■ 監督交代が成功したのは横浜FC2019年のJ2でシーズン途中に監督交代が実施されたのは全部で6件になる。千葉のエスナイデル監督、新潟の片渕監督、横浜FCのタヴァレス監督、福岡のペッキア監督、FC岐阜の大木監督、東京Vのホワイト監督がシーズン途中でチームを離れることになったが横浜FCは後任監督の下平監督になってからの29試合で19勝3敗7分け。快進撃を見せて2度目のJ1昇格を果たした。横浜FCの監督交代は大成功した。
その一方でFC岐阜は北野監督になってからも24試合で4勝14敗6分け。24試合で勝ち点「18」のみ。思うように勝ち点を獲得できずにクラブ初のJ3降格となった。千葉や新潟や福岡や東京Vの監督交代も成功したとは言い難いことを考えると「監督交代がうまくいったのは横浜FCのみ」と言える。J1は鳥栖や神戸が監督交代によって息を吹き返して「J1残留」を勝ち取ったが監督交代が成功しないケースも多々ある。
残留争いが熾烈なJ1と比べるとJ2の残留争いは、例年、そこまでハードではない。ということもあって「J1のクラブほどJ2のクラブはシーズン途中での監督交代を実施しない。」と言えるが今シーズンもいくつかのクラブはシーズン途中での監督交代に踏み切ることになるだろう。J2のクラブのシーズン途中での監督交代の回数をカウントすると2015年は7件、2016年と2017年は3件、2018年は4件、2019年は6件となる。
ざっと見る限り、名古屋のフィッカデンティ監督や浦和の大槻毅監督ほど危うい立ち位置からのスタートになる監督はいないが、やはり、J2の22クラブの監督の中で最も危ない立場になるのは栃木SCの田坂監督になる。2019年は秋以降に大胆な戦術変更を実施して「奇跡の逆転残留」を果たした。絶体絶命のピンチになりながら生き残った点は高評価できるが「今オフの監督続投の決断」に関しては賛否両論ある。
■ 危ういのは栃木SCの田坂監督FWヘニキを前線で起用する選手起用がハマったが苦肉の策だった。あのまま普通に戦っていたら高確率で「J3降格」だったと思うのでこの方針転換は素晴らしかったが年間トータルで考えると十分な仕事が出来たとは言い難い。オフの補強はFW韓勇太(鹿児島)の獲得に成功するなどまずまずだったが戦力的には最も厳しい。開幕から低迷して早い段階で監督交代をせざる得ない状況になることは十分に考えられる。
FC琉球はオフの移籍市場で苦戦を強いられた。エースのMF上門(→岡山)が流出した一方で攻撃陣の目立った補強はなかった。秋に期限付き移籍で加入してフォワードの軸になったFW山田寛(→C大阪)もレンタルバックとなったので「戦力ダウンは否めない。」と言えるが実績のある樋口監督がチームを指揮しているので開幕から低迷して残留争いに巻き込まれたとしても簡単には監督交代は行われないだろう。
同じく愛媛FCもオフの移籍市場では苦戦した。MF神谷(→柏)とMF近藤貴(→大宮)とMF下川陽(→金沢)が抜けたが獲得したのはMF横谷(甲府)やMF森谷(磐田)やMF渡邊一(横浜FC)などベテランが中心だった。攻撃力アップがテーマだったが、むしろ、ダウンしており、普通に考えると残留争いに巻き込まれる可能性は高い。ただ、こちらもよほどのことがない限りは川井監督を早いタイミングで変える選択は取らないだろう。
予算は限られるのでシーズン途中で監督やスタッフを変えるためにお金を使うよりは開幕前後や夏にフォワードやアタッカーを獲得してきた方がよほど効果的である。水戸や群馬や北九州なども残留争いに巻き込まれる可能性はあるが水戸の秋葉監督、群馬の奥野監督、北九州の小林監督は先の樋口監督や川井監督と同じで一定の実績を持った指導者である。よほどの事態にならない限りは監督交代は行われないだろう。
■ 東京Vの永井秀樹監督に漂う危うさJ2の場合はある程度はお金を持っている中規模以上のクラブの方が監督交代を実施する確率は高くなるが危うさを感じるのは東京Vの永井秀樹監督になる。昨夏に監督に就任して20試合で7勝8敗5分けという成績だった。20試合で勝ち点「26」なのでまあまあの成績だったと言えるが真価が問われるのは今シーズンである。2019年は13位でバトンを受けて変わらず13位でフィニッシュしたが上位進出が求められる。
パスサッカーに切り替えたが長い準備期間がある中、どこまでチーム力を引き上げることができるのか?は興味深い。ポジティブに考えられるのは永井秀樹監督にとっては中学時代の恩師である吉武氏がヘッドコーチに就任した点になる。実績のある指導者なので若い監督のサポート役としてはこれ以上ないほどの人材になるが「成績不振で解任・退任→吉武監督へのスイッチ」というのも十分に考えられる。
解任されやすいのは「開幕前の期待値が高かったにも関わらず、結果を残せずに低迷したクラブの監督」であることを考えると補強に成功したクラブの監督で、かつ、Jリーグの監督としての実績が乏しい人はクビを斬られやすい。新スタ元年の京都はFWピーター・ウタカやDFヨルディ・バイスを獲得するなど補強に成功。期待値は高まっているので開幕から低迷した場合、實好監督への批判の声は大きくなるだろう。
大宮や千葉や長崎などもオフの補強に成功しているが高木監督や尹晶煥監督や手倉森監督は実績のある監督である。よほどの事態にならない限りは監督交代は実施されないだろう。一方、オフの補強があまりうまくいかなかった松本山雅や甲府は開幕から低迷する可能性がそれなりある。布監督や伊藤彰監督が退かざる得ない状況になることは十分に考えられる。ともに難易度の高い仕事を任されている。
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