■ チャリティーマッチリーグ戦は4月末まで延期となっており、西日本を中心にチャリティーマッチが行われているが、この日は、同じ関西地区をホームとするJ2の京都サンガとJ1のセレッソ大阪が西京極で対戦。昨シーズンはJ1の舞台で対戦し、C大阪が2連勝。第5節の試合はMF香川の2ゴールの活躍で3対1で勝利し、第18節の西京極での試合もMF家長の決勝ゴールで1対0と勝利している。
ホームの京都は開幕戦はアウェーで水戸ホーリーホックと対戦し1対2で敗れた。大木監督を迎えて、新しいサッカーにチャレンジしており、その成熟度が注目される。システムは<3-3-3-1>でGK水谷。DF内野、森下、福村。MF秋本、加藤、中村充、中村太、。FWドゥトラ、ディエゴ、宮吉。MF安藤、FWハウバート・ダンらがベンチスタート。GK守田は五輪代表に選出されている。
対するC大阪は、開幕戦はガンバ大阪に1対2で敗戦。ACLは1勝1敗。初戦はアレア・アマルに2対1で勝利したが、第2戦は韓国の山東魯能に0対2で敗れた。4月5日の火曜日にホームの長居スタジアムで韓国の全北現代と対戦する予定となっている。
システムは<4-2-2-2>。GK松井。DF高橋、茂庭、上本、丸橋。MF中後、黒木、倉田、村田。FWピンパォン、小松。MF乾は日本代表、GKキム・ジンヒョンとMFキム・ボギョンは韓国代表、MF清武とMF山口とMF扇原は五輪代表のため不在。29日に日本代表と対戦するJリーグ選抜に選ばれているDF茂庭はスタメン出場。MFマルチネスは欠場。
■ 高橋が先制ゴール気温が6℃で強い風のなかで行われた試合は、C大阪が右サイドに入ったMF村田のドリブル突破からチャンスを作ると、対する京都はショートパス主体のサッカーでC大阪の守備を崩していく。京都は右ウイングに入っているFWドゥトラのドリブルが効果的で、何度もチャンスを作る。
前半31分にC大阪はMF中後のフリーキックから左サイドのDF丸橋にボールが渡ってファーサイドにクロスを上げると、フリーになっていたFW小松が合わせるがシュートは枠外でゴールならず。対する京都もその直後に相手のミスパスからFW宮吉がフリーでシュートを放つも精度を欠いてゴールならず。前半終了間際にはFWドゥトラの突破からFWディエゴが決定機をつかむがGK松井がファインセーブで防ぐ。前半は0対0で終了する。
後半も京都のペースで進む。C大阪は京都の素早いプレスの前にパスがつながらずに、ボールを奪ってもすぐに取られるという苦しい展開が続く。京都の先制ゴールが生まれそうな雰囲気であったが、京都の詰めが甘くてC大阪ゴールを破ることはできない。
すると、後半37分にC大阪はコーナーキックを獲得。MF中後がニアに蹴ったボールをDF高橋大が高い打点からヘディングで決めて先制する。さらに後半42分にもC大阪はサイドから揺さぶってFW小松→DF高橋大とつないで、MF中後のクロスをファーサイドのFWホドリゴ・ピンパォンがヘディングで決めて追加点を挙げる。結局、2対0でC大阪が勝利した。
■ 内容では上回るが・・・内容的にはホームの京都が上回っており、何度かビッグチャンスを作ったが、FWドゥトラやFWディエゴ、FW宮吉といった選手がチャンスに決められなかった。水戸戦は早い時間に先制ゴールを許したこともあって、思うようなサッカーは見せられなかったが、あれからしばらく時間が経って、成熟度も上がってきており、今シーズンはどんなサッカーをしたいのかというのをホームのサポーターに示すことは出来た。
特徴的なのはショートパスをつなぐサッカーであるが、もう一つ、素早いプレスからの攻守の切り替えの早さも昨シーズンには見られなかったものであり、20歳そこそこの若い選手が多いチームにマッチしたアグレッシブなサッカーになっている。
問題は点を取る選手がいないということであり、FWディエゴも、FWドゥトラもストライカーではなく、チャンスメーカータイプである。FW宮吉もいるが、まだ18歳であり、どれくらい点を獲れるのかは分からないところであり、フィニッシャー不在という欠点は見せてしまった。
■ 新人の村田がスタメン一方のC大阪は、攻撃の軸となるMF乾、MFキム・ボギョン、MFマルチネスがおらず、MF村田、MF黒木といった若い選手がスタメンで出場。アジア大会の日本代表であるMF黒木は今一つであったが、新人のMF村田は前半は果敢にサイドを突破してクロスを上げてチャンスを作った。
