■ 残留まであと一歩に迫ったコンサドーレ札幌J1は残り4試合となったが残留争いは今シーズンも熾烈を極める。あっさりと降格枠が3つ埋まることは珍しいので毎年の話であるが当該チームの関係者は最終節まで胃の痛い日々が続くことになる。16位の広島が勝ち点「27」。残り4試合を全勝したとしても勝ち点「39」止まりなので勝ち点「41」を稼いでいる10位の神戸までの10チームは「J1残留」が確定している。この10チームは2018年もJ1で戦うことが決まった。
11位のFC東京が勝ち点「38」、12位の仙台が勝ち点「36」となるが、この2チームは次節にJ1残留が確定する可能性が高まっている。13位の札幌が勝ち点「34」を稼いでいるが29節は柏、30節はFC東京に勝利した。いずれもFWジェイが爆発したが2連勝したことで広島との差が「7」に広がった。札幌も次の31節の結果次第でJ1残留を確定させることができる。クラブ悲願の「J1残留」まであと一歩に迫っている。
現時点では14位の清水以下の5チームが残留争いの当事者といえる。18位の新潟は29節でG大阪にアウェイで勝利。呂比須体制になってから2勝目を挙げた。遅まきながら調子を上げてきたがさすがにエンジンがかかるのが遅すぎた。15位の甲府との差が「12」なので甲府が全敗して、新潟が全勝するしかJ1に生き残る道はなくなった。この場合のみ得失点差の勝負になるが得失点差の部分での差も大きく広がっている。
■ アルビレックス新潟は4連勝が絶対条件新潟の初降格は不可避の情勢と言わざる得ないが17位の大宮も苦しい状況に置かれている。ここ8試合勝ちなしで勝ち点は「24」のみ。15位の甲府との差は「4」なので1試合では逆転できない差になっている。渋谷監督が去って伊藤彰監督が指揮を執るようになってから持ち直した時期もあったが完全に手詰まり状態になっている。何かを大きく変えないとこのまま行きそうな流れになっているが打てる手は少ない。
14位の清水もここ5試合勝ちなし。直近の9試合では1勝6敗2分けと結果を残せずにいる。今シーズンはFW鄭大世が怪我がち。FWチアゴ・アウベスの個人能力は非常に高いがチームにフィットしきれていない。16位の広島との差は「3」なので予断を許さない状況になっている。29節の静岡ダービーは0対3で敗れているが失点を重ねる試合が増えており、得失点差「-17」というのはリーグワースト3位となる。
15位の甲府は今シーズンも残留争いに巻き込まれているが27節は横浜FM、28節は柏に勝利。会心の2連勝で広島を追い抜いて15位に浮上した。20得点というのはJ1最少なので今シーズンも得点力不足に悩まされているがそれでも夏に加入したFWリンスが8試合で4ゴールと救世主になりつつある。調子が上がらなかったエースのFWドゥドゥの状態も上がってきたので2トップは相手の脅威になっている。
■ 日程に恵まれているのは清水と甲府この時期に広島が16位に沈んでいることを予想できた人はほとんどいないと思うが6勝15敗9分けで勝ち点「27」。14位の清水との差は「3」、15位の甲府との差は「1」なので、十分に巻き返しは可能な差ではあるが、ここに来て3試合勝ちなし。ヤン・ヨンソン監督が就任して持ち直した時期もあったが再び悪い流れになりつつある。森保一監督の頃からチャンスはたくさん作っているがフィニッシュが決まらない。
2連勝中の札幌は安全圏に突入しており、4連勝が絶対条件となる新潟はさすがに苦しい。結局、14位の清水、15位の甲府、16位の広島、17位の大宮の4チームで「2つの残留枠(=2つの降格枠)」を争う形になっているが、清水は31節がFC東京戦(A)、32節が札幌戦(H)、33節が新潟戦(H)、34節が神戸戦(A)なので日程的にはかなり恵まれている。言うまでもなく、ホームでの2試合は「Must winの試合」である。
15位の甲府も日程的には恵まれている。31節が神戸戦(H)、32節が新潟戦(A)、33節が大宮戦(A)、34節が仙台戦(H)なので18位の新潟と17位の大宮と続くアウェイ2連戦をどう乗り切るのか?がポイントになって来るが相手は絶対に勝ち点「3」が必要な試合なのでリスク覚悟で攻め込んでくることが予想される。そうなると堅守がウリのチームである甲府にとってはやりやすくなる。カウンターからゴールを奪いたい。
