久しぶりに「新橋鶴八」。2日ほど前にSMSで連絡したら、この日が空いているという事で予約。金曜日だったが、この日から会社はお休み。早い時間に入店。
お酒は福井の「白龍」。癖のない爽やかな口当たり。特に何も頼んでないが適当につまみが切られてくる。白身はもうカレイ。ネットリしたヒラメのちょっと重たい冬の脂から、軽やかな乾いた感じの旨味のカレイに変わると、いつも季節の変わりを感じる。
カツオは生姜醤油で食する。分厚い身を切りつける。皮目を炙った背は身肉に脂より旨味あり爽やかな香り。最近はカツオが年中あるから何時が初鰹なのか迷うけれども、今は三重や和歌山で上がっているとの事。今頃から梅雨時が初鰹の始まりだろうか。
そういえば五月の歌舞伎座では「髪結新三」がかかるんだっけ。初夏の江戸の風情を残す世話物。カツオの腹身のほうはよく脂が乗っている。実に濃厚な味で量も多い。カツオだけで腹にもたれる気がするなあ(笑)
お酒はお代わりして「高雄の天狗」。スッキリした淡麗な味。出汁で煮含めたタコもつまみで。平貝は軽く炙って海苔で挟んで磯辺焼きにして食する。シャコもつまみで。イカと鯛の酒盗でつまみ終了。
トリ貝は種札になかったので最近どうか問うと、シーズン初期に一度肉厚な養殖が出たのだが、その後はさっぱり良いものが無いのだと。貝類は養殖とはいえ魚とは違い餌を撒くわけではないので、味にそれほど変わりないのではと思うけれども、季節によって撮れ高がやはり違うんだなあ。
種札を見るとアナゴも置いていない。いつも入れる対馬の穴子の身が太っておらずよくないとのこと。コハダも置いてはあるが、もう産卵して味が抜けつつある。そういえば、玉子もないな。お好みで注文する客が玉子までたどり着かないので、ロスが多く結局焼かなくなった由。
鶴八系の小柱入れた玉子焼きは、「與兵衛」の親方も師岡親方に教えてもらった鶴八伝来の仕事。伝承が途絶えては困ったことだけれども。
もっとも私も出てくれば食べるが自分で頼む時に玉子焼きは頼まないな。おまかせの時に出せばよいと思うが、「しみづ」でも玉子焼きは薄焼きにしてしまったっけ。
せっかく18年も「鶴八」にいて身につけた伝統を伝える為に弟子は取らないのかと聞くと、募集はしない、教えて下さいと乞うて来る人間、教わらなくても自分で見て覚えて技を盗むような人間でなければ教えられないのだと。握りの修行でも店の魚は使えない。自分で魚を買って来て卸して勉強するくらいでないとダメなんですと五十嵐親方。
しかしその育成方法は、人が余って幾らでも供給され、店側もどんどん商売が拡大した高度成長の頃に、目端が効いて要領の良い奴を効率的に選別してダメなのを早期に追い出すには良かったのだろうけれども、人不足のこのご時世では人材を育成する方針でやらないといけないのでは。しばらくそんな談義を。
日本酒の後で芋焼酎の水割りを飲んで居たのだが、この辺りで握りに。これまた注文無しで出てくる。
タイは昆布〆。まだ身の旨味に軽く昆布の香りが乗った浅い〆だが、米の旨味をふっくらと残したこの店の酢飯によく合って旨い。アジも肉厚で爽やかな脂が乗っている。塩は当てるが酢は軽くくぐらせるだけとのこと。
中トロはぶ厚い切りつけで握りも大きい。赤貝も1貫。たまに食すと赤貝も旨い。マグロづけも。ここのづけは独特の旨味あり。開店当初に比べるとマグロも良いものが入っているように思う。商売と仕入れの循環なんだなあ。
小柱は軍艦で。大星と呼べる大きなもの。小柱と海苔はやはり合う。最後は煮物でハマグリを1貫。これも鶴八伝来の漬け込みの仕事。ツメも旨かった。
最近は酒量も減っているのだが、寿司もそんなに沢山食さずとも満足するようになってきた。特にポーションが大きいこの店に来るとそう思う。握りの大きいこの店で20や30食べるのは大変だ。
店は今週末土日は魚河岸が休みなので休業。4日、5日も市場に合わせてお休みだが、GWの長い休みは取らず、市場が開いている日は原則営業しているとのこと。勘定をして帰り際、親方は食べたもののメモをくれて、「blog早く更新してくださいね」と。うるさいなあ(笑) しかし取り敢えず更新した。
