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【安齋肇の「空耳だけが人生だ!」】(20) 人を結ぶ仕事…その達人との早過ぎる別れ

――1989年、小泉今日子さんのツアーパンフレットの仕事で締め切りを破り、危機的状況に陥った安齋さんと編集者の川勝正幸さん。ところが、キョンキョン本人が許してくれたことで事態は丸く収まった、というのが先週までのお話です。
「締め切り破りどころじゃないからね。ツアー初日にパンフレットが間に合わなかったんだから。それを許してくれるんだから、格好いいなぁ、小泉さん! 人が集まるのがわかるよね。時代を象徴するアイドルってだけじゃないのよ。優しくて自由なんだ。キョンキョン大好き! しかもだよ、続けて仕事をさせてくれたのよ。〈学園天国〉(※1989年)のシングルや、ベストアルバムのジャケットのデザイン。これはマジで嬉しかったなぁ。張り切ったねぇ。そして、また遅れたさ。でも、ツアーパンフレットの時と違って、発売予定日には間に合ったからね」
――威張ることじゃないっすよ!(笑)
「確かに(笑)。で、遂にはシングル〈LOVE SHELTER〉(※1993年)のMVのディレクションもやらせてもらえたんだ」
――それも川勝さんが持ってきた仕事で?
「そう。実は、キョンキョンのお仕事は川勝君が全部持ってきてくれてたの。川勝君とはスチャダラパーをやって、それから細川ふみえさんのシングル〈スキスキスー〉(※1992年)のMVも共同監督的な立場で関わらせてもらった」
――“巨乳グラビアアイドルの元祖”とされる女性タレントですね。
「細川さんは“フーミン”って愛称のセクシーアイドルでしたからね。でも正直、困ったの。僕も川勝君も“セクシー”とは何か理解していなかったから(笑)。色々勉強したけど、結局はおちゃらけた、おしゃれなMVになっちゃった。で、後日、川勝君にMVの評判を聞いたら、『フーミン始まって以来のヌケないビデオだ』って。自分でプロデュースしておきながら、こんなことを言うんだよ(笑)」
――ハハハ。
「でも、改めて思うと、川勝君のおかげで、本当に色々面白いことに関わらせてもらったと思うよ」
――2012年1月、川勝さんは不慮の事故でこの世を去りました。
「うん。パニックだった。NHKのニュースで流れたんですね。燃えたマンションと、ニコニコとテレビで喋っている川勝君の映像がね。何だろうなぁ、あの感覚。理解できない感じ? 暫く妻と何も言わず突っ立っていた。キョンキョンのツアーパンフレットの頃にね。川勝君が『安齋さんは稼いでいるから、ノーギャラの仕事しませんか?』って、スチャダラパーのプレデビューの仕事を持ってきたんですよ。スチャ達は、僕の桑沢デザイン研究所の後輩だったんだ。川勝君の仕事は、人間関係なんですよね。僕も川勝君も裏方。表に出ることはあっても、裏の仕事ですから。その中で、川勝君は最高の裏方だった。今でも惜しい人を亡くしたと思っているよ」 (聞き手・構成/フリーライター 尾谷幸憲)


安齋肇(あんざい・はじめ) イラストレーター、アートディレクター。1953年、東京都生まれ。『タモリ俱楽部』(※テレビ朝日系)の空耳アワーにて“ソラミミスト”として出演。これまで『日本航空(JAL)』のリゾッチャのキャラクターデザインや、『ジャストポップアップ』(※NHK総合テレビ)のタイトルアニメーション、『ユニコーン』や奥田民生のツアーパンフレットのアートディレクション、宮藤官九郎原作の絵本『WASIMO』の原画等を担当。