対照的に広島は31節が浦和戦(H)、32節が神戸戦(A)、33節がFC東京戦(H)、34節が柏戦(A)なのでタフな日程になっている。因縁のある相手であるホームの浦和戦をどう乗り切るのか?に注目が集まる。救いは浦和も神戸もFC東京もリーグ戦に関しては目標を見つけにくい状況になっているので広島と比べるとモチベーションの点では決して高くないことが予想される点であるがいずれも地力のあるチームである。
結局、対戦カード的には14位の清水と15位の甲府が恵まれている。何とかこのまま逃げ切ることが出来そうな気もするが言うまでもなく広島には経験のある選手がたくさんいる。1試合で逆転される可能性がある位置にいる広島が後ろから追いかけてくる状況は清水にとっても甲府にとっても嫌な感じである。上位のC大阪戦(A)と川崎F戦(A)を残す大宮は非常に厳しい状況である。アウェイ戦が3つというのもキツイ。
表1. 残り4試合の対戦相手の平均順位 (30節終了時点)
ランク | クラブ名 | 平均順位 | 31節 | 32節 | 33節 | 34節 |
1 | 磐田 | 4.25 | 横浜FM | H | 3 | 柏 | A | 5 | 鳥栖 | A | 8 | 鹿島 | H | 1 |
2 | 浦和 | 5.50 | 広島 | A | 16 | 鹿島 | A | 1 | 川崎F | H | 2 | 横浜FM | H | 3 |
3 | 柏 | 6.25 | 川崎F | H | 2 | 磐田 | H | 6 | 鹿島 | A | 1 | 広島 | H | 16 |
4 | 横浜FM | 7.25 | 磐田 | A | 6 | C大阪 | H | 4 | 仙台 | A | 12 | 浦和 | A | 7 |
5 | 鹿島 | 7.75 | 札幌 | A | 13 | 浦和 | H | 7 | 柏 | H | 5 | 磐田 | A | 6 |
6 | 札幌 | 8.00 | 鹿島 | H | 1 | 清水 | A | 14 | G大阪 | A | 9 | 鳥栖 | H | 8 |
7 | 大宮 | 8.25 | C大阪 | A | 4 | 仙台 | A | 12 | 甲府 | H | 15 | 川崎F | A | 2 |
7 | 広島 | 8.25 | 浦和 | H | 7 | 神戸 | A | 10 | FC東京 | H | 11 | 柏 | A | 5 |
9 | 川崎F | 9.50 | 柏 | A | 5 | G大阪 | H | 9 | 浦和 | A | 7 | 大宮 | H | 17 |
9 | G大阪 | 9.50 | 仙台 | H | 12 | 川崎F | A | 2 | 札幌 | H | 13 | FC東京 | A | 11 |
11 | 新潟 | 10.25 | 鳥栖 | H | 8 | 甲府 | H | 15 | 清水 | A | 14 | C大阪 | H | 4 |
12 | 仙台 | 11.00 | G大阪 | A | 9 | 大宮 | H | 17 | 横浜FM | H | 3 | 甲府 | A | 15 |
13 | FC東京 | 11.75 | 清水 | H | 14 | 鳥栖 | A | 8 | 広島 | A | 16 | G大阪 | H | 9 |
14 | C大阪 | 12.00 | 大宮 | H | 17 | 横浜FM | A | 3 | 神戸 | H | 10 | 新潟 | A | 18 |
14 | 鳥栖 | 12.00 | 新潟 | A | 18 | FC東京 | H | 11 | 磐田 | H | 6 | 札幌 | A | 13 |
16 | 神戸 | 12.25 | 甲府 | A | 15 | 広島 | H | 16 | C大阪 | A | 4 | 清水 | H | 14 |
17 | 清水 | 13.00 | FC東京 | A | 11 | 札幌 | H | 13 | 新潟 | H | 18 | 神戸 | A | 10 |
18 | 甲府 | 14.25 | 神戸 | H | 10 | 新潟 | A | 18 | 大宮 | A | 17 | 仙台 | H | 12 |
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