正月4日は、歌舞伎座の「壽 初春大歌舞伎」第二部。
記録を残すのを忘れていたが、記憶を辿って。最初の演目は短い舞踊劇「春の寿(はるのことぶき)」。新年を寿ぐ祝祭の舞踊二題。
最初は三番叟。神事の格調を持った天下泰平、五穀豊穣を祈る舞踊。梅玉の翁、魁春の千歳の格調高い舞踊に芝翫の躍動する三番叟。新年の目出度い雰囲気によく映える。
2つ目の舞踊、萬歳は、又五郎の萬歳と鴈治郎の才造。家々の門口で踊る、いわゆる「門付け」で商売繁盛を記念する目出度い踊り。賑やかに福を招く様が目出度い。
20分の幕間の後、「艪清の夢(ろせいのゆめ)」。
立身出世を目指した蜀の国の若者盧生が、夢が叶うという枕を高名な道士に貰う。そこから立身出世してやがて晩年に死を迎えるのだが、ふと気づくとその枕でうたた寝をしており、全てはまだ火にかけた粥が炊ける前の一瞬の夢であったという中国の故事。邯鄲の夢、一吹の夢とも称されるが、この故事を基にした物語。長く上映が途絶えていたが8年前に染五郎が復活公演した喜劇の再演。
邯鄲の夢の通り、一眠りした主人公の幸四郎は、現実世界とまったく反対の夢の世界でドタバタと活躍するという荒唐無稽な喜劇。金が無いほど偉いという世界で、一生懸命金を使おうとするのだが、その度に金を貰ってしまい困り果てるなどという設定も実におかしい。
随所に名作歌舞伎の場面をオマージュで使ったりするのも楽屋落ちの笑いを誘う。錦之助が随分と派手な扮装で、突き抜けた馬鹿馬鹿しい演技を見せて観客も大いに沸いた。
その他にも随所でたわいない笑いが満載で、新年のTVで見飽きたようなお笑い番組を見るよりはずっと面白かったなあ。打ち出しの後、ちょっとだけ時間をつぶして、「新ばし しみづ」の新年営業へ。
ところで幕間に三階に上がってみると、亡くなった往年の名優の写真にもう中村吉右衛門の写真が。松竹も仕事が早いというか、もう少し名残を惜しんでから写真を掲載してもよいのではないか。早く見たいなんて人はいないだろう。しかも一人分隙間が空いていて、今度は誰が来るのかなと余計な事まで考えてしまうのだった。
記録を残すのを忘れていたが、記憶を辿って。最初の演目は短い舞踊劇「春の寿(はるのことぶき)」。新年を寿ぐ祝祭の舞踊二題。
最初は三番叟。神事の格調を持った天下泰平、五穀豊穣を祈る舞踊。梅玉の翁、魁春の千歳の格調高い舞踊に芝翫の躍動する三番叟。新年の目出度い雰囲気によく映える。
2つ目の舞踊、萬歳は、又五郎の萬歳と鴈治郎の才造。家々の門口で踊る、いわゆる「門付け」で商売繁盛を記念する目出度い踊り。賑やかに福を招く様が目出度い。
20分の幕間の後、「艪清の夢(ろせいのゆめ)」。
立身出世を目指した蜀の国の若者盧生が、夢が叶うという枕を高名な道士に貰う。そこから立身出世してやがて晩年に死を迎えるのだが、ふと気づくとその枕でうたた寝をしており、全てはまだ火にかけた粥が炊ける前の一瞬の夢であったという中国の故事。邯鄲の夢、一吹の夢とも称されるが、この故事を基にした物語。長く上映が途絶えていたが8年前に染五郎が復活公演した喜劇の再演。
邯鄲の夢の通り、一眠りした主人公の幸四郎は、現実世界とまったく反対の夢の世界でドタバタと活躍するという荒唐無稽な喜劇。金が無いほど偉いという世界で、一生懸命金を使おうとするのだが、その度に金を貰ってしまい困り果てるなどという設定も実におかしい。
随所に名作歌舞伎の場面をオマージュで使ったりするのも楽屋落ちの笑いを誘う。錦之助が随分と派手な扮装で、突き抜けた馬鹿馬鹿しい演技を見せて観客も大いに沸いた。
その他にも随所でたわいない笑いが満載で、新年のTVで見飽きたようなお笑い番組を見るよりはずっと面白かったなあ。打ち出しの後、ちょっとだけ時間をつぶして、「新ばし しみづ」の新年営業へ。
ところで幕間に三階に上がってみると、亡くなった往年の名優の写真にもう中村吉右衛門の写真が。松竹も仕事が早いというか、もう少し名残を惜しんでから写真を掲載してもよいのではないか。早く見たいなんて人はいないだろう。しかも一人分隙間が空いていて、今度は誰が来るのかなと余計な事まで考えてしまうのだった。