キャプチャ  2024年4月8日号掲載

テーマ : 女性タレント
ジャンル : アイドル・芸能

【石井聡の「政界ナナメ読み」】(32) 新紙幣に思う福沢と渋沢の教え

新年おめでとうございます。昨年は岸田文雄首相に対し、僭越ながら“終活”の薦めを小欄で申し上げたが、政権は低空飛行を続けながら3回目の正月を迎えた。十五夜に満月を迎える月は、翌日の十六夜から欠け始める。「あと少し」「もっと」という欲を捨てて「既に事足れり」と達観できるかという意味合いが、十六夜の語にはこもっている。首相がどんな心境で舵取りを続けるのか、引き続き眺めていくことになりそうだ。今年も宜しくお付き合い下さい。世界は終わりなき戦争、紛争の拡大等で情勢の不穏さは増す一方という印象があり、日本を取り巻く内外の情勢も楽観を許さない。その中でも、少し明るい話題となりそうなのは、夏にも予定される新紙幣の発行である。一万円札の肖像が渋沢栄一、五千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎に其々切り替わる。何と言っても注目点は、昭和59年から40年近くも“高額紙幣の顔”を務めてきた福沢諭吉が大役を降りることだ。福沢は幕末から明治期の啓蒙思想家で、慶應義塾大学の創設者。紙幣の肖像は大体20年毎に変わるといわれるが、平成16年の紙幣切り替えの際には、一万円札の福沢の肖像だけが続投となり、当時の小泉純一郎首相や塩川正十郎財務大臣ら慶大OBの影響か、といった臆測が流れたこともあった。翻訳の天才とも呼ばれた福沢は、諸説あるものの、英語の“economy”を“経世済民=経済”と訳したとされる。元々、“経”には治める、“済”は助ける・救うの意味がある。

振り返れば、昨年の岸田政権は“減税”政策を掲げたのに、世論の評判は悪かった。「遅くてショボい」といった不満の声も多く聞かれたが、底流には「この政権は本気で困った国民を救い、その生活を助けようとしているのか」という疑問が広がっていたことが考えられる。渋沢の一万円札は、既に昨年から印刷が始まっている。福沢ほどではないものの、大河ドラマ『青天を衝け』(※NHK総合テレビ)の主人公になり、知名度も少しは上がっただろう。因みに、渋沢は日韓併合前の大韓帝国に進出した『第一国立銀行』の頭取を務めていたこと等から、現地で使える紙幣の肖像になったことがある。お札の顔としては先輩だった。渋沢は農家から幕臣に取り立てられ、明治政府の官僚を経て実業界に転じると、銀行の他、『東京証券取引所』といった多様な会社、経済団体等を設立した。企業に限っても、その設立や経営に関わったものが500に上ることから、“日本資本主義の父”とも呼ばれてきた。同時に、渋沢は実業界引退後に『論語と算盤』という著書で、“道徳経済合一説”という考え方を打ち出したことでも知られる。謂わば道徳とビジネスの両立である。利益の追求だけではなく、事業活動は社会貢献や公益性を伴うものでなければならないという理念だ。昨年も驚くような企業の不祥事が世間の耳目を集めた。『ビッグモーター』の保険金不正請求、『近畿日本ツーリスト』による新型コロナウイルス委託事業の過大請求等に代表される事件は、道徳の欠如した企業姿勢が如実に示されたものだったのではないか。福沢の訳語と渋沢の教えは、今日においても政治や経済がとるべき姿勢を再認識させる。紙幣切り替えの年にそう思った。 (本紙特別記者 石井聡)


