■ 外国人キーパーの活躍が目立つ。今シーズンのJリーグは外国人キーパーの活躍が目立っている。J1ではGKク・ソンユン(札幌)、GKクォン・スンテ(鹿島)、GKチョン・ソンリョン(川崎F)、GKカミンスキー(磐田)、GKキム・ジンヒョン(C大阪)、GKキム・スンギュ(神戸)がいるが、J2にもGKパク・ソンス(愛媛FC)、GKビクトル(FC岐阜)がいて、J3にもGKジョニー・レオーニ(栃木SC)とGKウィフマン(Y.S.C.C.横浜)がいる。外国人キーパーは多い。
韓国代表クラスのキーパーがたくさんJリーグでプレーしているのでキーパーのレベルは一気に上がった。「これだけ外国人キーパーが増えると日本人キーパーの出場機会が減ってしまうので良くない。」と意見する人もいるがJリーグのクラブ数はかなり多いので、当然のことながら所属クラブでレギュラーを張っている日本人キーパーはたくさんいる。「現時点ではそこまで問題視されるレベルではない。」と言える。
質の高いキーパーがたくさんいるので「今シーズンのアウォーズで誰が優秀選手ならびにベストイレブンに選出されるのか?」は興味深い。近年の「Jリーグの優秀選手に選出された合計の人数」を調べてみると2010年と2011年は29名、2012年~2015年までは32名、2016年は33名だった。人数に関する明確な規定はなさそう。意外とマチマチであるが今年も32名前後が優秀選手に選出されると推測できる。
■ 優秀選手の有資格者は19名か?キーパーに関しては合計の人数が29名だった2010年は2名のみだったが2011年以降は必ず3名が選出されている。「キーパーの枠は3枠」と考えることができるが今シーズンは「優秀選手に選出されても不思議はない。」というキーパーがたくさんいるので僅差の勝負になる可能性が高い。その候補に挙がるためには「J1のリーグ戦で17試合に出場していること」という条件を少なくともクリアしておく必要がある。
残り3節なので現時点で出場試合数が13試合未満の選手はこの時点で資格を失っている。結局、現時点で14試合に出場していることが今の時点では必要になってくるがこの条件をクリアしているのは下の表1の中ではGK中林(広島)までの19名になる。(※ ただし、投票が行われるのは33節が終了した時点なので今の時点で14試合のGK中林が32節と33節に出場したとしても有資格者にならない可能性もある。)
表1. キーパー陣の成績 (31節終了時点)
名前 | 所属 | 出場試合数 | 出場時間(分) | パスCBP | 守備CBP | セーブCBP |
90分換算 | 順位 | 90分換算 | 順位 | 90分換算 | 順位 |
中村 航輔 | 柏レイソル | 31 | 2,986 | 0.228 | 20 | 4.098 | 4 | 0.428 | 8 |
キム スンギュ | ヴィッセル神戸 | 31 | 2,976 | 0.300 | 13 | 3.372 | 8 | 0.367 | 12 |
六反 勇治 | 清水エスパルス | 31 | 2,981 | 0.262 | 17 | 3.602 | 6 | 0.338 | 15 |
飯倉 大樹 | 横浜Fマリノス | 31 | 2,999 | 0.373 | 6 | 2.680 | 19 | 0.330 | 18 |
西川 周作 | 浦和レッズ | 31 | 2,994 | 0.569 | 1 | 2.805 | 16 | 0.309 | 20 |
東口 順昭 | ガンバ大阪 | 30 | 2,886 | 0.319 | 11 | 2.598 | 20 | 0.482 | 5 |
権田 修一 | サガン鳥栖 | 30 | 2,806 | 0.398 | 5 | 2.974 | 12 | 0.435 | 6 |
チョン ソンリョン | 川崎フロンターレ | 30 | 2,795 | 0.226 | 21 | 2.812 | 14 | 0.430 | 7 |
ク ソンユン | コンサドーレ札幌 | 30 | 2,825 | 0.271 | 16 | 2.807 | 15 | 0.400 | 9 |
カミンスキー | ジュビロ磐田 | 30 | 2,813 | 0.329 | 9 | 2.964 | 13 | 0.289 | 21 |
