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【J3】 2020年シーズンの再・戦力分析 (ロアッソ熊本編) | | |　

ロアッソ熊本

→　「1年でのJ2復帰」に失敗した熊本は元・FC岐阜の大木監督を招聘した。癖の強い監督を招聘してショートパス主体のサッカーに取り組むのは確実である。左SBのDF高瀬(→群馬)が流出して、ベテランのFW原一樹やFW三島康が退団して、DF片山奨とDF植田龍が現役を引退したが選手の入れ替えは少なかった。オフの主力の流出は最小限にとどまっており、軸となる選手はあまり変わらないだろうと思われる。

GK山本海、DF鈴木翔、MF上村周、MF岡本知などが中心になることが予想されるが攻撃的なポジションは点取り屋のFW浅川とFW谷口海が加入したことで厚みが一気に増した。大卒1年目ながら11ゴールを記録したFW北村を含めた「3人の若手ストライカーをどのように起用するのか？」が大きな注目点になる。FW北村やFW谷口海はトップ下やシャドーの位置でもプレー可能。3人の共存は可能と考えられる。

J3は6月27日(土)に開幕することが決定したが熊本県内の新型コロナの感染者数は6月6日(土)の時点では48名となる。県の人口が174.8万であることを考えると「抑え込みには成功した。」と言える。長崎・宮崎・鹿児島の3県は10人台に収まっているので3県と比べると少し多いが人口比で考えると悪くない数字になる。熊本県内で最後に感染者が発生したのは4月29日(水)なので、1か月以上、前の話になる。

それもあって5月11日(月)から熊本は練習が再開できている。Jリーグの56クラブの中ではトップクラスに早い段階で練習を再開できたのはアドバンテージになるだろう。1か月半ほどの準備期間があるが大木監督が就任してスタイルが大きく変わると思われることを考えると有意義な時間になる可能性は高い。すでに練習試合もスタートしており、3週間後に迫ったJ3の開幕戦に向けて着実に前進している。

J3のクラブはまだ今シーズンは1試合も公式戦を戦っていないのでJ1やJ2のクラブと比較すると再開後のスタメンを予想するのは圧倒的に難しいが「昨シーズンのメンバー」ならびに「各出版社の選手名鑑の予想スタメン」をベースに熊本のスタメンを考えると以下のような顔ぶれになる。この11人の中で新加入選手はFW谷口海とFW浅川の2人のみ。その他の9名はいずれも加入して2年目以上の選手になる。

期待したいのは大卒2年目のレフティのMF中原輝になる。2019年はプロ1年目ながら28試合に出場して0ゴール5アシストを記録した。Jリーグ初ゴールは最後まで生まれなかったが5アシストを記録するなど夏以降は押しも押されぬ右SHの主力として活躍した。現役を引退したDF片山奨の「7番」を受け継いでおり、熊本県の山鹿市出身。地元出身のスター候補として今シーズンは大きな注目を集めるだろう。

スタメンの予想が難しいのは左SBになる。29試合で4ゴール5アシストを記録したDF高瀬(→群馬)が流出。長きに渡って熊本の左サイドを支えたDF片山奨も現役を引退した一方で即戦力クラスの左SBの補強はなかった。実績のある左SBは見当たらず、本職の左SBでさえ、１人もいないのでは？と思われる。2019年は不動の右SBだったDF黒木晃を左SBに回すのが最も現実的な策に思えるが右SBの控えも見当たらない。

　GK　山本　海人
　DF　小谷　祐喜　
　DF　小笠原　佳祐
　DF　鈴木　翔登
　DF　黒木　晃平
　MF　上村　周平
　MF　岡本　知剛
　MF　中原　輝
　MF　北村　知也　
　FW　谷口　海斗
　FW　浅川　隼人

2019年はCBの軸として起用されたDF鈴木翔は右SBでも左SBでもプレー可能なので「彼を右SBもしくは左SBに回す。」というのもあり得るが、となると、いずれもCBが主戦場となる大卒2年目のDF小笠原やDF酒井崇、大卒1年目のDF菅田などの成長は不可欠である。他にはDF小谷がいるが最終ラインはかなり手薄である。大木サッカーなので高いフィード力も求められるが最終ラインが熊本のカギを握るだろう。

J3の中では資金力はトップクラスになるが過密日程をどう乗り切るのか？がもう1つの注目点になる。若手主体なので回復力は早いと思うが保有している選手の数は少ない。川崎Fが典型例に挙げられるがパス主体のサッカーに取り組むチームは「相手との接触数」が多くなるので練習中や試合中に怪我人が発生する確率はロングボール主体のチームよりも高い。夏の移籍市場で計算できる選手を2人くらいは獲得したい。

J2からJ3に降格した鹿児島やFC岐阜が「J3の中で飛び抜けた戦力を持っている。」というわけではないので十分に熊本も対抗できると思うが是が非でも結果を残したいシーズンになる。熊本に限らず、Jリーグのすべてのクラブは、これからの数年間、新型コロナの影響で経営が苦しくなると思うがJ2に昇格できれば相当にマシになる。クラブの未来を考えても「何としてでもJ2に復帰したいシーズン」である。

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