリンク(※縦30m×横60m)は眩しく光っていた。平昌オリンピック組織委員会によると、12競技場の内、9ヵ所が既に完工。残る3会場も先月29日現在で、98%以上の完成率という。開会式が行われる3万5000人収容可能な地上7階のオリンピックスタジアムは、聖火台に灯がともされるのを待つばかりだ。「ハード面の準備はほぼ完了した。必ず大会を成功させる」。組織委の呂泂九事務総長は、31日の記者会見で胸を張った。会場建設が順調に進む一方で指摘されているのが、観戦客が滞在する宿泊施設の不足だ。組織委の試算では、オリンピック期間中に訪れる観客は最大で1日に約10万人。この内、約6万人が現地に宿泊する。2人1室としても、約3万の客室が必要になる。しかし、客室数が100室を超える規模のホテルは、平昌・江陵を合わせても10棟程度で、殆どが大会関係者に割り当てられている。

会場周辺はビジネスホテルも少なく、江陵市内ではラブホテルの改装作業が急ピッチで進められている。オリンピックを機に、今夏、名前も設備も一新し、ラブホテルからホテルに改装した女性経営者は、「街の認知度が上がり、客も増える筈。今後は普通のホテルとしてやっていく」と力が入る。ログハウス調のテラス・食堂・フロントを新設したところ、北欧の選手団から大会期間中の借り上げの予約が入ったという。内装を白に変えた近くのラブホテル経営者の男性も、「外国人客を何人呼び込めるかが勝負。フィギュアスケートの競技中は日本人の予約が多いね」と期待を膨らませる。大会期間中は予約が殺到しているといい、宿泊施設不足をラブホテルが支えているという現状だ。12月からは仁川国際空港と江陵を結ぶ高速鉄道『KTX』の新路線が開通。バスや電車を乗り継いで4時間以上かかる仁川-江陵間が、約2時間に短縮される。ソウル等都市部のホテルも商機を狙うが、9月13日、試験運転中だった電車が別の車両に追突し、7人が死傷する事故が起きた。韓国内では、「急ピッチの事業が事故の背景にある」との指摘もある。日本大学の綱島均教授(機械工学)は、「原因の究明が必要だ。オリンピックに間に合わせる為、安全確保が後回しになることがあってはならない」と話している。東京オリンピックでは、メインスタジアムになる『新国立競技場』のデザインが変更になり、着工は当初計画より1年2ヵ月遅れとなる昨年12月にずれ込んだ。現在、スタンド部分等の工事中で、2019年11月に完成予定。宿泊施設は、オリンピック特需も見込んで、東京都内を中心に建設・開業ラッシュが続く。外資系の『フォーシーズンズホテル』が大手町で新ホテルを計画している他、老舗の『ホテルオークラ東京』の本館(東京都港区)も建て替えが進む。マンション等の空き室に旅行者を有料で泊める“民泊”のルールを定めた住宅宿泊事業法(※民泊法)も、来年6月に施行される。『みずほ総合研究所』によると、それでも2020年に最大4000室が不足する見通しだという。


⦿読売新聞 2017年11月5日付掲載⦿

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下請け酷使・コストカットで事故多発…政府に取り入り東京五輪で大儲けする『大成建設』の真っ黒な実態

カネで買ったことが明らかになった2020年東京オリンピック。そのメインスタジアムとなる『新国立競技場』の建設を請け負う大手ゼネコンの『大成建設』は、現場監督に自殺者を出すブラック企業だった。批判を受けながらもオリンピックバブル狂騒曲をリードする大成建設の実態とは? (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

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やはり真っ黒――。ブラジル司法当局は、2020年の東京オリンピック招致を巡る買収疑惑を調査していたが、今年9月、「東京オリンピック招致委員会が、当時の国際オリンピック委員会(IOC)関係者に多額の金銭を流した可能性がある」と結論付けたのだ。金銭を受け取ったとされているのは、選考当時、IOC委員で『国際陸連』会長だったラミン・ディアク氏を父に持つパパマッサタ・ディアク氏。東京がオリンピック招致に成功した2ヵ月後の2013年11月、オリンピック招致委と約2億円でコンサルタント契約を結んでいたシンガポールの顧問会社が、パパマッサタ氏がパリで高額の時計や宝石を購入した店側に8万5000ユーロ(※約1100万円)を振り込んでいたことが明らかになっており、当局は口座記録も確認しているという。つまり、招致委が顧問会社を通じてショッピングの肩代わりをしていたのだ。この買収疑惑については昨年9月、『日本オリンピック委員会(JOC)』が設置した調査チームが、ディアク親子や顧問会社への聴取を一切せずに「違法性は無い」と結論付け、“決着済み”としていた問題だった。しかし、ブラジル司法当局の調査によって、JOCの調査チームの結論自体が覆された形だ。今後は、ブラジル司法当局と連携して捜査していたフランス司法当局の正式発表が待たれるが、結果如何では東京オリンピック開催の是非・返上論も再燃するだろう。しかし、当の日本は既に“買収オリンピック”の開催に向けて爆進中なのである。

「特に、大量の建設工事を受注したゼネコンは大広告スポンサーでもあり、マスコミにとっては買収疑惑を追及することも、オリンピック開催返上キャンペーンを展開することもできない」(スポーツジャーナリスト)。その代表的なゼネコンが、約1490億円でメインスタジアムとなる新国立競技場の建設を請け負う大成建設だ。大成建設といえば、売上高1兆円の日本5大スーパーゼネコンの1つ。今をときめく『君の名は。』(東宝)の新海誠監督がテレビCMを手掛けたことでも有名だ。政治との関係も深く、菅義偉官房長官の三男が大成建設に在籍していることが知られている。「安倍普三政権の日本再興戦略の中に、日本企業による海外でのインフラ受注を2020年までに3倍の30兆円(※基準とした2010年の実績は10兆円)へ引き上げる計画を盛り込み、首相自身、トップセールスを毎年10件以上行っています。その首相の外国訪問に頻繁に同行しているのが、大成建設の山内隆司会長。トルコ政府は2013年10月、イスタンブールを東(=アジア)と西(=ヨーロッパ)に分けるボスポラス海峡の海底トンネルを開通させましたが、これは大成建設が手掛けています。日本政府が同国の円借款を供与したプロジェクトの開通式典には、安倍首相と山内氏(※当時は社長)が出席したほどです」(経済紙記者)。更に大成建設は、安倍政権との蜜月関係によって、この5月に財界団体『日本経済団体連合会(経団連)』の副会長の座を手繰り寄せている。建設業界からの副会長就任は、2002年に経団連が『日本経営者団体連盟(日経連)』と統合する以前を含めて初めてのことだ。安倍政権お抱えのスーパーゼネコンである大成建設は、やはり政府とズブズブの企業だったのだ。また、大成建設は下請けに厳しいノルマを課すことでも知られている。「下請けの建設業界ではコストカットが厳しく、無理な納期を指定してくるスーパーゼネコンの仕事は引きうけたがらないのが実情です。特に、大成建設と鹿島は要注意とされていますね。鹿島は元知事の石原慎太郎氏の秘書が在籍していて、石原都政時代は鹿島の天下でしたが、石原氏が都政を引いてからは、鹿島の天下から大成建設の天下に移った形です」(下請け建設業者)。大成建設は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムである新国立競技場の建設を受注している。デザイン案の時点で計画が二転三転する新国立競技場の建設、“納期厳守”を課せられる下請け企業にとっては、厳しい案件だったに違いない。過労自殺者が出るのは、時間の問題だったのだろう。

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