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97年から書き続けたweb日記を、このたびブログに移行。
神保町「鶴八」、本年最後の訪問。
神保町「鶴八」も年末最後の訪問をしないと。

先週月曜に電話で席を確認すると、火曜は遅い時間しか空いていないとのこと。水曜は定休日。木曜は空いているというので予約。

仕事を早目に切り上げて神保町へ。カウンタには既に2名。ほどなくもう1名入店。端の席の男性一名は終了時間が切られているのか、座るやいなや焦った感じで甲高い声で次々に握りを注文。こっちはいつまで居て良いんだっけ、終了時間については特に聞いてないよなあ、と心配になったが、まあ後があればそれで知らせてくれるだろうと、一応いつも通りやる事に。

お酒は新潟のお酒を注文したが名前は失念。お通しは軽く酢が効いたアジを炙ったもの。

まずつまみから。白身はヒラメ。ここの白身は大きな個体を仕入れて身を厚めに切りつけるが、何時も身が活かって温度は低い。熟成が流行る昨今の流儀とは違って昔風だが、これが美味い。石丸親方は以前も「熟成って最近よく聞きますけど、そんなに美味いんですかね」と首を捻っていた事があったっけ。

石丸親方が諸岡親方の神保町「鶴八」の門を叩いたのが1966年だと言う。暖簾分けを許されてニュー新橋ビルに「新橋鶴八」を開店したのが1982年。36年営業を続けて、店を引き継でいた前任者が去った修行先の神保町「鶴八」に戻って来たのが2018年の1月。既に神保町でも7年になる。時の経つのはあっと言う間だ。

そんな昔の話を聞きながら。次に塩蒸しを注文。水分を飛ばして炒りつけるように火を通してあるのだが、相変わらず美味い。似た肝も別皿で供される。

サヨリを頼んだら「今日はありませんよ」と。カウンタから見て正面の種札にあったのだが、こっちは前から残っている種札で、本物(笑)は「新橋鶴八」から持ってきた右側に掲げてあるものだったっけ。そちらを見ると確かに無かった(笑)

ブリもつまみで。びっしり脂の乗った腹の身だが脂にくどさはなく天然の旨さあり。漬込みのハマグリもつまみで。鶴八伝来の旨さ。

今年もあっという間ですねと親方。新橋の頃の古いお客さんは随分減ったのだが、新しいお客さんも神保町で増えたのだとか。

この辺りでお茶を貰って握りに。

まずヒラメ昆布〆。昆布の旨味が染みた白身が、米の旨味を残して硬めに炊き上げたここの酢飯に良く合う。中トロも1貫。冬のマグロは脂が乗ってきた。コハダは2。大きさを変えて。何時もながらネットリした旨味。このコハダも鶴八伝来の〆。アナゴも2。トロトロの身にコクのあるツメが旨い。ハマグリのお椀が出て、最後はカンピョウ巻を貰った。

勘定を済ませて「よいお年を」と挨拶して店を出る。この店に来た時に常に感じる、どっしりした充実感。何時もの物が何時ものように旨い。そんな幸せを感じつつ、師走の忙しそうな街をのんびりと帰宅した。


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