■ 1stステージの第6節J1の1stステージの第6節。3勝1敗1分けで勝ち点「10」の鹿島アントラーズがホームの県立カシマサッカースタジアムでサンフレッチェ広島と対戦した。ミッドウイークにACLでタイに遠征してブリーラムUと戦って2対0で勝利した広島は2勝1敗2分けで勝ち点「8」。鹿島は3位、広島は7位。優勝候補同士の直接対決となった。広島は中4日。疲労の影響が心配されるが日曜日開催となったので通常よりはマシと言える。
ホームの鹿島は「4-2-2-2」。GK曽ヶ端。DF西大伍、植田直、昌子、山本脩。MF柴崎岳、小笠原、遠藤康、中村充。FW金崎、土居。ここまでは5試合連続でFW赤崎がスタメンで起用されていたがゴールなし。結果を出せなかったこともあって怪我明けのFW土居が今シーズン初スタメンとなった。5節の川崎F戦(A)で先制ゴールを決めたMFカイオはこの日はベンチスタート。MF中村充は3試合ぶりのスタメンとなった。
対するアウェイの広島は「3-4-2-1」。GK林卓。DF塩谷、千葉、水本。MF青山敏、宮原、ミキッチ、柏、茶島、柴崎晃。FWピーター・ウタカ。ベテランのFW佐藤寿とMF森崎和はこの日もベンチスタート。1トップにはFWピーター・ウタカが起用された。FWピーター・ウタカはリーグ戦は3試合連続ゴール中。5試合で4ゴールを挙げている。FW佐藤寿はJ1通算で158ゴールを挙げており、1位タイで並んでいる。
■ MFカイオの大活躍で鹿島アントラーズが勝利3位の鹿島と7位の広島の注目の一戦は前半8分にスタメン抜擢のFW土居のゴールで鹿島が先制に成功する。追いかける展開となった広島だったが前半38分にDF塩谷のスルーパスからFWピーター・ウタカが裏に抜け出してから落ち着いて決めて1対1の同点に追いついた。清水から期限付き移籍のFWピーター・ウタカは4試合連続ゴールで早くも今シーズン5ゴール目となった。前半は1対1で折り返す。
1対1で迎えた後半開始から鹿島はMF中村充に代えてMFカイオを投入。前半に手こずったMFミキッチのいるサイドのテコ入れを図ると後半12分にMFカイオのクロスからゴール前に飛び込んできたMF柴崎岳が頭で合わせて勝ち越しに成功する。MF柴崎岳は今シーズン初ゴールとなった。さらに後半16分にはMFカイオが左サイドの角度のないところから決めて3点目を挙げる。MFカイオは2試合連続ゴールとなった。
広島は後半34分にACLで活躍したFW宮吉を投入。「3-1-4-2」の攻撃的な布陣を採用したが後半48分に鹿島はMFカイオが決めてダメ押しの4点目を挙げる。途中出場のMFカイオは2ゴール1アシストの大活躍だった。結局、4対1で鹿島が勝利。鹿島は4勝1敗1分けとなった。敗れた広島は公式戦の連勝が「4」でストップ。2勝2敗2分けとなった。鹿島は2位に浮上した。一方、敗れた広島は10位に転落した。
■ 途中出場で2ゴール1アシストの活躍を見せたMFカイオともに「守から攻」への切り替えが早くてさらにはモチベーションも高い好ゲームとなったが4対1でホームの鹿島が勝利した。1対3になった後、広島がリスク覚悟で前掛かりになったので最終的には結構な差が付いたが、広島も出来はかなり良かった。前半8分にFW土居が先制ゴールを決めて鹿島がリードしたが後半の途中あたりまでは広島が主導権を握っていた。1対4というスコアから感じるほど一方な展開ではなかった。
前半は広島の右WBのMFミキッチが躍動。何度もサイドを切り崩した。鹿島は何かしらの対策が必要だったが後半の頭から抜群の推進力を持つMFカイオを投入。(守備力のある選手を起用するのではなく)攻撃の部分でより相手にとって危険な選手を投入することで乗り切った。あれほど前半のうちから頻繁にドリブルで仕掛けてクロスを上げていると徐々にスタミナが切れてくる。MFカイオを止めることはできなかった。
MFカイオは今シーズンはスタメンが2試合で、途中出場が4試合。石井監督になってからはMF中村充の序列が上がっており、同じ左サイドを得意とするMFカイオはベンチスタートが増えている。「MFカイオのスピードと技術を最大限に生かしたい。」という意図もあると思うが1人で試合の流れを変えることができる選手は貴重。広島のFW浅野拓と並んで今のJリーグの中では最高のジョーカーと言える。
基本的にはドリブラーだと思うが、J1通算では68試合で21ゴール。2014年は30試合で8ゴール、2015年は32試合で10ゴール。今シーズンも6試合で3ゴール。シュート技術に関してはまだまだ向上の余地があると思うが、途中出場が少なくないことを考えるとかなりのハイペースで得点を記録している。「ドリブルで突破できるけれどもシュートが上手ではない。」という選手は多いが、MFカイオには当てはまらない。
他にはFW土居の動きの良さも光った。前半8分の先制ゴールの場面はワンタッチコントロールでDF水本をかわしたプレーがきっかけになった。(決定機をいくつか外してしまったが、)5節の川崎F戦(A)のときも途中出場で非常にいい動きをしていたが、コンディションがかなり良くなってきた。FW赤崎がリーグ戦では結果を出せていない状況なのでFW土居にとってはレギュラー奪回の大きなチャンスを迎えている。
■ 出来としてはまずまず良かったが・・・。一方の広島はタイから戻ってきて中4日。その割には全体の動きは良かった。後半12分にMF柴崎岳の勝ち越しゴールが決まるまでは、むしろ、広島の方がチャンスをたくさん作っていた。中心になったのはMFミキッチ。MFカイオが投入された後半は守備に回る時間が長くなったが、前半は躍動した。「今年の1月で36歳になった。」とは思えないほどのスピードとキレで相手の左サイドをきりきり舞いさせた。
前半のいいイメージが残っていたと思うのでMFミキッチを代えるタイミングは難しかったと思うが、後手後手に回りつつあったので、後半12分にMF柴崎岳に勝ち越しゴールを決められた直後に「MFミキッチ→MF清水航の交代」を行うのも1つの手だったと思う。前述のとおり、これだけ前半からボールを持って仕掛けていると疲労度は半端ないものになる。広島にとっては後半16分の3失点目が非常に痛かった。
その他では4試合連続ゴールを決めたFWピーター・ウタカの動きの良さも光った。前半38分の同点ゴールの場面は相手CBのDF昌子が食いついてきたところを軽くいなして決定機に持ち込んだ。これで6試合で5ゴール目。チャンスメークの仕事をこなしつつ、ゴールにも絡めている。身体能力も非常に高いが、とにかくアイディアが豊富で技術が高いので、「何をするのかわからない怖さ」を持っている。
連勝が止まった広島は2勝2敗2分け。10位に後退した。首位に再浮上した川崎Fは4勝2分けで勝ち点「14」なので『2試合差』となった。直接対決は残っていないことを考えるとギリギリのラインである。終盤の日程を見ると、13節でG大阪(H)、延期分の10節(=15節のあとに行われる。)でFC東京(A)、16節で浦和(H)と対戦するが、浦和との直接対決をともに上位で迎えるようなことになると面白いことになる。
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