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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
銀座「鮨 み富」久々に訪問。 
食べログ予約見ると銀座「鮨 み富」に空きがあったので水曜に訪問。

仕事を早めに切り上げて入店したが、カウンタにはまだ他のお客なし。今日はあとでもう一組来るのみだとか。キャンセルもあったらしい。食べログ予約はキャンセル料請求できないんだよねえ。4人以上の予約は取らないなど自衛はしている模様だが。

いつも通りお酒のラインアップを並べて見せてくれる。相変わらず色々あって迷うが、福久長の秋酒ひやおろし「秋櫻」。丸みはあるが癖のないすっきりした飲み口。

まずいつも通りつまみから切ってもらう。

白身はカレイは終了してヒラメに。淡路のマコカレイはブランドになって大層高い。ただ、味が城下カレイに似てサッパリし過ぎて寿司種として値段相応かどうか疑問だと三橋親方。マコカレイはヒラメのしっとりした旨さとはちょっと違う、独特の土臭いような風味も持ち味だものなあ。シマアジも切ってもらう。

貝類は今日は少ないと。赤貝をつまみで。

三橋親方は、このBlogを読んだらしく、「新橋鶴八は頼まないとガリ(酢漬けショウガ)を出さないって本当ですか?」と聞いてきた。まあ、出なかったというお客さんから直接メッセージ貰ったし、同じ人かもしれないが、食べログのレビューにもガリが出なかった話を書いている人がいる。だいたい五十嵐親方本人に聞いても「言われたら出す」という態度だし、私自身も握りに移行して食している時にガリが出てないのふと気づいて「出てないよ」と言った事が何度もあるからねえ、というと「凄いなあ」と感心していた。

「み富」では「銀座新富寿司」の流儀を踏襲して、客席には最初からガリが入った大振りの容器と取り箸が置かれており、客はいつでも自由に好きなだけ取れるシステム。

ただ、極端に食べる人はやはりいて、飲み物が出る前からガリばかり食べ始めて、容器を空っぽにしてしまい、容器ごと「これお替り」と頼んだ2人客がいたそうである。まあ、「寿司屋ではお茶とガリは無料のサービス」が慣習になっているが、あんまり異常な量を食べるのも客の常識的マナーとしてどうかなと思うけれども。

「み富」のガリは甘口で、なかなか食べやすいのだが、実際にはかなり砂糖が入っており、あの容器空っぽにするほど食べたら身体にも悪いんじゃないか。まあいずれにせよ極端はいかん、極端は。

〆てないアジをつまみで。ショウガ醤油で食する。三重の産。最近、三重で上がる魚は良いものが多いと親方。

スミイカは2貫取りくらいの大きさだという。まだ新イカと言ってもよい。ゲソをつまみに貰う。さわやかな甘さ。煮物ではアワビをつまみに。ここでは房総の黒鮑を使うので、そろそろシーズン終了。西や北のものは香りが薄いと。

他のお客さんがいなかったので、三橋親方と寿司種の話や江戸前の寿司仕事、銀座にある店などについてあれこれ話をして実に面白かった。二人組のお客さんが来たので私もお茶に切り替えて握ってもらうことに。

まずは白身の昆布〆から。ヒラメ、そして鯛。鯛は結構大きなもの。まったりした旨味に昆布味が染みてここのすっきりした酢飯によく合う。そろそろ北海道でブリも上がってくるのだとか。もうそんな季節。

ここから光り物を所望。カスゴは柔らかく繊細な〆。コハダは一匹丸づけのサイズ。粋に流線型に捻って握る。これ位の大きさも爽やかな旨さがある。イワシも酢〆が効いて脂が口中でとろける。サンマも所望。今年は豊漁と聞くが、最初は良いものが上がったが、三陸辺りに降りてくると、身は痩せているのだとか。

この店は江戸前の古式を残して、酢〆の酢や煮物の味付けは甘味があるのだが、酢飯には砂糖を使わない。昔の仕事のバランスなのだろう。

注文を受けてから茹で上げる車海老。甘味がちょうどよい。アナゴはツメにコクがあってこれが結構。

最後はこの店独特、名物と言ってもよいカンピョウ巻。味付けも江戸の甘辛で濃いが、分量がこれだけ入っているのは他で見たことがない。もともと「新富」の細巻は全体に具の量が多かったのだそうであるが。

この日は空いていたので、のんびりと飲んで、親方とあれこれ寿司の話も出来て面白かった。帰りは新富町辺りまで歩くかと思っていたが、小雨が止まないので、タクシーを捕まえて帰宅。



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