【木曜ニュースX】(570) 最高裁決定後も神社本庁の混乱収まらず…“総長問題”長期化に広がる懸念
『神社本庁』の内部混乱は来年に持ち越される雲行きだ。10月の定例評議員会で、本庁のトップである統理の鷹司尚武氏(※左画像)は、総長問題について異例の発言を行なった。同月に最高裁判所は、鷹司氏が指名した芦原髙穂理事について「総長ではない」という判断を下した。
鷹司氏側が敗訴した格好だが、評議員会で同氏は「芦原氏は総長ではないが、田中恆清氏が総長ということも認めないという主旨の発言をした」(本庁関係者)のだ。田中氏は一連の不動産不正取引等で騒動を起こしてきた渦中の人物。しかし、内部にシンパが多く、役員会は田中氏を総長に推挙して鷹司氏側と対立してきた。
鷹司氏が名指しで田中氏を拒否した格好であり、最高裁決定を受けても正常化しないことが明らかになった。鷹司氏を支援する宮司らのグループは、引き続き田中氏の退任を求める構え。混乱が越年することは確実で、来年に行なわれる役員選挙の結果を待つまで正常化は棚上げとなる。「鎌倉の鶴岡八幡宮のように、新たに離脱する神社が出かねない」(同)という危惧が広がる中で、新年を迎えることになる。
2024年12月号掲載