お酒は福井の「白龍」。癖のない爽やかな口当たり。特に何も頼んでないが適当につまみが切られてくる。白身はもうカレイ。ネットリしたヒラメのちょっと重たい冬の脂から、軽やかな乾いた感じの旨味のカレイに変わると、いつも季節の変わりを感じる。
カツオは生姜醤油で食する。分厚い身を切りつける。皮目を炙った背は身肉に脂より旨味あり爽やかな香り。最近はカツオが年中あるから何時が初鰹なのか迷うけれども、今は三重や和歌山で上がっているとの事。今頃から梅雨時が初鰹の始まりだろうか。
そういえば五月の歌舞伎座では「髪結新三」がかかるんだっけ。初夏の江戸の風情を残す世話物。カツオの腹身のほうはよく脂が乗っている。実に濃厚な味で量も多い。カツオだけで腹にもたれる気がするなあ(笑)
お酒はお代わりして「高雄の天狗」。スッキリした淡麗な味。出汁で煮含めたタコもつまみで。平貝は軽く炙って海苔で挟んで磯辺焼きにして食する。シャコもつまみで。イカと鯛の酒盗でつまみ終了。
トリ貝は種札になかったので最近どうか問うと、シーズン初期に一度肉厚な養殖が出たのだが、その後はさっぱり良いものが無いのだと。貝類は養殖とはいえ魚とは違い餌を撒くわけではないので、味にそれほど変わりないのではと思うけれども、季節によって撮れ高がやはり違うんだなあ。
種札を見るとアナゴも置いていない。いつも入れる対馬の穴子の身が太っておらずよくないとのこと。コハダも置いてはあるが、もう産卵して味が抜けつつある。そういえば、玉子もないな。お好みで注文する客が玉子までたどり着かないので、ロスが多く結局焼かなくなった由。
鶴八系の小柱入れた玉子焼きは、「與兵衛」の親方も師岡親方に教えてもらった鶴八伝来の仕事。伝承が途絶えては困ったことだけれども。
もっとも私も出てくれば食べるが自分で頼む時に玉子焼きは頼まないな。おまかせの時に出せばよいと思うが、「しみづ」でも玉子焼きは薄焼きにしてしまったっけ。
せっかく18年も「鶴八」にいて身につけた伝統を伝える為に弟子は取らないのかと聞くと、募集はしない、教えて下さいと乞うて来る人間、教わらなくても自分で見て覚えて技を盗むような人間でなければ教えられないのだと。握りの修行でも店の魚は使えない。自分で魚を買って来て卸して勉強するくらいでないとダメなんですと五十嵐親方。
しかしその育成方法は、人が余って幾らでも供給され、店側もどんどん商売が拡大した高度成長の頃に、目端が効いて要領の良い奴を効率的に選別してダメなのを早期に追い出すには良かったのだろうけれども、人不足のこのご時世では人材を育成する方針でやらないといけないのでは。しばらくそんな談義を。
日本酒の後で芋焼酎の水割りを飲んで居たのだが、この辺りで握りに。これまた注文無しで出てくる。
タイは昆布〆。まだ身の旨味に軽く昆布の香りが乗った浅い〆だが、米の旨味をふっくらと残したこの店の酢飯によく合って旨い。アジも肉厚で爽やかな脂が乗っている。塩は当てるが酢は軽くくぐらせるだけとのこと。
中トロはぶ厚い切りつけで握りも大きい。赤貝も1貫。たまに食すと赤貝も旨い。マグロづけも。ここのづけは独特の旨味あり。開店当初に比べるとマグロも良いものが入っているように思う。商売と仕入れの循環なんだなあ。
小柱は軍艦で。大星と呼べる大きなもの。小柱と海苔はやはり合う。最後は煮物でハマグリを1貫。これも鶴八伝来の漬け込みの仕事。ツメも旨かった。
最近は酒量も減っているのだが、寿司もそんなに沢山食さずとも満足するようになってきた。特にポーションが大きいこの店に来るとそう思う。握りの大きいこの店で20や30食べるのは大変だ。
店は今週末土日は魚河岸が休みなので休業。4日、5日も市場に合わせてお休みだが、GWの長い休みは取らず、市場が開いている日は原則営業しているとのこと。勘定をして帰り際、親方は食べたもののメモをくれて、「blog早く更新してくださいね」と。うるさいなあ(笑) しかし取り敢えず更新した。