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【J3】全18クラブの戦力補強の中間評価 (SC相模原・長野パルセイロ・カターレ富山) (2018年-2019年) | | |　

SC相模原　・・・　D+ (12段階)

→　昨オフに水戸で実績を積んだ西ヶ谷監督を招聘したSC相模原はMF谷澤やMF成岡やDF丹羽竜やMF北井といった経験豊富な選手をたくさん獲得したが開幕ダッシュに失敗した。ラスト8試合で5勝2敗1分けと勝ち点を積み上げたので最終的には9位に入ったが不満足な順位と言える。「西ヶ谷監督の1年のみでの退任」はすでに確定しているが現時点では後任監督が誰になるのか？は全く分からない。

上り調子でシーズンを終えたことを考えると「続投」でも良かったと思うが過去を振り返ってみても早いタイミングで監督を代えるケースが多いチームである。またしても一からの出直しとなるが30試合で17ゴールを記録するなどJ3の得点ランキングで2位になったFWジョン・ガブリエルの引き止めに成功した。J3で結果を残して「個人昇格」もあり得たエースの慰留に成功したことが今オフ最大のニュースと言える。

「エースをサポートできる選手がいない。」という点が今シーズンのSC相模原の大きな問題点だったがJ3で実績十分のFW大石(山口)を獲得。FWジョン・ガブリエルとFW大石の2トップは「J3最高」と考えられる。J2の山口では力を発揮できなかったが藤枝MYFCならびに栃木SCで力を証明しているFW大石の加入によって得点力アップが期待できる。一方でチャンスメーカーのMF谷澤(→藤枝MYFC)が抜けた穴は大きい。

前線の破壊力アップには成功したが中盤はMF谷澤だけでなくMF菊岡とMF徳永とMF保崎も退団が確定済み。最終ラインもDF辻尾とDF工藤祐とDF米原祐(→盛岡)が抜ける。加入が決まったMF平石(秋田)は即戦力として大きな貢献が出来ると思うがそれ以外の選手は先のFW大石くらいである。選手層は一気に薄くなった。若返りを図るために経験のある選手をばっさりと斬っているが難しい状況からの再スタートになる。

　→　2018/12/25 　【J3】どこよりも早い2019年シーズンの展望 (上) ～熊本・群馬・秋田などが昇格候補か！？～
　→　2018/12/26 　【J3】どこよりも早い2019年シーズンの展望 (下) ～鳥取・富山なども昇格を狙う～

長野パルセイロ　・・・　D+ (12段階)

→　昇格候補に挙げられながら低迷。クラブ史上ワーストの10位に終わった長野は巻き返しを図るシーズンになるが栃木SCでJ2昇格を経験している横山監督を招聘した。実績のある指導者なので期待値は大きいと思うが良くも悪くもオーソドックスなサッカーを展開する指導者である。停滞感を感じるシーズンが続いており、何かを大きく変えないといけない時期の長野の監督としてはミスマッチだと個人的には感じる。

何かを大きく変えないといけない時期に打てる手は「監督を代える。」、「(監督はそのままで)スタイルを大きく変える。」、「選手を大幅に入れ替える。」、「影響力の大きいビッグネームを獲得する。」のいずれかになる。MF佐藤悠やFW萬代やFW勝又やDF都並の契約満了による退団が決まった長野は例年と比べると選手の入れ替えが激しくなっているが、「まだまだ血の入れ替えは十分ではない。」と感じる。

新卒の選手を除く新加入選手はMF木村裕(富山)、MF妹尾(G大阪)、DF山口真(大分)、DF池田(愛媛FC)あたりになるが、何かを大きく変えないといけない時期の新加入選手としてはややインパクトに欠ける。もちろん、4人とも若手から中堅世代の選手であり、特徴を持った選手ではあるが物足りなさは感じる。ただ、当然、まだ補強の動きは進めていると思うので最終結論を出すのは早すぎる。今後の動きに期待したい。

最優先補強ポイントはやはりフォワードになる。大ベテランになったFW宇野沢に多くを求めるのは酷である。近年の長野は「過去にJ1 or J2のクラブで実績を残しているもののややピークを過ぎているベテランのストライカーを獲得して成功しないケース」が続いているが当然のことながら同じような失敗は繰り返したくない。世代交代が急務になっているチームなので若くて勢いのあるフォワードを確保したい。

　→　2015/07/22 　【長野×Y.S.C.C.横浜】新たに誕生したフクアリ級の素晴らしいスタジアムに行ってきた。 (生観戦記) (上)
　→　2015/07/22 　【長野×Y.S.C.C.横浜】新たに誕生したフクアリ級の素晴らしいスタジアムに行ってきた。 (生観戦記) (中)
　→　2015/07/23 　【長野×Y.S.C.C.横浜】新たに誕生したフクアリ級の素晴らしいスタジアムに行ってきた。 (生観戦記) (下)

カターレ富山　・・・　C- (12段階)

→　富山も開幕前は上位候補に挙げられたがスタートダッシュに失敗した。一時は下位に低迷していたが安達監督になってから徐々に盛り返して最終的には11位。秋以降の戦いならびに成績は悪くなかった。安達監督になってからは22試合で10勝7敗5分けなのでまずまず。MF新井瑞やMF前嶋など若い選手の活きのいいプレーはポジティブな要素に挙げられるが2019年は結果の求められるシーズンになる。

富山にとって今オフの最大のニュースはGK永井堅(→徳島)の移籍になる。ずっと期限付き移籍だったが富山に加入して早くも4年目。チームの顔になっていた選手であり、レンタル期間が長くなっていたので「今オフあたりにそろそろ富山に完全移籍するのではないか？」という見方もあったがJ2の徳島に期限付き移籍することになった。疑いようもなくJ3の中では屈指のキーパーだったので痛い流出になる。

後釜としてベテランのGK榎本哲(浦和)を獲得した。安達監督の人脈を生かした補強と言えるが浦和でプレーしたここ2年間はほとんど試合に絡めなかったことならびに35才とベテランの域に入っていることを考えると「GK永井堅の穴は問題なく埋まる。」とは言い切れない。Jリーグでの実績は抜群なので富山で大きな存在感を発揮することも十分に考えられるがその反対で難しいシーズンになることも十分にあり得る。

その他ではFW高橋駿(群馬)の加入が決定済み。MF碓井(群馬)やMF花井(北九州)の加入が決まっているがJ2復帰のためにはまだ不十分と言える。今後、注目されるのは10番のMF新井瑞の動向になる。J3では屈指のドリブラーなので獲得を画策しているJ2のクラブは少なくないと考えられる。21才にして「富山の新しい顔」になりつつある選手なので流出となるといろいろな意味でダメージは大きくなる。

　→　2013/06/09 　【富山×群馬】はがやしきカターレ (生観戦記・上)
　→　2013/06/10 　【富山×群馬】はがやしきカターレ (生観戦記・中)
　→　2013/06/11 　【富山×群馬】はがやしきカターレ (生観戦記・下)