キャプチャ  2024年1月5日付掲載

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

【佐藤祥子の「力士、燃ゆ」】(11) 阿炎(錣山部屋)――謹慎生活で心が成長、あわや優勝の復活劇

のびのびと長い手脚で土俵狭しと飛び回る“やんちゃ関取”が、一年納めの九州場所で幕内に復活した。元関脇・寺尾の錣山親方が育てた愛弟子の阿炎だ。阿炎は『日本相撲協会』のガイドライン違反により、昨年9月の秋場所から3場所の出場停止処分を受け、処分明けの今年3月の春場所では西幕下五十六枚目まで番付を落としていた。しかし、怪我や病気での休場ではなく、身体は至って健康故に、復帰場所では何なく優勝し、翌5月の夏場所も幕下連続優勝を果たす。7月の名古屋場所で十両に復活すると、翌9月の秋場所でも十両優勝。各土俵で実力差を見せつけて、番付を一気に戻してゆく。幕内の土俵に戻った先場所は、西前頭十五枚目の地位で横綱・照ノ富士と対戦を組まれるほどの快進撃。優勝争いを盛り上げ、12勝の成績で敢闘賞を受賞した。謹慎処分を受けた当時、新婚ホヤホヤで長女が誕生したばかりの阿炎だったが、奔放だった行動を諫められ、妻子と別居しての“錣山部屋での単身生活”もその処分内容に含まれていた。後に処分が解除されるも、阿炎は「幕内の土俵で勝ち越すまでは家族と一緒には住みません」と、妻子との同居は自ら“お預け”にしていたという。ガイドライン違反処分前にも、SNSで問題動画を上げたり、その為のSNS講習会では、反省どころか「講習内容は寝ていて聞いていない」と発言し、そのやんちゃな言動や“ビッグマウス”ぶりで、師匠の頭を度々悩ませていたものだった。師匠曰く「まだまだ大人になりきれていない子供です」との阿炎だったのだが、この度の厳しい処分――。お灸が些か効き過ぎたのか、その手脚のようにのびのびした性格も言動もなりを潜めて、すっかり大人になった模様。「師匠からは『感謝の気持ちを忘れないように』と言われ、肝に銘じている」と口元を引き締め、謙虚で殊勝だ。未だ27歳の若さでもある。最高位は小結だった阿炎だが、今後は心身共に充実し、それ以上の番付を狙えるだろうか。精神的に一回り成長して、再び臨んだ幕内の土俵。目標だった“幕内での勝ち越し”以上の活躍で、晴れて妻子と共に年越しできそうだ。


佐藤祥子(さとう・しょうこ) 相撲ライター。日本相撲協会認定・相撲健康体操指導員。1967年生まれ。週刊誌記者を経て、1993年からフリーに。著書に『相撲部屋ちゃんこ百景』(河出書房新社)・『知られざる大鵬』(集英社)等。


キャプチャ  2022年1月号掲載

テーマ : 大相撲
ジャンル : スポーツ

【宇宙開発サバイバル】(04) 「本物だけが生き残る」

20200806 03
「素早く原因究明し、次の打ち上げに向かう」――。実業家の堀江貴文らが出資するロケット開発ベンチャー『インターステラテクノロジズ』(北海道大樹町)。社長の稲川貴大は今月14日、この日の失敗をこう振り返った。小型ロケット『MOMO』の5号機を打ち上げたが、部品の故障で機体が制御できなくなり、緊急停止した。昨年5月に打ち上げたMOMO3号機は、国内企業が単独開発したロケットとして初めて高度100㎞の宇宙空間に到達した。だが、過去5回の打ち上げで成功したのは、この1回のみ。安価な部品でロケットを製造し、“価格破壊を起こす”とブチ上げて脚光を浴びた稲川だが、技術の確立は道半ばだ。日本の宇宙関連ベンチャーはざっと30社。イーロン・マスク率いる『スペースX』等に刺激を受け、未開拓市場を狙う起業家がじわりと増えつつある。

衛星の破片等“宇宙ごみ”除去の技術開発を目指す『アストロスケールホールディングス』(東京都墨田区)。創業から4年後の2017年11月、宇宙ごみ観測衛星をロシアで打ち上げるまでにこぎ着けた。だが、衛星を積んだロケットに不具合が発生。衛星もろとも海に消えた。失意から3年。現在、最終調整を進めるのが、今年打ち上げる宇宙ごみ除去の実験衛星だ。衛星に付いた磁石でごみを回収する技術を試す。CEOの岡田光信は、「世界で誰もやったことがない革新的な実験だ」とリベンジを誓う。ただ、華々しさとは裏腹に、厳しい現実も存在する。「宇宙は投資判断が難し過ぎる」。宇宙飛行機開発の『スペースウォーカー』(東京都港区)CEOの真鍋顕秀は、ある投資家からこう告げられた。同社が目指すのは2027年の有人宇宙飛行。時間がかかる宇宙ビジネスに、資金は簡単に集まらない。新興企業は補助金やクラウドファンディング等も活用しているが、資金調達は綱渡りだ。そこに新型コロナウイルスが襲った。ベンチャーキャピタル『グローバルブレイン』(東京都渋谷区)の青木英剛は、「宇宙産業は淘汰が加速し、本物だけが生き残る」と喝破する。ブームに乗っただけの企業は消える。危機を乗り越えた企業だけに、新時代の宇宙開発への挑戦権が与えられる。 《敬称略》 =おわり

