このところ、歌舞伎座での観劇記録をつけてなかったのだが、7月分を遡って備忘のため。大相撲もあったからなあ。とはいえ、大相撲名古屋場所も観に行ったのだが、記録してないなあ。
7月2度目の週末。日曜には大相撲名古屋場所初日があるので日帰りで名古屋遠征、その前日の土曜日の夜は西大島「與兵衛」と忙しかったのだが、土曜日の昼間は歌舞伎座、「七月大歌舞伎」、第一部観劇に。
第一部は、三代猿之助四十八撰の内、通し狂言「當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)」。
コロナ禍で演目が限られる中、当世の猿之助は、先代、先々代の猿之助から伝わる澤瀉屋家の芸を次々と短く再編集して、歌舞伎座の舞台に掛け続けている。舞台上の演出制約がある中でも、早変わりや宙乗りなどのケレンも工夫して真っ先に復活。コロナ禍の興行では、歌舞伎座、ひいては歌舞伎への貢献は澤瀉屋が一番なのではないだろうか。
「當世流小栗判官」は三代猿之助四十八撰でもあるが、スーパー歌舞伎「オグリ」にもなっており当代の猿之助はそのどちらもを継承。今回も石川耕士の補綴・演出によって台本を切り詰めて、短いフォーマットに再編集しつつ、元の演目の見所を殆ど全て詰め込んで見せた。
序幕、横山大膳の館の場では、猿之助演じる小栗判官が演じる荒馬慣らしが見所。歌舞伎の馬は前後に人が居てせいぜいポクポク歩くのみというのが普通だが、この場での馬は、まず荒馬の擬態が実に躍動的で素晴らしい。こんな馬は歌舞伎で見た事がなかった。馬あしらいに長けた小栗判官に次第に懐いていく変化を見せ、最後は見せ場である馬の碁盤乗りを成功させて見事。馬から演者が出て大拍手を貰うに値するが、物語の演出上そこまでできず、影の力のままに終わるのがお気の毒。
二幕目、巳之助の矢橋の橋蔵は、吉本新喜劇から坂田師匠を借りてきたかのような熱演。「猿之助の兄さんにいい役があると聞いてやってきたらこれだよ」などと楽屋落ちのセリフや、黒御簾に注文つける部分など、大いに客席を沸かせる。
猿之助は二役浪七。堅田浦の切腹の場面は、壮絶な血糊が岩肌にべっとりとつく中を逆落としになり、実に凄惨。納涼歌舞伎かと思った。
大詰め大一場、尾上右近のお駒も、若い女の狂乱と怨霊という怪談風味で、なかなかの迫真。大詰め第二場では、舞踊劇風の演出の要に達者な眞秀のダンス。歌舞伎座の大舞台で子供がエライもんである。澤瀉屋最高齢、寿猿さんも年齢には見えない実にしっかりした演技である。
そして、猿之助と笑也二人が馬に乗る派手な宙乗り。この馬は作り物だが躍動感あるフォルムで一部足が動いたりしてよく出来ている。派手な演出で観客も大いに沸く。最後は主要な演者が舞台に揃い、怒涛の紙吹雪と切り口上で終了。
全般に派手で見どころ満載、ケレン味満載で実に面白かった。ただ、ストーリーを最初から述べよと言われるとサッパリ覚えていないのだった(笑)
7月は、海老蔵の「夏祭浪花鑑」もチケットを取っていたのだが、当日少し微熱があり、ちょっと迷ったが観劇を中止。しかし夕方には熱は平熱に戻って何事も無かった。まあ、強行して見に行くより人に迷惑かけないほうが自分も気分が良い。コロナ禍では、まあしかたない。
さらに第三部「風の谷のナウシカ」は、観に行きたかったのだが、コロナ第七波によって出演者に40人以上の感染者が発生。結局7月18日から千秋楽までの公演がキャンセルとなり、チケットは払い戻しに。まあ、これは劇場側の都合だが、これまたコロナ禍ではやむを得ない。七月大歌舞伎は結局、観劇したのは第一部のみとなってしまった。