後半になると、相手に対策されたのか、スタミナの問題なのか、完全に消えてしまって途中交代となったが、「スピード」は大きな武器であり、縦に突破できるのは魅力である。C大阪には、MFキム・ボギョン、MF清武、MF乾、MF倉田と2列目の選手がいるが、ともにテクニックで勝負するタイプであり、サイドアタッカーはいない。スタメンというのは厳しいかもしれないが、途中出場でいいオプションになるかもしれない。
■ MF中後が2アシスト押され気味のC大阪だったが、セットプレーから先制し、カウンターからダメ押しゴール。内容的には褒められたものではなかったが、勝負どころで2つのゴールを挙げて京都を下した。
2つのゴールともアシストはMF中後。ジェフ千葉から移籍してボランチのスタメンに入っているが、前任者のMFアマラウと比べると、対人の守備で劣るところがあって、十分にフィルターになり切れていない面もあるが、精度の高いキックはMFアマラウにはなかったものであり、MFアマラウとは違うところでアピールするしかない。C大阪はFW古橋が移籍してから、右足のキッカーがいなかったので、MF中後の右足というのは貴重であり、そこから2つのゴールが生まれたというのは、今後に向けて明るい部分と言える。
また、DF高橋大のコンディションが上がってきたのも収穫といえる。これまでの試合では、C大阪のストロングポイントであるDF高橋大とDF丸橋の両サイドバックのパフォーマンスが低くて、昨シーズンのようなレベルでプレーでいていなかったが、この日のDF高橋大は時間が経つにつれてプレーの質が上がっていって、ゴールも奪った。DF丸橋も前半のみで交代したが、どん底の状態のときと比べると上がってきている。
■ チャリティーマッチの意味本来であれば、リーグ戦やナビスコカップが行われている時期であるが、スケジュールは延期になっており、チャリティーマッチという形でいくつかの試合が予定されている。この試合はスカパーで中継されたが、確かに、体育館等に避難されている方がこの試合を観るのは難しいと思われる。しかし、何もせずに「自粛」していたところで始まらない。
選手達にとって、まず出来ることは「グラウンドでプレーすること」であり、そのプレーを見たり、聞いたりして、感じたりすることで、サポーターが「勇気」や「元気」や「希望」を得ることができる。。特に「勇気」や「元気」や「希望」といった類のものは、気持ちが落ちているときに響いてくる。選手も難しい心理状態だと思うが、引き続いて、プレーで魅せてほしいところである。がんばろうニッポン!
Division1 2011/02/17
【J1】 各クラブの補強診断 (上) 2011/02/18
【J1】 各クラブの補強診断 (中) 2011/02/20
【J1】 各クラブの補強診断 (下) 2011/02/28
【J2】 2011年シーズン展望 2011/03/03
【J1】 2011年シーズン展望 2011/03/05
【福岡×新潟】 曹永哲が3アシストの活躍 2011/03/05
【G大阪×C大阪】 遠藤保仁が決勝ゴール 2011/03/06
【柏×清水】 19歳のプレーメーカーのMF茨田陽生 2011/03/07
【鹿島×大宮】 新生・アルディージャの開幕戦 2011/03/07
【神戸×浦和】 レッズの上位進出は厳しいか 2011/03/07
【広島×仙台】 好調を持続する李忠成 2011/03/08
【名古屋×横浜FM】 永井謙佑 鮮烈デビュー戦 2011/03/09
【甲府×磐田】 三浦俊也監督の開幕戦 2011/03/10
【川崎F×山形】 相馬直樹新監督 白星スタート
- 関連記事
-
トラックバックURL:https://llabtooflatot.blog.fc2.com/tb.php/2400-f2866563
震災の影響で4月下旬までのJ1、J2公式戦はすべて中止。
今となっては開幕戦で水戸遠征したのが遠い昔の事の様に思える。
サッカーが観たいよ! サンガのサッカーが!
その機会がようやくやってきた、チャリティマッチである。
そして待ちに待った当日朝、起きてみる...
| トップページ | 人気ブログランキング | Jリーグブログ村 | 全記事一覧 (2018年-2023年) | お気に入りに追加 |