                    ◇

白石武志・鳳山太成・多部田俊輔・西岡杏・越川智瑛・藤田祐樹・五十嵐沙織が担当しました。


キャプチャ  2020年6月25日付掲載

テーマ : 宇宙
ジャンル : ニュース

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因为我感冒了,直到明天晚上才会更新我的博客。 对不起。。。

【Test drive impression】(114) 令和元年最強の“ごつ顔”びんびん軽自動車はコイツらだ!

オラオラ系の顔面を持つ軽自動車が超激アツだ。ということで、自動車ジャーナリストの塩見智が独断と偏見で最強カーを勝手に選んだ!

20190527 14
編集部に「ごつ顔ランキングなので、便宜上、順位をつけて下さい」と言われたから順位をつけたが、『日産自動車』の『デイズハイウェイスター』(※左画像)と『三菱自動車』の『eKクロス』は、同じ工場の同じラインで生産される双子車。実質は両車びんびんの1位タイだ! 軽自動車のごつ顔は、2013年に登場した『ダイハツ』の『タントカスタム』、2017年に登場した『スズキ』の『ワゴンRスティングレー』と『スペーシアカスタム』あたりで、行き着くところまで行き着いた。タントカスタムはテトリスみたいな巨大凸形デザインを取り入れ、スペーシアカスタムは顔の殆どがグリルで、まるで魚眼レンズで写したようなデザインに。今回、久々にブランニューモデル投入となった日産三菱連合は、「スズキやダイハツに負けてなるものか!」と、デイズとeKワゴンに所謂カスタムを設定。其々、中々えぐいごつ顔だ。けれど、「態々ごつ顔にしてやろうという意図はない」というのがデザイナーの主張。「広さを確保する為、規格いっぱいの寸法で揃っている軽自動車で差別化を図るには、顔で存在感を示すしかありません。限られた前面投影面積で存在感を出す為に、中央から四方に伸びるラインをデザインの基本とし、その上でディテールを描いたのがeKクロスのデザインです」とは、三菱自動車デザインプログラムマネージャー・大石聖二氏の弁。

中央部を起点に伸びやかなデザインとする為、軽自動車としては珍しくナンバープレートを中央に配置しているのだそう。我々は面白がって“ごつ顔”と囃し立てるが、要するに顔しかデザインできる余地がないのだ。扨て、其々の先代がそうであったように、デイズ及びeKシリーズは、日産と三菱が出資し合った合弁企業『NMKV』による開発だ。其々個性的な顔つきをしているが、物理的には互いの顔を取り替えることができるという。それ以外の部分、例えば動力性能、装備、快適性等は同じと考えて問題ない。ここでは代表して、ターボエンジンを搭載するeKクロスTの印象を報告する。現在、スズキ、ダイハツ、ホンダ、そして日産三菱連合の4勢力が軽自動車を生産しているが、転機は『ホンダ』が2011年に発売した『N-BOX』だった。軽自動車の品質、具体的にはボディー剛性、居住性、内外装の質感、各種安全装備等のレベルを一気に引き上げたのだ。その分、価格も上がり、今では軽自動車はリッターカーよりも高価な贅沢コンパクトカーとなったが。そして、残る3勢力も順次、N-BOXレベルに達するが、2017年にモデルチェンジした現行のN-BOXが更に高品質に…というのが最新の軽自動車のレベルで、今回、高速道路と一般道でeKクロスに試乗し、動力性能、乗り心地、室内の広さ、使い勝手等を総合すると、現行のN-BOXと同等レベルだ。更に、全車速ACCと車線中央維持装置を組み合わせたマイパイロット(※デイズにはプロパイロットが備わる)を装備することで、渋滞を含む高速道路での快適性において、他社を明確に一歩リード。軽自動車の戦いは新章に突入した!


