■ 勝てばU-17W杯の出場権U-16アジア選手権は決勝Tがスタートした。苦しみながらも2勝1分け。A組を首位通過したU-16日本代表は準々決勝でオマーンと対戦した。オマーンは1勝1敗1分けで勝ち点「4」。B組を2位で突破している。初戦はイエメンに2対0で勝利してが、2戦目はヨルダンと2対2のドロー。3戦目はB組で首位の北朝鮮に1対3で敗れた。この試合に勝てば来年の行われるU-17W杯の本大会の出場権を獲得することが出来る。
2大会連続の本大会出場を目指す日本は「4-2-2-2」。GK山田大(鹿島ユース)。DF角(FC東京U-18)、DF鈴木海(磐田U-18)、DF半田(山形ユース)、DF中野伸(鳥栖U-15)。MF横川(湘南U-18)、MF山内翔(神戸U-18)、MF近藤蔵(C大阪U-18)。FW荒木(東福岡高)、FW西川潤(桐光学園高)。GLの初戦でタイに5対2で勝利した試合と全く同じ11人が起用された。桐光学園高のFW西川潤が10番を背負っている。
ベンチスタートになったのはGK野澤大志ブランドン(FC東京U-18)、GK佐々木(柏U-18)、DF山田奈(浦和ユース)、DF田島(清水ユース)、DF佐古(東京Vユース)、DF石田侑(市立船橋高)、MF三戸(JFAアカデミー福島)、MF中野桂(京都U-18)、MF植田啓(横浜FMユース)、MF中野瑠(京都U-18)、FW唐山(G大阪ユース)、FW青木友(FC東京U-18)の12名。FW唐山はGLの初戦と3戦目でゴールを決めている。
■ 苦しみながらもベスト4進出U-17W杯の本大会の出場権がかかった大一番は立ち上がりから日本が攻め込んだがいくつか訪れた決定機を生かすことが出来ない。嫌な展開になりかけたが、前半14分にキーパーと1対1の決定機を迎えたFW西川潤がシュート。相手選手が懸命にクリアを試みたが失敗してゴールイン。先制ゴールを奪ったが、前半21分に左サイドを突破されると逆サイドのMFタリクにヘディングシュートが決められて追いつかれた。
1対1の同点でハーフタイムに突入する。迎えた後半は日本が猛攻を仕掛ける。後半1分にMF成岡輝、後半2分にMF近藤蔵、後半9分と後半14分にFW西川潤が決定機を迎えたがいずれも決められず。さらに途中出場したFW唐山も後半25分と後半30分に大チャンスを迎えたが決められず。前半の立ち上がりと同様で度重なる決定機で日本の選手がシュートを外しまくったのでまたしても嫌な雰囲気になった。
90分で決着がつかないと延長戦は行われずに、即、PK戦となる。PK戦は避けたい日本は何としてでも決勝ゴールを奪わないといけない展開だったが、後半36分に左サイドを突破したFW西川潤のグラウンダーのクロスからFW唐山が鼻先で合わせてようやくの勝ち越しゴールを奪った。FW唐山は今大会3ゴール目となった。2対1で競り勝った日本は苦しみながらもベスト4入り。2大会連続のW杯出場を決めた。
■ 決定機を外しまくったが・・・。U-16とU-19のアジア選手権は準々決勝が大一番になる。大抵の場合、アジアの枠は「4」なので、準々決勝で勝利したチームにW杯の出場権が与えられる。どの国も「負けるとチーム自体が解散」となるのが普通。どの国も強い思いを持って準々決勝のピッチに登場するので準決勝や決勝よりもはるかに熱い試合になることが多いが、苦しんだ末にU-16日本代表が2大会連続のW杯の出場権を獲得した。
日本はたくさん決定機を作った。オマーンのA代表というと「守備的なチーム」という印象になる。『守備的なポジションにタレントを擁してカウンターが得意なチーム』と認識している人が多くなると思うが、U-16オマーン代表はドリブルで打開できる選手が多かった。攻撃的なチームだったが逆に守備はルーズだった。日本は序盤から、比較的、簡単に決定機を作ったが、なかなかシュートが決まらなかった。
PK戦に突入した場合、「90分あるいは120分の試合でシュートを外しまくったチームが負ける。」というのがパターンである。相手のキーパーは乗っていたのであのままPK戦に突入していたら高確率でオマーンが勝利したはず。「W杯に出場するためには90分の戦いで決着をつけないといけない流れ」だったので後半36分に生まれたFW唐山のゴールはとてつもなく大きな意味を持つ。値千金の決勝ゴールとなった。
■ ラッキーボーイ的な存在になっているFW唐山FW唐山はこれで3ゴール目。初戦のタイ戦も途中出場でゴールを決めているが、ラッキーボーイ的な存在になっている。スピードがあって裏への飛び出しを武器にしているが、器用な選手ではない。技術レベルはこのチームの中では「下の方」になると思うが、実直にプレーすることが出来る点が大きな武器になっている。FW唐山も最初の2つの決定機を外してしまったが、3度目の正直でゴールを奪うことができた。
日本はフィニッシュの精度が低かったが、各選手はアグレッシブにプレーした。大半の選手は高評価に値するプレーを見せたが、ここぞの試合で特大の存在感を発揮したのは10番のFW西川潤だった。「俊輔・2世」とも言われているが、大一番で躍動。日本が作ったほとんどの決定機に絡む脅威的な活躍だった。2点目を取れるチャンスがありながら決められなかったのは反省点と言えるが見事な活躍だった。
準決勝は「オーストラリアとインドネシアの勝者」と対戦する。決勝まで進んだときは韓国 or 北朝鮮が相手になると思われるが、準決勝の相手がオーストラリアになったとしても、若年層のオーストラリア代表はA代表ほど強くないので勝てる可能性は高い。どちらかというとタレントに恵まれない世代なので「W杯のチケットを獲得しただけで十分」と言えるが、ベスト4まで勝ち上がったので欲は出てくる。
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