7月2度目の週末。日曜には大相撲名古屋場所初日があるので日帰りで名古屋遠征、その前日の土曜日の夜は西大島「與兵衛」と忙しかったのだが、土曜日の昼間は歌舞伎座、「七月大歌舞伎」、第一部観劇に。
第一部は、三代猿之助四十八撰の内、通し狂言「當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)」。
コロナ禍で演目が限られる中、当世の猿之助は、先代、先々代の猿之助から伝わる澤瀉屋家の芸を次々と短く再編集して、歌舞伎座の舞台に掛け続けている。舞台上の演出制約がある中でも、早変わりや宙乗りなどのケレンも工夫して真っ先に復活。コロナ禍の興行では、歌舞伎座、ひいては歌舞伎への貢献は澤瀉屋が一番なのではないだろうか。
「當世流小栗判官」は三代猿之助四十八撰でもあるが、スーパー歌舞伎「オグリ」にもなっており当代の猿之助はそのどちらもを継承。今回も石川耕士の補綴・演出によって台本を切り詰めて、短いフォーマットに再編集しつつ、元の演目の見所を殆ど全て詰め込んで見せた。
序幕、横山大膳の館の場では、猿之助演じる小栗判官が演じる荒馬慣らしが見所。歌舞伎の馬は前後に人が居てせいぜいポクポク歩くのみというのが普通だが、この場での馬は、まず荒馬の擬態が実に躍動的で素晴らしい。こんな馬は歌舞伎で見た事がなかった。馬あしらいに長けた小栗判官に次第に懐いていく変化を見せ、最後は見せ場である馬の碁盤乗りを成功させて見事。馬から演者が出て大拍手を貰うに値するが、物語の演出上そこまでできず、影の力のままに終わるのがお気の毒。
二幕目、巳之助の矢橋の橋蔵は、吉本新喜劇から坂田師匠を借りてきたかのような熱演。「猿之助の兄さんにいい役があると聞いてやってきたらこれだよ」などと楽屋落ちのセリフや、黒御簾に注文つける部分など、大いに客席を沸かせる。
猿之助は二役浪七。堅田浦の切腹の場面は、壮絶な血糊が岩肌にべっとりとつく中を逆落としになり、実に凄惨。納涼歌舞伎かと思った。
大詰め大一場、尾上右近のお駒も、若い女の狂乱と怨霊という怪談風味で、なかなかの迫真。大詰め第二場では、舞踊劇風の演出の要に達者な眞秀のダンス。歌舞伎座の大舞台で子供がエライもんである。澤瀉屋最高齢、寿猿さんも年齢には見えない実にしっかりした演技である。
そして、猿之助と笑也二人が馬に乗る派手な宙乗り。この馬は作り物だが躍動感あるフォルムで一部足が動いたりしてよく出来ている。派手な演出で観客も大いに沸く。最後は主要な演者が舞台に揃い、怒涛の紙吹雪と切り口上で終了。
全般に派手で見どころ満載、ケレン味満載で実に面白かった。ただ、ストーリーを最初から述べよと言われるとサッパリ覚えていないのだった(笑)
7月は、海老蔵の「夏祭浪花鑑」もチケットを取っていたのだが、当日少し微熱があり、ちょっと迷ったが観劇を中止。しかし夕方には熱は平熱に戻って何事も無かった。まあ、強行して見に行くより人に迷惑かけないほうが自分も気分が良い。コロナ禍では、まあしかたない。
さらに第三部「風の谷のナウシカ」は、観に行きたかったのだが、コロナ第七波によって出演者に40人以上の感染者が発生。結局7月18日から千秋楽までの公演がキャンセルとなり、チケットは払い戻しに。まあ、これは劇場側の都合だが、これまたコロナ禍ではやむを得ない。七月大歌舞伎は結局、観劇したのは第一部のみとなってしまった。
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