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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
朝青龍を本当に廃業まで追い込んでよいのか
朝青龍問題はどんどんこじれてきた。元朝潮の高砂親方は、師匠として誠にだらしないし、朝青龍本人の行状も、勿論誉められたことではない。しかし、ヘタをすると本人を引退・廃業にまで追い込みかねない現在の世論の反応を見ると、あまりにも叩かれすぎのような気もする。

その昔、前田山という横綱は、本場所を休場してプロ野球観戦していたのがバレて引退に追い込まれた。今回の朝青龍の行状は、果たしてそれに匹敵するだろうか。

怪我の診断書を提出して巡業を休み、故郷モンゴルに帰国していた際、サッカーの親善行事に出席してプレイしたのが問題の発端。仮病と断定したメディアが多いが、激しい格闘技である相撲の力士が満身創痍なのは当たり前。損傷が無いほうが不思議だが、素人サッカーができたから、仮病とまで断定するのはどうだろうか。

また、この試合自体は、本人の遊びではなく、モンゴルの国が主催した少年向けのチャリティーイベント。「日本外務省を通じて無理に参加を要請し、ご迷惑をおかけしました」と在日モンゴル大使館からも相撲協会に謝罪がされている。前田山のプロ野球観戦とは、だいぶ意味合いが違う気がするがなあ。

巡業に対する意識も、世間の反応と朝青龍で、だいぶ差があるように思える。「大事な巡業をサボってけしからん」という批判が多いのだが、朝青龍には多分、本場所だけが大事で、巡業はどうでもいいんだな。いや、もちろんそれが正しいかと問われるなら答えに窮する。しかし、本場所についてなら、朝青龍は誰よりも真摯に勤めているとだけは言えるだろう。

今までの総合戦績が、539勝137敗17休。初土俵から優勝21回を飾るまで、たったの17休。サボりの片鱗も感じられない成績。この点についても、本場所サボった前田山とはだいぶ違うと思うのだが。

ま、しかし前田山も「本場所サボって引退した横綱」として、再び脚光を浴び、「昔のことを蒸し返すな、ほっといてくれ」とあの世で怒っていることであろう。

協会が課した「本場所2場所出場停止の謹慎中は、病院と部屋以外は外出禁止」という処分も、実に厳しい。仮釈放中の刑法犯罪者だってこれほど自由は制限されていない。人権侵害とさえ思えるくらいの厳罰。

ま、もともと日本相撲協会にとってみれば、たとえ大横綱であっても力士に人権などないのだろう。「嫌なら廃業してモンゴルに帰れ」というメッセージか。それもちょっとひどい話のような気がするのだが。
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コメント
この記事へのコメント
相撲はスポーツではなく相撲道という武道、あるいは宗教儀式なのかもしれませんなぁ。相撲協会や横審などという、魑魅魍魎跋扈する集団が、育成ゲームよろしく横綱を作り上げたのに、予定外に強くなりすぎ、思い通りに動いてくれないのでリセットしようとしてる・・そんな絵が浮かびました。

個人的には、朝青龍にも相撲にもほとんど興味がないのですが、たまにテレビに出張ってくる横審なる謎の集団wがあまりにも胡散臭くて嫌いだったりします。
2007/08/10(金) 14:16:51 | URL | taka #xJy3ruYo[ 編集]
武道なんですが、一面、「興行」でもあって、職業でもある。どこまでが仕事かというのが、割と曖昧模糊としてますね。朝潮は、現役時代もツメが甘く、肝心なところで期待を裏切りましたが、親方になってもちっとも変わってないなあ。
2007/08/10(金) 22:37:14 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
ああ、武道というのは歴史的というか、建前上ですな。興行というのはその通りで、ある意味、古典芸能的になってしまっているのかもしれません。

朝潮は・・ニュース見る限り、子供の使いじゃねぇだろっ、って叫びたくなりました。
2007/08/11(土) 01:16:35 | URL | taka #xJy3ruYo[ 編集]
師匠が弟子のところに説得にいって、朝青龍が言うこときかないと、「交渉不調」(笑)。

親方は、交渉するんじゃなくて、弟子に言うこと聞かせるもんだと思うんですが、やはり朝潮ですなあ。
2007/08/11(土) 03:24:03 | URL | Y. Horiucci #-[ 編集]
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