■ 21節が終了J1は21節が終了して、13勝3敗5分けで勝ち点「44」の横浜Fマリノスが首位に立って、13勝4敗4分けで勝ち点「43」のサンフレッチェ広島が2位、12勝5敗4分けで勝ち点「40」の浦和レッズが3位に付けている。4位のセレッソ大阪と5位の大宮アルディージャの勝ち点は「36」なので、首位の横浜FMとの差は「8」とやや離れている。したがって、当面は、首位の横浜FMと2位の広島と3位の浦和という「3強」の優勝争いが続くと考えられる。
横浜FMは40歳になったDFドゥトラを筆頭にしてベテランが多いので、夏場をどう乗り切るかが注目されたが、ここ6試合で5勝1分けと勝ち点を積み上げた。35歳のMF中村俊が試合をコントロールして、MF富澤とMF中町のダブルボランチも機能しており、無駄に体力を消費することなく、堅実な試合を続けている。37歳のFWマルキーニョスや35歳のDF中澤も元気いっぱいで、むしろ、35歳以上の選手がチームを引っ張っている。
21節で首位に浮上したが、2011年シーズンも、2012年もシーズンも、秋になってペースを落としている。苦手にしている時期をどう乗り切るかがポイントになってくるが、22節が鹿島(A)、23節が浦和(H)、24節が大宮(A)、25節がC大阪(H)ということで、6位→3位→5位→4位と上位との対戦が続いていく。タフなスケジュールになっているが、10月以降は下位との対戦が多くなるので、上位4連戦で勝ち越すことができると、2004年以来となるリーグ制覇も見えてくる。
■ 堅実な広島2位の広島は安定した試合を続けている。18失点はリーグ最少で、37得点はリーグ4位タイで、得失点差「+19」はリーグトップで、コンフェデの中断明け以降は、8試合で6勝1敗1分けと順調に勝ち点を積み上げている。昨年までは、つなぐ意識が高く過ぎて、危険なエリアでボールを失って失点するケースも少なくなかったが、今シーズンは、そういった勿体無い失点が減っていて、勝負強さも身に付けつつある。
先日の東アジアカップには、MF高萩、MF青山敏、DF千葉、GK西川の4人が召集されたが、いずれの選手も円熟期を迎えており、DF塩谷、DFファン・ソッコ、MFパク・ヒョンジンなど、若手も台頭してきたので、選手層も厚くなっている。最前線でプレーできる選手が、FW佐藤寿とMF石原の2人だけなので、どちら1人でも欠けるようだと大ダメージとなるが、他のポジションに関しては、やり繰りでカバー出来るのではないか?と思うほど、駒が豊富になってきた。
3位の浦和は中断明けの8試合は4勝3敗1分けなので、調子がいいとは言えない。19節の広島戦(H)の戦いぶりは見事だったが、それ以外の3勝(甲府、磐田、大分)は、いずれも残留争いをしているチームに苦戦を強いられた。8試合で16失点と守備に不安を抱えており、安定しているとは言い難いので、踏ん張りどころを迎えていると言える。首位の横浜FMも中断明けの8試合は5勝1敗2分けと好成績を残しており、横浜FMと広島は取りこぼしが少ないので、上位2チームに離されないようにしなければならない。
先の通り、上位3チームと4位以下との差は開いているので、当面は3チームの優勝争いになると思われるが、不安要素が少ないのは2012年のリーグ王者の広島である。横浜FMも、浦和も、優勝経験のあるビッグクラブではあるが、しばらく、リーグ制覇から遠ざかっている。「2012年に優勝を経験している。」という点もアドバンテージになるだろう。まだ13試合あるので、何とも言えないところもあるが、現段階では、広島の2連覇の可能性が一番高いのではないか。
■ 4位に付けるセレッソ大阪4位のC大阪はシーズン前の評価はそれほど高くは無かったので、健闘していると言える。21試合で20失点というのは、リーグ2位の少なさで、GKキム・ジンヒョンを中心とした守備陣の頑張りが躍進を支えている。攻撃では、13ゴールを挙げている日本代表のFW柿谷への依存度が高くなっているので、MFエジノやFW杉本やMF楠神らのさらなる奮起が期待されるが、残り13試合で「8」差というのは、逆転不可能な差ではない。初タイトルのチャンスはある。
日程を見ると、32節に広島(H)、33節に鹿島(H)、34節に浦和(A)との対戦が組まれている。優勝の可能性を残した状態で終盤戦を迎えるようだと面白いことになると思うが、ポイントになりそうなのは、下位チームとの試合である。27節から30節までは残留争いに巻き込まれている磐田(H)、大分(A)、湘南(H)、鳥栖(A)との4連戦が待っている。当然、相手も必死なので、楽な展開にはならないと思うが、ここで勝ち点を積み上げることができると、勢いに乗った状態で終盤戦を迎えることができる。
4位のC大阪と同じ勝ち点「36」を稼いでいる大宮は、16節の横浜FM戦から痛恨の6連敗を喫して5位まで順位を下げている。上位チームとの対戦が続いた点は不運だったが、ベルデニック監督が解任されるなど、流れは良くない。FWズラタンとFWノヴァコヴィッチとDF下平が復帰してきて、小倉新監督の就任が発表されたので、立て直しに期待がかかるが、無敗記録を続けていた頃の勢いは全く感じられなくなったので、優勝争いに踏みとどまるのは、難しいのではないかと思われる。
6位の鹿島が10勝6敗5分けで勝ち点「35」で、7位の川崎Fと8位の仙台が勝ち点「32」となっているが、首位の横浜FMと川崎Fや仙台との差は「12」と離れている。もちろん、ノーチャンスではないが、首位の横浜FMや2位の広島は取りこぼしが少ないので、優勝争いに関しては、9差である6位の鹿島までが圏内と言えるのではないか。ACLの出場権争いについては、11位の柏あたりまでチャンスがあると思うが、優勝争いに関しては、6位の鹿島がギリギリのラインと言える。
ただ、肝心の鹿島の状態はあまり良くない。7ゴールを挙げている得点源の1人であるFWダヴィを欠いている影響もあるが、中断明けの8試合は3勝4敗1分けと調子を落としている。ホームでは堅実な試合を見せているが、アウェーは5連敗中と苦手にしており、アウェー戦をどう乗り切るのかがポイントになるだろう。東アジアカップのオーストラリア戦で2ゴールを挙げる活躍を見せたエースのFW大迫のさらなる活躍に期待したいところである。
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