キム ジンヒョン | セレッソ大阪 | 28 | 2,705 | 0.406 | 4 | 3.319 | 9 | 0.258 | 22 |
林 彰洋 | FC東京 | 26 | 2,510 | 0.321 | 10 | 2.263 | 22 | 0.507 | 2 |
岡 大生 | ヴァンフォーレ甲府 | 23 | 2,220 | 0.288 | 14 | 4.336 | 2 | 0.486 | 4 |
シュミット ダニエル | ベガルタ仙台 | 20 | 1,932 | 0.411 | 3 | 2.779 | 17 | 0.358 | 13 |
大谷 幸輝 | アルビレックス新潟 | 20 | 1,932 | 0.261 | 18 | 4.118 | 3 | 0.337 | 16 |
曽ヶ端 準 | 鹿島アントラーズ | 20 | 1,887 | 0.256 | 19 | 3.522 | 7 | 0.321 | 19 |
加藤 順大 | 大宮アルディージャ | 18 | 1,708 | 0.273 | 15 | 3.120 | 10 | 0.522 | 1 |
林 卓人 | サンフレッチェ広島 | 16 | 1,543 | 0.470 | 2 | 1.995 | 23 | 0.337 | 17 |
中林 洋次 | サンフレッチェ広島 | 14 | 1,350 | 0.364 | 7 | 3.029 | 11 | 0.493 | 3 |
クォン スンテ | 鹿島アントラーズ | 12 | 1,114 | 0.338 | 8 | 2.444 | 21 | 0.251 | 23 |
関 憲太郎 | ベガルタ仙台 | 11 | 1,062 | 0.305 | 12 | 3.792 | 5 | 0.377 | 10 |
守田 達弥 | アルビレックス新潟 | 10 | 965 | 0.213 | 23 | 2.734 | 18 | 0.372 | 11 |
塩田 仁史 | 大宮アルディージャ | 9 | 796 | 0.198 | 24 | 1.528 | 24 | 0.347 | 14 |
河田 晃兵 | ヴァンフォーレ甲府 | 8 | 776 | 0.222 | 22 | 4.477 | 1 | 0.230 | 24 |
■ 隠れたベストイレブン候補はGK飯倉(横浜FM)今さら言うまでもないが、Jリーグアウォーズのベストイレブンは多くの人の印象に残りやすい「日本代表プレーヤー」や「知名度の高い選手」や「メディアで取り上げられやすいスター選手」が有利に働く。その点を踏まえると今年のベストイレブンはGK中村航(柏)で決まりだと思うが彼に匹敵する活躍を見せている選手は何人かいるのでフラットな視点からベストイレブンを考えようとするとハイレベルな激戦になる。
チームの失点数に着目するとGKカミンスキー(磐田)とGK飯倉(横浜FM)も優秀選手あるいはベストイレブンの候補になる。リーグ最少失点の磐田は31試合で29失点のみ。ポーランド出身の守護神に助けられるケースは多い。横浜FMも31試合で30失点のみ。優れた数字を残している。ベストイレブンの最有力候補のGK中村航がいる柏も31試合で33失点のみ。失点数はリーグ5位なのでかなり優秀な数字である。
他にはGKチョン・ソンリョン(川崎F)も候補の1人に挙げられる。ビッグセーブが多くて攻撃型のチームを最後尾から支えている。一方、首位を走る鹿島も31試合で31失点なので素晴らしい数字を記録しているが出場試合数はGK曽ヶ端(鹿島)が20試合、GKクォン・スンテ(鹿島)が12試合となる。チーム内でレベルの高い競争が繰り広げられているが出場試合数のことを考えるとGK曽ヶ端はかなり不利である。
表2は守備に関するチーム別の数字を示している。「1失点あたりの被シュート数」に着目すると横浜FMが11.23本でリーグ最高の数字になる。1試合平均の被シュート数は10.87本で多い方から数えて7番目。シュートを打たれる機会は多いが守護神のGK飯倉の活躍もあって失点数はリーグ2位の少なさとなる。この分野で突出した数字を残るGK飯倉がベストイレブンや優秀選手に選出されても何ら不思議はない。
