■ 移籍の話①ワールドカップ明けのシーズンであること、南アフリカ大会での日本代表チームの活躍したこと、さらには、今夏にドイツに渡ったドルトムントのMF香川、シャルケのDF内田らが活躍していることもあって、いつになく、日本人選手の海外移籍の噂が飛び交っている。
これまで決定しているのは、2010年はセレッソ大阪でプレーしたMF家長のマジョルカへの移籍。外国人枠の問題もあって、マジョルカでプレーするのか、違うチームでプレーするのかは分からないが、彼くらいの選手であれば、どんなチームでも活躍できるだろう。
また、移籍が決定的になっていると報じられているのは、ロアッソ熊本のFWカレン・ロバート。日本代表候補であるDF吉田麻也のいるオランダのVVVへの移籍が確実になっているらしい。スピードもあって、キック力もあって、献身的なプレーも出来るので、活躍できる可能性はゼロではないように思う。
もともと、オランダリーグはアヤックスやPSVといった上位クラブを除くと、それほどタレントはおらず、設備も整っていないチームが多い。FWカレンの場合、現状でフォワードとして見ると、武器が不足しているように思えるので、サイドハーフあたりでプレーするのがベターであるようにも思うが、このあたりはチーム事情や監督が何を求めているのかにもよる。とにかく、まずは、出場機会を得てアピールしてほしいところである。
■ 移籍の話②また、日本代表で浦和レッズのMF細貝萌もドイツのレバークーゼンへの移籍するという話が出ている。レバークーゼンはブンデスリーガでは現在3位の強豪チームある。とりあえず、ドイツ2部で首位を走るアウクスブルクへ期限付き移籍する可能性が高いというが、このタイプの選手は自分一人ではどうすることも出来ず、チームにマッチできるかどうかが活躍できるかの分かれ目であり、半年ほど2部でプレーしてドイツに慣れるというのも悪くはないのではないだろうか。
一方、トルコの1部リーグのカイセリスポルからオファーがあったという川崎フロンターレのMF中村憲剛であるが、どうやら川崎Fに残留することになりそうである。欧州のクラブがまず重視するのは「年齢」であり、いくら即戦力になりうる選手としても、30歳くらいの選手の場合、欧州移籍を望んでいたとしても状況が厳しい。日本代表でも実績も十分なMF中村憲であるが、5大リーグからオファーはなかった模様である。
イングランドでも、スペインでも、ドイツでも、イタリアでも、フランスでも、MF中村憲のようなゲームを作れて、かつ決定的なパスも出せる選手は本当に不足しているので、それなりのクラブであれば、どのリーグでも「即戦力」としてプレー出来るように思うので、「いいオファーがあれば面白い。」と思ったが、トルコリーグは少し格が落ちてしまうので、移籍の決断は出来なかったようである。川崎Fにとって、MF中村憲が抜けてしまうと大変なことになるので、一安心といえるだろう。
■ 人気のポジションその他では、サンフレッチェのDF槙野も海外移籍を希望しているといわれる。先日、ドルトムントの試合を観戦し、ドルトムントやホッフェンハイムの練習にも参加していたというが、正式なオファーはなかった模様。名古屋グランパスへの移籍の噂もあったが、今オフは、サンフレッチェ広島に残留することになりそうな情勢である。
日本人の海外移籍というと、これまでは、MFかFWの選手がほとんどだった。特に中盤の選手は、MF中田英、MF中村俊、MF小野らが成功をおさめたので、優秀な日本人MFは海外チームも狙い目になっており、噂に上がるのはMFの選手が非常に多かった。
一方で、DFラインの選手は、これまでほとんど海外組がいなかった。しかし、今夏、DF長友、DF内田が海外移籍を果たし、所属チームでレギュラーを獲得しており、今後、サイドバックが海外チームから狙われる可能性は高いのではないかと思われる。世界的にも人材難のポジションであるが、幸い、日本にはサイドバックで質の高い選手が揃っている。
ただ、センターバックに関してはほとんど成功例がない。スイスのバーゼルでプレーしていた頃の中田浩二くらいであり、もっとも世界から遠いポジションになっている。
■ 槙野の海外移籍ということで、海外進出を望んでいるといわれるDF槙野に期待したいところであるが、やはり体格差というのは大きくて、182㎝のDF槙野を獲得することに対して、ドイツのクラブが躊躇してしまうのは仕方ないように思う。例えば、ドルトムントのセンターバックコンビは共に190㎝をオーバーしている。182㎝という身長でセンターバックとなると、かなりのウイークポイントになってしまう。
もちろん、DF槙野の魅力は守備力というよりは、攻撃面である。ただ、DF槙野という選手はペトロビッチ監督の3バックシステムにうまくマッチして飛躍してきた選手であり、ストッパーでありながら攻撃力をフルに発揮できる環境があって、その中でJ1でもトップクラスのディフェンダーへと成長を遂げてきた。かなり特殊なシステムと戦術の中で活躍は出来ているが、オーソドックスなスタイルのチームで成功できるという保証がないのが現状である。
ドイツでは、センターバックだけでなく、サイドバックとしてもテストをされた思われるが、広島ではサイドバックのようなプレーはしているが、純粋なサイドバックの経験はほとんどないのが本当のところ。同じことは、4バックがメインの日本代表チームでもいえることであるが、4バックのサイドバックやセンターバックの経験が少ないことは、海外移籍や日本代表チームでのレギュラー獲得の大きな障害となりうる。
広島で自身の攻撃力を存分に生かせる環境があることは幸せであるが、ステップアップするには、他の環境でプレーできることを証明する必要がある。今後、広島に残留するか、他のJ1クラブに移籍するか、海外のクラブに移籍するか、進むべき道を決めなければならないが、悩ましい立場にあるように思う。
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