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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
裁判官国民審査の結果
8月11日の日記で、「一人一票実現国民会議」の事を書いた。一票の格差を是認する判決を出した最高裁判所判事を、選挙と同時に行われる国民審査の際に不信任票を入れて罷免し、それにより政治を動かし、「一票の格差」をなくそうという運動。これを書いた後、国民審査の結果がどうなったかについてはスッカリ忘れていた。

28日の日経衛星版に、この国民会議が結果を載せていたので興味深く読む。同じ結果は、「一人一票実現国民会議Webページ」でも公開中。

もともと裁判官の国民審査は、用紙の上に名前が書かれた順に不信任が多いと言われるのだが、今回もグラフを見るとまさにその通り。投票用紙の最初に名前が出た裁判官への「X」が一番多く、それが順次逓減してゆく。

これは、「X印」つける有権者が、上から順に「X印」をつけ始め、適当なところで、「まあ、今日はこのへんで勘弁しといたるわ」(笑)ということで止める傾向があるからで、この現象は今回もハッキリ結果に出ている。

しかし、「一人一票実現国民会議」が、「一票の格差是認派」として名前を挙げた2人の裁判官(涌井裁判官、那須裁判官)への不信任票(×印)は、明らかにこの傾向から離れて突出して多いのだ。

東京では、この2名の不信任票の平均値と、その他の裁判官の不信任票の平均値とで30%も違う。明らかに、この票は、一票の格差を是正すべきだという意見の現われだろう。もっとも、罷免にはほど遠い不信任票ではあるのだが。裁判官も体面は気にするだろうから、今後の「一票の格差」裁判では、ひょっとして、意見形成に若干の影響があるかもしれない。

ただ、本来の筋論で言うならば、この是正は、やはり立法に求めるべき。司法に、裁判官罷免という形で圧力をかけるのは、どうも筋違いのように思われるのだが。まあ、政治家は自分達の議席が減ることはやらないから、別のところを押さないと実現できないというのも実態なのだが。

ちなみに上記運動のサイトで、私の日本住所での一票の価値を調べると、衆議院で0.58票、参議院で0.23票。ずいぶん価値がないなあ(笑)

参議院は人口に関係なく、まず定数1を全都道府県に割り振った後で選挙区の人口により定数を配分しており、これが一票の格差を大きくしている。この議席配分法は、定数是正の時に最後の土壇場で入ってきたらしいが、青木幹雄やら片山虎之助が悪知恵働かせたのではと邪推したくなる。

アメリカ上院の一票の格差もひどいが、これは建国の精神である州の独立が前提にあるもの。日本の参議院議員が、県の利益代表であってよいはずはなく、これはどうしても是正すべきだと思うのだが。