優秀選手(3名)を予想してみるとGK中村航(柏)は確実。このまま磐田が最少失点を維持できるとGKカミンスキー(磐田)も優秀選手に選出されるだろう。難しいのは3人目である。GK飯倉(横浜FM)、GKチョン・ソンリョン(川崎F)、GKキム・スンギュ(神戸)も候補に挙げられる。当然、GKク・ソンユン(札幌)、GK権田(鳥栖)、GKキム・ジンヒョン(C大阪)もいるので、どういう結果になろうとも異論は噴出するだろう。
優秀選手(3枠)に選出されるキーパーは誰になるのか? ・GK 中村航輔 (柏レイソル) → 確実
・GK カミンスキー (ジュビロ磐田) → 有力候補
・GK 飯倉大樹 (横浜Fマリノス) → 候補
・GK チョン・ソンリョン (川崎フロンターレ) → 候補
・GK キム・スンギュ (ヴィッセル神戸) → 候補
・GK ク・ソンユン (コンサドーレ札幌) → あり得る
・GK 権田修一 (サガン鳥栖) → あり得る
・GK キム・ジンヒョン (セレッソ大阪) → あり得る
・GK 東口順昭 (ガンバ大阪) → あり得る
・GK 曽ヶ端準 (鹿島アントラーズ) → 難しい
・GK 西川周作 (浦和レッズ) → 難しい
・GK 林彰洋 (FC東京) → 難しい
表2. 守備に関するチーム別の数字 (31節終了時点)
チーム名 | 試合 | 失点数 | 被シュート数 | 1失点あたりの被シュート数 |
(失点) | 1試合平均 | (本) | 順位 | (本) | 順位 |
横浜F・マリノス | 31 | 30 | 0.97 | 10.87 | 7 | 11.23 | 1 |
ジュビロ磐田 | 31 | 29 | 0.94 | 9.19 | 15 | 9.83 | 2 |
ガンバ大阪 | 31 | 39 | 1.26 | 11.97 | 1 | 9.51 | 3 |
川崎フロンターレ | 31 | 32 | 1.03 | 9.58 | 13 | 9.28 | 4 |
サガン鳥栖 | 31 | 38 | 1.23 | 11.10 | 4 | 9.05 | 5 |
FC東京 | 31 | 38 | 1.23 | 11.00 | 5 | 8.97 | 6 |
柏レイソル | 31 | 33 | 1.06 | 9.42 | 14 | 8.85 | 7 |
ヴィッセル神戸 | 31 | 37 | 1.19 | 10.55 | 9 | 8.84 | 8 |
鹿島アントラーズ | 31 | 31 | 1.00 | 8.58 | 18 | 8.58 | 9 |
ヴァンフォーレ甲府 | 31 | 38 | 1.23 | 10.06 | 11 | 8.21 | 10 |
サンフレッチェ広島 | 31 | 46 | 1.48 | 11.16 | 3 | 7.52 | 11 |
コンサドーレ札幌 | 31 | 45 | 1.45 | 10.77 | 8 | 7.42 | 12 |
セレッソ大阪 | 31 | 40 | 1.29 | 9.03 | 16 | 7.00 | 13 |
ベガルタ仙台 | 31 | 50 | 1.61 | 10.94 | 6 | 6.78 | 14 |
大宮アルディージャ | 31 | 52 | 1.68 | 11.26 | 2 | 6.71 | 15 |
清水エスパルス | 31 | 48 | 1.55 | 10.16 | 10 | 6.56 | 16 |
浦和レッズ | 31 | 51 | 1.65 | 8.71 | 17 | 5.29 | 17 |
アルビレックス新潟 | 31 | 58 | 1.87 | 9.71 | 12 | 5.19 | 18 |
【J1】 2017年の優秀選手に選出されるのは誰だと思いますか? (GK編) → 105票
【J1】 2017年の優秀選手に選出されるのは誰だと思いますか? (DF編) → 37票
【J1】 2017年の優秀選手に選出されるのは誰だと思いますか? (MF編) → 29票
【J1】 2017年の優秀選手に選出されるのは誰だと思いますか? (FW編) → 30票
★ 現在の投票数 → 202票
→ 必ず3名を選択してから投票を行ってください。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
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