■ MF遠藤康が初の二桁ゴールに到達27節のG大阪戦(H)から4試合勝ちなしと停滞して優勝争いから脱落しかけた鹿島だったが、31節の新潟戦(A)に続いて勝利をおさめて2連勝したことで優勝争いに踏みとどまった。そして、ACLの出場権獲得を争うライバルの1つである川崎Fを直接対決で下したことで、クラブとしては久々となるACL出場に大きく前進した。鹿島にとっては大きな勝利であり、未来が広がる1勝になった。
チーム状態がいいわけではないので、立ち上がりはやや重かったが、慣れないシステムを採用した川崎Fがしっくりこないところを突いて試合の主導権を握ることができた。前半のうちに先制できたのは大きかったが、MF遠藤康の個人技から生まれた。バイタルエリアで縦パスを受けて相手選手をブロックしてシュートコースを作ったが、フィジカルの強さでチェックに来た相手CBのDF谷口彰を吹っ飛ばした。
これで大台の10ゴールに到達したが、J!初ゴールを挙げた2010年から毎年ゴール数を増やしている。2ゴール(2010年)→3ゴール(2011年)→6ゴール(2012年)→7ゴール(2013年)→10ゴール(2014年)ということで、得点力という部分でも徐々に伸ばしてきている。一気に数字を伸ばした方が目立ちやすくて、メディア等でクローズアップされやすいが、MF遠藤康は地味ながら、しかし、着実に力を付けてきている。
右のサイドハーフで10ゴールというのは立派である。この日のゴールも右45度から決めているが、このあたりの位置でボールを持って左足で巻くようなシュートからのゴールが得意中の得意で「十八番」である。「遠藤ゾーン」と言えるが、このエリアから放つ左足のシュートの精度は本当に高い。分かっていても止められない大きな武器であり、強さとイマジネーションが合わさったファインゴールだった。
■ 川崎FはACL出場権獲得も絶望的・・・一方の川崎Fはこれで3連敗となった。その前にも連敗しているので、ここ7試合では1勝5敗1分け。最低でもイーブンの成績で乗り切ることができていたらJ1優勝の可能性を持った状態で残り2試合を戦うことができたと思うが、まさかの大失速と言える。30節は甲府(A)、31節は清水(H)に逆転で敗れるなど下位チームを相手に取りこぼす試合が多くて、非常にもったいない試合が目立っている。
この日もMF中村憲とFW小林悠の2人が不在だったが、今シーズンも怪我人の多さに悩まされている。もちろん、攻撃的なポジションの層の厚さはリーグ屈指なので、代わりに出てくる選手も経験が豊富で、質の高い選手ばかりであるが、MF中村憲やFW小林悠が抜けるとダメージは大きい。CFの位置で起用されたFW森島康の出来は悪くはなかったが、決定的な仕事はできなかった。
前節を終えた段階でリーグ優勝の可能性が消滅して、この試合で鹿島に敗れたことでACLの出場権獲得もほぼ不可能となった。今シーズンも無冠が確定したが、昨シーズンの途中から魅力的な攻撃サッカーでリーグを席巻して、今シーズンは初タイトルの大きなチャンスと言えた。しかし、思うようなシーズンにはならなかった。戦力の充実度ではリーグ屈指だったので、悔しいシーズンになっている。
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