キャプチャ  2019年6月3日号掲載

テーマ : 新車・ニューモデル
ジャンル : 車・バイク

【日本の聖域】(49) まとめサイト――DeNAのパクリサイト大炎上のその後、大手IT企業が撤退も“問題サイト”が続出

20181212 07
2016年、『DeNA』が運営する医療系キュレーションサイト(※まとめサイト)の『WELQ』が、著作権法に違反する可能性がある“パクリ記事”や、「肩こりは霊的トラブルが原因」等のトンデモ情報を大量に掲載していたことで大騒動となった。『ヤフー』・『サイバーエージェント』・『リクルート』等の大手IT企業が運営するまとめサイトでも同様の問題が指摘され、公開停止や記事の大量削除が相次いだ。まとめサイトとは、インターネット上に散らばる情報を集め、それを纏めて新しい記事を作成するサイトのことだ。引用がメインの為、手間がかからず低コスト、その上、閲覧数に応じて多額の広告収入が見込める為、大手企業が「将来の収益の柱になる」とこぞって参入した。だが、ほぼ引用だけで構成された記事は“パクリ”と変わらない。WELQではオリジナル記事も配信されたが、それも無断引用・画像盗用・誤情報が散見された。

これらのサイトは、検索上位に表示される為に特定のキーワードを記事中に盛り込む等、SEO対策をし、大量のユーザーを呼び込んでいた。2017年2月、検索最大手の『グーグル』が「低品質なサイトの検索順位を下げる」として、まとめサイトを狙い撃ちした検索アルゴリズムの変更を発表。これで問題のあるまとめサイトは駆逐されたかと思われたが、実は問題は全く解決していない。WELQに代わって検索上位に台頭したのが、サイバーエージェント出身の坂本幸蔵氏が創業したベンチャー企業『リッチメディア』が運営する健康情報サイト『ヘルスケア大学』だ。同サイトは“5000人以上の医師が参画”と謳い、医師監修の独自記事等を配信。医学的な裏付けのない記事が量産されていたWELQと違い、信頼性が高いと見られていた。だが、2017年4月末頃から、複数の医師が「記事で正しいのは最初の1行だけ」等と指摘。“医師監修”と表記された記事でも、頻尿の検査や薬に関しての不適切な内容が見つかり、植物性栄養成分を含む食べ物として“イカ、サケ、タイの皮”と記述されるお粗末な記事まであったのだ。同サイトは指摘があった記事を削除・訂正したが、問題はそれだけではない。サイトに登録されている医師から、「勝手に名前を使われている」との苦情が噴出したのである。また、大手まとめサイト消滅後に、今がチャンスとばかりに中小のコピペサイトも乱立。新たなSEO対策で検索上位に現れ、問題が発生すればサイトを消して逃げるという悪質さを露呈した。世間的には、WELQの消滅でまとめサイトの問題は一件落着ムードとなっているが、根本的な解決からは程遠い状況と言える。 (フリーライター 佐藤勇馬)


キャプチャ  キャプチャ

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも
ジャンル : 政治・経済

【君たちはどう生きるか@money】(02) 自分磨き、借金厭わず

20181019 02
「もっと専門的な英語を勉強しないと、とても仕事に生かせない」――。東京都内のIT企業に勤める白井秀和さん(※仮名・29)は、英会話学校に通うことを決めた。今の職場は法務部門。外資系企業との取引に絡んで、英文契約書の点検や外国法を参照することも多い。英会話はマンツーマンで50万円程度。安い額ではない。独身の白井さんは、毎月10万円超の貯金をしている。1冊で数万円する専門書も躊躇わずに買う。お金には困らないが、英語の通学費は敢えて借りたい。きっかけは、『みずほ銀行』と『ソフトバンク』が共同出資した『Jスコア』。個人の信用情報をAIで点数化し、融資するサービスだ。白井さんは試しに、職歴・年収・金融資産等をスマートフォンで入力してみた。結果は、5.4%の利息で200万円を借りられると出た。上限利息が14%程の銀行カードローンと比べると、条件は良さそうだ。「貯金を取り崩さずに無理なく返済できる」。白井さんは人生初となる借り入れへ気持ちを固めつつある。

