食品の放射能モニタリングをチェックしていると、茨城県、ひたちなか市の二条大麦は、最初の検査(6/10)でセシウムが250Bq、次の検査(6/30)で460Bqと高い値が出ている。これは茨城近隣町村のデータと比べても突出して高い異常値。500Bqという暫定規制値にもスレスレ。しかし茨城県はこの地域について特段の追加検査せず、あと一回で麦類についての検査は終了なんだという。
まるで暫定規制値を超える前に慌てて検査を止めているかのよう。規制内に数値を収めるのが食品モニタリングの目的ではなく、汚染の怪しまれるところを検証するための検査なのだから、突出して高いところがあれば、重点的に検査やって原因を追及する必要があると思うがなあ。他の県の調査態度を調べた訳ではないが、同じような調子でやってるとしたらなんとも感心しない。
茨城県ホームページには、
と書いてあるのだが、食品モニタリングに対する態度がこれでは、どうにも茨城県を信用できない気がしてくるのだった。二条大麦はビール用で、個人として消費するような食物ではないのだが、茨城県の農水産物全体の安全は本当に確保されているのだろうか。消費者に忌避されても、実際にセシウムが出ている以上、それは風評被害ではない。個人的には、農産物に「茨城県」と産地が書いてあったら買わないな。
食品に関しては、どの県の報告でも、「暫定規定値以下ですから安全です」と連発されているのだが、この暫定規制値は、事故直後の3月29日に食品安全委員会が、緊急取りまとめとして決めたもの。セシウムに関して、野菜、穀類、肉、魚などで500Bq/Kg、水と牛乳で200Bq/Kg。食品を、飲料水、乳製品、野菜類、穀類、肉魚その他の5分類にわけ、それぞれから摂取する上限を1mSv/年と割り当て。つまり、全ての食品に規制値相当のセシウムが入っていたら、1年で被曝する実効線量が5mSvになるが、これは安全サイドの数値だとの立場。
しかし、この基準値の見直しに取り掛かった当の食品安全委員会の委員長が7月26日に出したメッセージでは、生涯における追加的被曝の限度として、累積線量100mSvを採用する旨が書かれている。食物だけから年間5mSvも被曝していたら、生涯の追加的被曝で100mSvを達成するのは(年配者は除いて)非常に困難ではないか。
もちろん、このメッセージでは、以前出した緊急取り纏めの暫定規定値について、緊急時にはより柔軟な対応が求められるから矛盾しない、と述べてはいる。しかし既にヨウ素はほとんど環境から消え、福一から放出される放射性物質が最大時の2万分の1になってる現在、セシウムで500Bq/Kgという緊急時の暫定値をそのまま維持する必要はない。速やかにもっと下げるべきだ。
このままでは秋口に、450Bq/Kgの米であっても「農家では自信を持って出荷していますので、安心してお召上がりください」として流通することになる。主食でセシウムが450Bqもあったら嫌だなあ。農産物については、100Bq程度に規制値を落としてしかるべきでは。
水と原乳についても現状は一応コントロール下にあり(原乳にはいずれまたセシウムは出てくるとは予想するが)、管理をきっちりやれば規制値は現在の200Bqよりもっと下げて当然。
水産物については、現在、福島県で漁業が行われていないのはよいニュース。モニタリングでは福島海域の魚介類からは、まんべんなくセシウムが検出されているのだし。しかし魚介類に関しては、西日本の魚は大丈夫で代替がある訳だから、福島で漁業が再開される前に、水産物についても暫定規定値を大きく落とし、流通する食品の汚染度を下げるべきだ。今までのモニタリング見ても100Bqに落としたとて、それほど流通禁止になる魚種はないのだから。
そんなに落としたら出荷規制が多くなって農家や漁師が困るというのは、少なくとも公衆の全体被曝を最小に抑えるという見地からは、まったくの本末転倒に思えるのだが。
まるで暫定規制値を超える前に慌てて検査を止めているかのよう。規制内に数値を収めるのが食品モニタリングの目的ではなく、汚染の怪しまれるところを検証するための検査なのだから、突出して高いところがあれば、重点的に検査やって原因を追及する必要があると思うがなあ。他の県の調査態度を調べた訳ではないが、同じような調子でやってるとしたらなんとも感心しない。
茨城県ホームページには、
茨城県から現在出荷されている農畜産物は、安全が確認されたものです。
農家では美味しい農産物を自信を持って出荷していますので、安心してお召上がりください。
と書いてあるのだが、食品モニタリングに対する態度がこれでは、どうにも茨城県を信用できない気がしてくるのだった。二条大麦はビール用で、個人として消費するような食物ではないのだが、茨城県の農水産物全体の安全は本当に確保されているのだろうか。消費者に忌避されても、実際にセシウムが出ている以上、それは風評被害ではない。個人的には、農産物に「茨城県」と産地が書いてあったら買わないな。
食品に関しては、どの県の報告でも、「暫定規定値以下ですから安全です」と連発されているのだが、この暫定規制値は、事故直後の3月29日に食品安全委員会が、緊急取りまとめとして決めたもの。セシウムに関して、野菜、穀類、肉、魚などで500Bq/Kg、水と牛乳で200Bq/Kg。食品を、飲料水、乳製品、野菜類、穀類、肉魚その他の5分類にわけ、それぞれから摂取する上限を1mSv/年と割り当て。つまり、全ての食品に規制値相当のセシウムが入っていたら、1年で被曝する実効線量が5mSvになるが、これは安全サイドの数値だとの立場。
しかし、この基準値の見直しに取り掛かった当の食品安全委員会の委員長が7月26日に出したメッセージでは、生涯における追加的被曝の限度として、累積線量100mSvを採用する旨が書かれている。食物だけから年間5mSvも被曝していたら、生涯の追加的被曝で100mSvを達成するのは(年配者は除いて)非常に困難ではないか。
もちろん、このメッセージでは、以前出した緊急取り纏めの暫定規定値について、緊急時にはより柔軟な対応が求められるから矛盾しない、と述べてはいる。しかし既にヨウ素はほとんど環境から消え、福一から放出される放射性物質が最大時の2万分の1になってる現在、セシウムで500Bq/Kgという緊急時の暫定値をそのまま維持する必要はない。速やかにもっと下げるべきだ。
このままでは秋口に、450Bq/Kgの米であっても「農家では自信を持って出荷していますので、安心してお召上がりください」として流通することになる。主食でセシウムが450Bqもあったら嫌だなあ。農産物については、100Bq程度に規制値を落としてしかるべきでは。
水と原乳についても現状は一応コントロール下にあり(原乳にはいずれまたセシウムは出てくるとは予想するが)、管理をきっちりやれば規制値は現在の200Bqよりもっと下げて当然。
水産物については、現在、福島県で漁業が行われていないのはよいニュース。モニタリングでは福島海域の魚介類からは、まんべんなくセシウムが検出されているのだし。しかし魚介類に関しては、西日本の魚は大丈夫で代替がある訳だから、福島で漁業が再開される前に、水産物についても暫定規定値を大きく落とし、流通する食品の汚染度を下げるべきだ。今までのモニタリング見ても100Bqに落としたとて、それほど流通禁止になる魚種はないのだから。
そんなに落としたら出荷規制が多くなって農家や漁師が困るというのは、少なくとも公衆の全体被曝を最小に抑えるという見地からは、まったくの本末転倒に思えるのだが。