先週木曜日、「新ばし 笹田」訪問。なんだかんだでずいぶん間が空いてしまった。過去ロク見ると前に来たのは鮎が出ていた時だから、盛夏と秋をすっ飛ばしてしまった事になる。
早めの時間に入店するとまだカウンタには先客無し。笹田氏によると、私が予約の電話かけたのは、奥さんと「最近お見えになってないな」と話していたその日だったとのこと。「テレパシーですよ」という話だったが(笑)
松茸の時期を逃してしまったなあとボヤくと、笹田氏は「今日は土瓶蒸しでちょっとだけ出ますよ。韓国産ですが」と。今年の日本松茸は盛には大量に出たが時期は短かったのだとか。まあしかし無いよりよかった(笑)
お酒は石川の「農口」。有名な能登杜氏が自分で始めた蔵なんだとか。限定大吟醸「銅」は、さらりと澄み切った淡麗だが、かなりの辛口。料理の邪魔はしないが、好みは別れるんじゃないかな。同じ「農口」ブランドで生原酒なるものもあり。こちらはもっとふっくらした風味と甘味、ボディもある。個人的にはこちらのほうが好きかな。ただ飲むと回る気もするw
最初は先付の三種盛り。紫頭巾は黒豆の枝豆。穴子押し寿司、カラスミは炙ったのと生と。もうカラスミの季節。今年のカラスミは台風の影響でボラの漁獲が激減してずいぶんと高値なんだとか。
温かいままで供される絹担ぎは、実にネットリした旨味。ナガス鯨の尾の身は生姜醤油で。マグロを凌駕する濃い旨味だが獣の臭みはどこにも無い。なんでもアイスランドの漁獲枠で獲ったものを冷凍して、業者が船で日本に運ぶのだが、積み荷が鯨だと寄港を拒否される港があり、日本に到着するまで随分時間がかかる由。入江に追い込んで撲殺したイルカなど食したくないが、ナガス鯨の尾の身は無くなっては困る天然の美味だ。尾の身が入ると必ず業者から買いませんかと電話が入るというが、もうここの店の名物になりつつある。
定番の、壬生菜と揚げの煮物。これまたホッとする味だなあ。お造りは、明石の鯛、壱岐のカツオ。アオリイカ。鯛は上品な脂と旨味。カツオは皮目をカリッと炙って香ばしく、しかし身はネットリと。アオリイカは季節外れのようだが、徳島で揚がったという上質なもの。旨味が上品。
土瓶蒸しは、名残の松茸と鱧。鱧は素晴らしく脂が乗り、出汁に濃厚に溶けている。焼き物は、カマスの幽庵焼き。身は実にふっくらと旨味あり。何か揚げてる音がすると思ったら、付け合せの銀杏。供する直前に揚げて添える。付け合せ一つにもきちんと手がかかっている。
蕪蒸しは海老、銀杏、松茸を細かく切って上に餡がかかる。濃厚な旨味が続いたところであっさりと優しい味の一品。
最後の食事はいつもの通り炊飯土鍋で炊立てのご飯。今年の新米に変わったところ。香り高い米の旨味。ちりめん山椒、お新香、赤出汁を添えて。お代わりにはお焦げが添えられてあるのもいつもの定番。炊立てのご飯の味が分からない外人は可愛そうだなといつも思う一時(笑)
最後はこれまた定番の冷製白玉ぜんざい。甘いものは基本的に食べないが、これは食後でも控え目の甘味で大丈夫。香り高い煎茶も素晴らしい。来週からは蟹が入ってくるとのこと。いよいよ冬だ。また来ないと。
去年、ここに入った若いお弟子さんは、ちょっと歌舞伎役者風のイケメンなのだが、兄貴が「鮨竹」で下働している眼鏡坊主なんだと聞いてビックリ。あんまり似てない気がするなあ。随分と年は離れているのだそうである。
笹田ご夫妻の見送りを受けて、いつもながら満ち足りた気分で店を後にした。
早めの時間に入店するとまだカウンタには先客無し。笹田氏によると、私が予約の電話かけたのは、奥さんと「最近お見えになってないな」と話していたその日だったとのこと。「テレパシーですよ」という話だったが(笑)
松茸の時期を逃してしまったなあとボヤくと、笹田氏は「今日は土瓶蒸しでちょっとだけ出ますよ。韓国産ですが」と。今年の日本松茸は盛には大量に出たが時期は短かったのだとか。まあしかし無いよりよかった(笑)
お酒は石川の「農口」。有名な能登杜氏が自分で始めた蔵なんだとか。限定大吟醸「銅」は、さらりと澄み切った淡麗だが、かなりの辛口。料理の邪魔はしないが、好みは別れるんじゃないかな。同じ「農口」ブランドで生原酒なるものもあり。こちらはもっとふっくらした風味と甘味、ボディもある。個人的にはこちらのほうが好きかな。ただ飲むと回る気もするw
最初は先付の三種盛り。紫頭巾は黒豆の枝豆。穴子押し寿司、カラスミは炙ったのと生と。もうカラスミの季節。今年のカラスミは台風の影響でボラの漁獲が激減してずいぶんと高値なんだとか。
温かいままで供される絹担ぎは、実にネットリした旨味。ナガス鯨の尾の身は生姜醤油で。マグロを凌駕する濃い旨味だが獣の臭みはどこにも無い。なんでもアイスランドの漁獲枠で獲ったものを冷凍して、業者が船で日本に運ぶのだが、積み荷が鯨だと寄港を拒否される港があり、日本に到着するまで随分時間がかかる由。入江に追い込んで撲殺したイルカなど食したくないが、ナガス鯨の尾の身は無くなっては困る天然の美味だ。尾の身が入ると必ず業者から買いませんかと電話が入るというが、もうここの店の名物になりつつある。
定番の、壬生菜と揚げの煮物。これまたホッとする味だなあ。お造りは、明石の鯛、壱岐のカツオ。アオリイカ。鯛は上品な脂と旨味。カツオは皮目をカリッと炙って香ばしく、しかし身はネットリと。アオリイカは季節外れのようだが、徳島で揚がったという上質なもの。旨味が上品。
土瓶蒸しは、名残の松茸と鱧。鱧は素晴らしく脂が乗り、出汁に濃厚に溶けている。焼き物は、カマスの幽庵焼き。身は実にふっくらと旨味あり。何か揚げてる音がすると思ったら、付け合せの銀杏。供する直前に揚げて添える。付け合せ一つにもきちんと手がかかっている。
蕪蒸しは海老、銀杏、松茸を細かく切って上に餡がかかる。濃厚な旨味が続いたところであっさりと優しい味の一品。
最後の食事はいつもの通り炊飯土鍋で炊立てのご飯。今年の新米に変わったところ。香り高い米の旨味。ちりめん山椒、お新香、赤出汁を添えて。お代わりにはお焦げが添えられてあるのもいつもの定番。炊立てのご飯の味が分からない外人は可愛そうだなといつも思う一時(笑)
最後はこれまた定番の冷製白玉ぜんざい。甘いものは基本的に食べないが、これは食後でも控え目の甘味で大丈夫。香り高い煎茶も素晴らしい。来週からは蟹が入ってくるとのこと。いよいよ冬だ。また来ないと。
去年、ここに入った若いお弟子さんは、ちょっと歌舞伎役者風のイケメンなのだが、兄貴が「鮨竹」で下働している眼鏡坊主なんだと聞いてビックリ。あんまり似てない気がするなあ。随分と年は離れているのだそうである。
笹田ご夫妻の見送りを受けて、いつもながら満ち足りた気分で店を後にした。
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