昨年9月にサービスを始めたJスコアの利用者は、半分が20~30代で、年収(※中央値)は500万~600万円。使い道は自己啓発資金と教育費用が上位だ。大森隆一郎社長は「最新技術に敏感な若者は自己実現を求めている」といい、累計の利用件数は足元で3月末の2倍を超えた。働く力を高める借金は悪ではない。そんな若者をデジタル金融が支えている。『新生銀行』は今夏、グループの顧客1000万人のデータを分析し、個人の信用スコアを弾けるAI基盤を作った。消費者ローンは20~30代を照準に、其々に合った条件を示すことで融資を増やす狙い。「お金がかかっても、健康にも見た目にも良いならやります」。東京都渋谷区の歯科クリニック。50万円近い治療費のインプラント等の歯科治療費を借りるデンタルローンを使う患者が多い。20~30代が積極的だ。「安い治療法で他の歯に悪い影響を与えるより、将来を見据えて借り入れを選ぶ傾向が強い」と歯科医師。見た目に直結する歯の健康は、投資にる“資産”というわけだ。デンタルローンは、高額の保険外診療を銀行や信販会社が立て替え、患者が分割で返す仕組み。『イオン銀行』では年利3.8~8.8%で、期間は最長8年。『オリエントコーポレーション』は、全国で約6万9000ある歯科医院の内、ローンの対象となる保険外診療を手がけるのは1割程とみる。インターネットやスマホで手続きが完結し、審査は最短5分。昨年度下半期の貸付残高は前年同期比で25%増え、貸付先は20代が最も多い4割を占める。『全国銀行協会』による銀行カードローンの意識調査をみると、借金の理由(※複数回答)で「日常の生活費補填」は年代を問わず、なお多い。だが、「自己啓発や自身のステップアップの為」との回答では、40~60代が2.8~3.6%なのに対し、30代は6.8%、20代は15.8%と高い。自分を磨く為に積極的に借金をする――。そんな若者のスマートな借金像が浮かんでくるようだ。


キャプチャ  2018年8月22日付掲載

テーマ : 経済ニュース
ジャンル : ニュース

对不起....

由于24号台风,我受伤了,星期一我无法更新我的博客。我会在医院治疗你的。

【薬のホント・健康食品のウソ】(11) 規制緩和で機能性表示食品が登場…トクホは2度死ぬのか?

昨今のトクホは、お馴染みの成分ばかりで新規性に乏しい。新たに登場した機能性表示食品とは何なのか? 健康食品業界と食品制度の裏側を覗いた。

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何故、食品メーカーは特定保健用食品(トクホ)で、新規でより優れた効果を追求しないのか? そこには業界事情がある。特定保健用食品制度は1991年に導入され、国の審査に合格した商品は、許可された範囲内で機能性を表示できるようになった。お腹の調子を整えるヨーグルト等が中心だった当初のトクホビジネスは大人しかった。そこに、効果も追求しながら大々的にトクホビジネスへ乗り出す会社が現れた。化学品メーカーの『花王』である。同社のトクホ食用油『エコナ』やその関連商品は、一世を風靡した。ところが、エコナには発癌性リスクのあるグリシドールに変換する可能性があるグリシドール脂肪酸エステルが、他の食用油よりも多く含まれていることが判明。花王は2009年に製造・販売の自粛に追い込まれた。その後、何年もかけてエコナの安全性が検証され、2015年に出された最終的な判断は「直ちに重大な健康影響があるとは考えない」というものに落ち着いたが、その間にビジネスを失った。エコナ全盛当時、食品メーカーでもない花王が様々な食品をトクホで展開していく姿が面白くない食品メーカーや関係者は少なくなかった。エコナに不利な情報収集に腕まくりして励み、事実、前述のような結果になった。と同時に、効果を追求した新規性の高いトクホ製品は足を掬われ易いという教訓が生まれた。「この時、トクホは1度死んだ」と業界関係者は振り返る。食物繊維である難消化性デキストリンのように、安全性の問題が起き難く、使い慣れたお手軽な成分で製品化しようという流れがより強まった。トクホ製品の顔触れに新鮮さは無く、難デキを筆頭に見慣れた成分ばかりだ。そんな市場に異変が起きたのは2013年。内閣府の規制改革会議で、健康食品の規制緩和が焦点となったのである。

