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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
今年初めての銀座「鮨 み富」。春の寿司種の香り。
先週金曜日は、久々に銀座「鮨 み富」。仕事帰りに入店するとまだカウンタにはお客さんなし。

三橋親方が、何時も通りお勧めの季節の酒の一升瓶を並べている間に予約の二人客が入って来た。

1月初旬に嗅覚障害になり、3月一杯寿司屋通いを中断していた旨を説明。だからここにくるのは今年初めてになる。最初に頼んだ酒はアルファベットの名前だったが名前失念。お代わりはここの定番、「不動」と「富久長」の酒。

お通しはホタルイカ。現地でスチームしてあるとか。もう既に身は大きくなり味も濃厚になってきた。

つまみはまず白身から。ホシガレイの身と縁側を切ってもらう。身は歯応えありしっかりした旨味。カツオはショウガ醤油で。香りがよい。このところ花粉症で改善は停滞気味だったとはいえ、嗅覚が戻ってきた幸せ。

アジは表面に細かく包丁を入れて。鹿児島産。ふっくらと脂が乗ってきた。トリ貝は三重。この店は握りに拘るので1貫取りの大きさを選んで入れるのだが、比較的肉厚で香りも風味も良い。小柱は細く切った海苔を散らして。海苔と紫蘇の香りは回復のごく初期から感じる事ができた。これも嗅覚の不思議。漬け込みのハマグリもつまみで。

昨今の景気を聞くと、食べログでオンライン予約は英語サイトと連動しているようで、最近外国人の予約が多いのだとか。まったく日本語しゃべれないお客も来るのだが、注文取るのも一苦労なので、今後は日本語NGの客はお断りにしようかとの事。

確かにここも英語メニューが無い。まあ日本語の種札もないから、つまみも寿司もおまかせにするか、お好みならどんな寿司種が入っているかまず聞いて選ばなければいけない。外国人で「俺は寿司マスターだ」なんて威張っていても、日本の寿司屋で季節の寿司種を知って注文できるような者はそうそう居ないからなあ。インバウンドで持っているような寿司屋もあるようなのだが。

この辺りでお茶を貰い、お好みで握りに。まず、ヒラメ、タイ、それぞれ昆布締めで。軽い昆布の風味が同じく軽めのこの店の酢飯に良く合う。光り物はまず稚鮎。3匹づけ。酢で柔らかくなった頭も添えて。風味あり。締めたイワシとコハダ。古式を残す独特の甘さを感じる酢締めが酢飯と相性が良い。車エビは生きた海老の茹で上げを供する。癖の無い甘味。アナゴも軽く炙り返して。ツメも昔風を残す。最後はここの名物、カンピョウ巻で〆。

全般に春の種の香りを感じられるまでに嗅覚が戻って来た事を感じられてよかった。今はスギ花粉が終わり、ヒノキ花粉がピークだが、これが収まってくれたら、もう一段と香りが分かるようになるのではと期待。ほろ酔いでブラブラと帰宅した。