■ J2の第20節J2の第20節。6勝11敗2分けで勝ち点「20」。18位の鹿児島ユナイテッドはホームの白波スタジアムでアルビレックス新潟と対戦した。2節から8試合勝ちなしと苦しんだ鹿児島だったが10節から4試合負けなし。ここ4試合でも2勝2敗。コンスタントに勝ち点を稼げるようになって来た。一方の新潟は6勝8敗5分けで勝ち点「23」。13位に位置する。吉永一明監督になってからは10試合で3勝5敗2分けという成績になる。
ホームの鹿児島は「4-2-3-1」。GKアン・ジュンス。DF田中奏、水本勝、赤尾、砂森。MFニウド、八反田、五領、酒本、枝本。FW韓勇太。攻撃の中心になったMF牛之濱は脳震盪の影響で欠場。MF枝本が2試合連続スタメンとなった。大卒ルーキーのFW韓勇太は15試合で5ゴールと活躍中。J1の松本山雅からの期限付き移籍になる。ボランチが本職となるDF赤尾がこの日もCBの一角でスタメン出場となった。
対するアウェイの新潟は「4-2-3-1」。GK大谷。DF新井直、岡本將、大武、堀米悠。MF戸嶋、カウエ、フランシス、高木善、渡邉新。FWレオナルド。好調のMFフランシスは4試合連続スタメン。9試合で3ゴールを挙げている。ユース出身で期待の大型CBのDF岡本將はリーグ戦初出場。CBの一角でプレーする。エースのFWレオナルドは16試合で6ゴールを奪っている。昨シーズンはJ3の鳥取で得点王に輝いている。
■ カウンターから3ゴールを奪った新潟試合の立ち上がりは鹿児島ペースになった。持ち味である軽快なパスワークを見せて新潟の守備陣を翻弄。次々にいい形を作った。前半15分にはMF枝本が得意のドリブルで中央を突破すると自身のシュートはポストに直撃するが跳ね返ってきたところをフリーのMF酒本が押し込んで難なくホームの鹿児島が先制に成功する。トップ下での起用が続いているベテランのMF酒本は移籍後初ゴールとなった。
前半30分あたりまでは鹿児島は相手を圧倒する展開になったが前半35分にMF酒本のバックパスのミスから新潟がカウンター。FWレオナルドがエリア内で倒されてPKを獲得すると自ら決めて1対1の同点に追いついた。FWレオナルドは今シーズン7ゴール目となった。1対1で迎えた後半8分にも新潟はカウンターから決定機を作る。FWレオナルドのパスを受けたMFフランシスが決めて逆転に成功する。
さらに後半18分にもMFフランシスが右サイドを抜け出しかけると焦って対応したDF砂森のバックパスがミス。そのままネットに吸い込まれてオウンゴール。新潟は大きな3点目を奪った。3ゴールすべてに絡んだFWレオナルドの活躍もあって3対1で新潟が勝利。7勝8敗5分けとなった。敗れた鹿児島は19位に転落。21位の福岡との差は「3」。残留争いに巻き込まれている。J2は次節が折り返し地点になる。
■ 立ち上がりは相手を圧倒したが・・・。前半の30分あたりまでは完全な鹿児島ペースになった。「出来としては今シーズン最高」と言えるほど素晴らしい攻撃を見せて新潟を押し込んだ。前半15分には先制ゴールをゲット。「大量ゴールを奪って鹿児島が勝利するのでは?」と思ったが前半35分のPK献上で流れは大きく変わった。FWレオナルドに対峙したのはCBのDF赤尾だったが本職のポジションではないのでFWレオナルドへの対応は甘かった。
いい形で試合を進めていただけに鹿児島にとっては勿体ない失点だった。「勝てた試合」だったと思うので残念な結果と言えるが攻撃のテンポやリズムは良かった。ベテランのMF酒本は本職は右SBになるが鹿児島ではトップ下で起用されている。34才にして新しいポジションにトライしているがようやくの移籍後初ゴールをゲット。高度な技術とアイディアと戦術眼は今シーズンの鹿児島の大きな武器になっている。
この日はMF枝本がキレキレの状態だった。先制ゴールも彼の中央突破から生まれており、後半の終了間際にもポスト直撃の惜しいシュートを放っている。昨シーズンはFC琉球のJ3制覇に大きく貢献して鳴り物入りで鹿児島に加入したものの出場機会に恵まれず。期待に応える働きは出来ていなかったがJ2の舞台でも自分の良さを出せるようになってきた。ドリブルというのは十分にJ2の舞台でも武器になる。
■ 武器となる迫力満点のカウンター新潟は得意のカウンターから3ゴールを奪った。前半30分あたりまでは防戦一方の展開になったので厳しい立ち上がりになったがPKで追いつけたのは大きかった。3ゴールすべてに絡んだFWレオナルドは17試合で7ゴール。昨シーズンはJ3の鳥取で31試合で24ゴールを記録している期待値の高い選手なので「力を出し切れていない。」という評価になるが「17試合で7ゴール」というのはまずまずの成績である。
この日も3得点を奪った新潟の総得点は「29」になった。これは31得点の甲府&山口に次いでJ2では3位タイ。20試合で29得点なので「点は取れている。」と言える。昨シーズンは42試合で48得点だったので得点力不足だったが課題は解消されつつある。4連敗を喫した後、テコ入れを図ったが、左SBにDF堀米悠を起用するようになって攻撃はスムーズになった。彼のところでボールが落ち着くのは大きい。
FWレオナルドの活躍も目立っているが、やはり、MFフランシスがキーになっている。右SHはMF渡辺凌が起用されるケースが多かったがここ4試合はMFフランシスがスタメン出場。J2屈指と言える驚異のスピードを生かしてたくさんのチャンスに絡んでいる。「MFカウエ以外の外国人選手がなかなか活躍できない。」という点が片渕監督時代の新潟の問題点の1つだったがここに来て助っ人の活躍が目立っている。
片渕監督時代は自分たちでボールを保持する時間が短かった。「このサッカーだと安定して勝ち点を積み上げるのは難しい。」という判断が下されて吉永一明監督にスイッチしたと思うが、結局、威力を発揮しているのはカウンターになる。目論見どおりには話は進んでいないがFWレオナルドとMFフランシスを中心としたカウンターの威力はかなりのレベルである。割り切ってカウンターに徹するのが現状ではベターだろう。
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