トクホの審査に通る為には億単位の費用が掛かる為、所詮、大手のビジネス。中小企業やサプリメントメーカー等は、規制緩和による新たな制度を求めた。推進派のリーダー格は、サプリ大手の『ファンケル』や『森下仁丹』の首脳ら。サプリ大国であるアメリカもロビー活動を後押しした。アベノミクスの名の下で経済効果を出したい安倍普三首相や菅義偉官房長官らは、経済を活性化させる分野の1つにしようと推進派に呼応した。官邸が支持したことで霞が関では忖度が始まり、あっという間に健康食品の機能性表示の解禁が決まった。2015年、機能性表示食品制度がスタートした。消費者庁に所定の書類を提出すれば、企業等の責任において科学的根拠の下に機能性を表示できるというものだ。トクホよりも低いコストと少ない手間で機能性を謳えるのだから、「トクホ組も機能性表示へ乗り換え、トクホは死に体になる」と見立てる業界関係者は少なくない。トクホが消えようが、機能性表示食品が増えようが、消費者にすればどうでもいい話だ。肝心なのは、「健康への効果がどれだけあるのか?」である。効果の科学的根拠について、きちんとした審査が無い機能性表示食品市場に、トクホより効果面で信頼度が高く、優れたものが集まるとは考え難い。群馬大学の高橋久仁子名誉教授は、「食品成分に殊更大きな機能性幻想は抱かないほうがいい」と冷ややかだ。それなら、消費者はどう付き合えばいいのか? 『国立健康・栄養研究所』食品保健機能研究部の梅垣敬三部長は、トクホについて「“体脂肪が気になる方へ”とあれば、肥満気味でもない若い人だって気になるかもしれないが、彼らが利用しても効果は期待できない。大体は肥満気味の中年層に対する効果を狙ったものだ。誰がどんな目的で利用するものなのかを、正確に理解する必要がある」と言う。また、「乱れた食生活や運動不足を帳消しする免罪符としてではなく、今の生活習慣を改善するきっかけとして利用することに存在意義がある」(梅垣部長)という。トクホ・機能性表示食品共に、その点は共通している。梅垣部長は、「氾濫している眉唾の健康食品に比べたら、トクホはマシ」とも言う。例えば健康食品業界では、法の網をかいくぐるような“3点セット”の商法が長らく罷り通っている。3点セットの1点目は“キーワード外し”。トクホや機能性表示長品でないにも拘わらず、メーカーが直接的に“膝痛解消”と謳えば、医薬品医療機器等法に抵触する。そこで、「快適な歩きをサポートします」等というフレーズで機能を想起させるのだ。2点目は架空の“研究会”が情報発信するというもの。Aという健康食品を売りたい事業者が、“A療法研究会”等と名乗り、商品広告ではない形で「Aには大きな効果がある」といった情報を発信するのだ。3点目は利用者による体験談。商品を利用した人が「辛くなくなった!」等とコメントする。そこに嘘が交じっていることもある。トクホは審査を受ける許可制であり、機能性表示食品は届け出制。野放しにされた業者や商品に比べれば、多少は国の監視の目が光り易い。それによって信頼が担保されるのであれば、消費者にとっても購入時に選択の目安となろう。顧客離れで悪徳業者や悪質な商品が干上がれば、両制度に一定の存在価値は出てこよう。約2兆円とも言われる健康食品市場は現状、消費者にはあまり優しくない世界である。


キャプチャ  2017年6月17日号掲載

テーマ : 食に関するニュース
ジャンル : ニュース

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George Clooney

Author:George Clooney

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